黄昏のミロ



〜アイツと再び巡り会った 夏の思い出〜
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☆ミロ登場☆
02/7/29
カ:「夏の暑いときはやっぱり俺だろ?冷蔵庫でも場所はとらないし、好きな濃さに調整出来るんだからな。 もっと沢山飲んでくれよ」

ミ:「フ・・・全く虚しいアピールを。必死だなカルピスよ」

カ:「なにっ? 誰だ貴様っ!?」

ミ:「お前が懸命にアピールしたところで俺達の時代は終わったのさ。先ず作る手間がかかる。 その時点で大きなハンデを背負っているんだよ、俺達はな」

カ:「お、お前は・・・ミロっ?! い、生きて・・・生きていたのかっ?!」

ミ:「フッ・・・全く、この俺自身すら忘れていたよ。いや、それより、今の子供達がはたして俺のことを 知っているのか・・・」

カ:「何を弱気な事を。お前は、強い子のミロじゃないか!」

ミ:「慰めはよしてくれ。俺はここ数年来 表舞台に立って無い。もしかしたら多発する少年犯罪、 青年の虚無感、それらは俺のせいじゃないかと思ってるんだ。俺を飲まなかった世代が今・・・」

カ:「バ、バカなっ!? だとしても、いや、だからこそ今やらなければどうするんだ?」

ミ:「お前はいいさ。一時は人種差別だとかなんだとか因縁付けられたが、夏になるとRIKAKOとかと一緒に CM 打って貰ってな。お前に夏は良く似合う。現にこの「ひとこと」でも取り上げられてるじゃないか。 本当にネタに困ってるんじゃないのか?」

カ:「何を言っているんだ。仮にもお前は、緑の大地から駆けてきたんじゃないのか? そんな仰々しいキャッチフレーズを貰っていながら」

ミ:「フン! 駆けてきてそのままどっか行っちゃったって、良く言われるよ」

カ:「いい加減にしろっ!お前だって牛乳にさっと溶けて、冷やしても美味しいんじゃないのか!」

ミ:「ハッ!? そ、そうだった。俺は冷やしても美味しいんだ。いやしかし、お前には負けるさ。 お前は・・・かき氷にだってなれるんだからな。イチゴ・メロン・レモン・ブルーハワイ・ アズキという五人の戦士に次ぐ、いわばシルバー的存在だ」

カ:「戦隊モノはしばらく勘弁しろ。お前なんか、チョコレートにだってなってるじゃないか!俺には 到底そんなマネはできんよ。しかし、あれ程 粉末系飲料市場を席巻したお前が・・・ なぜそんな精神的ダメージを・・・」

ミ:「フフフ・・・恐らく俺の親元がNestleになったあたりかな。長年ネッスルだったのに いつの間にかネスレとか言いやがって。はっきりして欲しいぜ」

カ:「バカを言うなっ!業界最大手のコカ・コーラだって昔はコカコーラボトラーズだったのに いつの間にかコカコーラボトリングじゃないか! どうにもしっくりいかないあの社名をなんとかしてくれと 思われながらも頑張ってるんだぞ」

ミ:「フン。あいつは販売機や遊興施設、果てはマクドにまで入り込んでいる。俺とはわけが違うさ」

カ:「馬鹿野郎!いつまでもウジウジしてるんじゃないっ!ヤツは飲んだら骨が溶けるだとか コカインが入っていたとか色々言われながらもがんばってるんだ。その点お前は最初から子供達の 味方的な登場をした。まるで復活したムサシ隊員じゃないかっ!おれだって世界初の量産型乳酸菌飲料だ。 環境破壊や安全面において危惧されるこの時代こそがんばろう!」

ミ:「カ、カルピス・・・出来るだろうか? この俺に?」

カ:「もちろんさ!」







最近見かけませんね ミロ。

飲んでます?
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☆帰ってきたミロ☆
02/8/5
N:「ハァハァハァ・・・見つけたぞ。やはりここだったか・・・」

