記事タイトル:経過勘定 


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お名前: ようこ   
こんにちわ。
今日から1級5ケ月コースを始めました。
いきなりの疑問で先が思いやられます・・・

期首に行う開始手続きとして、経過勘定の再振り替え仕訳がありますよね。
これをわざわざ行う理由は何でしょうか?
例えば未払費用なら、実際に支払ったときに「未払費用:現金」と仕訳すれば
それでよいと思うのですが。
再振替することで、結果として「未払」が消滅し、「費用」勘定を期首の貸方にもってスタートすることになると思いますが、実際には期首ではまだ未払の状態であり、仮に7月1日に支払う
とすると(3月31日締決算として)4月1日〜6月30日までは未払いの状態であるにもかか
わらず それが表記されていないという間違った決算になりませんか?

よろしくご教示お願いします。
[2001/01/08 23:33:10]

お名前: takuya   
4月1日〜6月30日の間に、企業外部者に報告する必要はありません。
逆に、再振替仕訳をしないと、当該費用がP/Lに計上されずに、虚偽記載になってしまいます。
[2001/01/08 23:47:47]

お名前: takuya   
間違えました。

×1年1/1に100,000を借り入れた(返済日×5年12/31、年利12%、利払日12/31)。
なお、当社の決算日は3/31であるとする。

      <制度上の処理>     <ようこさんの主張する処理>

×0年度末の経過勘定処理      ×0年度末の経過勘定処理

支払利息 3,000/未払費用 3,000  支払利息 3,000/未払費用 3,000

×1年度期首の再振替仕訳       ×1年度期首の再振替仕訳

未払費用 3,000/支払利息 3,000   仕訳なし

×1年12/31(利払日)        ×1年12/31(利払日)

支払利息 12,000/現金預金 12,000 未払費用 3,000/現金預金 12,000
                   支払利息  9,000

×1年度末の経過勘定処理       ×1年度末の経過勘定処理

支払利息 3,000/未払費用 3,000     支払利息 3,000/未払費用 3,000

P/Lに計上される支払利息              P/Lに計上される支払利息
=12,000(1年分)                  =12,000(1年分)
B/Sに計上される未払費用              B/Sに計上される未払費用
=3,000                             =3,000

となりますから、別にどちらでもよいはずですね。
よく知りもしないで恐縮ですが、経過勘定項目は、仮勘定的な性質を持っているので、
未払金等とは違い、決算時にのみ使おうとしているからではないでしょうか。
[2001/01/09 00:21:03]

お名前: タカシ   
タカシと申します。
私の知っている実務(中小企業の実務しかしりませんが)の範囲でお答えします。

実務では、結果が同じであればその間の処理の差異は問わないことが多いのですが、
利払の段階で、

未払費用×××/現金預金×××
支払利息×××

という仕訳をすることは少ないと思います。
それは、利払時の仕訳を

支払利息×××/現金預金×××

という一行の仕訳に常に統一したいからです。
特に借入口数が多い場合は、未払費用の額を把握するのも大変という場合が少なくないのです。
決算業務等と日常業務を行う人が同じであれば、上記の二行の仕訳を行うことも可能です。
しかし、決算業務等を行う人と日常業務を行う人が異なる場合には、二行の仕訳を行うことは、
不可能ではないとしても、かなり煩雑になります。

簿記の理論的な裏付けとはやや異なるかもしれませんが、期中における処理を統一したいため
再振替仕訳を行うということになると思います。

なお、簿記の検定試験とは直接関係ありませんが、実務では、再振替仕訳は、
翌期の決算段階で行うことが多く(結果は変わりません)、
現金主義による(経過勘定項目の設定を行わない)場合も少なくありません。
[2001/01/11 20:57:26]

お名前: BJ@肩こりなんすよ   
「経過勘定の再振替仕訳が期首に行われる理由」

・・・わかりません。・・・ごめんなさい。

以下、反論ではありませんので。

「いいわけれす」

検定試験などでは、経過勘定(ここでは、未払費用)の再振替仕訳は期首に行うものと
決まっているようです。理論的な裏付けは知りませんが、おそらく慣行なのではないで
しょうか。勘定口座の穴埋め問題などは、期首に再振替仕訳を行ったという前提で答え
る必要があります。しかし、期中や期末に再振替仕訳をする場合もあります。例えば、
決算整理前試算表から決算整理後試算表を作成する問題で、決算整理前試算表に経過勘定
があるケースです。これは、期首にすべき再振替仕訳が行われていないことを示していて、
解答者自らが訂正する必要があります。

