記事タイトル:価格差異と数量差異 


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お名前: かんしーたーしぇ   
いくら本を読んでも分からないので、教えてください!

価格差異=(標準単価−実際単価)×実際消費数量
数量差異=標準単価×(標準消費数量−実際消費数量)

意味はわかります。計算が合うのも納得できます。が・・・。なぜ!

価格差異=(標準単価−実際単価)×標準消費数量
数量差異=実際単価×(標準消費数量−実際消費数量)

としてはイケナイのか、理由が見つからないのです(>_<)
このままではどっちがどっちだかはっきりしないまま・・・うぅ。

当然、賃率差異と作業時間差異においても同様の疑問に悩まされております。

どなたか、ズバッと斬ってください!!お願いします!
[2001/08/22 00:41:17]

お名前: 書いてみたかっただけの者   
さて、ズバッと斬れるでしょうか(笑)

まず、数量差異ですが、これに実際価格(実際単価)ではなく標準価格(標準単価)を使う
理由は、純粋に、「標準消費数量−実際消費数量」を貨幣的に測定しようとしてるから
です。仮に、実際価格を使ってしまうと、実際価格は原価計算期間(一ヶ月)ごとに変動
するのが普通なので、実際価格を使うと、その変動が数量差異に混入してしまい、純粋
に、「標準消費数量−実際消費数量」を貨幣的に測定することができなくなります。市
価の変動は、工場の良悪に関係がないからです。なので、標準価格を使います。
(基本的に標準価格は毎期(1年)ごとの改訂なので、原価計算期間単位では滅多に変動
しないことになります。)

次に、価格差異についてですが、これの解釈は2通りできます。

まず、数量差異から考えていく考え方。価格差異とは、これは自社で把握したところで、
だから何?というようなものでしかありません。つまり、数量差異の場合には、その計
算上ズレ(標準消費数量−実際消費数量)があれば、作業員の教育、工程の改善等、な
んらかの措置によって差異を無くす努力ができますが、しかし、価格差異の場合には、
それは単に市価の変動分であって、通常はそんなのを1企業がどうにかできるようなも
のじゃないと考えられています。つまり、市価なぞ企業の管理対象ではないという当た
り前の話です。なので、差異が出たら出たでしょうがないというシロモノで、差異が出
たときには、せいぜい標準価格の改訂のきっかけになる、というくらいのものです。な
ので、標準原価から実際原価を差し引いたものが標準原価差異で、その中から数量差異
を差し引いた更なる残りが価格差異ということになりますが、そうなると、その価格差
異をストレートに求めようとするならば、差異の内訳が市価の変動と能率の良悪による
ものであると考えるなら、価格差異=(標準単価−実際単価)×実際消費数量じゃない
と、計算が合わなくなります。というように、この話は、数量差異を優先させた価格差
異の考え方で、もっぱら工場ありきの考え方です。工場に関係ない差異など、そんなに
厳密に考えなくていい、ということです。

で、もうひとつの価格差異の考え方は、購買部門の仕入れに関する業績評価という面から
の考え方。これは先の話と違って、工場ありきではなく、標準原価差異を工場(製造)だけ
でなく、購買部門にも適用しようっていう考え方です。つまり、いかに安く仕入れること
ができたかの指標として使おうという発想です。とするならば、価格差異の算定の時には、
それを通しで使う分には、標準消費数量だろうが実際消費数量だろうが、どっちでもいい
といことになります。なぜなら、消費数量が標準で収まったかそれを超えたかという話は、
工場に関する話であって、購買には関係ないからです。よって、この点だけを見れば、ど
ちらでもいいということになります。

さてそこで、しかし、そもそも標準原価計算の目的の最たるものは原価管理、平たく言え
ば、身内の管理であって、よって標準原価差異の算定は、その数量面(時間面も含む)を重
点に差異を把握することになるので、どちらでもいいとはいえ、価格差異を標準消費数量
で計算してしまうと、先に話したように計算が合わなくなります。よって、実際消費数量
を使って価格差異を算定すれば、純粋に数量差異も把握でき、かつ、購買の業績評価にも
「まぁ不都合がない」ということで、一般的には、

>>価格差異=(標準単価−実際単価)×実際消費数量
>>数量差異=標準単価×(標準消費数量−実際消費数量)

と計算することになります。もちろん、労務費、製造間接費に関する標準原価差異も同様
に考えてよろしいです。

で、ここからはちょっと余談ですが、先に伏線を張ってしまうと(笑)、実際消費数量を使
って価格差異を計算すると、工場を原因とするズレが価格差異に混入されてしまって、結
局、購買部門の業績評価の役には立たないではないか、という疑問も起こるかもれません
が、それについては、標準消費数量を使ったところで同じなんです。どちらを使っても、
原価計算期間毎に工場のせいで変動はしますから。よって、購買部門にとっては、どちら
を使うかということが問題になるのではなく、どちらを「通しで」使うかが重要になって
きます。

また、本気で購買部門の業績管理を考えるなら、それは価格差異は価格差異でも、今回の
消費価格差異のほうではなく、受入価格差異のほうで考えるのが普通なので、上記に書き
ました消費価格差異と購買部門の業績評価の関係などという話は、わざわざ語るほど大事
な話ではないんです。



と、断言調に書いてますが、全部私の考えです。もちろん、それなりのところで習って
はいますが・・・とはいえ、綺麗には斬れなかったかな、長ったらし〜(^^;

後の人のレスも待ちましょう。そうじゃないっていう意見があったらご遠慮なく願います。
但し、日商の話ですから、混合差異を持ち出すのはなるべく控えましょう(と思うのデス)。
                                     m(__)m
[2001/08/22 10:21:13]

お名前: 書いてみたかっただけの者   
追加というか注意というか。勘違いしてもらっても困るし、勘違いされてると思われるの
も嫌だし(笑)

最後のほうで少しばかり書いてある、消費価格差異、受入価格差異という言葉は、本当は
実際原価計算の時の言葉で、よって、今回の標準原価計算の話の時には、本来出てくるよ
うな言葉ではありません。

ただ、購買部門の業績評価と言ったときには、それはもう実際原価計算の時の話でするこ
とがもっぱら多く、標準原価計算の時には問題にされることが少ない。よって、語るに値
するほどの話ではないというものをあえて出すことで、標準原価計算における価格差異と
は、数量差異をメインに考えているということを強調するためにあえて説明しただけのこ
とです。なので、上を見てもらえば明らかなように、価格差異に関する2番目のアプロー
チは、結局は最後で否定してますよね。

やっぱり、無理して実際原価計算の話を持ち出すまでもなかったかな、ズバッと斬れてな
いわコリャ(爆) ハズカシー、書くんじゃなかった(^^;
[2001/08/22 18:10:34]

お名前: かんしーたーしぇ   
書いてみたかっただけの者 さん。早々のお返事、ありがとうございますm(_ _)m

          斬れてます、斬れてますよ!

私の知識が乏しいために、全てをバキッと理解できるわけではありませんが
アホにもわかりやすい具体的な例のおかげで、
「あーだから数量差異って標準価格を使うんだー。
 だからこっちが大事なんだー。ふんふん。」
てな具合に胃腸スッキリです☆ありがとうございます(^-^)

ああぁ、やっぱり資格学校に行った方がいいのかな・・
論理的に説明できるのって、うらやましい。かっこいいなー
[2001/08/22 20:51:53]

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