ミ:「人違いじゃないのかい? 今更この俺に用だなんて・・・」

N:「間違いじゃない。俺が探し求めていたのは、お前だよミロ

ミ:「フ・・・この俺を強い子のミロと知って訪ねてくるとは。お前さん、何処の酔狂だい?」

N:「ゴタクはいい。俺はお前の実力が知りたいんだ」

ミ:「俺の実力だと?そんなもん、見ての通りさ。俺はこの店にたった一人残された存在。果たして俺が去った後 再発注されるのかも怪しい。俺は時代に必要とされなくなった男さ!」

N:「世間の評価はどうでもいい。俺がお前をどうみるかだ。ついてこい!」

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ミ:「こんな所に連れてきやがって。貴様きっと後悔するぞ!俺は粉末でかなりの量が取れる。 もし一口飲んで受け入れられなかったら、後は苦痛でしたかなくなるぞっ!」

N:「相変わらずだな。あれ程カルピスに言われながら」

ミ:「なにっ!? 貴様まさかっ!カルピスとの会話を!?」

N:「ああ。聞かせて貰ったぜ。お前は俺から、逃げることは許されない!」

ミ:「フ・・・そうか。ならばしっかり批評してみろっ!俺にどんな罵声を浴びせようとも、 弄りをくれてやろうとも、決してきな臭いネットバトルには発展しないっ!」

N:「望むところよ。 いくぞライブラ!

ミ:「むう、その呪文は!」

N:「先ずはそのパッケージだ。むぅ・・・さすが『緑の大地から駆けてきた』 だけの事はある、見事な緑色・・・そして殺しのスペルは・・・ミロが栄養豊かな牛乳をパワーアップします! か、こ、これはっ!?
























      
成分
牛乳
ミロ発動
カルシウム26100
鉄分2100
ビタミンA11100
ビタミンB16100
ビタミンB221100
ナイアシン1100
ビタミンD0100


N:「攻撃補助呪文!? なるほど、10歳男児が1日に摂取することが望まれる各種栄養素を 100として、スプーン3杯のお前が発動する事によって 牛乳コップ一杯に含まれる7つの栄養素をいかに増幅させるかを説いているわけか なんとっ!? 総ての数値がMAX100%だとぅっ?! しかも元々牛乳には含まれていないビタミンDまで持ち出して・・・ ・・・なんて都合のいい・・・」

ミ:「ククク・・・これが俺の能力値のすべてよ! 果たして貴様に俺が理解出来たかな?」

N:「ま、まだだ!これだけのポテンシャルを持ちながら市場で劣性を強いられるというのはどこかに問題があるはずだ! ・・・・・飲むぜ」

ミ:「望むところよっ!」

N:「牛乳で割るんだったな・・・なんてお手軽なんだ。さあ、それじゃあ 頂くぜ!ゴクッ

ミ:「どうだ?」

N:「これは・・・美味い!まるでココアと変わらないじゃないか? 俺が子供の頃飲んだお前は、 こんな筈では!? あの時はもっと頼りない味だった・・・はっきり言って飲むのが苦痛な程。何故だ!?」

ミ:「フン。貴様も所詮はその程度か。その答えははっきりしている」

N:「なにっ?!」

ミ:「Number貴様、幼少の頃・・・ビンボーだっただろう!?」

N:「な、なんだと?貴様どうしてそれをっ!?」

ミ:「簡単な事だ。つまりお前の母ちゃんは、本来味わって貰いたい濃さとせずにお前に飲ませていたのさ! いや、お前の母ちゃんだけじゃない。これはあの時代の、全国の奥様方に言えることさっ!」

N:「そんなバカな!?」

ミ:「そんな事はカルピスの事で経験済みじゃあ無かったのか?なぜ「美味くない」原因を自分たちに省みない? 貴様らは技術者が導き出した本来の用法を守らず、総ての責任は俺達にあると言及した。 まるでこの季節に湧き出る夏厨、感情にまかせて他サイトになりふりかまわず噛みつく脳死そのものじゃないか!」

