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お名前： ぺこ
お世話になります。
全部原価計算と直接原価計算の違いがいまいち掴めず、
困り果てています。
直接原価計算は製造原価は変動費のみで計算するため、
固定費部分はすべて費用としてカウントされます。
しかし、ならば、同じ、売上高８００、０００円があった場合、
全部も直接も、原価と費用かの割合が違うだけで、
売上高からマイナスしてすれば、残る営業利益は、
同じではないか？ と思いました。
そこで、売上原価を分析すると、期首又は期末製品棚卸高がある場合に、
全部原価方式では、期首・期末製品の変動費部分に加えて、
固定費部分もひっくるめて
売上高から落としてしまうのに対し、
直接原価方式では、変動費部分だけしか落とさないため、
期首・期末商品の単価によっては、差額が生じ、
最終的な営業利益の額が変わってくる、ということまでわかりました。
し、か、し、最後のつめがわからないのです。
私の見ているテキストの例題では、
売上高・・・共に８００，０００円
期首・・・全部は直接に比べて、＋４０，０００円
期末・・・全部は直接に比べて、△−８０，０００円
営業利益・・・期首と期末の差し引き△４０，０００円分、
売上高から控除する金額が増え、
結果的に、全部の方が直接に比べて、４０，０００円
営業利益が多い。
●全部・・・１４０，０００円
●直接・・・１００，０００円
では、固定費部分を売上原価に入れないということはどういうことなのでしょうか？
（どちらがより正確な(?)方法なのでしょうか？）
及び、直接原価方式の側から言えば、
売上原価に賦課されなかった期首・期末商品の
固定費部分はどこへいってしまうのでしょうか・・・？？？
何か根本的な問題にまで立ち帰ってしまい、何度考えていても、迷宮入りです。
どなたかこの疑問を教えていただけませんでしょうか？
よろしくお願いします。
[2001/09/19 11:42:20]
お名前： タカシ
ちょっと例をあげますと、
製品売価 ＠１０万
変動費 ＠３万
固定費 月１０万
この条件で、製品を月間2個製造（仕掛品はなし）
(1)２個とも製品が売れた場合
(2)1個売れて、1個が在庫の場合
(1)２個売れた場合
�〜管�原価計算の場合 ��直接原価計算の場合
売上高 ２０万 売上高 ２０万
売上原価 変動売上原価
月初（＋） ０ 月初（＋） ０
当月（＋）１６万 当月（＋） ６万
月末（−） ０ 月末（−） ０
差引計 １６万 差引計 ６万
売上総利益 ４万 限界利益 １４万
固定費 １０万
営業利益 ４万 営業利益 ４万
(2)１個売れた場合
�〜管�原価計算の場合 ��直接原価計算の場合
売上高 １０万 売上高 １０万
売上原価 変動売上原価
月初（＋） ０ 月初（＋） ０
当月（＋）１６万 当月（＋） ６万
月末（−） ８ 月末（−） ３
差引計 ８万 差引計 ３万
売上総利益 ２万 限界利益 ７万
固定費 １０万
営業利益 ２万 営業利益 △３万
ちょっと例が悪いかもしれませんが、
製品が全部売れてしまった場合、つまり期末に製品の在庫がない場合（(1)の場合）には、両
方法の利益は等しくなります。
では全部売れなかった場合、つまり期末に製品の在庫がある場合（(2)の場合）には、どうか
というと、営業利益に(1)２万−（△３万）＝５万の違いがでます。
この５万はどこに原因があるのかというと期末（月末）の製品棚卸高の違いです。
つまり直接原価計算では固定費をすべて期間費用（その期・月の費用）として処理しますが、
全部原価計算では、製品の製造原価の計算上、考慮しますので、この製品が売れ残ったりする
と資産として処理されることになるのです。
固定費部分は資産になっちゃってます。
資産（製品、仕掛品）が多い分、費用は少なく、結果として営業利益は、全部原価計算の方が
多くなります。
翌月にはその分月初の棚卸高が多くなる訳で、全く逆の関係になりますよね。
結論としては、
直接原価計算の営業利益 ＋ 期末製品（と仕掛品）に含まれる固定費
− 期首製品（と仕掛品）に含まれる固定費
＝ 全部原価計算の営業利益
という関係が成り立ちます。
このような直接の利益→全部の利益への調整は固定費調整と呼ばれます。
