『なるこ』第19号 (平成14年5月) 目次

2002.10.12 初掲載


1901 巻頭言   語り合いながら何かが生まれ、何かが育つ    なるこ会会長     白倉 昌夫

1902 論説    ナルコレプシーと運転免許制限の法令       晴和病院院長     本多 裕 先生

1903 報告    道路交通法の改正とナルコレプシー         副会長         田宮 由道

1904 報告    ホームページの運用結果(4)          ホームページ担当幹事   桑原 正孝

1905 放送    新現代病: 深刻な過眠症   NHK番組から               事務局

1906 投稿    札幌からのお便り                            松崎彰男

1907 同     私の旅日記                                 K

1908 同     躾って何?                                 T

1909 同     35年前に                                  T

1910 同     その後の私                                 M

1911 同     異常な睡眠との拘わり                           W

1912 同     ナルコレプシーとの出会い                         M

1913 同     名曲づくし                                   K

1914 同     近況                                      Y

1915 同     病名が分からない                              W

1916 報告    平成13年度なるこ会総会                        事務局

1917 あとがき



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1901 巻頭言 語り合いながら何かが生まれ、何かが育つ   なるこ会会長  白倉 昌夫

 なるこ16号では我々患者に必須な治療薬の一つアナフラニールは健康保険の適用薬になっていない。 フランスで開発された新薬モダフィニールは日本ではまだ治療薬として認可されていないなど報告。
 なるこ17号では厚生省に陳情した結果の報告と、なるこ会の仲間の交流の場として晴和病院のご好意で月2回部屋を空けていただいた報告。
 なるこ18号では、今までのなるこ会は任意団体であって法人でないため活動に制限が多く、なるこ会を「特定非営利活動法人」にし、活動範囲を拡げようと申請の準備をしております報告。
 昨年は「運転免許の処分基準等の見直し素案」に関し警察庁に意見書を提出、見直して頂きました。
 以上を数少ない幹事で乗り越えてきました。 幹事は無報酬で活動しております。 活動範囲が広くなると幹事不足になります。 そこで会員の方々にお願い。
 月に一度の診察日は、なるこ会の一室で同じ患者同士で語り合ってください。
会員は皆ナルコレプシー患者です。 普段話せないことも気楽に話せる魅力あるなるこ会の一室に参加して下さい。
 語り合いから何かが生まれ、何かが育つ原点になると思います。
また、お手伝いの出来る方はムリのない範囲でご協力下さい。
最後に会の幹事役の皆さんには運営のご協力に心から御礼申しあげます。


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1902 論説 ナルコレプシーと運転免許制限の法令  神経研究所理事長 晴和病院院長  本多 裕 先生

 昨13年7月以来、道路交通法の改正に関してナルコレプシーが運転免許差し止めの対象になるという警察庁の素案が発表され、大騒ぎとなりました。
 私達は気が付かなかったのですが、平成13年6月に、運転免許欠格条項の見直しの法律が成立したのです。 従来は精神障害者、てんかんなどは欠格条項とされ運転免許が全く認められなかったのですが、実際上はほとんどの精神障害者が運転免許を取得していました。 しかし今回は病名を挙げて規制することになったので、かえって厳しくなった面があります。 またナルコレプシーなど睡眠障害については従来制限がありませんでしたので規制の強化といえます。

 今回の運転免許の改訂は、厚生省の障害者対策推進本部の平成7年から14年にわたる〔障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年計画〕を受けて、平成11年8月に総理府の障害者施策推進本部が「障害者に係わる欠格条項の見直し決定」を行ったことに端を発しています。
 これに基づいて警察庁は精神障害者であっても症状が軽い場合などには欠格条項とせず、運転免許を認めるべきであるとする「道路交通法改正試案」を平成12年12月に発表して意見を募集しました。 そしてこの試案に基づいて平成13年6月12日に「道路交通法の一部を改正する法律」が参議院での付帯決議がついて成立し、6月20日に公布されたのです。
 この時点でも私達はこのような法律が出来たことを知りませんでした。 平成13年6月にこの法律に基づいて法律の施行政令第一次試案が警察庁から公表され、日本睡眠学会に意見を求める要請がありました。 日本睡眠学会では評議員の井上雄一先生を担当として意見を述べ、なるこ会にも意見を聞くことを求めました。
 この後警察庁からなるこ会に連絡がありました。 そして代表が出頭して意見を陳述して欲しいとの要請があり、7月17日に田宮副会長と小松弁護士さんが警察庁に出かけて説明しました。 小松弁護士さんは ナルコレプシーは発作的に意識を失い運転不能になるようなことはなく、睡眠発作と呼ばれるものは眠気を自覚出来、回避可能な症状であり、治療を受けているナルコレプシー患者は日常困るような眠気は消失し、運転に支障を来すことはまず無いことを説明されたと聞きました。
 警察庁はナルコレプシーの睡眠発作が法案の要綱にある突然の意識喪失の発作に該当しないことを理解出来ないようだったとのことでした。 この法律的な解釈の問題点を小松弁護士さんはしっかり指摘してくださったのです。

 そして9月6日に警察庁は「運転免許の処分基準等の見直し素案」として第2次試案を発表し、意見のある者は9月28日までに提出せよと言うことになりました。 しかしこの試案にはナルコレプシーの病名が一項目としてあり、突然の意識喪失により運転が不可能になる病気としての分類に入れられていました。
 9月10日、アメリカに留学中の内科医、粂和彦先生より電子メールがなるこ会に送られて来ました。 今回の法案施行令はナルコレプシー患者の新たな人権制限となる重要な問題であると心配されたためです。

 平成13年9月27日になるこ会幹事会が召集されて警察庁の試案に対する意見書案を検討しました。 桑原さんがたたき台を作ってくださいました。 そして9月28日に警察庁へなるこ会としての意見書を白倉会長名で送り、9月30日にはなるこ会ホーム・ページ上にこの意見書が掲載されました。
 私も個人的見解としての意見書を9月28日にE-mailで警察庁に送りました。 ナルコレプシーの病名を政令に入れることは、実態に則さず治療的にもマイナスで、患者の受診を妨げ、未治療の患者を増やし、交通事故の減少には逆効果であることを述べました。
 その後警察庁運転免許課の後藤さんからも電話があったので、運転免許の制限はナルコレプシーと云う病名ではなく実際運転中強い眠気がおこり運転が不可能となるかどうかと云う症状によって行うべきであること、病名で規定すると既に治療を受けて事故など起こさなくなっている患者をリストアップするだけのことになり、未治療の患者の受診・治療を妨げ、交通事故を防止することにはならないばかりか、患者さんの人権を侵害するものであることを伝えました。
 日本睡眠学会でこの問題の対応窓口をされている井上雄一先生もなるこ会や小生の考え方を理解して下さり、ナルコレプシーの病名を載せることに反対の立場をとられ、警察庁と何度も話合って下さいました。

 このような多方面からの要望と説明の結果、警察庁もようやく睡眠発作のことを理解し、ナルコレプシーは意識喪失による運転免許の規制の対象から外れ、運転をする上で支障をきたすことがある病気という分類になりました。 また眠気を起こす病気にはもっと多くの種類があることも考えに入れ、病名を挙げるより症状で規定する方向で話が進みました。
 その結果平成13年12月20日に警察庁は第三次試案として「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」を発表し平成14年1月17日までにと期限を切って意見募集を行いました。 この中では病名としてナルコレプシーや睡眠時無呼吸症を規制項目として挙げた試案は訂正され、「重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」という項目だけに変わりました。 さらに分類も「自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気」というところに変わりました。 そして睡眠障害国際分類で「重度の眠気」と診断された場合のみ運転免許を制限することになり、治療によって改善すれば処分を取り消すとされました。
 平成14年1月10日になるこ会幹事会が開かれ、意見書案を審議し、ガイドラインの中にナルコレプシーという病名が未だ残っていることに反対する意見書を1月17日に警察庁へe-mailにて意見書を提出し、1月20日になるこ会のホームページ上にこの意見書を掲載しました。私も個人の立場で同様な意見書を送りました。

 2月1日に警察庁のホームページの上にパブリックコメントの結果が発表され、一般からの意見の紹介がありましたが、結局第三次試案のまま平成14年2月6日に道路交通法施行令が公布され、官報に載りました。
 具体的な施行細則「ガイドライン」はまだ公表されていませんが、警察庁の試案としては、運転免許の申請時にアンケートを行い、「十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中活動しているときに眠りこんでしまうことが週3回以上ある方」という項目に返事をする義務を盛り込み、該当者は眠気の強さのアンケート(Epworth Sleepiness Scale で16点以上)および医師の診断により病気の有無と症状の重篤度を判定し、「重度の眠気」の有無を判定することになっています。

 ここで心配なことは、「眠り込んでしまうことが週3回以上ある方」という質問に、最近一ヶ月間などといった期間の限定がついていないことです。 現在症状はなくても過去に症状がある場合には有りと返事をしなくてはならないと解釈されてしまう恐れがあります。
 検査やアンケートなどによってある一日とか一週間だけの眠気を調べてみても、数年間にわたる日常的な眠気を判定したり予測したりすることは困難です。
 また治療や上手な昼寝によって運転中の眠気を避けることは十分可能です。 判定基準を求められている睡眠学会が患者さんの社会生活を考慮した答申を出すことを祈っています。
 何れにせよ、交通安全はナルコレプシー患者さん自身の問題です。 治療を怠らず、安全運転を心がけて頂きたいと思います。
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1903 報告        道路交通法の改正とナルコレプシー 事務局 文責 田宮 由道

 道路交通法(略して 道交法)を一部改正する法律が平成13年6月に公布された。
この法律が議決されるに当たっては参議院で付帯決議がなされ、その中の一節に「障害者等に対する免許の拒否等の基準を定めるに当たっては、交通の安全と障害者等の社会参加が両立するよう障害者団体を含め、広く各界の意見を充分聴取すること。」と云うのがある。
 そして、運転免許の拒否や取消し等の処分の対象となる病気およおび病気ごとの処分の基準が道路交通法施行令に定められることになった。 法の改正は、当然のことながら、一層の交通安全を確保するためのものであるが、付帯決議の精神に沿って、当局から政令の素案が提示された。 また素案は警察庁のホームページ上に公開されパブリックコメントを募集した。 なるこ会はナルコレプシー患者に必要以上の社会的制約が加えられるような事態を回避すべく、本多先生のご指導のもとに当局に意見の具申等をおこなった。


問題のポイントは;−
★ 病気と病気毎の処分の基準
 道交法の改正点は広範に及ぶが、いま我々が問題と考えているのは道交法の90條の関連である。
 道交法90條によれば、免許の試験に合格した人には、それぞれ免許を与えなければならない とされ、また、ある一定の病気にかかっている人には、免許を与えないか、6ヶ月以内の範囲で免許を保留することが出来る、となっている。
一定の病気とは法改正で以下のようになった。

1、次ぎに掲げる病気にかかっている者
  イ、幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
  ロ、発作により意識障害または運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの
  ハ、1,2,のほか自動車の安全な運転に支障を及ぼすおそれのある病気として政令に定めるもの

 警察庁は「政令で定めるもの」の内容を決めるため、睡眠学会などの意見を聞き、知識を得ながら検討を行った模様である。
 「政令」とは「道路交通法施行令」のことで、もとの法律「道路交通法」の細目は「道交法施行令」できめられる。

★ 病状等の免許申請書等への記載の制度化(道路交通法施行規則改正試案)
 免許を受けるとき、或いは更新の際、免許の拒否や取り消し等の対象の病気であるかどうかについて公安委員会が的確に把握できるようにするため、必要な申告を諸外国の例に倣って求めようとするものである。

結末は;−
★ 病名を定める問題に関して、
 なるこ会にも意見を求めてきた。ナルコレプシーは上記ロ、の発作により意識障害または運動障害をもたらす病気ではないだろうかと言うものであった。
 これは大変な誤解である、という見解のもとに反論した。 睡眠学会や多くの理解者の応援が追い風となり、世論がナルコレプシーの文字は取り消す方向に傾いた。
 また、ロ項でなく、ハ項の政令に定めるものとして「重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」とされることになり、ナルコレプシーと言う病名を政令の中に掲名させないという目的は達することが出来た。もし法文の中にナルコレプシーを明記されると、ナルコレプシー患者の社会的立場に微妙な影響が出るおそれがある。

★ 病状等の免許申請書等への記載の制度化
 一種のプライバシーの侵害として反論をこころみたが、道路交通法施行規則が改正されたか明瞭な結論を掴むにいたらず。
詳しい経緯は;−
 車の運転免許は成年者は所持するのが一般的になりつつあり、職種によっては就職等にも必要な条件になりつつある。 このような時に免許の拒否等の措置はその在りよう如何によっては、まさにナルコレプシー患者の生活権の侵害にもなりかねない。
 しかしながら、このような法の改正に当たって当局も患者会等を含む一般世論に配慮し、道路交通法施行令の一部改正にあたっては、パブリックコメントとして、広く意見を求める措置がなされた。
 その経過と対応は、凡そ以下の通りである。
13年 7月
警察庁から「運転免許の拒否等の基準に関するご意見の聴取について」との申し入れがあった。
(資料1、資料2)
これより以前に警察庁は、睡眠学会に意見をもとめ、学会からも意見が述べられた。

同 7月17日
小松弁護士と田宮が警察庁に出向き意見を述べた。 (資料3)
警察庁の意図は改正法に基いて、免許の拒否や取り消し処分の対象となる病気を定め、そして病気毎の処分の基準を定めることにある。 病気の区分は、新道路交通法によれば

  1. 幻覚の症状を伴う精神病
  2. 発作により意識障害または運動障害をもたらす病気
  3. 自動車等の安全な運転に支障をきたすおそれのある病気

そして警察庁は ナルコレプシーは 第2項に該当する病気ではないかと なるこ会の意向を確かめてきた。 また、免許申請書等に病状などを記載する制度の採用を検討するとのことであった。 そこでなるこ会の意見としてナルコレプシーは、適切な投薬、休息で、対処でき、危険は考えにくい。 何れにも該当するとは思わない旨陳述した。

同 9月
警察庁より二次的試案が示された。(資料4)
「発作により意識障害または運動障害をもたらす病気」の一つとしてナルコレプシーが挙げられ、免許の拒否や取り消しの基準案が示された。 免許申請書や更新申請書に病状等について記載をもとめることを検討する、とされた。 そして、試案はパブリックコメントを求めるためホームページ上でも公開され、9月末の期限で一般庶民の意見を求めた。 なるこ会は9月27日に幹事会をひらき、警察庁試案を検討し、桑原幹事原案の「なるこ会意見」審議決定し、警察庁に提出した。 そしてナルコレプシーと交通事故を直接的因果関係と決めつけるのは不当である事を訴えた。(資料5)
 また専門医のお立場から本多先生も厳しい意見書を出してくださった。(資料6)

同 12月
警察庁よりパブリックコメント等にも配慮された二次案が示された。 ナルコレプシーは睡眠障害の一つとし、掲名しないこととされ、且つ、素案では「発作により意識障害または運動障害をもたらす病気」とされていたが、睡眠障害に変更され、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気」の分類になった。 免許申請書等に病状等を記載する制度は道路交通法施行規則改正試案とされた。(資料7)
以上につき、警察庁はホームページ上でパブリックコメントを募集した。 なるこ会では幹事会を1月17日に開き協議した。 警察庁案はかなり、譲歩されたものになっていたが、さらにもう一歩の要望をすることとし、意見書を提出した。(資料8)