ところで、貸借対照表は、一定時点の財政状態を示すものです。
それから、損益計算書は、一会計期間の経営成績を示すものです。
少なくとも、外部報告用の財務諸表作成に目的を置いた場合、極端な話、
適正な財務諸表が作成されていればそれでいいことになります。
(もちろん複式簿記による記録は必要ですが。)
そのため、実務では、可能な限り無駄を省く傾向があります。

「現金主義と発生主義」
今日の企業会計は、発生主義に根差しています(実際には、理論上も純粋に発生主義で
費用・収益を把握していません)。もし、発生主義に忠実に期中処理しなければならない
としたら、借入日から利払日まで毎日、

支払利息 ××× / 未払費用 ×××

上記の仕訳を行う必要があります。また、減価償却なども毎日行うことになります。
あくまでも会計理論上の話ですが、これらは時間の浪費ですよね。

会計理論(財務諸表論)上の時間的単位は「一会計期間」です。
ですから、学習簿記のように仕訳(日々の取引の記録)については深く追求しません。
学習簿記(簿記論)上も同じ(時間的単位)なのですが、学習簿記は主に「日々」の
会計処理について研究された学問です。
いずれにも「日々の記録」と「結果としての報告」が欠かせませんが、
学習簿記は「日々の記録」についてこだわります。より合理的(実務的)な方法が
あっても、約束事と違っていれば不正解になります。
しかし、こだわるといっても、やはり程度問題ですし、すすんで非合理的な方法を
採用しているのではありません。ですから、今日発生した取引であっても、今日記録
せずに、決算に際して一括して記録する場合があります。これが決算整理です。
(減価償却費が除却・売却のときに期首〜当日分計上される場合などもありますが。)

ところで現金主義ですが、会計理論上の現金主義というのは、費用・収益が現金の
支出・収入によってのみ把握されるという考え方で、掛け売上や手形仕入れなどは
把握されません。

・決算も現金主義でおこなう(でも、売掛金とかかる売上を立てている)。
・経過勘定は設けない(資産・負債を無視し、かかる費用・収益も無視する)。

これらは事務所でよく耳にする内容なんですが、未熟なわたしにはどうなのか・・・。

「?」
・期中に現金主義で記帳してきたものを、期末に発生主義に切り替えることで、経過勘定と
 かかる費用・収益を記帳する。
・経過勘定は計算擬制的資産・負債である。

掛け仕入れ等も記帳しているのに、現金主義とは・・・。
経過勘定は明らかに真性の資産・負債であるはず・・・。
しかし、上記のように記述されている本や辞書がありました。
批判しているのではありません。間違っているとは思えませんから。
学者による考え方の違い・・・???
[2001/01/14 06:33:47]

お名前: takuya   
>BJさん

複式簿記じゃなくても構いません。
正規の簿記の三要件さえ満たせばよいのです。
財表の典型論点ですね。

それから、最後の方で疑問に思っていらっしゃることですが、全然おかしくありませんよ。

>期中に現金主義で記帳してきたものを

部分的に現金主義で記帳しているのであって、現金主義会計を行っているわけではありません。

>経過勘定は計算擬制的資産・負債である

これは、静態論会計においては資産・負債ではないという意味です。
静態論会計では、個別的な財産価値を持つものだけが資産とされ、また法的確定債務だけが負債とされます。
つまり、静態論会計においては認識されず、今日のような動態論会計において初めて認識される
資産・負債は、計算上の資産・負債であるということになるのです。

財表の典型論点ですね。
[2001/01/14 09:32:47]

お名前: タカシ   
実務と検定試験の簿記とでは処理等が異なる事が多々あります。
多くは実務上の簡便な処理を採用することによるものです。
ただ、自分的にも何故?という項目がいくつかあって、その一つが経過勘定項目の処理です。
もう一度、自分でも頭を整理したいので、あえて書かせていただきます。

「経過勘定の再振替仕訳が期首に行われる理由」について、ポイントは次の二つです。
再振替仕訳を独立させて行うのは何故か?
再振替仕訳を期首に行うのは何故か?