これは試験範囲なんですよね。
どちらが正しい利益の計算かという点については、一概にはいえないところだと思います。
直接原価計算方式は、株主等の報告用としては認められていません。
でも一体、製品を何個売れば、儲かるようになるのかといった計算（短期の利益計画）のため
には、直接原価計算が役立つのです。
[2001/09/19 23:17:31]
お名前： ぺこ
たかしさん、こんにちは。
今回もとてもわかりやすいご説明有り難うございます。
まさに、なるほど！の連続なのですが、すみません、以下
について、もう一度教えていただけないでしょうか？
１．全部原価計算での期末製品在庫の固定費部分は資産となる、とのことなんですが、
売れ残った商品が資産というのは理解できるのですが、
なぜ、損益計算書の中で、貸借対照表の区分である「資産」に関する話が
出てくるのか、わからなくなってしまったのです。
売り物としての資産はp/lで、売り物以外の本社建物はb/sという
ように考えると良いのでしょうか？
何か大きな前提を見落としていると思うのですが、
もう一度、このあたりをお教え願えませんでしょうか？
２．書いて下さった式
直接原価計算の営業利益 ＋ 期末製品（と仕掛品）に含まれる固定費
− 期首製品（と仕掛品）に含まれる固定費
＝ 全部原価計算の営業利益
についてなのですが、
通常、直接原価計算の利益を全部原価計算に直すとどうなるか（固定費調整）
と考えた場合、
△３＋（１０÷２）−０＝２
２を算出するための左辺の式は、全て、直接原価計算の数値から
ひっぱってきた、ということで良いでしょうか？
３．直接原価計算方式は、株主等の報告用には認められていない、のは、
「短期」ではなく、「長期」的な展望にたって、経営の報告を
しなければならない為、ということでしょうか？
（固定費の分だけ、利益が少なくなるので、「本来の」利益より
結果的に少なくなるのがだめ、となると、やはり、全部原価方式の方が
「本来」？）
以上、つまらない質問で申し訳有りませんが、お時間が許せば、
よろしくお願い致します。
[2001/09/22 11:50:24]
お名前： タカシ
全然つまらない質問じゃありませんよ。
むしろすごく核心的です。
だからわかりにくかったとしたらそれは私のせいではなく、きっと題材のせいです（ちょっと言訳）。
１、
財務諸表の関係でいいますと、
売上原価 → 損益計算書
製品 → 貸借対照表（資産の部）
に記載されます。
売上原価＝期首製品棚卸高＋当期製品製造原価−期末製品棚卸高
ですから、
減耗や評価損等がなければ 損益計算書の期末製品棚卸高＝貸借対照表の製品 です。
つまり両方に影響する（片方が多ければ片方は少ない）んです。
ちょっと次の仕訳を考えてみてください。
製品を売り上げた。
売掛金 ××× 売上×××
売上原価××× 製品××× ← こっちの仕訳です。
この仕訳は、
貸方 → 製品（という資産）が売れて無くなってしまった（資産の減少）
借方 → 「売れてしまった製品の製造原価」=売上原価という費用をあげる（費用の発生）
というような意味だと思います。
まとめていえば、
製品勘定（資産）を売上原価勘定（費用）に振替える仕訳というような感じでしょうか。
売上原価は費用で、製品は資産ですから、この金額自体が変われば、
売上原価（費用）が大 → 製品（資産）が小 → 結果として利益が小
売上原価（費用）が小 → 製品（資産）が大 → 結果として利益が大
という関係があります。
製品の流れに着目すると、
材料等 → 仕掛品 → 製品 → 売上原価
という感じになりますが、 ↑ここで売上原価にならなかった部分は、製品として残る
訳です。
この関係は建物の減価償却の場合も同じですよね。
直接法を前提にすると、
減価償却費××× 建物××× ですが、
減価償却費 →費用
建物 →資産
ですから、
この仕訳の金額が大きくなれば、
資産が小 → 費用が大 → 利益が小
でやはり損益計算書にも貸借対照表にも影響します。
ここはあたりまえのようですごく大事なことだと思いますよ。
２、
>△３＋（１０÷２）−０＝２
これはまさにそうです。
ただ、１０万の固定費で ２個の製品を造って １個残っている訳ですから、
かっこのなかは
（10万÷２個←製造分）×１個（←在庫分）