14年2月
道路交通法施行令の一部改正する政令についての資料が警察庁より示された。(2月1日閣議決定、2月6日公布)その資料によれば、道路交通法施行規則改正試案に関するもの以外は、12月に提示のあった案がガイドラインもふくめてそのまま採用されたものと認められる。(直接関係ある改正法文=ホームページ上では省略)
 正直な話、警察庁からの資料は専門的で法律文書に馴染みの少ない我々には分かりにくい。 特に法改正のため、どこそこを削除、あるいは追加修正、と言うような内容が延々とつづき解読に手間がかかる。 元である道路交通法を参照しようとしても、昨年6月にこれが改正されており、未だ改正法が印刷物になったものは、図書館でも閲覧困難である。 そこで、法改正部分を官報から拾って旧法と突き合わせながら新法を読みとるしかない。
 以上大変雑駁ではあるが、法改正の趣旨は我々国民の一層の交通安全の実をあげることにあろうと解し、主張すべき処は主張し、決定には協力したいものであります。

運転免許制限の経緯(幹事 桑原正孝氏による)
1993.03.22 障害者対策に関する新長期計画 厚生省 障害者対策推本部決定
1995.12.18 厚生省 障害者対策推進本部
障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年計画〜(H8-H14)決定
1999.08.09 総理府 障害者施策推進本部
障害者に係わる欠格条項の見直し決定
2000.12.27 警察庁「道路交通法改正試案」発表
意見募集(2000.12.28〜2001.1.24)
2001.06.12 「道路交通法の一部を改正する法律」「付帯決議」成立
2001.06.20 一部改正道路交通法 公布
2001.07 道路交通法改正試案(1次案) 公表
2001.07.17 警察庁のヒアリング(小松弁護士、田宮副会長出席)
2001.09.06 警察庁「運転免許の処分基準等の見直し素案」 公表
意見募集(2001.9.7〜9.28)
2001.09.10 粂和彦先生、ゆきみさんより電子メール受信
2001.09.27 なるこ会幹事会 意見書案審議
2001.09.28 警察庁へe-mailにて素案に対する意見書提出
2001.09.30 なるこ会HP上に素案に対する意見書掲載
2001.12.20 警察庁「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」 発表
意見募集(2001.12.21〜2002.1.17)
2002.01.10 なるこ会幹事会 意見書案審議
2002.01.17 讐察庁へe-mailにて試案に対する意見書提出
2002.01.20 なるこ会HP上に試案に対する意見書掲載
2002.02.01 警察庁 パブリックコメントの結果発表
2002.02.06 道路交通法施行令 公布
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資料1 警視庁交通局からの意見陳述依頼書

なるこ会 御中
平成13年7月4日
警視庁交通局運転免許課長
田村正博

運転免許の拒否等の基準に関するご意見の聴取について(依頼)

 向暑の候、各位におかれては、ますます御清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、道路交通法においては、精神病者、知的障害者、てんかん病者等について、「欠格」として、運転免許を与えないこととしておりましたが、この度、この制度を見直し、知的能カや身体的能力についてはすべて試験で確認することとし、試験で確認することができない「幻覚の症状を伴う精神病」や「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気」等にかかっている者については、試験に合格した場合であっても、政令で定める基準に従って、運転免許の拒否等の処分を行うことができるように改めることとしました。
 また、運転免許の取得後に痴呆になった場合においては、同様に、政令で定める基準に従って、運転免許の取消し等の処分を行うことができることとしました。(このような見直し等を内容とする道路交通法の一部を改正する法律は、去る6月20日に公布されました。 改正法の関係部分の新旧対照表を同封しますのでご参照下さい。)

 今後、このような改正法を受けて、運転免許の拒否等の基準(政令)を作成する運びとなりますが、改正案の審議を行った衆議院及び参議院の内閣委員会から、改正案に対して、障害者等に対する免許の拒否等の基準を定めるに当たっては、交通の安全と障害者等の社会参加が両立されるよう、障害者団体等の意見を十分聴取すべきである旨の附帯決議(同封しますのでご参照下さい。)がなされたところであり、これを踏まえて、関係の団体の代表者の方に警察庁にお集まりいただき、運転免許の拒否等の基準に関して、ご意見をお伺いしたいと考えております。

 貴会は、ナルコレプシーの患者の方々により結成された団体であると承知しており、ナルコレプシー、取り分け睡眠発作の場合に意識障害又は運動障害が生じる場合があることと今後の運転免許の拒否等の基準(政令)の在り方について、ご意見をお伺いできれば幸いであります。(なお、日本睡眠学会からは先日ご意見を伺いました。)

 つきましては、ご出席の可否並びに7月9日、11日、12日又は13日(午前中)のいずれかでご出席可能な時間等につきまして、別紙に記載の上、7月6日までにFax等(下記参照)によりご連絡いただければ幸いです。 大変急なご連絡で恐縮でありますが、基準について、貴会のご意見を参考にしつつ、十分な検討を行う必要があるとの観点から、できるだけ早期にご意見をお伺いしたく、ご連絡いたした次第であります。 ご賢察の上、ご出席いただければ幸いです。
 なお、会議室の都合により、出席者は2名までに限らせていただきたいと考えてますのであらかじめご了承下さい。



資料2 警察庁の基本方針 7月

 
平成13年7月 警察庁交通局運転免許課

政令(道路交通法施行令)で定める事項

1 病気(病名)

   下記の法律の規定に基づき、免許の拒否や取消し等の処分の対象となる病気(病名)を定める。

@「幻覚の症状を伴う精神病として政令で定めるもの」
    (法第90条第1項第1号イ、第103条第1項第1号イ)
A「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気として政令で定めるもの」
    (法第90条第1項第1号ロ、第103条第1項第1号ロ)
B「@又はAのほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気
  として政令で定めるもの」
    (法第90条第1項第1号ハ、第103条第1項第1号二)
※このほか、免許の取消しや効力の停止の対象となる身体の障害を政令で定める。

2 病気ごとの処分の基準

(1) 1の@からBまでに掲げる病気ごとに、次の処分の基準を定める。
    @免許の拒否又は保留(法第90条第1項)
    A免許の取消し又は効力の停止(法第103条第1項)
    B国際運転免許証等による自動車等の運転の禁止(法第107条の5第1項)

(2) (1)の免許の拒否又は取消しの処分をした場合の免許を受けることができない期間(5年以内)の指定の基準を定める。

(参考)
○ 病状等の免許申請書等への記載(内閣府令で規定)
  諸外国において、過去に発作があったかどうかや病状が悪化したかどうか等について、免許申請書や更新申請書に記載することを求める制度が実施されており、内閣府令(道路交通法施行規則)を改正して、この制度を導入することについて検討する。

○ 処分の基準(政令の基準)とガイドラインとの関係
  政令で定める処分の基準は、どのような場合に免許の拒否や取消しといった処分を行うかについて定めるものであり、ある程度抽象的な表現になるものであるのに対し、ガイドラインは、処分の対象となる病気について、医学的な観点を踏まえつつ、具体的に記述するもので、(作成されれば)都道府県公安委員会が運転の適否を判定するに当たっての参考資料となるものである。



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資料3 小松弁護士の見解


警察庁交通局運転免許課の「なるこ会」宛、
「運転免許の拒否等の基準に関するご意見の聴取について」と題する書面について


1. 平成13年6月20日公布された、道路交通法の一部を改正する法律(法律第51)によって、免許の欠格事由及ぴ取消等につき下記要旨による改正がされた。

 精神病者、知的障害者、癲癇病者、目が見えない者、耳が聞こえない者、口がきけない者等に係る免許の欠格事由を廃止し、公安委員会は、「幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるものに罹っている者」 「発作により意識障害または運動障害をもたらす病気であって政令で定めるものに罹っている者」等については、政令で定める基準に従い、免許を与えず若しくは留保し、又は免許を取消し若しくは免許の効力を停止する(以下免許拒否等という)ことができることとした。(第88条、第90条及び第103条関係)

2. 警察庁は、免許の拒否及び取消等に関する政令を作成するため、下記事項について「なるこ会」の意見を聴取したいとしている。
@ ナルコレプシー、取り分け睡眠発作の場合に意識障害または運動障害が生じる場合があること
A 今後の運転免許の拒否等の基準(政令)のあり方について
 即ち、警察庁の「なるこ会」の意見聴取は、ナルコレプシーが政令で定める免許拒否等の病気に該当するか否かを判断するためである。

 ナルコレプシーにおいて、睡眠発作の場合に意識障害または運動障害が生じることはない。  ナルコレプシーで睡眠発作と言われている症状は、日中の過剰な眠気及び繰り返す居眠りの症状であって、突発的(突然)に睡眠状態になるものではない。 癲癇の発作とは異なる。
 ナルコレプシーの具体的な症状は、
  1. 日中の過剰な眠気と居眠りの繰り返し、
  2. 情動脱力発作、
  3. 入眠時幻覚・睡眠麻痺、
  4. 夜間熟眠障害等を症状とする病気
であって、発作による意識障害または運動障害をもたらす等の症状はない。

3. 警察庁は、ナルコレブシーの入眠時幻覚(鮮明で生々しい夢をみること)及び睡眠麻痺(所謂金縛り)の症状について、睡眠発作による意識障害及び運動障害に該当すると判断したものと考えられる。
 入眠時幻覚といわれる症状は、入眠時(寝入りばな)に、体験していると同じような鮮明で生々しい夢をみる症状をいうものである。 即ち、睡眠時の夢であり、睡眠麻薄も入眠時(寝入りばな)に生じる症状であるから、意識障害または運動障害の原因となるものではない。


岩波国語辞典第5版

「発作」とは、症状が突発的(突然)に起こって、まもなく収まること
「意識」とは、自分が現在何をやっているのか、今はどんな状況なのかが自分で分かる、心の働き。
障害=正常な進行や活動の妨げとなるもの。
睡眠 眠ること、眠り
幻覚 下界から刺激を受けていないのに受けたように感じる、その感覚。


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資料4 運転免許の処分基準等の見直し素案」抜粋  13年9月


A発作によリ意識障害又は運動障害をもたらす病気関係

 イ ナルコレブシー関係
ナルコレプシーにかかっている者については、以下のようにします。
(ア) 睡眠発作を起こすおそれがない場合については、処分の対象としません。
(イ) (ア)に該当しない者のうち、6月以内に、睡眠発作が起こるおそれがない状 態になることや回復することが見込まれる者については、免許の保留や効力の 停止を行うこととします。
(ウ) (ア)及び(イ)以外の者については、免許の拒否や取消しを行うこととします。

<備考>
※ナルコレプシーとは、昼間に起こる著しい入眠傾向(睡眠発作)等を主な症状 とする病気であるとされています。 運転中にこのような睡眠発作が起こった場合 においては、自動車等の運転が全く不可能となり、道路交通に著しい危険を生じ させると考えられることから、睡眠発作を起こすおそれがあるナルコレプシーに かかっている者について、処分の対象としようとするものです。

※国際的にも、ナルコレプシーにかかっている者について、免許の取消し等の 処分の対象とされている場合がみられます。(例えば、オーストラリアの運転適 性基準では、ナルコレプシーにかかっている場合については、普通白動車や自 動二輪車であっても運転を認めないこととされています。)

(3)免許申請書等への病状等の記載の義務付けについて(府令事項)

免許を受けようとする者や免許証の更新を受けようとする者が、(1)の免許の拒 否や取消し等の対象となる病気等であるかどうかについて、公安委員会が的確に把握 できるようにするため、諸外国の状況を参考として、

○免許申請書や更新申請書に、病状等(例えば、過去に一定の病気にかかったこ とがあるかどうか、病状が悪化したかどうか)についての記載を求めること を検討しています。

<備考>
※これは、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気にかかってい る者を把握するための方法が現在のままでは不十分ではないかという国民の方々 からの意見が寄せられていること(注)を踏まえ、諸外国の制度を参考として行 おうとするものです。


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資料5 「運転免許の処分基準等の見直し素案」に対するなるこ会の意見書

平成13年9月28日 

警察庁交通局運転免許課法令係殿

なるこ会  会長 
白倉 昌夫 

発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気関係として
ナルコレプシーを指定することに強く反対します

 なるこ会は、ナルコレプシー患者の会として昭和42年に発足し、全国に約400名の会員がおり、会員相互の親睦・互助、社会生活面の向上、啓蒙、治療・研究への協力を目的として活動をしております。
 当会は、「運転免許の処分基準等の見直し素案」別紙2−−2 病気等に係る免許の拒否や取消しの基準等に関する規定の整備について−−(1) 免許の拒否や取消し等の基準等について−−A発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気関係−−としてナルコレプシーを指定することに以下の理由により強く反対いたします。


1.適切な治療を受けているナルコレプシー患者はむしろ優良運転者です。
 不幸にして交通事故を起こした後に自分がナルコレプシーにかかっていたと判明した人もいます。 しかし自分がナルコレプシーと知らずに免許をとり交通事故を起こしていないナルコレプシー患者は大勢おり決してナルコレプシーが交通事故に結びつくものではありません。

 「睡眠発作」という言葉は、目を覚ましていた状態から突然眠り込んでしまうような誤解を与えますが実際には必ず前兆があり、仕事中であればコーヒーを飲みに立ったりトイレに行って顔を洗ったりできますし、運転中であれば道路の端に車を止めエンジンを切って休憩することが可能です。
 別紙2−2−(1)−A−イの<備考>に『運転中にこのような睡眠発作が起こった場合においては、自動車等の運転が全く不可能となり、道路交通に著しい危険を生じさせると考えられることから、睡眠発作を起こすおそれがあるナルコレプシーにかかっている者について、処分の対象としようとするものです』とありますが、これは全く誤った認識によるものです。 是非、専門医からヒアリングをされるよう希望します。

 居眠り運転による事故の中には、寝不足や過労などの要因以外に、自分でもナルコレプシーにかかっていると気がつかず治療を受けていない潜在的なナルコレプシー患者がいる可能性はありますが、適切な治療と医師の指導を受けている患者が交通事故を起こすことはきわめて低いと思われます。
 なぜなら治療を受け医師の指導に従っている患者は、極度の眠気はほとんどなくなり健常者とほぼ同じ生活が可能なのです。 その上自分が交通事故を起こす危険性を十分に認識しており、運転する時には早め早めに休憩をとるとともに、スピードを抑え車間距離を大きめに取り、少しでも眠気を感じたら直ちに車を止めて仮眠をとるなど一般の運転者の何倍も注意をしているからです。 実際、治療を受けた後に睡眠発作等ナルコレプシーの症状による交通事故を起こした会員のことは聞いておりません。
 注意を要する対象者が治療前の潜在患者であることは、1998年に米国の国立衛生研究所(NIH)の睡眠障害研究センタ(NCSDR)と高速道路安全委員会(NHTSA)とが居眠り運転の撲滅キャンペーンのために作成した報告書「DROWSY DRIVING AND AUTOMOBILE CRASHES」の中で
  (1) 若者
  (2) シフト勤務者
  (3) 治療を受けていない睡眠障害者:睡眠時無呼吸症候群とナルコレプシー
の3カテゴリーを最も危険性の高いものとして指摘しており、「治療を受けていない睡眠障害者」であることを明記しています。

