記事タイトル:手待時間について |
直接工賃金の計算で、手待時間に賃率をかけた金額を間接労務費→製造間接費としますが、 手待時間がさらに管理可能、管理不能に分けられている場合、(解答によると)管理可能時間に 賃率をかけた金額のみ製造間接費とされているようです。 このようなケースについて、以下2点の質問であります。 質問1)管理不能な手待時間はどこへ? 管理不能な手待時間にかかる賃金は(製造間接費としないなら)、どのような処理をもって どのようにP/Lに反映されるのでしょうか? 賃率差異?販管費?営業外?特損? 質問2)そもそも管理可能な手待時間とは? 手持ちのテキストによると、手待時間とは 停電や材料待ち、工具待ちなど工員の責任以外の原因で作業が出来ない 待ち時間。 ということになっております。 これを素直に読めば手待時間とは、とりもなおさず「管理不能」という事に なるのように思うのですが、具体的にどのようなものをして管理可能、不能 と分けるのでしょうか? どなたか、ご教授お願いいたします。[2001/09/26 04:51:21]
こんにちは、ももたさん まず二番目のご疑問について考えてみます。管理可能費とは、原価の発生が一定の管理者 層にとって管理しうる原価を指します。管理の可否は相対的な概念でして、現場の工員や 現場管理者にとって管理不能であっても、上位の管理者にとっては管理可能となることも 往々にしてあります。 手待ちは現場の工員にとって管理不能な原因、たとえば、材料が来なかったとか、機械が 整備に入ったとか、故障したとか、そういうことで実際に作業ができない時間です。確か に現場では管理できないでしょうが、工場全体、あるいは企業全体としては、時間通りに 材料や工具が届くように手配すべきでしょうし、機械の整備は工員の作業時間と重ならな いように(あるいはその時間は工員をそこに配置しないように)すべきものでしょう。す なわち、ほとんどの場合、企業内の誰かがきちんとそれを管理すべきものであるわけです から、管理可能費ということができましょう。 本来、厳密に考えるならば、一体誰にとって管理可能とされる部分が、その問題において 「管理可能」とされているのかが問われなくてはならないことにお気づきのことと思いま す。しかし問題としては、その事実認定まではさせずにそのまま考えてもらいたいという 程度の意図で書いてあるものなのでしょう。 しかし、このことは、次の管理不能な手待についての賃金の処理については、微妙な問題 を投げかけます。原価計算基準は原価を管理可能費と管理不能費に分類すべきことを諸処 において要請しますが、その区分をどう活用するかについてはほとんど述べるところがあ りません。しかし、問題において管理不能とされた部分が、企業全体の観点から管理不能 とされたのだと仮定した場合、そのような意味の管理不能費とはおそらく臨時的・偶発的 な原因によって生じた「どうしようもない」手待ち時間が多く含まれるであろうことが想 定されます。これらの臨時偶発的な原因によって生じたものは、管理不能費だからではな く、異常なものであるがゆえに非原価とされるべきでしょう。 それでも「管理不能」ということと「異常」ということの間には微妙なずれがあるのでは ないかとも思えるのですが、そのへんは私にはよくわかりません。 さて、非原価とされた部分の処理ですが、異常ゆえに非原価としたのであれば、それは特 別損失か、重要性が乏しければ営業外費用として処理するのが妥当なのではないかと思う ところです。[2001/09/26 17:31:20]
ぐれさん、回答頂きありがとうございます。 質問2について 管理可能、管理不能については原価計算基準で分類が要請されていたのですね。 基準を通読した事が無かったので知りませんでした。^_^; 早速、会計法規集で確認いたしました。 現場又は下位管理者レベルではなく、工場或は企業全体での管理可能性をもって 分けるのですね。納得! 質問1について こと手待に関する限り、管理不能費とは天災、盗難などの臨時偶発的な原因によって生じた時間にかかるであろうことが想定されるゆえに、非原価とされるという事で、 一応の納得はするのですが、ぐれさんのおっしゃる「微妙なずれ」というのが、 やっぱり引っかかりますね。 この点については、時間がある時に、自分でももう一度調べてみたいと思います。 考え方の端緒をつけて頂いただけでも感謝です! ありがとうございました。[2001/09/28 05:30:09]