いまさら恥ずかしいのですが、第83回の第5問。
損益計算書、第二期全部原価計算の
売上原価の求め方の意味が、解答を読んでも判りません(>_<)。
次の資料に基づき、全部原価計算による損益計算書と直接原価計算による損益計算書をそれぞれ2期分、作成しなさい。
<資料>
1.販売単価 3,000円
2.製造原価:製品単位あたり変動製造原価 1,000円
固定製造間接費(期間総額) 2,000,000円
3.販売費:製品単位あたり変動販売費 100円
固定販売費(期間総額) 400,000円
4.一般管理費:全て固定費(期間総額) 600,000円
5.製品販売数量等
第1期: 第2期:
期首在庫 0個 0個 期首生産 2,000個 2,500個
当期販売量 2,000個 2,000個
期末在庫量 0個 500個
解答では,全部原価計算の,第1期売上原価4,000,000円、
第2期3,600,000円です。
製造原価は増えると思っていたんですけど,どうして減るのか,考え方が判りません。
お忙しい時期でしょうが,どうか教えてください。
[2001/11/16 14:49:17]
canaさん、こんにちは。
当期の完成品の製造原価と、当期販売分の売上原価とは異なることをまず確認してください。
また、販売量が一定なのに売上原価が減少するのは、製造固定費に原因があります。
第1期は当期完成2,000個、当期販売2,000個です。
完成品の原価は期首期末仕掛品がないので、当期の製造費用と等しくなります。
変動製造原価1,000円/個x2,000個+固定製造間接費2,000,000円
=4,000,000円です。
売上原価は完成した2,000個すべて販売しているので同額の4,000,000円になります。
第2期は当期完成2,500個、当期販売2,000個です。
完成品の原価は、やはり期首期末仕掛品がないので、当期の製造費用と等しくなります。
変動製造原価1,000円/個x2,500個+固定製造間接費2,000,000円
=4,500,000円です。
第1期と比べて500個多く生産したので、500個分の変動製造原価の金額だけ完成品の
原価は増額しています。製造固定費は、生産量が500個増加しても同額(2,000,000円)な
点に注意してください。すなわち、1個当たりで考えると、変動製造原価は1,000円/個で
第1期と同じなのに、固定製造間接費は、第1期の2,000,000円/2,000個=1,000円/個
から第2期には2,000,000円/2,500個=800円/個に減少しています。これが、第2期に
売上原価が減少する原因です。
売上原価は、2,500個完成したうちの2,000個を販売したのですから、
4,500,000円x2,000個/2,500個=3,600,000円となります。
別の計算をすれば、
(変動製造原価単価1,000円/個+1個当たり固定製造間接費800円/個)x2,000個=3,600,000円
となります。
繰り返しになりますが、全部原価計算では、固定製造間接費を生産量、すなわち、
第1期は2,000個で、第2期は2,500個で割り振ります。
第1期の売上原価に含まれる製造固定費が、2,000,000円x2,000個/2,000個だったのに対し、
第2期の売上原価に含まれる製造固定費は2,000,000円x2,000個/2,500個に減少します。
全部原価計算は、生産量に応じて売上原価(利益も)が動いてしまう弱点を持っています。
以上乱筆ですがお役に立てば幸いです。northの読みでは、今度の日商の試験では、
直接原価計算がくるのではという気がします。がんばってください。
[2001/11/16 17:54:21]