2.免許の拒否や取消しはナルコレプシー患者にさらなる打撃を与えます。
 統計的な資料によれば全国の車両数7600万台、運転免許保有者は7500万人となっており、成人で運転免許を持っていないほうが珍しいという車社会であり車と運転免許は生活の一部に組み込まれております。 このような社会構造において直接・間接に車の運転は必要不可欠です。 運転ができないということは、職業選択においてすでに大きなハンディを負っているナルコレプシー患者にとってさらに選択範囲を狭めるものです。

3.免許申請書等に病名の記載を義務づけることは逆効果です。
 自分がナルコレプシー又は睡眠時無呼吸症候群であると認識している人はきわめて少数です。 睡眠の専門家の調査によると日本におけるナルコレプシーの有病率は1万人あたり16〜18名で、日本全国には約20万人とされています。
 しかし、治療を受けているナルコレプシー患者は3000人程度と推定され、高齢化等の理由で治療を中断した人などを含めても全患者の2%程度にすぎません。 治療を受けているナルコレプシー患者のうちどのくらいの患者が免許を持っているか不明ですが、運転をする時は前述のように一般の人たちよりずっと慎重な運転をしており交通事故を起こすおそれはほとんどありません。

 一方、自分が過眠症にかかっていることを知らない潜在的患者が申請書に記載することは当然あり得ません。 また、もし自分で病気らしいと思っても運転免許の取得に支障があると分かれば記載する人はいなくなります。
 それどころか、自分の症状に疑問を持ち検査・治療を受けたいと思っている人たちは、検査・治療を受けることをやめてしまい、その結果かえって交通事故を増加させることになります。 治療を受ければ飛躍的に症状が改善されるにもかかわらず治療を受けないために、個人的にも職を失ったり学校で勉強についていけなくなったりすることは必至です。

4.病気に関する情報は最も重要なプライバシーです。
  1. 病気に関する情報は最も重要なプライバシーの一つでありこれを秘匿することは人権の一つです。 これを現代社会で不可欠な運転免許の取得のために申請を義務化することは人権の侵害です。
  2. 運転免許という今日もっともポピュラーな資格の取得条件の一つに法令に定めること自体がナルコレプシー患者に対する偏見を助長する可能性があります。
  3. 運転免許の資格認定においてナルコレプシーを危険性のある病気と認定したことにより、これを先例として同様の理由で保険や就職等あらゆるところに波及することは必至です。
  4. 免許申請書等に記載した事項は運転免許証に記載されると考えられます。 運転免許証は実質的な身分証明書として広く通用しています。 免許証の紛失・盗難によっても免許証に書き込まれた情報は次第にひろがります。 また、特定の関係者しか知らないはずのリストが外部に漏れることは多くの先例が示しています。  患者の名前が漏洩した場合、嫌がらせ、からかいなどの対象になったり薬の入手のための目標となるおそれもあります。 実際、ナルコレプシーの治療に欠かせない薬を他の目的のために入手する方法がインターネット上で流されています。
5.その他
  1. ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群等を新たな欠格条項として指定することはノーマライゼーション推進の流れに逆行します。 今回、なぜナルコレプシー及び睡眠時無呼吸症候群が指定されることになったのかその根拠と経緯を明らかにして頂きたい。
  2. 実際にナルコレプシー患者が交通事故を起こした件数はどのくらいあるのか正確な数値を示して頂きたい。
  3. 素案の別紙2「イ ナルコレプシー関係」における(ア)及び(イ)の具体的な判断基準・方法、判定者を明確にして頂きたい。
  4. もし交通事故を起こす危険性があるということであれば同じような危険性を持つものに対し同じように規制して頂きたい。
  5. 別紙2 2.(3) 免許申請書等への病状等の記載の義務付けについて(府令事項)の<備考>及び(注)に記載されている全国交通事故遺族及び国民の意見は当然と思われますが、ナルコレプシー及び睡眠時無呼吸症候群を特定し指定するほど正確な知識を持っておられるか否か疑問を感じます。 睡眠障害、睡眠発作という言葉にどのようなイメージを持っているのか確認して頂きたい。  なお、別紙2−2−(1)−A−イの<備考>にも諸外国の規制例が記載されておりますが、規制していない国、州についてもどのくらいあるのか両方を記載することが公平と考えます。
以上


なるこ会事務局
  〒270-1114 我孫子市新木野 1-19-5   清水方
     TEL & FAX 0471-88-1851  (午後7時以降9時まで)

資料6 「運転免許の処分基準等の見直し素案」に対する本多裕先生の意見書

〒110-8974 東京都千代田霞ケ関
警察庁交通局運転免許法令係御中
E-mail:soan-iken@npa.go.jp

「運転免許の処分基準等の見直し素案」についての意見

 平成13年7月に道路交通法施行令の政令で定める事項の素案が発表されました。 そして運転免許の拒否や取り消し等の処分の対象となる病気(病名)が発表されました。
 従来精神病者には免許を与えないとする欠格条項があったことが人権侵害とされ、運転に支障をきたす症状で規定したということは大きな改善といえます。 しかし、病名を記載し、申告の義務を課し、罰則を設けたと言うことでは、これまでと全く同じ人権侵害が起こります。 従来は漠然としていたものが、病名が特定されたことにより、該当する患者にとってはより厳しくなったとも言えましょう。

 小生は過去40年間にわたりナルコレプシーをはじめとする睡眠障害の治療に従事してきた医師です。 ナルコレプシー患者にはさまざまな程度の眠気がありますが、突然眠り込んで意識障害の発作をおこすことはまずありません。 つまり政令でいう免許の拒否や取り消し等の処分の対象となる「発作により意識障害または運動障害をもたらす病気」には該当しません。 「睡眠発作」という用語は、1959年にアメリカのYossとDa1yという人たちが少数例のナルコレプシーの治療論の中で、眠くなる主症状をSleepa attacksという用語で簡略化してしまったことが今日まで伝え継がれてきたものなのです。 しかし「睡眠発作」はナルコレプシーの主症状ではありません。 現在国際的に最も広く用いられている睡眠障害国際分類のナルコレプシーの項では、ナルコレプシーの眠気は意識的に我慢すれば我慢出来るが、何度も繰り返し起こるので、ついには眠ってしまうことが多いとされています。 ただし数分間でも眠ればすっきりして眠気は消失することがナルコレプシーの特徴なのです。

 ナルコレプシーのため日本中で診療中の患者は3000人くらいと思われますが、病院で診断され治療を受けると日中の眠気は直ちにほとんどなくなります。 また患者へのカウンセリングも行われるため、本人も自覚して危ない運転は止めます。 もし眠気を感じたら短時間でも眠ると眠気は消失します。 これまで治療中のナルコレプシー患者が突然の意識消失のような睡眠発作のために運転事故を起こした事例はありません。 眠気がある程度強い患者は運転を避けますし、治療によりそれも消失します。 毎年9000キロも運転していて無事故・無違反でゴールド・力一ドを持っている患者さんも居ます。 ナルコレプシーという病名が分かっている患者は既に病院で診断・治療を受けている安全な人達なのです。

 問題はむしろ診断されていない、病気という自覚のない眠い人たちです。 しかしこれらの人々は病院で診断を受けることを嫌がります。 とくに地方の人たちは受診を嫌がります。 ある地方の一斉調査によって十数人のナルコレプシー患者が見つかった報告がありますが、そのうち一人も病院へ治療に来ませんでした。 小生もある地方都市で中・高校生の一斉調査をして二十数人のナルコレプシーと思われる人がいることが分かりました。 しかしその中受診した人は一人もいませんでした。 逆に調査用紙の配布をお願いした学校の教員の一人が「よく居眠りをするお前はナルコレプシーではないか」と周囲の職員から言われ、いたたまれずに転職してしまったと聞いております。 警察庁内の職員にもナルコレプシーのために受診して安全に仕事をしている方が何人も居られますが、全員職場では病名をひた隠しにしておられます。 周囲の偏見はまことに根強いものがあります。 こういう人々は病院へ行ってナルコレプシーという病名がつくことはもちろん、警察のリストにのって運転免許を制限されたり、病名が他の人に知られたりすることを極端に恐れます。 今国の政令が公布されると眠い人たちはますます病院へ受診しなくなるでしょう。 患者が診断と治療を円滑に受けて社会参加する機会を奪う結果となります。 つまり居眠り運転による交通事故を減らす効果は全く期待出来ずかえって増やす結果となる可能性すらあります。

 運転免許の取得に際し、ナルコレプシーという病名の申告を義務づけることは、既に治療中の極めて少数の安全な患者のみをリストアップし、あたかも危険性の高い病人であるかのごとく扱うことになります。 今日運転免許を持っていないと就職などにも支障をきたします。 ほとんどの患者はわざわざ病院で「睡眠発作の危険はない」という診断書をもらってこないと免許証がもらえないことになりますが、費用と手間の無駄であるばかりか、ナルコレプシーという条件つきの運転免許でぱ就職でもきわめて不利になります。 眠気のために運転に支障をきたす病気はナルコレプシー以外にも沢山あります。 また正常者でも睡眠不足や無理な勤務条件下では居眠り運転が容易に起こります。 花粉症や風邪の薬をのんでも眠気が起こります。 これらは本人の自覚にもとづいて注意すべきこととされている症状です。 安全運転を推進するためには、運転中の眠気という症状について本人が注意を払うことを義務化し、診断されていない未治療の患者が安心して診断・治療を受けられるように十分配慮していただきたいと思います。 診断がつけば容易に治療可能であるナルコレプシー患者は公共の危険性の高い人たちであるとは考えられません。 ナルコレプシーという病名をことさらに規定して申告の義務を課すことはプライバシーの侵害となり、患者の社会復帰を妨げ、差別と人権の侵害にあたります。 らい病の欠格条項の徹を踏む恐れもあります。

 私ども医師は患者の症状を改善し、社会生活を少しでも良くしようと常に努めております。
 この法律素案は患者の社会復帰を妨げ、社会生活を悪化させるものとなります。 平成13年6月の参議院内閣委員会における「道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」の中で、「交通安全と障害者等の社会参加が両立するよう障害者団体を含め、広く各界の意見を十分に聴取すること」と「これが障害者にとって欠格事由に代わる事案上の免許の取得制限や障壁とならないよう見直しを行なうこと」という言棄がわざわざついているにもかかわらず、小生をはじめ専門医の意見を十分に聞くことをせず、なるこ会などの患者団体の意見がほとんど反映されないまま今回の素案が作成されたことはまことに残念なことです。
 運転中によく眠くなるかどうかという「症状」のみを確かめ、あとは睡眠障害の専門医にまかせることが交通の安全の上でも患者さんにとっても一番よい方法ではないでしょうか。 ナルコレプシーはじめ、病名に基づいて運転免許の停止処分をすることに強く反対します。

   平成13年9月28目
〒162-0851東京都新宿区弁天町91
財団法人神経研究所附属晴和病院 本多裕
TEL:03-3260-9171,FAX:03-3235-0961
E-mail:Honda@seiwa-hp.com


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資料7−1 施行令改正内容13年12月 1/3

免許の拒否や取り消し等の基準
 自動車等の安全な運転に支障をおよぼすおそれがある病気として政令で定めるもの及びその病気にかかっている場合における免許の拒否等の基準については以下の通りとします。
A睡眠障害
  • 重度の眠気か生じるおそれがあると認められる場合については、
    • 6月を超えない期間内に重度の眠気が生じるおそれがなくなると見込まれる場合については、免許の保留又は効力の停止を行うこととします。
    • i.以外の場合には免許の拒否又は取消しを行うこととします。
  • a以外の場合には免許の拒否等を行わないこととします。
〈備考>
※日中における過度の眠気をもたらす病気としては、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、特発性過眠症等がありますが、その中でも重度の眠気が生じるおそれがあるもののみを対象とします。 「重度の眠気」とは、眠気のうち、運転中のような起きていなければならないときでも我慢しがたいような度合いの眠気をいいます。 なお、前日の夜が仕事等で睡眠不足の状態であった場合には、翌日は当然眠気がありますが、この場合は、病気とはいえないので対象ではありません(過労等により居眠り運転のおそれがある中での運転は禁止されています)。

『運転免許の処分基準等の見直し素案』に対して寄せられた主な意見及びこれに対する警察庁の考え方について(病気等に係る拒否の基準等関係)

(6)睡眠障害関係 素案においては、睡眠時無呼吸症候群及びナルコレプシーを明記しましたが、免許取得の範囲を素案の内容より広げるべきとのご意見(免許の拒否等の対象とすべきでないとの意見を含みます。)として、
@ 投薬治療により発作の回数は激減する(ナルコレプシー)。
A これらの病気にかかっていても安全な運転に支障をきたさない者が多数存在する(睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー)。
B ナルコレプシーは過眠症の一部に過ぎないので掲名すべきでない。
等がありました。 警察庁としては、これらの病気にかかっている方であっても自動車等の安全な運転に支障がないのであれぼ免許の拒否等は行わないこととする考えです。 また、ナルコレプシー等を掲名するのではなく「睡眠障害」としました。


資料7−2 施行令改正内容 13年12月 2/3


各病気等ごとの具体的な運用基準(案)

6.睡眠障害
(1) 睡眠障害にかかっている場合で、日中における過度の眠気の症状(以下「過眠症状」という。)がない場合については拒否等の対象としません。 また、過眠症状がある場合であっても睡眠障害国際分類に基づき「軽度の眠気」「中等度の眠気」と診断された場合については、拒否等の対象としません。

(2) 過眠症状を呈する睡眠障害にかかっている場合で、睡眠障害国際分類に基づき「重度の眠気」と診断された場合については、以下のとおりとします(このような診断がなされる可能性のある睡眠障害としては、例えば、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症などがあります)。

(ア)医師が、「6月以内に重度の眠気が生じるおそれがなくなる見込みがないとはいえない」旨の診断を行った場合については、6月の保留又は停止とします(ただし、医師の診断を踏まえて6月より短期間の保留・停止期間で足りると認められる場合には、当該期間を保留・停止期間として設定します)。 保留・停止期間中に適性検査の受検又は診断書の提出命令を発出し、
@適性検査結果又は診断結果が「重度の眠気が生じるおそれはない」旨の内容である場合には拒否等を行わないこととします。
A「結果的にいまだ重度の眠気が生じるおそれがない旨の診断はできないが、それは期間中に○○といった特殊な事情があったためで、さらに6月以内に重度の眠気が生じるおそれがない旨の診断を行う見込みがある」旨の内容である場合にはさらに6月以内の保留又は停止とします。
Bその他の場合には拒否又は取消しとします。
(イ)医師が、「6月以内に重度の眠気が生じるおそれがなくなる見込みがない」 旨の診断を行った場合については、拒否又は取消しとします。


資料7−3 施行令改正内容 13年12 3/3


4. 免許申請書等による症状等の申告の整備(道路交通法施行規則改正試案)
 免許を受けようとする場合又は免許証の更新を受けようとする場合に、上記1の免許の拒否や取消し等の対象となる病気等であるかどうかについて、公安委員会が的確に把握できるようにするため、免許申請書及び更新申請書において、以下のいずれかに該当する方は申告していただくこととします(具体的な病名の記載は求めません)
  • 病気を原因として又は原因不明により、意識を失ったことがある方。
  • 病気を原因として身体の全部又は一部が発作的にけいれん又は麻痺を起こしたことがある方。
  • 十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中活動しているときに眠り込んでしまうことが週3回以上ある方。
  • 現在、拒否や取消しの対象とされている病気に関して、医師から、免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている方。
<備考>
※これは、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている者を把握するための方法が現在のままでは不十分ではないかという国民の方々からの意見が寄せられていることを踏まえ、諸外国の制度を参考として行おうとするものです。
※9月の意見募集においては、44件の意見のうち
   ・賛成意見18件
   ・反対意見22件
   ・その他4件

