記事タイトル:製造間接費配賦 |
第79回の問題5を解いています。 総括予定配賦率と予定配賦率はどのようにちがうのでしょうか? 直接作業費1時間あたりは予定配賦率を用いる。とありますが 総括予定率を用いた場合の製造指図書にたいする製造間接費配賦額とあります。 何のために配賦率が分かれているのでしょうか どのように理解すればよいか教えてください。[2002/01/31 01:32:53]
総括予定配賦率とは部門費振替表を使って製造部門に集計された製造間接費を仕掛品勘定に 配賦するときに、1つの配賦基準(例えば機械作業時間)を使って配賦したときの配賦率を いいます。 たとえば、製造部門として組立部門(手作業中心)と切削部門(機械作業中心)があって、 配賦基準として機械作業時間を選択したとき、それぞれの部門の機械作業時間に応じて 製造間接費を配賦することになります。 しかし、機械作業時間を基準に製造間接費を配賦してしまったら、本来組立部門で 発生していた製造間接費も切削部門が負担しなければならなくなり、 組立部門で製作した製品は製造間接費の負担が少なくなってしまいます。 これでは正確な製品原価の集計はできませんね。 そのため、すこしでも正確に原価を知るにはどうするかと考えた結果、部門ごとに 製造間接費の配賦基準を別々に計算する方法がとられ、それを部門別配賦率(予定配賦率)と いいます。 つまり上記の例では組立部門は直接作業時間を基準として、切削部門は機械作業時間を基準に 配賦すれば、総括配賦率を使用したときよりは原価計算を正確にすることができます。 製造間接費と配賦基準の間には因果関係(比例関係)が必要になります。 つまり、配賦基準が多くなれば製造間接費は多くかかり、少なくなれば製造間接費も 少なくなるという関係です。 ご理解いただければ幸いです。[2002/01/31 16:38:50]
工場の総括予定配布率とは部門ごとではなく、工場全体での製造間接費の予定配布率 を計算します。また部門別予定配布率とは部門ごとに予定配布率を計算します。 たとえば 第1製造部門 第2製造部門 合計 直接作業時間 6万時間 9万時間 15万時間 製造間接費 部門個別費 (省略) 22,500万円 部門共通費 11,700万円 だったら、まず工場全体の製造間接費を出します。 ゆえに 22,500万円+11,700万円=34,200万円になります。 それを工場全体の直接作業時間で割ります。34,200万円÷15万時間=@2,280円/時間 というかたちで、工場全体ベ−スの予定配布率(これが総括予定配布率です。) なお、部門別予定配布率は部門別の第1次集計(部門共通費の配布)と第2次集計(補 助部門費の製造部門への配布<直接配賦法や相互配賦法など>をやって製造部門費を出 すもの)をやって各製造部門費の金額を各々の直接作業時間で割ります。 例えば第2次集計終了後の金額が 第1製造部門 13,770万円 第2製造部門 20,430万円 だったとしたら 第1製造部門は 13,770万円÷6万時間=@2,295円/時間 第2製造部門は 20,430万円÷9万時間=@2,270円/時間 となります。[2002/01/31 17:32:01]