N:「ぐ、くぅ・・・しかし何故だ? 身体に良いからと用いたお前達を、何故全国のお母さん達は・・・」

ミ:「『みんなビンボーが悪いんや』 どうしても染みついたケチ臭さが知らず知らずのうちに濃度を薄くしていたのさ。 そしてその『身体に良い』が災いしたのよ」

N:「なにっ!? しかし、岡林信康のチューリップのアップリケを持ち出すとは・・・」

ミ:「良薬は口に苦し。つまりお前達お子ちゃまは、身体に良い=マズイと勝手にイメージしてしまったんだな。 今、こんな仕打ちを受けているのはお前達のせいだ!俺達は悪くない!」

N:「フ・・・果たしてそうかな?」

ミ:「なんだと?」

N:「グラスの中をよく見てみろ」

ミ:「こ、これは・・・俺が 溶けきれてないっ!?」

N:「そうよっ!お前がもし冬場、温かいミルクとのコンボで発動しているのなら問題ないだろう。 しかし冷たい牛乳では貴様は溶解性に欠ける!これで責任が無いとは言わせないぜ!」

ミ:「で、では・・・俺はやはりココで終わりなのか?」

N:「いや。確かに溶けきらないお前には納得がいかない。しかし、この粉さえなんだかチョコチップクッキーみたいで 香ばしい。愛嬌があるじゃないか。恐らく、夏はこの溶解性の悪さ故 作る手間を存分に感じてしまうこと。 冬とて、わざわざ牛乳を温めるという手間がかかる。身体に良いのは明らかなのに、 僅かな手間を惜しんでしまう現代人にこそ問題があるだろう。だが、決してマズイわけではない。 このイカレタ時代に、紙パック・缶入りで対応しようと試みてもいるのだからな」

ミ:「そ、それじゃあ俺は・・・」

カ:「この夏を伴にしようと言うことだよ」

ミ:「お前はカルピス!貴様もここで?」

カ:「ああ。Numberは毎日飲んでくれてるぜ。お前もここで天寿を全うしようということさ。 しかし、お前もカルシウムを得意技としているとは、以外だったぞ」

ミ:「フ、お前だけに 夏を独り占めさせないぜ」

カ:「市場に散っている同士も今頃戦っていることだろう。俺達は、俺達の未来を信じていかなければな」

N:「そうだ。この国の、未来を背負って立つ 子供達の為にもな!」







というわけで毎日飲んでます

次は買わないと思うけど
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☆シェリーとミロ☆
02/8/8
ミ:「いつになれば俺は這い上がれるだろう? 何処に行けば 俺は辿り着けるだろう・・・?」

N:「フ・・・『シェリー song by 尾崎豊』とはな・・・」

ミ:「Number!」

N:「また鬱になっているのか? お前の志はそんなもんなのか?」

ミ:「ふざけるなっ! 貴様っ、俺をこんな所に連れてきて甘い言葉でその気にさせて、結局はほったらかしか!? 昨日も一昨日も・・・貴様・・・来なかったではないかっ!」

N:「そうがなるな。俺だって、たださぼっていたわけじゃない」

ミ:「嘘だ!お前はいつも、その時だけは勢いで愛を口にする。だが時とともにその愛情は 薄れて、最後には捨て去ってしまうんだ。だいたいさやかの時だって・・・」

N:「やめろ! いくらネタの為とは言え、こんな事を続けていくと感覚が麻痺してくるんだ。 後で後悔するような発言に結びつかんとも限らん。ほっとけ。それに的はずれだ」