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資料8 「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」に対するなるこ会の意見書

平成14年1月17日 

「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」に対する意見書

警察庁交通局運転免許課法令係殿
なるこ会  会長 
白倉 昌夫 

 なるこ会は、ナルコレプシー患者の会として昭和42年に発足し、全国に約400名の会員がおり、会員相互の親睦・互助、社会生活面の向上、啓蒙、治療・研究への協力を目的として活動をしております。
 当会は、平成13年9月28日に「運転免許の処分基準等の見直し素案」に対する意見書を提出しておりますが、今回(平成13年12月)公表された「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」について以下に意見を述べます。



1.例示としての病名の削除を希望します。
  今回の試案においては、免許申請書等に具体的な病名の記載は求めず免許申請書及び更新申請書において4つの設問(「十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中活動しているときに眠り込んでしまうことが週3回以上ある方」等)のいずれかに該当するか申告するとされており(別紙 第2 4 免許申請書等による症状等の申告の整備(道路交通法施行規則改正試案))私たちの主張を反映して頂いております。
  しかしながら、別添3 各病気等ごとの具体的な運用基準(案)の 6 睡眠障害 において
『(2)過眠症状を呈する睡眠障害にかかっている場合で、睡眠障害国際分類に基づき「重度の眠気」と診断された場合については、以下のとおりとします(このような診断がなされる可能性のある睡眠障害としては、例えば、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症などがあります)。』
と記述されており、例示としてではありますが、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症が病名として明記されております。
 当会として、もっとも危惧していることの一つに、平成13年9月28日の意見書の中で述べましたようにナルコレプシーという病名が道路交通法施行令の中に記載されることにより、既に治療を受け通常の生活が可能な患者に対して種々の不都合を生ずる反面、大多数のまだ治療を受けていない患者を潜在化させる危険性があることがあります。
 例示とはいえ施行令の中に具体的な病名が指定された場合、拡大解釈される危険性があり私たちの危惧を払底することができません。 法令文の中で例示するまでもなく「過眠症状を呈する睡眠障害」という言葉で必要十分と考えます。

2.具体的な基準について
  臨時適性試験及び適性検査の具体的方法については睡眠障害の専門医からヒアリングを行い反映することをお願いします。

 当会は、睡眠障害が一般社会で正しく理解され、まだ治療を受けておられない方が積極的に治療を受けられるような環境を作ることが本人の生活の質を向上させ、交通事故の減少につながると確信しております。 今後ともいろいろな機会をとらえて啓発運動を進めるとともに、未だ非常に数の少ない睡眠障害の専門病院の拡充を関連方面に働きかけたいと考えております。
 また、国家的な見地で居眠り運転を防止する技術が開発されることを切望しております。

以上

 なるこ会事務局
  〒270-1114 我孫子市新木野 1-19-5 清水方
  TEL & FAX 0471-88-1851  (午後7時以降9時まで)

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1904 報告 ホームページ運用結果(4)     ホームページ担当 桑原 正孝

 1.はじめに

 平成13年中のHP(ホームページ)の更改は2回実施しており、平成13年4月に会誌18号を、10月に警視庁交通局に提出した「運転免許の処分基準等の見直し素案」に対する意見書を掲載しました。
平成13年中のなるこ会HPへのアクセス数は約3万回に達し、前年の約1.6倍となりました。 アクセスが増加した要因としては、インターネットの普及に加え平成13年には次のことがあげられます。

アクセス数の伸び
(1)平成13年6月にNHK総合『首都圏ネットワーク』の特集番組で過眠症(ナルコレプシーと睡眠時無呼吸症候群)とが取り上げられ、会員へのインタビュー、本多先生のお話などが放映されました。 この番組の中でなるこ会のHP(ホームページ)のアドレスも字幕で紹介されました。 放映後約1ヶ月間にHPへのアクセス数は通常の月の約1.5倍になりました。

(2) 3月25日に朝日新聞、11月27日に日本経済新聞にナルコレプシーの記事が掲載されたことによると思われるアクセス増が見られました。(どちらの記事も本多先生よりなるこ会のHPのアドレスを紹介して頂きました。)
 他にも3件の"ナルコレプシー"というキーワードを含む新聞記事がありました。(新聞記事データベースによる。)

(3) 9月に警視庁交通局は「運転免許の処分基準等の見直し素案」をHP上でも公表し幅広く意見を募集しました。 なるこ会は平成13年9月28日に意見書を提出するとともに9月30日にHPに掲載しました。
 意見書の提出期限前後にアクセス数が通常の月より20%ほど多くなっていましたのでこの件について関心を持つ多くの方がご覧になったのでは無いかと推定しています。
 なお、警視庁交通局は、上記で募集した意見等を基づき12月に「道路交通法施行令の一部を改正する政令試案等」を公表し意見の募集を実施しました。当会は、この試案に対しても意見書を平成14年1月17日に提出しております。


ナルコレプシーを何により知りましたか
2.アンケートの回答の分析

 アンケートの設問内容を現在と同じものとした1999年4月以降の回答214通について、「何によってナルコレプシーをお知りになりましたか」という点について、3年間の変化を比べてみました。(1999年は4月から12月までの8ヶ月間)
 新聞・雑誌、テレビによりナルコレプシーを知った方が増加しているのは前項のような理由によるものと思われます。
 また、医療機関で知った方が増加していることは、過眠症が医療機関で認知されてきたことの反映と考えられ、この傾向が続いて欲しいものです。
 なお、他の設問に対する回答の集計結果は、前回までと大体同じ傾向でしたので今回は省略いたしました。



3.メッセージの抜粋
 平成13年中にホームページのアンケートに回答して頂いた方のメッセージをご紹介します。 プライバシーを守るためメールアドレスやお名前は削除しております。 これらのメッセージに対して本多裕先生から次のようなコメントを頂きました。

   本多裕先生からのコメント
 日中の眠気で困っている人が沢山おられ、どうしてよいか分からない状況がよく分かりました。
眠気で困る場合には色々な病気の可能性を考える必要があり、眠気だけではすぐにナルコレプシーとはいえません。 一番多いのは、夜いびきが大きく呼吸がとまる睡眠時無呼吸症候群です。 また大笑いしたり、得意になったときに突然体の力がぬける情動脱力発作という症状がある場合とない場合では治療の経過が異なります。 情動脱力発作がない場合は真性過眠症候群の可能性があります。 また他の病気に伴う眠気の場合もあります。 いずれにしても、専門病院で診察を受けてください。 また住んでいる地域などが分かるともっとアドバイスし易いと思います。


□□□1.このようなHPがあることを嬉しく思います。 私も中学生の時から居眠りが続くようになり、今日も仕事場で注意されました。 現在の仕事はプログラマーですので、日中ずっと椅子に座りっぱなしです。 ガムをかんだり熱いお茶を飲んだりしましたが、効果がありません。 最悪、立って仕事をしています。
 このような病気があることは知りませんでした。 ただ単に気が緩んでいると思っていました。 今大変、気が楽になりました。 近いうちに病院に診察にいこうと思います。 その時はまた連絡したいと思います。 今後もよろしくお願いします。

□□□2.中学1年生の娘がこの病気でどんな症状があるのかはっきりした事がしりたかった。 我が子だけが特別なように思っていたがそうでもないことを知り、心落ち着けて気長に子供に付き合っていこうと思えた。 一番つらいのは本人だものね。

□□□3.高校の時から、急激な睡眠に襲われることが多くありました。 そうなると、睡魔の力を妨げることは出来ず、気が付けば目が閉じられている様なことがあります。 寝ているつもりはなくとも寝ていたりとか、寝ている間に学生の時は授業を受け、ノートまで取っていました。
 ちょっと前までその傾向は軽減していたのですが、最近また復活しました。 どんなに目が覚めるように努力をしてもすぐに眠くなり、寝ながら仕事をこなしていっています。 気が付くと、取引先に意味不明なメールを送ってしまっていたり、プログラムを誤って製作していたりと、散々です。
 この症状がナルコレプシーかどうかは、まだ私にはわかりません。 ただ、そうであるのなら、原因も知りたいし、今後の為にどの様に対策を練るべきか考えて行きたいと思います。

□□□4.高校生の頃から居眠りがひどいとは思っていました。 しかし、大学入試の本番中や教育実習先の校長先生の前で眠ってしまう等、自分でも変だとは感じていました。 大学卒業後、公務員として就職しましたが、研修や大事な会議中にあまりに居眠りがひどいため、おかしいと感じた上司に神経内科医院につれていかれ、そこから紹介された精神科で脳波の検査を受けナルコレプシーと診断されました。
 仕事を一部制限されたのはつらかったですが、病気と認識したことで、自分がだらしないと思わずにすむようになったことで精神的にずいぶん楽になりました。 1年半くらいの間、薬によって睡眠のリズムをコントロールしました。 長期の服用に不安はありましたが主治医から必ず良くなります、と言い切ってもらったおかげで続ける気になれました。 また、仕事を続けていく上で、自分に一番必要なことは睡眠時間の確保だと自覚し、とにかく生活の中で睡眠を最優先する事にしました。
 30代になって以前ほどではないものの、やはり会議等でよく眠くなります。 が、絶対眠ってはいけない場面でカフェインキャンディーやドリンク剤を服用する程度で大丈夫になっています。 最近は居眠りの極端な後輩には、カフェイン剤等服用し、効果が無ければ医者にいくことをすすめています。 たかが居眠りでも仕事の場では大変なストレスになりますから。

□□□5.私は現在、OB社員として働いていますが、課長職の時に部下がナルコレプシーと診断され薬を飲んでいました。
 やはりナルコレプシーと診断されるまで数年かかったようです。 彼は薬を飲むと胃が悪くなるようで、飲むように指示しないと飲まないようです。 薬を飲んでいない時はよく仕事中に居眠りをしています。 居眠りをしている時に仕事のことを問い合わせても、はっきりと正確に答えることが出来ます。 寝ている時も人の話していることを理解しているようです。 寝ぼけたり、ボーとしたり、あくびをしたりすることは無いようで不思議です。 見た目は寝ているように見えますが、睡眠とは違うように感じます。
 以上が私のナルコレプシーに対する感想です。

□□□6.こちらを拝見しますと、わたしはナルコレプシーよりも、他の症状のようですが、病院の紹介などとてもありがたい情報でした。
 睡眠をとったはずなのにひどく眠くなったり、座っているとすぐに寝てしまうことで悩んでいます。 自分の卒業式でも子供の入学式などでも寝てしまい、きわめつけは義父の葬式で親戚中から非難されています。 寝てしまわないようにと、眠気覚ましのカフェインドリンク剤を二本飲んでいたのですが、だめでした。

□□□7.私は仕事をはじめてから気がついたのですが、大事な打ち合わせ中にも関わらず眠ってしまいます。 わかっているんです。 眠ってはいけないことくらい。 でも気がついたら眠っているという感じです。
 私にしてみれば、拷問です。 眠気を我慢することも。 眠ってしまうことも。 そして、たった今も眠さのあまりどうしたらいいのかわからず、このHPにたどりつきました。
 死ぬほど眠いんです。 もうどうしようもないんです。 気合が足りないとか、意識の問題とか、それどころの話じゃないんです。 本当に眠いのは苦痛以外の何者でもありません。
 それで、眠いときのことはあまり覚えてないんです。 仕事をしていてもわけのわからないメールを友達に送っていたりします。 仕事はコンピューター関係です。

□□□8.こんな病気があるなんて今までまったく知りませんでした。 「いつも寝てる人、寝太郎」とずっといわれ続けてきました。 ぜひ、きちんとした病院にいって治療したいと思います。

□□□9.自分の症状がおかしいのは以前から思っていましたが、病気とは思いませんでした。 自分で自分をなんて緊張感の無い怠惰な身体なのだろうと悩んでいました。 早く病院に行って相談しようと思います。

□□□10.会社の同僚が睡眠障害なのではと、心配しております。 男性で年齢は2x歳。 事務職で、机に向かうと眠気に襲われるようです。 居眠りは、朝から起こることもあり、一日に何度もあります。 体を動かしている時は大丈夫そうですが、座ると眠ってしまいます。 しかし、上司に注意をされても、本人はなぜなのか解っていなく、居眠りの自覚がないように思います。 三年ぐらい前から、現在まで続いています。
本人に「病気なのでは」とは言いにくく、困っています。

□□□11.私は1年前位から笑うときなどにひざの力が抜けて転んだり、階段を踏み外すといった症状がめだつようになりました。
 最近では道路の真ん中で地面に寝転がった状態から動けなっかたり、授業中椅子から落ちてそのまま座り込んでしまったり…とにかく面白いことを言ったりするのが好きなので周囲にしても日常茶飯事になりつつあります。
 私の場合特に眠いといった症状がなく(授業中はたまに意識が飛んでますけど)眠さで危ない思いをしてないので、どこの病院に行けばいいのかわからず困ってます。

□□□12.中学生の頃から、朝起きられなく困ってました。 朝、起されないと夜まで寝てることがよくあり、その為、登校拒否にもなりました。 HPをみてると私の症状は特発性過眠症に似ています。 今も、悩んでいます。 一度、診察を受けようと考えています。

□□□13.私も、「眠りすぎる」ことで自己嫌悪を抱えています。 私は小5の時から突然授業中に眠くなり、以来授業中は毎回寝てしまいます。 今は、仕事をしていますがやっぱり突然眠くなります。
 一応、睡眠時間を多くしてみたり、漢方を使ったりしましたが全然効果がなく、夢もかなりリアルな夢が多く、朝もボーッとしてすっきりと起きる事ができません。 みんなからも決していいようには思われていないので、どうしたら良いのかよくわかりません。

□□□14.中学生くらいから授業中によく眠るようになり、先生や友達に変、変、と言われてきました。 一度病院に睡眠のことで行ってみましたが、異常なしと言われ、自分でも夜寝るのが遅かったりしていたので、そうなのかと思っていました。 でも高校の時テスト中にまで眠って留年しそうになり、高校生だからまだ周りも大目にみてくれているけど、これから大学に行ったり社会に出た時に自分はどうなるんだろうと考えるととても怖くて不安です。 でもある日新聞でナルコレプシーの記事を見て、自分はこれではないかとびっくりしました。 もっといろいろ勉強して、今度は専門の医師に一度診てもらおうとおもいました。 このホームページがあってよかったです。

□□□15.私は以前、会社勤めをしていましたが、ナルコレプシーの為、会社で眠ってしまい、上司などに体を振られて声を掛けられても起きませんでした。 その結果社内で怠け者扱いされて結局退職する羽目になりました。 今でも昼間はずっと体がだるく眠たいです。 その反面夜は睡眠薬を飲んでも眠れません。

□□□16.立ち仕事をやっていて、自分の意志とは関係なく、突然睡魔に襲われ知らない間に歩きながら寝てしまっている。 やってはいけないと思えば思うほど毎日のようにやってしまう。 カフェインなどを飲んでも3〜4時間しかもたない・・・・・本当に私は病気なの?

