記事タイトル:精算表から財務諸表へ 


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お名前: のりのり   
愚問かもしれませんが どなたか教えてください。

精算表をもとに貸借対照表や損益計算書を作成するとき
精算表上の「仕入」って勘定科目は「売上原価」に置きかえるようですが
それはどうしてなんでしょうか?
そのまま覚えておけばいいのでしょうか?
そのほかにも なにかこの時に注意することがあったら
ぜひ教えてください。
[2001/01/10 23:39:41]

お名前: おいおい   
http://www2.tomato.ne.jp/~kai-kei/
「イメージで学ぶちょー簡単簿記」からの引用です。

__目次____________________________  

    1.商品を仕入れる意味
    2.繰越商品の意味
    3.商品を次の会計期間に繰り越すイメージ
    4.仕入勘定の意味
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 1.商品を仕入れる意味
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 企業というものは,財を外部から調達してきて,
 それを調達した時の値段より高い金額で外部に販売することにより
 利潤を得ることを目的とした営利集団であり,さらに,
 その利潤を最大にすることを営業目的としています.


   調達 ┏━━━━┓ 販売
  ―――→┃ 企業 ┃―――→
      ┗━━━━┛
        ↓↓
        利潤

 ちなみに会計の役割は利潤つまり利益を実際に計算することです.

 次に企業が商品を仕入れる意味は,
 上の図でいいますと“調達”の部分に相当するもので,
 商品を仕入れる(つまり外部より調達する)からこそ,
 それを仕入れたときより高い値段で売上げて(外部に販売)
 利益を獲得することができる原資の獲得です.
 このように仕入取引は,利潤獲得の原資を調達という意味で,
 企業の営業目的である利潤獲得の
 一番おおもとにある重要な取引であるといえます.

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 2.繰越商品の意味
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 上の説明で企業は利潤獲得を目的としており,
 商品の仕入れはそれを販売して利益を獲得するためのおおもとにある
 企業会計の営業活動の根本にある取引であると説明しました.

 つぎに,会計的な話をしますと,
 現代の企業というものは,倒産や解散という事態を予想することなく,
 半永久的に営業活動を続けるという前提のもと企業会計を行います.
 この前提は“継続企業の公準”と呼ばれるもので,会計学の理論的には
 とても重要な概念です.ただ,今の時点では覚える必要はありません.

 この“継続企業の公準”という,倒産間近の企業でも会計計算上は半永久的に
 継続していくという前提があるからこそ,どんな企業でも,
 一定の会計期間を区切り,その会計期間のなかでの利益の計算を行います.
 これを“期間損益計算”といいます.

 そして,期間損益計算とは,ある人為的に区切られた会計期間のなかでの
 利益を計算することです.

 一番最初に企業の目的は財を調達し,それを外部に販売することにより
 利潤を得ることであると説明しましたが,


   調達 ┏━━━━┓ 販売
  ―――→┃ 企業 ┃―――→
      ┗━━━━┛
        ↓↓
        利潤

 会計が期間損益計算という一定の期間を区切った枠内での
 利益の計算をするということは,
 上の図の利潤の金額を一定の会計期間ごとに
 把握しなければならないことを意味します.

 それがどういうことかといいますと,
 企業がある会計期間に商品を仕入れても,その会計期間中に
 外部に販売されなければ,その会計期間の費用とはならずに,
 次の会計期間に在庫として繰越し,実際に販売された時点で
 費用として認識しなければいけないということです.

 そのため,この売れ残った在庫分を次の会計期間に
 確実に引き渡す必要があり,その,
 商品を仕入れたんだが,まだ売上られて
 利潤を獲得する原資となるという目的を果たさず
 未解消のまま企業に存在する商品を次の会計期間の利潤獲得の原資として
 引き継ぐという役割を持つのが“繰越商品”です.


 つまり,当期に仕入れたが,売れ残ってしまった商品を
 いったん繰越商品として把握し,次の会計期間に引き渡すことで,
 その商品が実際に売り上げられたときの費用とすることができます.
 その引継の仕訳がこれです.

  (借)繰越商品  ×× (貸)仕入    ××


 そして,次の会計期間に,前の会計期間より引き継がれてきた
 商品を当期の損益計算に引継ぐために,次の仕訳を行います.

  (借)仕入    ×× (貸)繰越商品  ××


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 3.商品を次の会計期間に繰り越すイメージ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ★仕入れた商品が仕入れた会計期間に売上げられなかった場合
  その会計期間の売上に対する原価(費用)にできないため,

     仕入 ┏━━━━┓
    ―――→┃    ┃
        ┃    ┃
        ┃ 企業 ┃
        ┃    ┃
        ┃    ┃
        ┗━━━━┛
        

 ★当期に売れ残った商品をいったん在庫として把握し,
  次の会計期間に繰越す.

        ┏━━━━┓
    ――┐ ┃    ┃
      | ┃    ┃
    繰越| ┃ 企業 ┃
      | ┃    ┃
      └→┃    ┃
        ┗━━━━┛
   繰商/仕入

 ★前の会計期間より繰越された商品が販売されたので
  その会計期間の売上に対する原価(費用)として把握する.

        ┏━━━━┓
    ――┐ ┃    ┃
      | ┃    ┃
      | ┃ 企業 ┃
      | ┃    ┃ 売上
      └→┃    ┃―――→
        ┗━━━━┛
          ↓↓
          利益
   仕入/繰商


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 4.仕入勘定の意味
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 参考までに説明しておきますが,
 仕入勘定は期中には商品の仕入れという費用を示す勘定ですが,
 期末,決算整理を終えると,当期中に売り上げた商品の
 売上原価を示す勘定に変わります.
 このように,仕入勘定にはふたとおりの意味があります.
 このような勘定を混合勘定といいます.
 混合勘定という用語は覚えなくてもとくにかまいませんが,
 仕入勘定にはいつの時点かによってふたとおりの意味合いがある
 ということを理解しておきましょう.


  仕入勘定の意味

    期中……当期これだけの商品を仕入れたという費用の金額を示す
          |
          |決算整理
          ↓
    決算後…当期中に売り上げた商品の売上原価を示す
[2001/01/11 00:32:35]

お名前: のりのり   
おいおいさん どうもありがとうございま〜す!!!
すごく勉強になりました!!!
[2001/01/11 01:41:42]

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