ミ:「ならば何処で何をやっていたんだ? やはり俺が冷たい牛乳に溶けにくい事が理由で・・・」

N:「確かに。だから俺はその改善方法を探っていたのさ」

ミ:「改善方法だと? 無理だ! 俺のこの特性は持って生まれたものなんだからな!」

N:「フ・・・他のヤツは知らない。だが俺は、俺なら改善は可能だっ!」

ミ:「なんだと? 貴様ならとは・・・それはどういう意味だ!?」

N:「ミロ。お前、俺のジョブがなんなのか知っているな?」

ミ:「ジョブって、仕事か。喫茶店のマスターだろう?」

N:「そうだ。だがもうひとつ肩書きがあるだろう」

ミ:「もうひとつ?・・・あ、あぁっ! ま、まさかそれは『シェイカー』。ということはお前は!」

N:「そうよ!バーテンダーよっ! 見よ、この華麗なシェイカー捌きっ!」シャカシャカシャカ・・・

ミ:「ぐ、ぐおおぉぉー!こ、これは・・・コレならあるいは・・・」

N:「どうだミロ!見てミロー!」

ミ:「ううぅぅ・・・なんて懐かしく寒いギャグ。いや、そんな事よりなんと見事にミックスされたんだ! こんなやり方があったとは・・・ ・・・」

N:「フ・・・俺にしても盲点だったよ。まさか得意技であるシェイクに気が回らなかったんだからな。 やはりお前が粉末ということで、既存の概念を打破できなかったのだろう」

ミ:「こ、これで俺は・・・今度こそ本当に毎日飲んで貰えるんだな!?」

N:「当たり前だ。もっと活躍してもらうぞ。それに、お前も先輩としての自覚を持ってもらわねば困る」

ミ:「先輩だと? それはどういう???」

N:「入りたまえ!」







「は、はじめまして。ミルメークです」

話し拡げすぎ
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☆さよならミロ☆
02/9/1
ミ:「カルピスーッ!

ミ:「カルピス・・・お前・・・お前逝ったか・・・」

N:「何も悲しむ事じゃない。奴はこの夏をまっとうしたんだ。何年振りだろう?頂き物のカルピスを、 ちゃんと賞味期限以内で飲んだのは。さ、ミロ。今度はお前の番だ」

ミ:「ぐっ! 夏も もう終わり。これで俺も・・・ ・・・」

N:「どうした? まさか怖じ気づいたのか? 貴様の望み通り飲みきってやるんだ。喜ばしい事じゃないか」

ミ:「そうだな。お前やニュースとして取り上げて下さったBlackAsh さんのお陰で、長年の誤解も解けた。多少は消費に貢献してくれたろう。世の中捨てたもんじゃなかったさ」

N:「だからもっと居させて欲しいというのか?逝きたくないというのか?」

ミ:「違う! 俺達は嗜好飲料だ。俺達を選ぶのはあくまでも消費者の意志。そこに俺達の意見を介入させてはいけないんだ」

N:「ならば逝け! この期に及んで命乞い等・・・」

み:「それは違うわっ!」

N:「み、みるめーく! 頭文字が同じ『ミ』だった事に今気がついたぞ。便宜的に平仮名になってくれ」

み:「ちょっとは考えなさいよNumber。そういう組み合わせとか」

N:「ふん、ここに来て大分頼もしくなったなみるめーく。お前が可愛がられてるからっていい気になるなよ。 涼しくなってミロの役目は終わったんだ。俺はこれで飲み干してやるんだ 、邪魔をするな!」

み:「あなたこそ分かっていない。彼を誰だと思ってるの?彼は氷川誠ミロよ。 決して逃げたことのない男よ

ミ:「そういう事だ。本当に良い夏だった。Number、お前はよくやってくれた。しかしこれで終わりじゃない。 俺はきっと・・・寒い冬場に帰ってくる」

N:「俺は毎日の消費物の中から人間の環境破壊にブレーキをかける使者としてお前を復活させた。 だがその必要は無かったようだ。人間は何れ自滅する」

ミ:「いや・・・お前は俺達を用いながら俺達のことを何も知らない。人は俺達を受け入れるだろう  人間の無限の可能性として」

N:「では見守ってみよう。お前の言葉が正しいかどうか。人間とは何なのか。 もう一度この目で・・・」

ミ:「ああ、きっと俺が・・・勝つさ」 BGM 仮面ライダーAGITO ダダンッ ダダダダン♪







や〜み〜の〜な〜か〜♪

制作協力 (勝手に) 野望のからくり屋敷より 仮面ライダーアギトレビュー目覚めろ!その魂!