□□□17.10年以上前より、夜しっかり眠った翌日でさえ、昼間に眠たくなるといったことが続いています。 また、夜にあまりよく寝付けないといった事もしばしばです。
 これは体質のせいなのだろうかと以前より思っていたのですが、先日新聞の記事でナルコレプシーについて知り、自分もひょっとしたらと思いました。

□□□18.今日、精神科で診てもらい、軽いナルコレプシーではないか?とのことでした。 僕も2年ほど前から仕事中でも運転中でもどんな場面でも眠気に襲われ約5分くらい寝てしまうことがありました。
 前々から病院に行こうと思ってはいたのですが、なかなか行けず、今日上司に寝ているところを注意され早退して病院に行きました。 問診と脳波測定と血液、心電図の検査をしてきました。 脳波測定の結果等から軽いナルコレプシーと診断結果がでました。
 ただ、ナルコレプシーの症状の一つにある喜怒哀楽後の脱力感はないような気がします。 僕の場合は、睡眠時間が4〜6時間と少ないことが原因かもしれません。 一応、眠気を抑える薬としてリタリンという薬をもらってきました。 眠りすぎも結構つらいので早く治したいと思います。

□□□19.中学生の時は夜更かしばかりしていつも眠たかったのですが、高校生ぐらいから夜更かししなくても(まだ夜更かしはよくしていましたが)眠たくなり、短大を出て、社会人になって自分の意思がまったく通用しない眠気に心底悩まされています。
 学生の頃とは違い、社会人になったので規則正しい生活をしているのですが、もう一年半も経つのに眠気はちっともおさまりません。 事務の仕事をしているのですが、いつも気がついたら眠りに落ちてしまい、会社の先輩から注意ばかりうけてしまいます。
 決して「寝てもいいや」とかいう感情などいつも持っていません。 私だって真剣に眠気と戦っています。 ですが、眠いとか気づく前にふっと意識がなくなり、気がついたら「あれ、私また寝ていたの?」と呆然としてしまします。 会社の方には見つかるたびに「やるきあるの?」とか「暇なの?」とかいわれてしまい、いつもつらくなります。 はたから見れば確かにすごくやる気の無い新入社員で、先輩方が怒るのも当たり前なのです。 わかっているけどだめなんです。
 昨日、ある小さな劇団の舞台を見に行ったとき、偶然、「過眠症」という言葉をききました。 まさかそんなものがあるはずがない、冗談なのかなーと思ったのですが、もしかしたら・・・と思いインターネットで検索してみて驚きました。 このページをみつけたのです。
 まだナルコプレシーかどうか自信はないのですがこのホームページをみて、本気で一度医師に相談してみる決心がつきました。 なんだか希望が見えてきたような気がします。 これからは時々、このホームページを覗いてみます。

□□□20.毎日眠くて眠くて仕方がありません。 学生の頃はよく授業中に寝ていました。 社会人になってからは、会議や食事の時間が恐怖です。 仕事上、朝は7時から作業、夜は11時過ぎまで会議をしていますので、眠気との戦いです。 しかし、他のスタッフは徹夜もしょっちゅうしているので、やはり、私が異常なのではと感じています。 何か良い方法があればすぐにでも試したいと思います。

□□□21.日中眠気に襲われる日々を過ごしており、悩んでいます。 現在は新橋の慈恵医科大学の神経科に通っています。 やはりナルコレプシーのことを言われ、血液検査をしていただきましたが、その結果はナルコレプシーではないということでした。 しかし眠気に襲われることに変わりは無く、「メイラックス」という薬を服用しています。
 朝の通勤は、毎日グリーン席を取って1時間近く眠るようにしており、また昼食後は喫茶店で10分でも仮眠を取るようにしています。 そしてカフェイン入りの錠剤「エスタロンモカ」を服用しています。 それでもいつの間にか眠ってしまうことがあり、上司から注意を受けています。 そして上司から言われ、慈恵医科大学の先生に診断書を書いていただき、「自律神経失調症」と報告しています。 もちろんそれですむわけではなく、薬を飲まずに治せないか相談するよう言われています。
 また会社に月に一度、産業医の医師が来られるので相談したところ、「睡眠時無呼吸症候群」ではないかと言われています。 どちらに相談したらよいか、良い方法があれば教えて下さい。

□□□22.私の夫は現在2x歳です。 彼と出逢って未だ5年ですがその間の経過を聞いていただきたく、ここに記しました。 彼はこれまで、自衛隊・トラックの運転手・会社員(現在)と、勤務してきました。
 自衛隊のころは気がつかなかったのですが、退隊し運転手に転職。 彼24歳、このころから異変に気が付きました。 ビデオ鑑賞の時、いきなりの(自称)金縛り状態。 時々顔の筋肉がけいれんし、発音がさだかではないが何か言っているときもあります。 それ以外は揺すっても叩いてもピクリとも動きません。 10分〜30分すると正常に戻ります。 その状態のときの彼の頭の中は1〜10までの数字が回っていて数が大きくなるほど身体が痛くなるそうです。 不規則勤務の運転手であるため、疲れが溜まったからと彼は言っていました。 そのころの睡眠時間は(時々運転の途中で10〜15分睡眠はあったものの)1日4.5時間。 しかし、それから毎日・休みの日もその金縛りが続き、多いときには1日に2・3回あるときもありました。 結婚と疲労を理由に規則的な勤務に変えても、その傾向は変わりませんでした。 1日に数回、時間が空くと寝る。 喧嘩の途中話が途切れたときも寝る。 その割には夜もすぐに眠りにつくが、眠りが浅いようで夜中何度も起きるらしく寝た気がしないと。
 仕事の影響かと思ったので、26歳で普通のサラリーマンに転職してもらいました。 十分な睡眠が取れるよう努力した結果、金縛りは相当疲れたときにしかでなくなりましたが、このころから極度の笑いに対して身体の力が抜けてしまうようになりました。 面白いものを見た時や自分で笑いをとったときなど。 立っているときは膝・腰・首・腕などがガクガクと。 横になっているときも、首・顔・足・腕など。 でも、金縛り状態のときほどではなく、頬をたたいたり揺すったりすれば殆ど正常に戻ります。
 もしかしたら、病気なのではないのかと思っていたところテレビで似たような症状を見たのでもしかしたらと思い、こちらにお邪魔致しました。
 これまで私が把握しているすべての症状なので、事細かに記しました。 彼はナルコレプシーであるか、判断して頂きたいと思っています。
 最後まで読んでくださってありがとうございます。

□□□23.最近入会しましたものです。 送って下さった会誌を読みました。 現在私が一番知りたいのは、ナルコ患者の人たちは仕事をどうされているかということです。 私自身はまず診断を受けたときの職業、警察官をやめさせられ、次に始めた日本語教師も多忙な仕事に身体がついていかず、やめさせられました。 他の皆さんは現在どういう仕事をしているのか、職場での理解はされているのか、等を知りたいです。 そこで出来ればそういったアンケートをとっていただきたいです。 私も今度体験談などを投稿します。

□□□24.周期性傾眠症なのですが、眠気を伴ったり伴わなかったりする胸の苦しみに悩まされるフェーズとただひたすら20時間ぐらい眠ってしまうフェーズと何もないフェーズを繰り返しています。 どのフェーズもリタリンを使用することで改善するのですが、夜はリタリンを使用できないのできついです。 現在大学院生なのですがリタリンがないと登校、帰宅すらままならないこともあります。
 大学院生なのでそのような生活でもどうにかごまかしきれているところがありますが、これからの社会生活に不安を感じております。 ここにいらっしゃる過眠症の方々はどのようにしておられるのでしょうか?

□□□25.小学2年のころから居眠りで悩まされています。 父母参観日や体育の授業のときでも、寝てしまうことがありました。 成績が悪くなかったため(どちらかといえば良いほうだった)、家族や友達から「睡眠学習」と言われるほどでした。

□□□26.大変わかりやすく、また有意義な情報ありがとうございました。 中学生の頃から、居眠りに悩んできました。 大学でナルコレプシーについて知り、自分のことではと思い当たる点がありましたが、薬物を飲むのがいやで現在まで、ごまかしながらやってきました。 職場で居眠りを指摘され、治療しようと決心しました。 本日精神科を受診しました。 今後も最新の情報がありましたら、ぜひお知らせください。

□□□27.朝もちゃんと起きれるし、仕事もたまに眠気におそわれる事はあってもなんとか普通にしていますが、休みの日 下手すると1日中眠っている事が続くことが定期的にあります。
 そういう時は、頭が重く頭痛が伴っていますが、気がだらけているせいかとか、仕事の疲れがたまっているからか?などとも考えたりしていたのですが、思い起こす事ここ数年なので気になりこのページに辿り着きました。 今度 診察だけでもうけてみようかな。

□□□28.ずっと昼間の眠気で悩んできました。 病気とは全く思っていませんでした。 先日、ふと「他にも悩んでいる人いるのかな?」と思い、インターネットで「眠ってしまう」で検索した所、ナルコレプシーの患者さんのHP等があり、このなるこ会HPにたどり着きました。
 このHPの病院リストで調べて、再来週、睡眠医療センターのある回生病院で診察を受けます。 ナルコレプシーかどうか分りませんが、もし治療が受けられるのなら、この眠気と離れられるかもしれません。 とても期待しています。 どうもありがとうございました。

□□□29.今年九州の大学を卒業して4月に就職のため上京してきたものです。 最近早くも退職するはめになり、今からどうしようかと日々悩んでいます。 去年念願の会社に運良く決まり、自分の好きな業種でしたので頑張っていけると思っていたのですが、ナルコレプシーとそれに伴う症状などで今までなく打ちのめされ精神的に参っています。

□□□30.いくら睡眠をとっても昼間どうしてもねむくなり、最近もなまけてるなどと仕事中大きな声で言われてしまいました。 言われてみれば、学生の時もずーっと眠かった。なんとかできるものであればなんとかしたいと強く思っていたところこのホームページを見ました。 近くの病院に問い合わせてみようと思いました。

□□□31.会議中居眠りをする場合が有って、大学病院へ行って、この名前を知りました。 他の方がどの程度の症状なのか? どの様に症状と対応して居られるのか?を知りたく思って居ます。

□□□32.10年位前から会議、商談、接客等の時に突然に意思と反対に睡魔に襲われる事が発生し、相手から怪訝な表情で見られる事があります。 友人に事情を話すと「ナルコレプシー」掲載の新聞の切り抜きを貰い読んでみましたら似たような症状が掲載されていた。 若い世代が多いと掲載されていたが、60代でも発症するのでしょうか。 自分が病気なのか、単なる睡眠不足で起きるのかわかりません。 一対一で真剣に話をしている時にも突然に睡魔がきます。 其の時は席を中座し顔を洗いようにしています。 一度診察は必要でしょうか。

□□□33.まだいわゆる会社勤めをしていたときに、先輩にナルコレプシーの方がいらっしゃいました。 本人は居眠りしてしまうのがとても恥ずかしかったそうですが、病院でナルコレプシーだといわれても世間の人(特に会社の人)には理解して貰えないと言っておりました。 この病気がもっと理解してもらえることを、願っています。 そういう私も、(ナルコレプシーではないようですが)睡眠障害があります。 今は自宅で時間が自由になる仕事をしているので、問題ないのですが。

□□□34.過眠のため、書籍を探しましたが不眠のものばかり。 ようやく見つけた本に数ページだけナルコレプシーの事が載っていてこの病気のことを知りました。
 私の場合、運転中に眠ることがないのでナルコレプシーではなさそうですが、昼間は気が付くと寝ている状態がほぼ毎日続き精神的に辛い日々を送ってます。 でも、寝ているから、そんな風に思ってるなんて見られないんですよね。 寝つき、寝起きもよく睡眠時間を7〜8時間はとっていても昼間の眠気があり、上司からも注意されました。
 誰に話しても分かってもらえず、憂鬱な気分ですがここを見つけ、すこし心が軽くなりました。 今はここに紹介されている病院にいこうか迷ってます。 近所にはないため、なかなか一歩が踏み出せません。

□□□35.私もナルコレプシーなんですよ。 9歳からなんでもう10年なんですけどね。 中学・高校・大学と進学するに当たって新しく知り合う人に、いつどんな風に言えば分かってもらえるか、偏見や差別されないかどうかとか、友達でいてくれるかとかいつも思います。 でも今短大生なのですが友達や先生の理解に恵まれ楽しくやっています。 1時間めと3時間めの初めには毎日寝てしまいますがその分毎日9時半くらいまで残って勉強しています。
 精神科の先生が言うには私の症状は比較的まだ軽い方らしいです。 それでも薬がきれると「ああ私ってやっぱ病気なのね」と痛感してしまいます。 私の場合なので一概には言えませんが、自分の努力とよき理解者に恵まれれば楽しい生活がおくれると今は思います。 これから新しい環境で生活する時でもその事を信じて頑張っていきたいです。

□□□36.私は医学部の学生で、昨年の夏にナルコレプシーとの診断を受けました。
 治療を受けるようになってから実習や講義が普通に受けられるようになったので、やっと勉強が分かるようになりました。 それまでずっとクラスの中で「怠け者」のレッテルを貼られていました。 診断を受けたとき、このことを話せばみんなに分かってもらえると思い、隠さず話すことにしました。 医学生なのだし、みんなこの病気のことは知っているはずだから、きっと理解してくれると信じていたのです。 しかし、現実はそう甘くはなく、精神科に通院している私は、さらに白い目で見られることになりました。 実習先の先生方の中でも、ナルコレプシーのことを知っている先生はほとんどおらず、そんなのは気のせいだとか、やる気次第でなんとでもなるとか言われて、あまり真剣には受け取ってもらえませんでした。
 この病気のために、私の心には根深い劣等感が植え付けられました。 ずっと思い描いていた医師になる夢も、ここまできたのに、実現することができないように思えて不安になります。 今、卒業後の進路を決める時期なのですが、どこへ進むべきか迷います。 ただ、私にはハンデはありますが、私に偏見の目を向けた人たちよりも、患者さんの気持ちを理解することができると思います。 私たちのように、病気に対しての理解が得られずに苦しんでいる患者さんは、たくさんいると思います。 そういう人々のために少しでも役に立てる仕事がしたいです。

□□□37.中学、高校時代から授業中の居眠りに悩まされてきました。 進学校で成績も良かったことから勉強のし過ぎの一言で片付けられていましたが、大学受験の最中にまで居眠りすることもあり(合格はしましたが)、少々疑問に感じていました。
 その後も活動半径が広がるにつれ、大学でのクラブのミーティングの最中や、映画館、演劇、授業はもちろんのこと、体調を整えても強い眠気に襲われていました。 車の免許を取ってからは、やはり運転中に睡魔と闘っています。
 就職してからは、眠い会議は当たり前、更には1対1で話しているときや、お客様のところで数人で打合せるときにも眠気に襲われています。
 最近、睡眠時無呼吸諸侯群が取り上げられ、チェックリストのようなもので該当項目に「はい」 「いいえ」を入れるものでしたが、この検査結果では「重症」とのこと。 病院で簡易検査器具を借りて測定した結果は「シロ」でした。
 眠気を抑えるために、なるべく規則正しい生活を心がけてはいますが、それは、友人との交友関係を狭め、自己研鑚のための学習時間も削ることになり、だんだんと自分の能力が衰えているような気がしてなりません。
 こちらのページは、日経新聞2001年11月27日夕刊の記事で拝見しました。 「情動脱力発作」など、眠気以外の症状は見られないため、ナルコレプシーではないとは思いますが、大変勉強になりました。 ありがとうございました。


