記事タイトル:保証債務の処理 


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お名前: とまと   
会社の社長が他会社の債務の保証をしました。
他会社がこのたび倒産し社長が債務の弁済をしました。
この弁済は損金になると思うのですが、
どのような処理をしたらいいのでしょうか。
また社長は会社が保証したつもりになっていますが、
実際は社長個人名義になっています。このような場合
会社が損金処理するのは無理でしょうか。
[2001/01/03 04:40:56]

お名前: ほしぞら   
法律の専門家ではないので、きちんとした回答はできませんが。
代表取締役は、営業に関する一切の裁判上、裁判外の行為を行うことができますので
(商法261条3項、78条)、会社の営業のために行ったことが立証できれば、当該債務は
会社に帰属するような気がします (契約書に代取の肩書きが書いてあるとか、役会の
承認があれば、なお良いと思います)。

会社に帰属することが前提ですが、債務保証損失引当金を計上していない場合の会計処理は、

(Dr) 未収入金(倒産した会社に対するもの) XXX (Cr) 未払金(保証先に対するもの) XXX
(Dr) 貸倒引当金繰入額(未収入金に対する) XXX (Cr) 貸倒引当金 XXX

(債務保証損失引当金を計上していた場合には、取崩額と貸倒引当金繰入額とを相殺後
の純額で表示してください。)

そして、この未収入金について、税務上の貸倒の要件を満たしている場合には損金に算入
されます。(更生計画の認可の決定とか、和議の認可の決定とか)
[2001/01/03 14:25:47]

お名前: ほしぞら   
追加:

貸倒引当金を計上せず、直接、貸倒損失を計上しても構いません。
(ただし、同様に税務上の要件を満たしている場合には損金に算入されます。)
[2001/01/03 14:37:49]

お名前: とまと   
ほしぞら様早速のご回答有難うございます。
この債務は他会社の商工ローンであって、当社の営業上のものでは
ありません。残念ながら代取りの肩書きもありません。
そうすると駄目なようですが、念のためお聞きしたいのですが、
仕訳がよくわかりません。
保証債務をしたときから仕訳が必要だと思いますが、そのへんから
仕訳の仕方を教えてください。 
[2001/01/03 16:38:40]

お名前: ほしぞら   
債務保証を行った段階では、会計上、資産負債に変動は無いので仕訳は行いません。
(簿記上は備忘仕訳は行いますが、本質的な問題ではないので省略します。)
債務保証の履行を行うようになったときに初めて、債権債務が発生しますので、
先に示した仕訳を行います。
なお、履行の可能性が高く金額を合理的に見積もれる場合には、事前に
(Dr) 債務保証損失引当金繰入額 XXX (Cr) 債務保証損失引当金 XXX
の仕訳を計上します。
開示上は、注記をする必要とかがありますが、細かな話まで書くと長くなるので、
省略します(必要なら書きます)。
[2001/01/03 17:11:15]

お名前: ほしぞら   
あと、余談になりますが、仮に社長に資力が無い場合、保証を行った相手が社長が
会社のため(会社を代表して)債務保証を行ったと信じていた場合、善意の保証先の
利益を害さないように、会社に債務を履行する責任が生じる場合もありますので、
ご留意ください。(商法262条の類推適用)
[2001/01/03 19:51:51]

お名前: ほしぞら   
纏めて書けばよかったですが、たびたび、すいません。。

>この債務は他会社の商工ローンであって、当社の営業上のものではありません。

必ずしも会社の主たる業務から発生したものでなくても、例えば、得意先との取引上、
会社の業務の必要性から行うものも含まれるかと思います。
さらに極論を言えば、オーナー会社の場合は、社長がOKすれば、事後承認でも何でも
会社が負担しても問題はないとも言えます。
(何れにしろこの結果、会社債権者の利害を害した場合には取締役が責任を取るし。)
バラバラ書いて読みにくいですが、以上、ご検討ください。
[2001/01/03 20:17:43]

お名前: とまと   
ほしぞら様、たいへんよくわかりました。
社長とよく相談しようと思いますが、しかしながら初心者のため仕訳がいまいちわかりません。
直接貸倒れ損失を計上する場合ですが、
貸倒れ損失ーーー現金ーーー
でいいのでしょうか。
なおこの現金は社長が持っていた不動産を売ったお金です。
[2001/01/04 03:48:03]

お名前: 借金大魔王   
これは「駄目」です。
本来会社の業務と関係のない社長個人の「保証」は事後であれ、会社へ付け替えることは
できません。

商法上は特別背任の恐れがありますし、たとえオーナー会社で誰からも文句はでないとしても、
税法上「役員賞与」と認定される恐れが充分あります。

個人的な保証であれば、あくまでも個人で処理すべき問題です。
個人の問題であれば、「仕訳」は必要ありません。
個人の所得税の問題ですが、所得税法上考慮(損金扱い)される余地はありません。

なお、最後のところですが、社長個人所有の不動産を売ったお金で
保証債務の履行をされたのなら、譲渡税の課税上考慮される余地はあります。

いずれにしても、会社の顧問税理士の先生とよく相談して下さい。

「ほしぞら」さんとはまったく意見が違います。
商法上も税法上も非常に問題がありますので、まったくの個人的事情に基づく保証の場合、
また、まったくの個人的事情でなくても、商法のルールに基づいていない保証の場合は、
ぜぇったいに会社の損金扱いとすることはまずできないと考えた上で、会社の顧問税理士と
よく相談して下さい。
[2001/01/04 12:53:18]

お名前: ほしぞら   
確かにそうですね、社長の友人の保証とか個人的なものは、問題ありでしょう。

>必ずしも会社の主たる業務から発生したものでなくても、例えば、得意先との取引上、
>会社の業務の必要性から行うものも含まれるかと思います。

一応、業務上という趣旨で書いたつもりですので。
誤解を与えたのならすいません。
[2001/01/04 21:29:56]

お名前: とまと   
ほしぞら様、借金大魔王様、よくわかりました。
お手数をおかけいたしまして、申し訳ありませんでした。
[2001/01/05 04:48:31]

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