はじめの点については未払利息を例にとれば、個々の利払いの都度、利息の支払額のうち、
未払費用分がいくらかを確認するのが煩雑だというのが実務上の理由でしょう。
利払時点の仕訳が(借方)支払利息で統一できると期中処理(仕訳等)を行う人が何も考えずに処理できます。
簿記理論上も、期中の同じ取引は、同一に処理するということでよかったように思います。

問題は翌期首に再振替仕訳を行うのは何故か?という点です。
問題を解く上ではそのような前提があるということを意識することがおそらくは大切で、
実務的には、翌期首でも翌期末でも何ら問題はないと思います。

以下が理由ですが、簿記検定とはかなり離れます。
それは、決算での整理方法として、間接整理法をとった場合と直接整理法をとった場合の
翌期首の勘定残を同じにするためということらしいです。

間接整理法は通常の方法です。
直接整理法は経過勘定をたてずに直接損益勘定と残高勘定に当期の損益額と資産・負債額を
振替える方法です(ちなみに直接整理法は簿記検定とは無縁です)。


現金主義は、論理的には、現金収支を費用・収益の認識の基準にするということです。
ただし、商品の販売に関して現金主義(基準)を採用したという歴史的な事実はないという
記述を目にした記憶があります。
つまり、商品を売って儲けようという商人が、品物を納めて代金の請求までしているのにその
儲けを認識しないのはむしろおかしいということでしょうか。
今現在もすべての費用・収益を発生主義で認識している訳ではなく、その基本がどこにあるか
ということなんだろうと思います。

BJさんの事務所でいわれた現金主義というのはニュアンスとしては商品の販売に関しては、
むしろ権利確定主義(半発生主義)に近いと思います。
商品は納品(引渡)してあるが、まだ代金の請求をしていない部分は、売上にたてないという
事ではないでしょうか。
過去に純粋な現金主義が貫かれていた事がないとすると、これを「現金主義」といっても
さほど遠くはないのかな、という感じでしょうか。


会計学で認識というと費用や収益をどの会計期間に計上するのかという意味で使用されている
ようです。
その基準としての現金主義(基準)等も費用収益の期間帰属の決定基準の意味を持ちます。
ですから期中の個々の取引は基本的には収支の事実に基づいて記録されます。
その収支をそのまま受け入れるのが現金主義でその収支を発生という角度から割り振るのが
発生主義だということですから、現金主義・発生主義そのものが基本的には、個々の記帳段階
での話ではないということになると思います。


なお、(中小規模の会社の)実務上の簡便な処理の根拠の多くは、法人税において、
認められるかという点にあると思われますので、簿記の基本とは異なる部分が多いのだと
思います。


簿記検定にあまり関連がない上にとても散漫になってしまいました。
失礼致しました。
[2001/01/14 14:42:57]

お名前: BJ@おお!?   
お二人ともありがとうございます。
最初に書き込みしたのではなし、親切にしてくださいまして、
感謝しております。

タカシさん、
勉強させていただきました。私、「税」の「ぜ」の字もしらず、また、7月に財表(税理士)
を受ける者です。ぜひまた、何かありましたらご助力下さい。

takuyaさん、
おひさしぶりです。お元気そうで何よりです。

>部分的に現金主義で記帳しているのであって、
 現金主義会計を行っているわけではありません。

う〜ん。愚問でした。ごめんなさい。

>これは、静態論会計においては資産・負債ではないという意味です。
 静態論会計では、個別的な財産価値を持つものだけが資産とされ、
 また法的確定債務だけが負債とされます。
 つまり、静態論会計においては認識されず、今日のような動態論会計
 において初めて認識される資産・負債は、計算上の資産・負債である
 ということになるのです。

