こんにちは、ありがトーマスさん
「同額を取り崩す」という指示がある場合、一般には、実際の買い入れ額を取り崩せばよ
ろしいのではないかと存じます。たとえば、TAC出版『出題パターンと解き方』という
本を見てみたのですが、89回、90回ともに買い入れ額で取り崩しておりました。
そもそも、ということになりますと、ちょっとやっかいです。
任意積立金は株主が「この分はなにかの資産でお取りおきしておいてね」と言っているだ
けなので、さほどの規制がないのです。通常は、「実際に使った分を取り崩して下さい」
というのが株主の意向でしょうから、残りは次の総会において利益に戻し入れることにな
ると思います。
しかし、株主の意向が「全額を取り崩して下さい」という意向であった場合はもちろん、
全額を取締役会で取り崩すべきですし、さらに、「積立金がその目的を達して、もはや積
立金として積み立てておく必要がなくなったとき」にも取締役会の決議だけで取り崩すこ
とができるとする考え方もあります(飯野利夫『財務会計論〔三訂版〕』12−5頁)の
で、その全額を取締役会において取り崩した場合に、違法であるとまでは言いにくいので
はないかと存じます。
そういうこともあるので、たいていは指示がつきます。
[2001/08/06 12:00:09]