これはご質問が間違えているということではありません。
とても難しいんです。
問題を解く上では割り切るしかありませんよね。
結局、仕掛品の進捗度を決定すること自体がそもそもかなり難しいことだと思うんです(問題
では簡単に与えられますが)。
一般的な作業の進行度合いは、実際に製造の技術を持った人じゃないとわからない訳ですし、
それでも正確に何%というのは仮に技術を持った人でも難しいんじゃないかと思います(もち
ろん製品の種類によって様々でしょうが)。
ここでの進捗度は、あくまでも原価の投入の割合ですから、いわば金額ベースな訳です。
金額ベースの話は技術の人にはわかりにくい訳です。
とすると、これは正確には、誰にもわからないというくらい厄介な代物と考えた方がよいのか
もしれません。
ですから基本的な進捗度についてこれを1本で扱うというのもある種の割り切りと考えた方が
よいと思います。
そもそもが難しいものを進捗度の異なるごとに計算したとしてもどれだけ実益があるかは疑わ
しい面もあるでしょう。
このように実際とは違う訳ですから、材料の追加投入の場合や減損・仕損の負担計算等におい
てもある種の不自然さが伴うのも当然かもしれません。
ただ、進捗度を考慮するのは、総合原価計算の場合で、総合原価計算は、そもそも規格品の大
量生産等の場合に用いられる訳です。
規格品をパカパカつくる訳ですから、個別原価計算の場合よりは、進捗度にバラツキがあるこ
とは少ないといってよいのではないかと思います。
同じような製品を大量につくるわけですから、同じような作業は一括してやる筈ですもんね。
ただ、そうはいっても月末に進捗度の異なる仕掛品が生じないという訳ではありませんが、個
別受注生産の場合のような進捗度がまるでバラバラな仕掛品が混在するということにはならな
いのではないかと思います。
現実の取扱いを考えてみると、原価計算基準というのも一本ですし、実務上ももちろん一本で
す(しかもかなり大胆に毎月50%というようなラフな決め方をしている例もあるようです)。
原価計算基準の枠内で、かつ、異なる進捗度を適正な製品の製造原価に反映させるには、進捗
度の異なる仕掛品をできるだけ発生させない、つまり、工程を作業ごと細分した形で原価計算
を行うという形での対処(工程別計算を細かくやる)しかないといってよいと思います。あと
は工程の細分化にかかる費用と正確さとの兼ね合いということになるのでしょう。
うーん。むずかしい。
[2001/10/03 00:12:48]