今一歩、教えてください。お願いします。
ちょっと前に、財表で繰延資産について勉強したんですが、
「繰延資産は財産価値がないため、商法会計上、計算擬制的資産である。しかし、
 今日の企業会計においては、将来の収益力要因としての性質を持つため、真性の
 資産とされている。」
というようなことを、会計士受験生の友人から聞きました。
計算擬制上の資産、という場合には「商法会計上」という前提が必要で、
「今日の企業会計」という前提があった場合は、真性の資産になる・・・と、
言ってました。
これって、takuyaさんのおっしゃることと微妙にちがうような気が
するのですが・・・それとも、静態論会計・動態論会計(うう・・知りませんでした。)
とはまったく別の話なんでしょうか。
愚問でしたら、お許し下さいませ。

>財表の典型論点ですね。

う〜ん。身にしみるお言葉。ありがとうございます。
[2001/01/15 00:38:38]

お名前: BJ@わすれもの   
takuyaさん、
申し訳ありません。一点わすれてました。

正規の簿記の三要件のうちの「秩序性」には、誘導法が含まれていたと思います。
これは、複式簿記によることを要請していることにはならないのでしょうか。

よろしくお願いします。
[2001/01/15 00:50:44]

お名前: BJ   
takuyaさん、
誠に申し訳ありません。繰延資産のくだり、ちょっと言葉足らずでした。

もちろん、経過勘定が繰延資産ではないことは承知しております。

経過勘定、例えば前払費用は、将来の収益力要因としての性質を有し、
かつ、財産価値を持っているため、今日の企業会計であれ、商法会計上であれ、
真性の資産である。・・・と記憶しております。

以上、付け加えます。うるさくしてごめんなさい。
[2001/01/15 02:32:16]

お名前: takuya   
秩序性とは、すべての記録が、一定の法則に従って、
組織的・体系的に秩序正しく行われていることをいいます。
他方、誘導法は、貸借対照表の作成方法です。
帳簿記録の秩序性が、貸借対照表の作成方法によって担保されるのは、
論理的に矛盾していると思いませんか?

因みに、会計士二次の短答式で、過去に出題された論点なんですよ。

それから、”今日の企業会計”ですが、これは現代の会計理論を意味している思います。
制度会計では、あくまで強行法規である商法に従うことになりますから。
[2001/01/15 02:40:44]

お名前: takuya   
恐らく、その学者は、商法とは別に、動態論会計で初めて認識されるものを
計算擬制的資産と捉えていると思います。
[2001/01/15 02:51:42]

お名前: BJ   
>恐らく、その学者は、商法とは別に、動態論会計で初めて認識されるものを
 計算擬制的資産と捉えていると思います。

いや〜、なっとくしました。静態論・動態論、勉強します。ありがとうございました。

>秩序性とは、すべての記録が、一定の法則に従って、
 組織的・体系的に秩序正しく行われていることをいいます。
 他方、誘導法は、貸借対照表の作成方法です。
 帳簿記録の秩序性が、貸借対照表の作成方法によって担保されるのは、
 論理的に矛盾していると思いませんか?

 因みに、会計士二次の短答式で、過去に出題された論点なんですよ。

「秩序性」から「誘導法」そして「複式簿記」というつながりが間違いという
ことですよね。

では、「正規の簿記の原則」から「複式簿記」というつながりも間違いなのでしょうか。
[2001/01/16 02:58:21]

お名前: takuya   
>では、「正規の簿記の原則」から「複式簿記」というつながりも間違いなのでしょうか。

複式簿記は、一般に正規の簿記の三要件を満たすと考えられているので、
正規の簿記の原則により複式簿記を採用しているとは言えます。
ただ、複式簿記がかかる三要件を満たすための必要条件ではないということです。
[2001/01/16 07:35:19]

お名前: タカシ   
BJさんへ
場違いかなとも思いましたが、少しでもお役に立てたとしたらうれしく思います。
財表、頑張って下さい。
[2001/01/16 23:31:51]

お名前: BJ   
takuyaさん、

やたっ! わかっちゃいました。いや〜〜財表楽しくなってきました。
今回もいろいろとありがとうございました。


タカシさん、

く〜〜っ。やはり、先輩から励まされるとジ〜ンときます。
かさねがさね、ありがとうございます。
[2001/01/17 01:19:54]

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