記事タイトル:有価証券について 


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お名前: ちい   
とってもはずかしいんですけど、切放方式と、洗替方式ってどうちがうんですか?
あと全部資本直入法と、部分資本直入法の違いを教えてください。
[2001/10/04 05:38:16]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、ちいさん

【金融商品に係る会計基準関連:99回日商検定には関係ありません】

1.切放方式と洗替方式

有価証券を決算時(これを第一期末と呼びましょう)に時価評価しますと、有価証券は2
つの価額を持つことになります。それは取得原価と第一期末における評価額です。第二期
においてこの有価証券を売却した場合、あるいは、第二期末においてこの有価証券を時価
評価する場合、いったいどちらの価額と売却時の価格や第二期末の時価を比べるべきなの
か考えておかないといけません。

それはやっぱり直近に時価評価した「第一期末における評価額」でしょう、と考えるのが
切放方式です。取得原価は忘れてしまっていいわけです。ということは、第一期末に時価
評価した価額を帳簿価額とした後、なんら処理せずにこれを帳簿価額とし続けることによ
り目的は達成されます。

他方、取得したときは特別だから、やはりいつでも「取得原価」と比べたいものだ、と考
えるのが洗替法式です。この場合、いったん第一期末に時価評価して、その価額を帳簿価
額としますが、その後いつ売却しても取得価額とそのときの価額を比較できるように、帳
簿価額を取得原価に修正し直しておかないといけません。そこで、技術的には期首の再振
替仕訳によって帳簿価額を取得原価に修正します。

もちろん、第一期末以前にも時価評価していたなら、第ゼロ期末の時価とかそういうのも
あるわけですが、いくらなんでも途中の価額を使うのは合理性がないなあ、ということで
無視されます。

ただし、思いっきり時価が下がってしまった場合はちょっと特別なので、たとえ洗替法式
をとっていても、このおもいっきり下がった時価を取得原価と考えることにして下さいね
ということになっています。強制評価減の場合の切放方式の強制はいわば取得原価の書き
換えということになります。

2.全部資本直入法と部分資本直入法

「その他有価証券」を時価評価することにしても、その評価差額はなんなのか、という問
題が残りました。その他有価証券を売買目的有価証券と比べたとき、時価の変動によって
もうけようとはそもそも考えていないことや、いつでも売り払えるわけではないというこ
とが、その特徴として考えられるわけです。そうであれば、この評価差額を当期の損益と
するのはちょっと問題だなあ、ということとなったわけです。

振り返れば、「当期の損益とする」というのは、時価が上がっていれば評価益を立て、時
価が下がっていれば評価損を立てるということです。そしてその結果として、純損益が増
減し、ひいては未処分利益が増減し、資本の部が増減します。貸借対照表で見ると、きち
んと貸借が合致します。めでたしめでたし。

でも、その他有価証券については、評価損益を立てないことにしたのです。でも時価評価
するから、貸借対照表の借方は増減してしまいます。貸借が合わない。。。

それなら、というので、貸借対照表の資産を増やしたり減らしたりした分に対応して、直
接、資本の部を増やしたり減らしたりすればいいじゃないか、という画期的な(しかしあ
まり理論的ではない)技術が考案されました。これが全部資本直入法です。

ところで、昔から低価法という、有価証券の時価が下がったときには、有価証券の帳簿価
額を切り下げて評価損を立てるという処理が行われてきました。これは一般に保守主義の
考え方によるものとされます。つまり、時価が下がったときには、売買目的有価証券に関
する現在の処理と同じことが行われてきたわけです。最初に「評価差額を当期の損益とす
るのは問題だなあ」ということになったと書きましたが、そんなりくつとは関係なく、当
期の損としてきた会社もあるわけです。(益としてきた会社はありませんよ)

しかし、これにも保守主義という大義名分があるんだから認めるべきじゃないのか、とい
うことになりまして、時価が下がったときには評価損を立て、時価が上がったときには評
価益を立てずに直接資本の部を大きくする、という2本だての方法が考えられました。こ
れが部分資本直入法です。

というような感じでいかがでしょう。
[2001/10/04 07:58:56]

お名前: ちい   
ぐれさん、朝早くからありがとうございました。他の方への文章も拝見させてもらいましたが、ぐれさんはとても詳しくわかりやすく書いてくれるので、私もぐれさんからコメントがいただけたらなぁって思ってました。ぐれさんは会計士とか専門学校の先生なんですか?私はわからないとこがたくさんあるので、これからもコメントお願いします。
[2001/10/04 08:55:07]

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