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1905 新現代病: 深刻な過眠症   NHK番組から               事務局

 NHK-TV ch-1 から13年6月首題のような放映がありました。
なるこ会も取材に協力させて頂きましたが、NHKさんのお許しを得て誌面で概要を紹介いたします。

 まず過眠症です。 夜充分寝ている筈なのに、日中突然眠り込んでしまうという、いわば眠たくなり過ぎる病気のことなのです。 この過眠症にはいくつもの種類があるのですが、代表的なものが、ナルコレプシー。 日中、人と話をしているときや、仕事の最中に突然眠り込んでしまうというもので、居眠り病とも呼ばれています。 そして代表的なもののもう一つが睡眠時無呼吸症候群。これは睡眠中呼吸の障害があって、その結果やはり日中眠くなってしまう。眠気が押さえられないと言う症状は似ているのですが、ひとつひとつは全く違った病気です。
 こうした過眠症に苦しむ患者の実態についてお知らせします。
 
声「歩いている最中にも、眠気が耐えられなくこともあります。 眠気が入って来たらどうしようも
  なくなって、自分の意思と体が分離していくみたいで、体に裏切られた!!との思いです」
 村澤 啓さん 32才。 病院で看護の仕事、4年前から歩いている途中や会話中に突然寝込んでしまう様になりました。
声「何とかこらえようと針先で体をつついたりしてもダメ、自分の体をコントロール出来ないな
  んてなんだろう」
 ナルコレプシー患者には様々な症状が現れる。 日中突然眠り込む『睡眠発作』、笑ったり興奮した時、急に体の力が抜ける『脱力発作』、夜寝入りばなに怖い夢を見る、『入眠時幻覚』などです。 症状はいずれも薬で押さえることが出来ますが、病気とは気付かずに悩むケースが多いと言います。
 大手企業に勤めるこの50才の男性は高校生の頃からナルコ特有の居眠りの発作に悩まされて来ました。 しかし自分が病気だとはずっと気付きませんでした。
声「上司と向い合って話をしている時でも、電話中でも眠ってしまう。 ほかの人から見ればおかし
  なことだろうと思います。 サラリーマンとしても段々遅れをとるし、自分自身を責め、自分に愛
  想をつかす感じでした」
 20年余り悩み続けた末にナルコレプシーと分かり、症状は薬で押さえられることを知りました。
声「自分のせいじゃない、病気だと分かって精神的に救われましたが、ほっとした反面、もっと早く
  分かったらと残念でした。」
 ナルコレプシーの人達が集まって出来た団体『なるこ会』です。都内の病院で定期的に集会を開いています。 患者達は機関誌やホームページを通じて体験を語り合い、支え合っています。
 この病気は周りの人から、緊張感がない、たるんでいる、と見られ勝ちで、なかなか理解してもらえないのです。
 長年治療に当たってきた本多医師は、この患者は全国で20万人と見ていますが、治療を受けている人は100人に1人に過ぎないとのことです。

 本多先生「本当の原因は明らかでないが、体質的な影響、環境的な影響など色々な要因が重なって出てくる。 希だと思われていたが、それほど希なものでない。 潜在的な患者さんが多いとおもわれる。」


睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症の患者は全国で100万〜200万人と言われている。
夜、充分睡眠をとっているのに、日中度々睡魔におそわれ、場合によっては眠り込んでしまいます。
千代田区に2年前に出来た睡眠時無呼吸症候群専門のクリニックがあります。
この病気の原因は睡眠中の呼吸にあります。 自分は気付かないうちに咽の気道がふさがって呼吸が止まってしまうため、充分な睡眠が得られないのです。 睡眠中の脳波や呼吸の状態を詳しく調べることで診断できます。
 病気が起こる仕組みですが、咽の気道は眠ると周りの筋肉がゆるむ為、狭くなりますが、健康な人であれば塞がることはありません。 しかし肥満などでもともと気道が狭くなっている人は睡眠中度々気道が塞がって呼吸が出来なくなり、そのたび脳が呼吸を再開するよう、指令を出すため、眠っていても脳は休むひまがありません。

 この病気が居眠り運転の原因になっていると言う指摘もあります。
睡眠時無呼吸症の40才台のこの会社員は症状がひどかった数年前に度々交通事故を起こしたと言います。
声「2時間くらいのところを2回も3回も休憩しないと眠くて運転出来なかった。
  眠くて事故を起こしたことも、大事故も一度おこしたことがある。」
 睡眠の障害だけでなく、呼吸の異常があることで他の病気につながるおそれもあります。 この男性の体にも様々な異変が起きたといいます。
声「寝ている間に酸素が行き渡らないので、血が濃くなってしまって、手の平が真っ赤になる。顔色が
  どす黒くなったことがあるが、治ってはじめて病気だったことが分かった。」
 「呼吸が止まるたびに酸素が欠乏状態になるのです。 血中の酸素が減って炭酸ガスが増えるが、そのため心臓に負担がかかる。 高血圧になるなど循環器系の合併症になるなど問題がある。」
 日本では睡眠障害に対する研究や治療が遅れていて、過眠症の患者が病院を訪ねても、異常がないと診断されるケースが少なくないといいます。
 病気と気付かないまま悩む潜在的な患者を救うために睡眠の障害を扱う病院や相談窓口の整備が求められます。
 こういった症状をみて、心当たりがあると思われた方が多いのではないでしょうか。 日本では睡眠に何らかの障害を抱えた人が5人に1人は居るそうで、また過眠症をはじめとする睡眠に関する病気は80種以上もありまして、それぞれ治療の方法が違うので、きちんとした診断が必要であります。

まとめて見ますと、
ナルコレプシー:
激しい眠気、怖い夢、脱力の発作

睡眠時無呼吸症:
普段いびきをかく、いびきが時々止まる
なるこ会ホームページ http://www2s.biglobe.ne.jp/~narukohp/
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1906 札幌からのお便り                 松崎彰

 『 退職して6年目も終わりに近ずいてきましたが、今年は @漢字読本を自費出版  A清水様に紹介されたTV局が来て、睡眠障害を取りあげた番組にナルコレプシーの患者として出てほしいとたのまれ、5分程でしたが出ました。 北海道地方だけの放映でした』との お便りです。

@ 漢字読本を自費出版

★はじめに
 私は59才まで、札幌で小学校の教師をしておりました。(現在66才)
小学校4年生の8月15日は疎開先の幌延町のお寺で、お坊さんの説教を聞いておりました。 『日本には秘密兵器があって、・・神の国・・神風が吹きます。 』こんな話を聞いて家に帰ると、天皇の終戦の詔勅放送があったあとでした。
 叔母さんは男の服を着ていました。 そのうちアメリカ兵だってすぐ札幌には来ないだろうと言うことになり、混乱はおさまりましたが・・・
この貴重な体験は、自分は人にだまされない大人になりたいと言う強い願望となってゆきました。 教師になって子供達の基礎学力を育てる実践の原点となったように思います。

★漢字教育の基礎をどこに置くか。
 漢字は知性豊かな市民になる入り口であり、特に小学校1・2年生で漢字教育でつまずいてしまうと国語嫌いになり、他の教科も分からなくなってゆきます。 この問題の解決なくして義務教育の充実と発展はあり得ないと思います。
 私の実践はすべての子供が教育漢字を読むことができ、その基礎的な意味が解ることに重点をおいている事です。 そのためには教科書の長文を繰り返し読まなくてはなりません。 私の努力も及ばずに落ちこぼれてしまった子供が沢山いました。 25年前、1年生の担任になった時、韻文形式の読みとり教材を創作し、授業の中に8月から使用しました。 それから退職まで5回1年生を担当しましたが、この実践を続けました。
 『漢字読本』1年生『漢字の勉強楽しいな』は1993年6月に自費制作したものに加筆、訂正したものです。

★韻文形式の漢字教材の優れた特徴
  1. 子供はみな韻文がだいすきである。
  2. 文が短かく、みんなすぐ読めるので達成感がある。(落ちこぼし少ない)
  3. まとめて覚えたほうが合理的なものを韻文のなかに取り込める。
  4. 語源から考えて創作しているので読むだけでも漢字の意味がわかる。
  5. 音と訓が同時に理解できる工夫をした。
★『漢字読本』1年生の限界とこれから
 この読本のなかには80余の教育漢字が、55の創作韻文の中に収められていますが、子供がとても喜んだのは20ほどです。 私の能力・努力の限界なのです。 漢字教育の論争が高まり、多様な教材の作者が現れることを心から期待しています。

註:
漢字読本の極く一部を挿絵で載せました。 実物はA4 サイズで、大きく見易いものです。

A『UHB北海道文化放送TVに松崎さん取材協力、 睡眠障害を語る』
  ビデオテープを頂きました。 UHBさんのお許しを得て、誌上で再生してみます。

 一寸疲れているだけ、或いは自分が怠惰だと思い勝ちですが、放っておくと深刻な事態になることもあるのです。
4人に1人が熟睡感がない。 と、この春、国がまとめた睡眠に関する調査結果だ。 特に24才〜44才の働き盛りは3人に1人の割合で寝不足を訴えている。 その理由のトップは、仕事の忙しさ、そして悩み、ストレスだ。 この寝不足、実は大きな危険をはらんでいる場合がある。

医師 「寝不足だと思って放っておくと、とんでもないことになる。 眠りの質が知らず知らずのうちに浅くなっている。 明らかに睡眠障害という病気の一つですね」
 睡眠障害とは、寝付きが悪い。 夜中に目が覚める。昼間眠気が襲う。 などの症状が続き、情緒不安定や食欲不振などを引き起こす病気の総称だ。 5人に1人は、何らかの睡眠障害があるという指摘もある。 そして何より恐ろしいのは自覚症状がないとことなのだ。
松崎氏 「はっと起きた瞬間、目の前に電柱があってね、衝突した。 あれは、すごく痛かった。」
 元小学校の教師の松崎彰男さん。50年前から睡眠障害に悩まされてきた。 病名は ナルコレプシー 時と場所に関係なく、居眠りを一日に何回もくりかえす。 しかし、松崎さんは30年以上病気と知らず、悩んできた。
松崎氏「 職員会議でも居眠りをしていたんですね。 給食の時間スープを落としたりね。 こんなことを繰り返すようであれば、もう教師など出来ないと思った」
 ナルコレプシー患者の睡眠の深さを示すグラフだ。 度々目覚めているのがわかる。 眠りの浅さが昼間の突然の居眠りを引きおこす。 原因は遺伝的体質があり、これに外傷や出血などが重なり発病することが多い。 しかし、はっきりとした原因は解っていない。
医師 「自転車に乗っていても、泳いでいても、またスキーの最中でも出てしまうらしいですよ。 ですから事故につながりますね」
 更にナルコレプシーは意思とは関係なく、発作的に眠るため、周囲から「なまけもの」と見られ勝ちだ。 2〜30万人の患者が居ると見られている。
医師 「 病気と気付かないで自分の能力がないとか思い、他人から指摘されたり、失業したり、離婚したり、中々社会生活がうまく行ってない方々も多いようです」
完全な治療法はないが、しかし投薬によって症状を緩和することが出来る。
松崎氏 「ナルコレプシーと診断され薬をもらって、それが効いたときには光りが見えた」
 ナルコレプシーを含め、今増えつつある睡眠障害は、原因がはっきりしないものが多いが、リストラや社会不安や会社でのストレスが引き金になっていると言われている。 また、仕事による寝不足や、不規則な睡眠そのものが、睡眠障害を引きおこしているケースも多い。 では、睡眠障害を防ぐにはどうしたらよいだろう。
医師 「一定の時間帯に深い眠りを5時間とれば充分」
しかも疲労を回復する成長ホルモンの分泌が一番多い深夜12時頃に深い眠りに就いているのが理想的なのだ。
医師 「朝起きたら必ず食事を採る」「太陽の光りに当たる」
 規則正しい生活で寝不足を防ぐ、これが睡眠障害を防ぐ有効な方法なのだ。 単なる寝不足か睡眠障害かを見分けるポイント。 規則正しく眠ることが出来ない。 結果、物忘れがはげしくなり、仕事でのミスが目立つ。 こうした状態が一ヶ月以上続くようだと、睡眠障害の可能性がある。
 その場合は医師に相談すること。 今は投薬でかなり改善されるようです。
(UHBより掲載ご承認済み)
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1907 投稿 私の旅日記                   K

 「何?・・"ハワイへ行こう"って?とんでもない英語も話せないし、第一ハワイなんて若い人達が行く所じゃないか。」
 我が家の子供達に誘われたのが、13年前の初夏だった。
しかし、振り返ってみると、最後に家族4人(妻・長男・長女)揃って旅行をしたのはいつ頃だっただろう。 子供達が中学生になってからは覚えがないので25年位前になるだろうか?
 口とは裏腹に子供達に誘われたのが嬉しく、また、妻も同意してくれたので、とにかく夏休みを利用して行ってみる事になった。 それからが大変で、パスポートを取ったり、夏物の衣類を購入したり、ハワイの本を読んだりしての前準備で大わらわ。 肝心なツアーの段取りや手続きは、すべて子供達が行ってくれた。

 平成1年8月、成田空港で添乗員の細かい注意事項のあといよいよ搭乗、ハワイへ出発、日付変更線を経て焼く8時間後にはホノルル空港に到着。 ロビーでは現地美女からの花のレイを首に掛けて貰い、まるで映画で見たワンシーンのようで最高の気分だった。 空港から専用バスでホテルへ、部屋はワイキキの浜辺がよく見渡せる24階であった。
 ハワイでは、オアフ島とカウアイ島の主要観光地を現地ガイドの案内で観光し、ワイキキの海で泳ぎ、浜辺で日光浴をしたり、海中に潜って熱帯魚も鑑賞できた。 夜は家族だけで外出してレストランへ行き食事を満喫した。
 ほとんどの店で日本語が通じたので、当初心配していた英会話は無用であった。 また、ツアー同行者にも中高年の夫婦が何組か参加しており、若い人達ばかりでない事が分かり心強かった。
 とにかく非常に楽しく過ごして来たことには違いなかった。 そして、これがきっかけで海外旅行が病みつきとなり、その翌年には、中国へ行く事になった。

 平成2年8月、成田空港から上海空港へ直行し、7日間の旅が始まった。
 中国では、上海市内を観光し翌日桂林へ。 その後、漓江川下りを楽しみ、夕方には、空路北京に到着した。 ホテルは北京市内の幹線道路に面して所にあり2泊したが、夜間は遅くまで賑わっていた。
 翌日から40万人の集会が出来るといわれる天安門広場、故宮内の紫禁城、万里の長城や、市内観光をして帰路についた。
 中国で一番印象に残ったのは、北京市内での通勤風景である。 ほとんどの人が自転車通勤をしており、中央2車線はバス等の路線になっているものの、あとは道路幅一杯に自転車が列をなし、それはまるで日本の渋滞道路のようだった。 また、面白い事に中国銀行発行の通貨には2通りあり、外国通貨と交換できるのは【兌換券】(だかんけん)と印刷された紙幣だけで、【人民幣】と印刷された紙幣は、外国通貨とは交換できないことになっている。 しかし国内で使用するには、その通貨価値は同じであった。

