１．正常配賦
正常配賦 ＝ 予定配賦 と考えてよいと思います。
もう少し正確にいうと正常な状態（正常な操業度）を想定した予定配賦を正常配賦
といいます。
そもそも製造間接費（加工費）の予定配賦は、実際配賦が不合理なために行われます。
実際配賦には、�仝恐舛僚厳廚�遅い
�∧册依廾�を排除できない といった欠点があります。
この欠点を克服するために予定配賦（正常配賦）が行われます。
特に�△任垢�、原価の発生にある種の変動は不可避でしょう。
変動要因を排除するとしても排除すべきは、異常な変動です。
そのために正常配賦（正常操業度を想定した予定配賦）を行うのです。
ただ何をもって正常というかは難しいですが、
とりあえず正常操業度＝基準操業度と考えて下さい。
２．原価差異
この問題のポイントはおそらく（注１）にあります。
（注１）では、加工費発生額は、……期間生産量が1,200単位のとき3,200,000円……と予定さ
れているとあります。
この資料以外に加工費の実際発生額の資料はありませんからこの金額が実際発生額であると考え
ざるを得ないと思います。
いいかえれば加工費が予定どおりに実際も発生したならばという前提があるということです。
第２期を例にとれば、
原価差異＝予定配賦額 （生産量×＠加工費） − 実際発生額
＝3,600,000円（1,200×＠3,000） − 3,200,000円＝400,000円（有利差異）
で原価差異（加工費配賦差異）がでます。
加工費は予定（あらかじめの予算）どおりに発生すると考えるということは、
いいかえれば、加工費予算額 ＝ 加工費発生額 になります。
つまり、予算差異は算出されません。
予算差異までは出さなくていいように問題を作ってあるといった方がいいかもしれません。
加工費配賦差異 は 予算差異と操業度差異からなりますので、
予算差異がなければ、結果としてここでの原価差異は操業度差異ということになります。
原価差異＝（実際生産量−正常生産量）×固定費配賦率＝操業度差異
（1200個 −1000個） ×＠2,000円 ＝400,000円（有利差異）
質問の文面からすると模範解答は固定加工費部分のみで原価差異を算出しているようです。
予算額＝実際発生額と考えると変動費部分から差異は生じませんので、
原価差異＝固定費配賦額（固定費配賦率×生産量）−固定費発生額
2,400,000円（＠2,000 ×1,200） −2,000,000円＝400,000（有利差異）
という方法でも算出されます。
この問題は直接原価計算の問題なのに原価分解ができればむしろ全部原価計算の原価差異の方が
分かりにくいという特徴？があります。
今は試験範囲にもなっている固定費調整の考え方で自信のある方から検算してみるという方法も有効かもしれません。
[2001/05/27 08:11:05]