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お名前： くろ
下記の件についてわからないので、どなたか教えてください.
課税所得が60百万円で現金主義の会社が発生主義へ経理処理を変更しました.簡略のため、取引は売掛金と買掛金だけとします.
’98 ’99
売掛金 40百万円 20百万円
買掛金 15百万円 30百万円
結論から帳簿所得は95百万円なのですが、売上を20そのままを足し返すことはわかるのですが、15はどのように考えるのでしょうか。
買掛金 15 仕入 15と考えるなら、仕入の戻しとして15を足し返すことができるのでしょうか.また、
買掛金 15 現金 15とも考えることができます.
どなたか解決の糸口を教えてください.
[2001/09/17 14:11:24]
お名前： ぐれ
ＵＲＬ
こんにちは、くろさん
一歩戻りまして、現金主義、発生主義、それぞれにおいて何を売上とし、何を仕入として
いるのかをお考えになるとよろしいのではないかと思います。
仕 入 売 上
───────┬─────── ───────┬───────
発生主義の→ Ａ │ │ Ｂ ← 発生主義の
当期の仕入 │ │ 当期の売上
│ │
売 掛 金 買 掛 金
───────┬─────── ───────┬───────
期首売掛金→ ４０ │ ｂ ←当期の 当期の→ ａ │ １５← 期首買掛金
│ 売掛金 買掛金 │
│ 決済 決済 │
│ │
当期の売上→ Ｂ │２０ ←期末 期末 → ３０│ Ａ ← 当期の仕入
は掛け売上 │ 売掛金 買掛金 │ は掛け仕入
│ │
│ │
おなじみ発生主義におきましては、売上がＢ、仕入がＡですね。売掛金・買掛金の決済は
その後に生じる資産負債の変動に過ぎません。ここで、発生主義における所得は、「Ｂ−
Ａ」ということになります。
ところが現金主義においては、関連する現金の収入支出があった時点で収益費用を認識い
たします。ということは、現金が入ってきたｂが売上、現金が出ていったａが仕入という
ことになります。現金主義による所得は「ｂ−ａ」です。
Ｂとｂ、Ａとａのずれは、上に書いた売掛金勘定と買掛金勘定を見ていただければおわか
りのように、
Ｂ＝ｂ＋２０−４０
Ａ＝ａ＋３０−１５
ですから、
Ｂ−Ａ＝（ｂ−ａ）＋（２０−４０）−（３０−１５）＝（ｂ−ａ）−３５
ということになりましょう。ところでこの会社はこれまで現金主義によってきたわけです
から、帳簿上の所得は現金主義によるもの（すなわち「ｂ−ａ」）が計上されているはず
です。課税所得は発生主義によるものとすれば、「Ｂ−Ａ」が６０百万円ということにな
るのではないかと思います。すると、帳簿上の所得が９５百万円となります。
これを仕訳で考えるのは、ちと面倒です。なぜなら、掛売上や掛仕入について通常目にす
る仕訳は、発生主義で作られているからです。これを現金主義にするなら、掛けで売り上
げたときは、まだ現金主義のもとでの収益を認識しないので、貸方を仮売上などの仮勘定
にしておいて、売掛金を回収したときに通常の仕訳に加えて、仮売上を売上に振り替える
などの「現金主義に基づく仕訳」をまず考えることが必要となるでしょう。そして、それ
と発生主義に基づく仕訳とのずれを修正仕訳として考えることになります。が、これは難
しいのではないかと思ったりもします。
[2001/09/19 15:01:14]
お名前： くろ
ぐれさん こんにちは 回答ありがとうございます.
わたしの質問の箇所で98年と99年がテレコになってたみたいですね.ぐれさんからのヒントより次のように考えました.
帳簿所得 ｘ
調整項目 � �
��
課税所得 60
調整項目は発生主義から現金主義へ調整.この場合、99年中の取引が
�’箜欟癲�20 売上高 20
��買掛金 15 仕入高 15 �△亡悗靴討枠�生主義の取引なので、貸方に現金勘定がくるの
はありえない.