 人間というものは、一度甘い味を覚えるとなかなかその味を忘れることが出来ないようである。 なぜなら、翌年の平成3年8月には、「ヨーロッパ・ロマンチック街道」のツアーに参加し、ドイツ、スイス、フランスを巡ることになったのである。 ヨーロッパには古城が多く、現地ガイドの説明は古城の戦話に始終していた。 スイスでは雄大なアルプスの山々を眼のあたりにし、その美しさにはとても感動した。
 また、ミュンヘンではツアーで仲良くなった人達と、バスの現地ドライバーの人達に案内されてビヤホールに行き、ビールを浴びるほど飲んだ。 そして、現地の人達と肩を組み手を取り合って踊り、最も楽しい想い出となった。

 此処までくると、毎年夏休みには旅をしようと言うことになり、平成4年にはカナダへ、平成5年にはイタリアへ・・・と、旅を重ねてきた。

 しかし、私が最も行ってみたかった国は、カンボジアであった。 この国には非常に想い出深いものがあった。 それは今から30年前(昭和45年)、私は会社の人事異動でカンボジアに単身赴任していたのである。
 当時、カンボジアは、電力事情が悪く水力発電所を建設するため、技術者として派遣されたのである。 しかし工事を始めてからまもなく、内戦が始まり国内情勢が悪化したため、止めをえず工事を中断し、殆どの技術者は日本に引き上げてしまった。 ただ工事再開の時に備え連絡要員として私を含めて5人が残留した。 事務所は首都プノンペンに置き連絡の要に当たっていた。
 プノンペンの街並みは、歩道が広く木々が青々と茂り、その木陰には露天が並び、市民は談笑し、平和でのんびりとした風景であった。 戦争をしている事がウソのようであった。
 しかし、そのような状態も長続きはしなかった。 当時のロン・ノル将軍は新米派であり、カンボジア国民が絶対的に崇拝しているシアヌーク国王を追放したため、国民は反感を抱いていた。その反戦軍がポル・ポト軍であった。 私はカンボジアで3年間過ごしていたが、徐々に戦争が激しくなり、市内でも危険な状況になったため、会社の指示により帰国することになったのである。
 プノンペンに居る間にアンコール・ワットは是非行ってみたかったが、実現できないままとなっていた。 そんな思いでのあるカンボジアには、もう一度行ってみたいと思っていた。

 そして平成7年9月に定年退職したので、それを機会に早速ツアーを探して参加を申し込んだ。
 平成8年3月、再度カンボジアへ出発した。 日本とカンボジアには正式な国交が無いため、タイ経由でカンボジア入りした。 プノンペン市内に入りまず驚いたことは、人口が多いことであった。 私がいた頃の人口は50万人位であったが、今はその倍以上に増えたそうである。 街の様子も昔のようなのんびりとした雰囲気は無く、皆忙しそうに動いていた。 頭に描いていた街並みも殆ど変わり、戦後の復興作業にかかっている感じてあった。
 プノンペンに到着後、ガイドからは、生水は飲まない事、夜間の単独外出は控えるように、との注意を受けた。 ホテルの入り口には銃を持った自衛兵が配置されていた。 翌日市内観光後、アンコール・ワット観光のため空路シェムリアップに移動した。 ホテルは市内に1軒しかなく、プノンペンのホテルに比べればかなり劣るものであったが、そのホテルに2泊し、その間にアンコール・ワット遺跡を始め、近くを取り巻く遺跡を見学した。 アンコールの遺跡郡は、9世紀から15世紀にかけて往時のクメール人がジャングルを伐り開いて築き上げたクメール文化として有名である。 それを実際に見ることが出来てとても感激した。 戦争のため遺跡の各処が破壊されていたが、今それを修復すべく各国からボランティアが技術指導に着ていて、日本人も参加していると、その旨が一角に表示されていた。 ツアー最終日には、プノンペン市内にある、ポル・ポト軍による文化人の大量虐殺が行われた場所や拷問を受けた場所、何千もの頭蓋骨で国を模写した所も見学した。 また、1951年フランスから独立した時の記念塔、中央マーケット、日本人が活動している難民センター、日本橋等も観光した。
 カンボジアの現状を見て、一日も早く戦争をやめて、農業や商業を発展させ、国民一体となって国作りをして欲しい、そしてまた、各国と自由に往来できる国となって欲しいと強く感じた。
 帰国のため空港に向かう途中、シクローと呼ばれる人力三輪車に出会ったが、非常に懐かしく感じた。 と言うのもこれは人を乗せる人力車でタクシー代わりに利用していたもので、今ではほとんどが見当たらず、バイク付きタクシーに替わっているからだ。

 13年前ハワイへ行こうと決めたとき、まさかその後何度も海外へ旅することになるとは思いもしなかった。 まして、思い出のカンボジアにまで行ってしまうとは夢にも思わなかった。 あの時思いきって行って良かったとつくづく思う。 実際に行ってみると、どの国も本当に素晴らしく、いろいろな発見がある。
 まさには百聞は一見に如かずである。 これからも大いに旅をして見聞を広めていきたいと思っている。 しかし、それには良き連れが必要である。 妻を大事にし、お互い健康で長生きをしていかなければと思う。 そして来年もまた、どこかへ旅をしようと思っている。
平成13年12月記


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1908 投稿 躾って何?                 T

 先日新聞を見ていたら、コラムにこんな記事がのっていた。   
 大通りに座りこんでものを食べたり、電車やバスのなかで化粧をしたり、大声でケータイをかけたりする若者を見かける。 ある博士の説によると、彼らの行動は『前頭連合野』という部位を不幸にして損傷してしまった患者の状態と酷似している。 重要な事は脳の機能障害は病気や物理的なダメージによって起こるだけでなく、幼少期の教育や環境によっても起きる。 かっては大家族で兄弟姉妹も多く、近所には「ガキ集団」があった。 ケンカもしたが仲良く遊んだりもし、「前頭連合野」が発達した。 子供が悪いことをしたら、しっかり叱る。 とくに父親は子供に社会規範をおしえるために“こわいオヤジ”になれ。   
とこのような内容の記事が目についた。 読んでいて思い出したことがある。

 八月のある日、宮島(広島県)の叔父から電話がはいりました。「わしも年じゃけん、元気なうちにいっぺん顔みせにこいや」年も年だし普段から割合強気の叔父ですので、よっぽど弱っているな、と感じたので、広島にゆくことにしました。
 丁度、異常気温の日が続いた時で、ナルコのことも気になっていたのですが、宮島は海のちかくだし、多少は涼しいだろう、など呑気に考えて行ったのです。
 広島に着いたとたん、暑さと湿気でナルコのおでまし。 水をのんだり、しばらくひざまずいたり、何とか誤魔化し、乗り換え宮島口にたどりつきました。
 叔父の家は港から5分くらいのところにあるのですが、二、三十分くらいかかって転がりこんだ有様でした。 あとで聞いた話ですが瀬戸内海は、波が静かで丁度、盆地の底にいるのと同じで風があまり動かないそうなんです。 私が住んでいる浦賀と同じ海のそばでも、回りの地形によってこんなに違うものと、勉強になりました。
 そんなことで見舞いに行ったのに、反対に寝込んでしまい、変なことになりましたが、叔父がずっとそばにいてくれ、若死にした私の父の話しをたっぷり聞くことが出来、それなりに有意義な宮島行きでした。

 こんな状態でしたので、帰りも一日遅れたのですが、切符は幸いなことにその日に直してもらうことが出来、新幹線にのりました。 ほっとしたとたん、斜め後ろの席で子供の大声がしたのです。 若い夫婦、いわゆるパパ、ママと幼稚園ぐらいの男の子で「何、何マンだ」とパパにとびかかり、「エイ、チョブ」だとか、その間パパは「参った参った」。 販売のワゴンがくれば、あれ買え、これ買え、と大声でねだり、飽きてくれば通路を走りまわる始末。
 若い夫婦は子供そっちのけで、何か笑いながら話しに夢中、こちらはイライラ、早くおりてくれ、と正直祈っていました。 幸いその一家は京都で降りてくれました。

 そして今度はお年寄り四人と若夫婦、小さなリュックを背負い荷物を両手に持った女の子、それも二人。 ああ、私は観念しました。 今度の広島行きは、ついていなかった、と。
 しばらく観察していましたが、何か私の予想と違う様子に感じてきました。 見た感じはお百姓さん一家で、みなさん健康そうに真っ黒に日焼けして、手はゴツゴツしてみるからにたくましい。
 先ず若いご夫婦が席を直して、子供達に「ここはお家じゃないのよ、およその人と一緒なのだから、迷惑にならないようにしようね」と、すると女の子たちは「ハイ」そして「ひいおじいちゃまの荷物ここへ置くからね」 「ありがとうよ」。 曾祖父ご夫婦、祖父ご夫婦、父、母、子供二人の六人連れ、と納得しました。 子供達が重そうに持っていた荷物は曽祖父の荷物だったのです。 すっかり感心してしまい、暫く様子をみることにしました。 「おばあちゃん、本よんでもいい?」 「いいよ、お前のかばんにはいっているよ」 「はい」。二人で読み始めました。
 しばらくすると、「お母さん、ひいおじいちゃまと、ひいおばあちゃま並んで居眠りしているよ」と笑いながら、お父さん「大分疲れたのだね、そっとしておいてやんな」まだ、笑っている子供たち。
 その内、本を読み終わったのか、二人が歌を歌い出しました。 私の知っている歌や幼稚園で覚えたのであろう色々な歌でした。 大声を出すでもなく聞いている私も何となく楽しくなってきました。
 トイレに行ながら、ちょいと覗いてみたのですが、家族みんな女の子たちの歌をニコニコしながら聞いていました。 「お母さん、私、お腹がすいた」 「それじゃおにぎりたべようか」「ひいばあちゃま、おなかすかない?」とおちびさん、「わたしゃおなかいっぱい、いいからおまえたち、おたべ」 「おじいさまと、おばあさまは?」 「わしらもおなかいっぱいじゃ」「それじゃあ、いただきます」
 さすがに聞き分けの良い子供たちも、飽きてきたのか、「おとうさん、あとどのくらい?」 「そうだな、あと二十分くらいかな、がんばろうな」 「ひいおばちゃま、もう少しだって、がんばろね」
 この会話を聞いていて、何かほのぼのとした気分になり、普段の生活が想像され、今回の旅のすてきなお土産が出来たような気がした。 多分このご家族は一緒に暮らしているのだろうな。 若夫婦は曾祖父、祖父ご夫婦の背中を見て生活し、そのおやの背中を、おちびさんたちが見て成長しているんだな。 このご一家には改めて躾などど云うものは要らないのじゃないかな。 今、我々が忘れてしまった「何か」をこのご家族に見たような気がする。


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1909 投稿 35年前に                          T

 私が初めてナルコレプシーと云う病気を知ったのは23才新婚2ヶ月の12月の朝のことでした。 今から丁度35年前のことです。夫を会社に送り出した後、台所に立とうとしたとき、NHK TVの番組が、ふと耳に入ったのです。 夫から昼間ガマン出来ない眠気があると聞いていましたが、その番組では驚くほど同じような症状の病気の話をしていたのです。 東大病院の二人の先生が昼間居眠りの症状がある人に居眠り病と云う病気があり、脳波を調べると判り、治療の方法もあって、目下その病気の研究をしているとの事でした。 幾つかの病院をめぐり、どこでも病気ではないと云われているけれど何かおかしい。
 病気ではないかと思う、と云っていた夫の言葉が頭の中に響きました。 放映後すぐにNHKに電話をかけ、テレビでお話しをされた先生に診察して頂くにはどうしたらよいか相談しました所、先生のお名前と電話番号を教えてくれました。 早速東大病院に電話をし、直接行ってすぐ見ていただけるか、気のせく思いで、問い合わせました。

 帰宅した夫に報告し都合をつけて行ってもらうことにしました所、やはり ナルコレプシーと云う診断でした。 それからすぐに処方していただいた薬で、夫にとって10数年苦しんだ病状から解放されたのでした。 昭和41年12月のNHKの放映があったこと、それを偶然聞くことが出来たことが本当に幸運なことでした。 薬が切れている時間帯の居眠りや、入眠時幻覚、夜中の覚醒等一緒に生活している私には大変な所も多々有りますが、治療のお陰で社会生活に特に支障もなく、まじめに仕事を頑張ってくれた夫のもと、私はあと一年で幸せな60才を迎えることになりそうです。

 この間、晴和病院から帰ってきた夫が「私の脳は死んだら研究のために使ってもらうことにしたよ。」と云っていましたが、私も大賛成です。 私達もこの病気の研究のおかげで楽しい人生を送ることが出来ました。 ますます研究され、少しでもよい治療、また予防方法が出来たらよいと思います。


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1910 投稿 その後の私                        M

 瞬く間に一年が過ぎ、なるこ誌を編集されている方々のご苦労は大変なことと存じます。 私は昭和17年生まれで、来年は還暦を迎えます。 20代30代の頃、自分の60才のことなど想像もしませんでした。 主婦業を廃業した後は、別の仕事に恵まれ、30年も過ぎてしまいました。 始めから 眠り病と分かっていたら、仕事に就くことも、続けることも出来なかったと思います。
 病への意識と薬の効果で覚醒睡眠をコントロール出来るようになり、眠気の起きない日の一日に出来る仕事の量を考えると、随分長い時間眠ってしまったと後悔の気持ちがおき、「眠っていなかったらもっと業績が上がったかしら」と再三思いますが、「覚醒出来ていたとしても変わり無かったでしょう」とその都度落ち着きます。

 本多先生に診ていただくようになってから、長期になりますので、処方されている薬の種類、量を自分なりに変えてみます。 時々入眠に失敗して、次ぎの日、もうろうとしていることもあります。 最近は外の仕事は若い人にお願い出来るようになり、車に乗ることは最小限に控えています。車の運転はどうしても睡魔に勝てません。
 デスクワークでも全然眠くならない時もあれば、体を動かしていても眠くなり、一瞬よこになって楽になれるとき、横になっても眠れず、あたまがジンジンとして起きているような夢見状態のとき、意識が夢を誘導しているようなとき、眼が覚めてから、夢に見た背景を思いだし、実在のありかを考えるときもあります。 家族を大事に思っていてくれて亡くなった父や母が現れてくると夢の中と思いつつ私が話しかけます。 生きているときのままに会えるのはこの病気のお陰と思うことにしています。

 休日は寝たり起きたりの繰り返しで、一日過ごしていたのですが、近頃は以前ほど寝たいと思わなくなり、近くの美術舘にいったり、バスで近郊の高原にゆき、ウオーキングを楽しむ意欲が出てきました。 車窓から見る町並みは、眠っている間に(自分で車を運転している)大きく変わってしまいましたが、山の麓の自然は私の青春時代と変わりなく守られていました。 芽吹きの緑、真夏の太陽の木漏れ日、空きのさまざまな木々の紅葉、昼間眠くならない人達は、車を連ねて楽しんでいたのでしょう。 私もこれからは、陽気の良いときは度々行こうと自信が出来ました。
 脱力については、姪が出産したと聞いて新生児室に向かったとき、気持ちが高揚したのか、体の力が抜け、しばらく階段を登ることが出来ませんでした。 が、平時は薬で押さえられているようです。

 人は時代と共に生きているのですが、あかりのない時代にも眠り病はあったのでしょうか。 「眠り姫」と云うお話しもありますが・・・いずれにしても睡魔と脱力は薬のお陰で緩和されています。このごろは長いトンネルから抜け出たような気分です。 近況のご報告をかねて、本多先生、病院の皆様、ありがとうございます。
   H13.12.15   完

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1911 投稿 異常な睡眠との拘わり                   W