が正確かもしれませんね。
>２を算出するための左辺の式は、全て、直接原価計算の数値から
>ひっぱってきた、ということで良いでしょうか？
全部原価計算と直接原価計算の違いは固定費の取扱いにありますから、そういってもいいかも
しれませんが、これはちょっと私がピンときていません。
計算のもとになる資料そのものは、問題でいえば問題文そのものにありますよね。
この例では、製造数量が同じで販売数量が異なっています。
これで製造数量が違って、製造間接費を予定配賦しているとズバリ本試験で出ている問題です。
ちょっとせっかちかもしれませんが、過去の89、93回（いずれも第５問）の出題あたりで実
際に固定費調整をやってみてはいかがでしょうか（難しいとは思いますが、力はつくと思いま
すよ）。
３、
ここはすごく難しいところなんです。
もちろん二級のレベルは大きく飛び越えています。
伝統的な制度会計（株主等への報告のための会計）では、全部原価が採用され、これに対して
直接原価計算という手法が考案された訳です。
どちらが「真実の原価」（本質的）なのかという議論は厚手の原価計算の本などには紹介され
ていたりしますが、読むとクラクラします。
「利益」や「資産」についての会計学的な理解がないとつらいかもしれません（って、私がつ
らいんですが）。
国内で制度化されていないのは、
原価計算基準というのがあってここでの直接原価計算の取扱いがちょっとだから（重要視され
ていない）とか、
税法が認めないからとか、
いろいろいわれたりするようですが、
資産に対する考え方等が異なるという点が大きいようです。
[2001/09/22 23:30:35]
お名前： ぺこ
たかしさん、こんばんわ。
すごく長文で本当に有り難うございます。
ものすごく時間がかかったのでは・・・？ 感謝感謝です。
たかしさん、こんばんわ。
１、
最初、
売上原価××× 製品×××
だけ読むと、この貸借の数字は同じだと思うので、
売上原価（費用）が大 → 製品（資産）が小 → 結果として利益が小
売上原価（費用）が小 → 製品（資産）が大 → 結果として利益が大
という意味がわからず、自分の頭の悪さに目眩がしそうになりました。
（文字通り、製品が１００なら、売上原価も１００？？？ １０００なら１０００，
永遠に一緒？？？）
しかし、
貸方 → 製品（という資産）が売れて無くなってしまった（資産の減少）
借方 → 「売れてしまった製品の製造原価」=売上原価という費用をあげる（費用の発生）
や、特に、
減価償却費××× 建物×××
減価償却費 →費用
建物 →資産
によって、確かに、建物の資産価値はどんどん減っていって、費用（借方）は
どんどん増えていくので、
資産が小 → 費用が大 → 利益が小
と意味がとてもよくわかりました。
減価償却がよりよく分かったというのは、建物を最初に買ったときに、
建物 ＸＸＸ 当座預金 ＸＸＸ
という最初の仕訳があることに気づいたからです。
そして、建物の借方をどんどん貸方で相殺していくことを考えると、
資産の減少というのがとてもよくわかりました。
これを、売上原価と製品の関係に戻すと、
材料等 → 仕掛品 → 製品 → 売上原価
↑ここで売上原価にならなかった部分は、製品として残る
上の、材料等から製品までの蓄積が資産（借方）としての製品ってことですよね。
とてもよくわかりました！
２、
現在、ここの方もお薦めだった「過去パタ」の第１問あたりを
うろちょろしてまして、商業付けなので、早く工業にも移りたいです。
忘れないうちに・・・
３、
これもとてもよくわかりました。
認められていないのは、どちらかがより正確か、という本質的な問題じゃなくて、
国内で現段階ではまだ直接・・・が制度化されていない等の理由なんですね。
なんだかすごく難しく考えてしまってました。
本当に有り難うございました。
（またお世話になると思います！）
[2001/09/23 00:28:45]
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※半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
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