よって
帳簿所得 ｘ
調整項目 -20
-15
課税所得 60
より、帳簿所得は95になる.どうですか、ぐれさん これで
[2001/09/20 12:00:36]
お名前： ぐれ
ＵＲＬ
こんにちは、くろさん
現金主義と申しますのは、収益と費用を、その関連する現金の収入と支出があったときに
認識する方法です。売掛金や買掛金といった債権債務については、現金主義とは関係なく
認識します。発生主義による掛けの売上があった場合、
（借）売掛金 ××× （貸）売上 ×××
というふうに、資産の取得に見合った収益を計上するわけですが、現金主義では、この時
点では収益を計上しません。そこで、これを貸借対照表上の貸方項目として繰り延べてい
くことになりましょう。たとえば、繰延収益という勘定を仮想的に作ってみましょう。
（借）売掛金 ××× （貸）繰延収益 ×××
そして、売掛金を現金で回収したときには、現金収入に見合って売掛金を減少させるとと
もに、繰り延べられた収益が現金主義における収益にもなったので、
（借）現金 ××× （貸）売掛金 ×××
（借）繰延収益××× （貸）売上 ×××
というふうに、繰延収益を売上に振り替えます。仕入はちょうど逆に繰延費用を使って、
現金を支出する時点を待つことになるでしょう。
おっしゃっている「テレコ」という意味はわたしにはよくわからないので、仮に、
９８末 ９９末
売掛金 ４０百万円 ２０百万円
買掛金 １５百万円 ３０百万円
であったとします。そうしますと、当期において、現金主義による「売上」として認識さ
れた「ｂ」は、前期の売掛金を回収した４０百万円と、当期に売掛金を取得して当期に回
収した「ｂ−４０百万円」を含むことになります。それ以外に、当期に売掛金を取得した
けれどもいまだ回収がない２０百万円が存在するわけです。
ここで、設問とは反対になりますが、現金主義から発生主義に変更する仕訳を考えてみま
しょう。
（１）前期の売掛金を回収した４０百万円について
現金主義会計においてはこれはまさに当期の売上として認識されていますが、発生主義会
計においては、前期の収益であるはずです。売掛金が減少したのは事実ですから、これを
修正する必要はありませんが、現金主義会計における当期の「売上」は、発生主義の観点
からは過大になっています。前期の「発生主義における売上」を含んでしまっているので
す。逆に申しますと、前期の（発生主義の意味の）売上は少なすぎたので、これを修正し
て特別利益を立てます。修正仕訳としては、以下のようになるでしょう。
（借）売上 ４０ （貸）前期売上修正益 ４０
（２）当期に売掛金が発生して当期に回収したｂ−４０百万円について
これは現金主義、発生主義に関わらず、当期の収益として問題ない部分です。ですから、
何ら処理を必要としません。
（３）当期に売掛金を取得したが未回収の２０百万円
現金主義会計においては、この部分は売上として認識されておらず、貸借対照表項目たる
繰延収益とされています。しかし、発生主義会計においてはまさに当期の収益＝売上であ
るはずです。そこで繰り延べるのではなく、売上に計上するために、振替仕訳が必要にな
ります。修正仕訳としては、以下のようになるでしょう。
（借）繰延収益 ２０ （貸）売上 ２０
同様に、仕入については、以下のようになりましょう。
（借）前期仕入修正損 １５ （貸）仕入 １５
（借）仕入 ３０ （貸）繰延費用 ３０
そこで、問題にありますように、発生主義から現金主義に戻す処理を仕訳によって示すな
らば、上の処理の逆をやればよいのですから、以下のようになるでしょう。
（借）前期売上修正益 ４０ （貸）売上 ４０
（借）売上 ２０ （貸）繰延収益 ２０
（借）仕入 １５ （貸）前期仕入修正損 １５
（借）繰延費用 ３０ （貸）仕入 ３０
わたしにちょっとわからないのは、前期収益修正損益が発生主義による当期の損益計算に
含まれているのだとすると、現金主義による所得と発生主義による所得は１０百万円のず
れに過ぎない点です。ここでは、「課税所得」には、この前期損益収益項目は含まないも
の（過年度の課税所得計算において考慮ずみ）として考えました。
[2001/09/21 09:16:07]
お名前： くろ
ぐれさん 返事がおそくなってスミマセンでした。
ぐれさん。わたしはテクニックのことばかり考えていました。ぐれさんのレスをキ−プして復習
になんどもつかわさせてください。
ありがとうございました。
[2001/09/25 12:05:23]
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