 昭和63年4月I日付けで人事異動で家族(妻、長男、次男)を東京に置いたまま熊本市に単身赴任をした。 独身時代以来10数年振りの独身寮での生活を満喫し、熊本に来てゴルフを行なわない者が居ないくらい環境も良し、ゴルフの料金は安いので、土日は殆どゴルフをして過ごすことが一般的でした。 ところが、東京の自宅での生活では経験したことが無いのに、六畳一間の寮では睡眠中に金縛りに状態に成ることが度々であり、この部屋に何か変わったことでもあったのか?と寮の皆さんに聞いてもそんな変なことは無いと云われ、私だけに起こる睡眠中の障害であった。 また、ゴルフは土日に良く行ない、その行き帰りには友達の車に同乗させていただくのですが、車に乗るとすぐに眠くなり、同乗者に「行きも帰りも良く眠る」といわれるほど眠ってしまう。

 職場では中堅の時代あり、会議等を良く行うのだが、会議中知らず知らずの内に眠り状態になっており、所々無意識になることが多かった。
 熊本には1年6ケ月滞在し、次は長野県飯田市に単身赴任をして、仕事は管理職として勤務しておりましたが、睡眠は充分取っていたのですが、やはり会議や食事後に突然の睡魔に襲われたり、寮での睡眠中の金縛り状況は熊本の時と同じ状態であった。 しかしながら、このことが後で知ることとなる難病「ナルコレプシー」とは知る由もありませんでした。 ましてや、健康診断で問診の時に白分の日頃の病状を訴えるのだが、「誰でも歳を取ると眠くなるよ」で問診の医師は終わってしまう。

 その後、また東北地方の盛岡市に赴任し、仕事が太変忙しい部署で、青森県、秋田県、岩手県等々を走りまわり業務の説明や内容の打ち合わせで相当の疲れもあったが、睡眠は充分とっていたのですが突然眠くなったり、興奮した時や身体に力が人る時に脱力感に襲われ、一瞬ですが身体中の力が抜けカックンとなる。 それでいて自分の好きなゴルフのプレー中は何も起こらないので、このことが自分に罹っている病気とは知らずに過ごした。 しかし、特に会議中は睡眠していることが多くなり、会議中でない時でも1回に20分くらいの睡魔が日に2度くらいあった。

 その後、勤務先が東京になり自宅からの通勤ですが、自分の家での睡眠中の障害は何も起こらず普通の睡眠ができましたが、暇さえあれば眠っている状態で妻もそんなに仕事が忙しいの?とか、疲れているの?と聞いてくるが、白分はそんなに何時も眠ってばかり居るとは思っていないが、テレビを見ている内の半分は睡眠状態なんでしよう、見ているテレビの内容が所々解らないことが多くある。 その内に、仕事は労務・人事で夜中の交渉、または会議等々で身体の疲労感が抜けなくなり、会議で興奮した時や酒を多く飲んだ時に、自分の身体の離脱感や自分は眠りたいわけではないのに瞼が落ちてくる、そんな表情が続くようになり、今話をしている同僚や酒を飲んでる同僚が「その眼どうしたの」とか「おまえは俺が聞いていることと答えている事が違っているぞ。」と云う状況で同僚達に大丈夫か?と気づかれるようにりました。 そんな時に某新聞の「東京は幸せか」という連載でのなかで「睡魔との闘い」に理解を、が平成5年6月3日の記事で難病「ナルコレプシー」と云う病気で苦しんでいることを知りました。 元東大病院に勤務しておられ、当時は晴和病院長であります本多医師の紹介で全国の患者250人ほどで作る「なるこ会」を知りました。

 自分の症状がその記事の内容と同じであるかも知れないと思いながら、度胸かないため睡魔に悩みながら過ごしましたが、いよいよ辛くなり「なるこ会」の事務局清水利男さんに早速電話をさせていただき、資料を送付して戴きました。 その資料の内容と自分の症状結果が全て似ており、平成 12年4月10日に晴和病院長である本多医師を訪ねました。
 症状を話し、脳波を検査してもらい「間違いなくナルコレプシーでしょう。」と診断されました。 しかし、「この病気は詳しい原因が解らないため完治は難しいです」と云われた時はシヨックでした。 が 「薬を飲めば日常の生活には支障は無いでしょう」と本多医師の言葉でホットしました。 これで毎日の睡魔に襲われ、又身体の脱力感もなくなると思うと本当に嬉しかった。

 私は、本多医師からの薬と日常の症状を記録して薬の調整をしていただき、今は、会議中の居眠り、脱力症状や瞼が落ちてくる症状がすっかりなくなり、本当に本多先生には感謝申しあげます。 それにしても、我々の症状の治療薬が厚生省がオーハン・ドラツクとして治験を行なう事を認めてくれないことが障害となって「ナルコレプシー」の治療薬として保険適応にならない。 本多先生の指導の元でナルコレプシー患者の会名で時の厚生大臣はあての陳情活動を先輩達が行なってきた事。 さらに、設立計画中である特定非営利活動法人「日本ナルコレプシー協会」をみんなが協力し合い、早く協会を設立させ、全国の同じ睡眠障害で悩む人々が治療薬として保険適応になることに併せ、「ナルコ会」の充実のため特定非営利活動法人の設立に向け、会のみなさんと一緒に努力をし、全国の障害に悩む人達が互いに助け合い、そして自信を持って日常を過ごせる日が早く来ることを願っています。


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1912 投稿 ナルコレプシーとの出会い                  M

@ はじめてナルコレプシーの症状に気がついたのは結婚後5〜6年だったと思う。37〜38才であった。
 20才台にはなかった。 子供二人つれて、社宅内の集会所で編み物の教室に参加していると居眠りが起こり、当時、話題にされた。 その後、除々に脱力感が伴い、子供を叱ったり、感情的になると、座りこんでしまう事もあった。

A 40才を過ぎて鈴鹿市に住むようになっても状態はおなじで、バスから降りてどうして来たのか分からず、気がついたら自宅に眠っていた、と云うことがあった。
 また、園児たちを途中まで迎えにゆき、その帰りにどうしてしたのがわからず、やはり自宅に眠っていたと云うこともあった。 42〜43才のころ、民間病院につとめてみたが、居眠りや脱力感は続いていたが症状は穏やかでコントロールできたと思うときもあった。

B 43才頃から61才の定年退職まで三重大学病院で仕事を続けた。 三交替制でかなりハードな時もあったが、症状としては余り感じなかったし、仕事のミスはなかった。 或程度緊張がとけると眠くなったり、帰宅時電車を乗り過ごしたりすることは度々あった。 軽度ではあるがナルコレプシーとしての症状は続いていたと思う。
 この間50才を過ぎて、普通科高校4年間とだいがく国文学とから科4年半とをやってみたが、症状としては強くなく、続いていたと思う。 リタリンを半分または1個のむ程度であった。

C 私の場合、他のナルコレプシー患者さんを見てきたのと、少しばかりの知識があったので自分の症状がどの程度のものか判断出来たものと思う。 一番悪いときは自分自身が他のひとから精神的に押さえつけられた事と考えられるし、また年令的にも重ねあわせて諸事を考えてゆく能力も出てきたと思っている。
 今はリタリンは呑んでいません。 好きなことを云ったりしていますが、人として見つめ直してゆくつもりです。


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1913 投稿 名曲ずくし                  K

 本を読むことは全くなくなり、毎日の新聞をすみからすみまで読むのが精一杯の今日このごろです。
 仕事(鉄製造業の下請け)もこの不景気でめっきり少なくなり、年金と僅かな収入でどうやら借金もなく、貯金は勿論なしで毎日を送っております。
 人に迷惑をかけず、交際は程々にと考えながら毎日を送っております。 唯、私は趣味を一つもっています。 クラシック音楽です。 今では街の音楽活動の中心となり、この30年位頑張っています。 音楽を聞く、知ると云うことは、とても素晴らしいことです。 私は特にベートーベンが好きで、彼の音楽は私の生きる喜びの最大のものです。 約200曲から成る彼の音楽はこの250年、どのくらい多くの人々に潤いを与えたことだろうか。 私は彼の音楽を始め、様々なクラシック音楽をこころの中にしまっています。 これほど音楽に上せる自分がわかりませんが、今では私が中心になって市の音楽活動を行っております。
 コンサートを開き多くの方々に楽しんでいただければと、これが私の生涯の仕事になると思っております。 今では音楽が好きになって良かったと思っています。 小さなコマーシャル曲でも名曲の一部がつかわれているのが少なくありません。 皆さんもちょっと音楽に耳を傾けてください。こころのなかが暖かくなります。


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1914 投稿 近況                  Y

 ナルコレプシーに対する根本的治療法は未だ発見されていませんが、原因も不明です。 仮説ですが、何らかの自己免疫疾患ではないかと云われています。 一般人口の0.03%〜0.16% と推定され、10万人当たり2〜3 人程度、発生年令は10才台が多く、25才以前の発生が70~80% を占めている。  ナルコレプシーは睡眠障害ですが、国際分類で云えば一群の睡眠異常のなかの「内在因性睡眠障害」に該当するもので、原因が身体内にあり、ナルコレプシーのほかに12種類あるそうです。 詳しくは、井上昌次郎著「睡眠障害」2000.8.10発行 講談社 現代新書にナルコレプシーのほかの病気について書かれています。 専門書ではなく、一般向けに分かり易く述べられていて、参考になりました。

 ナルコレプシーだとわかって13年ほど経過したが、当初は久留米大学の睡眠外来で受診、治療、三種類の薬(ベタナミン、アナフラニール、アモバン)で症状は消失した。 その後福岡市に睡眠障害専門クリニック(浦添総合病院が開設)に2週間に一度処方箋を頂きに行っています。 薬はやはり三種類です。 今振り返ると、なるこ会の存在は私にとっては人生の転機と云える出来事だったようです。
 なるこ会から資料を送っていただき、思い切って久留米大学病院にゆき、検査の結果病気である事が正式に解ったときは正直に云ってうれしかったことを覚えています。 病名がついたのを喜ぶなんて おかしいことかもしれませんが、暗い長いトンネルから一筋の光りが見えたような感じでした。
 ナルコレプシーのことは、家族(妻、子供2人)には私が知って居る限りのことは告げていて、浦添クリニックの医師に妻を面会させました。 隠してもいずれ分かることと決心したので気持ちが楽になりました。
日本のナルコレプシーの有病率は世界で1位だそうですが、地域性、国民性、遺伝的なものが左右しているのでしょうか。 原因は不明とされていますが医学の進歩は著しいのでいずれ分かる日がくると思います。

 薬ですが、一生続けなければならないと思うと、コンプレックスや劣等感みたいなものがあり、障害者、被害者意識が強く、落ち込むことがありましたが、クリニックの山口先生から、高血圧のひとが降下剤を服用しているのと一緒です、の一言に助けられ悲観的にならずにすみました。

 それにしても2001年は大変な年でした。 暗い事件ばかりでこれから先は何がおこるか、とても不安でなりません。 危機意識、危機管理を地球規模でもたなければ、人類は破滅してしまう、と云われていますが、まさにその通りだと納得せざるを得ません。 文明の利器は、発展 平和に繋がってゆくのか、誰にも予測困難だと感じます。

 ナルコレプシーの症状は薬を服用してさえいれば、効果あり、やめれば症状が顔をだす。 薬は有り難いものです。 最近は欲張りになり、あれもしたい、これもしたい、と本来の欲求に目覚めたといいますか、そわそわした気分が続いていますが、結局はなにもしない、と云う有様で、ただ自宅と職場を往復する給料運搬人という訳です。 なにかしたい欲求は、考えているだけではなく実行しなければ何もならない、ことが分かってきました。 絵に書いた餅は食べられない道理です。 職場定年60才まで残すところ10年、定年後はどう過ごそうか期待と不安が入り交じり、一向にまとまりませんが、当面は定年まで働きつづけることです。 公私とも充実した生活を望んでいますが、私の努力しだいです。 拙い文字、文で申し訳ありません。


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1915 投稿 病名が分からない                  W

 会員の皆様はじめまして、私 岐阜県の「関の孫六」で少しは知っておられる方もおいでかとおもいますが、刃物の町で、7万5千人ほどの関市と云う町です。
 わかってからでもナルコ歴二十数年になりますが、その間、なにか、お役にたてることがないか、考えていましたが、なかなか自分の病気のことは書けませんでした。 今回は会員のどなたか一人の方でも参考になれば、と思い切って投稿することにしました。

 題名のように、長い間病名がわからず、ナルコレプシーであることがわかったのは35才のころです。 中学のころは一度も授業中に居眠りなどしませんでしたが、高校に入ってから、1年より2年3年と居眠りする時間が長くなり、成績も1年毎に悪くなってゆきました。 社会人になって京都にゆき、毎日車の運転で居眠りをしましたが、幸い一度も事故にはなりませんでした。 帰宅後、どの道を通って帰ってきたか後で思い出せず、ゾっとしたものです。
 会社では居眠りをしてはいけない時に眠り込み、上司や同僚から注意され、怠け者のように云われましたが、まさか病気と思わず自分がいやになったこともあります。
 会社を退職、父と兄の経営する屋根工事の瓦屋で働いた1年目の夏、熱中症にかかり、40度の高熱をだし、それがきっかけとなり、 ナルコレプシーのもう一つの症状、脱力発作が出るようになり、この時これは何かの病気だと思い、いろいろ病院を回りました。 てんかんと診断した病院もありました。 友人の弟がそうでしたので、それとは違うことは分かりましたが、大学病院でも首をかしげるばかりではっきりしませんでした。

 そうこうしているうちに地元紙の医療欄にナルコレプシーの記事が出ていたのでこれだ!と思い、切り抜きを大学病院に持って行きやっと自分の病名が ナルコレプシーだと分かりました。 それでも薬が違うのか、合わないのか、特効薬と云うものはないと聞いて居ましたので首をかしげ、2〜3年経ちました。
 その頃、船橋に居る兄が都市部にしか売っていない「夕刊フジ」の切り抜きを送ってきました。 その中で本多先生、晴和病院のことが分かり、自分の病気もしっかり確認出来ました。 そのうち睡眠発作の方は少なくなってきましたが、脱力発作はなかなか解消されません。
 発作は悪いことに人と話をしているとき出易く、体の力はすべて抜けるのに、意識だけははっきりして、相手が変な顔をしたり「病院に」と云う相手に「大丈夫、大丈夫、少したったら治りますから」と云うのがやっとで、10秒から1分位が1時間にも2時間に思われ、治まってから相手に説明するのがやっとです。 こんな時は死んでしまったほうがよいと思ったり、失敗していやになったり、良いことは一つもありません。 まだこの話はつづきますが、次ぎの機会にいたします。


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1916 報告 平成13年度なるこ会総会                事務局

平成13年度 なるこ会総会次第

平成13年12月11日(火) 午後5時〜    議事進行 田宮副会長

   1.開会のことば                  田宮副会長
   2.会長挨拶           白倉会長
   3.顧問挨拶           本多先生
   4.事業報告
     概要総括           田宮副会長
     ホームページ         桑原正孝、 T・T
     渉外業務           清水事務局長
     外国担当           MA
   5.決算報告会計担当        KS
   6.監査報告監査役         SI
   7.質疑
   8.13年度事業報告、決算承認
   9.役員人事案及び承認
   10.14年度事業および予算案及び承認
   11.閉会


懇 親 会    司会 KS
  1. 本多先生のお話
  2. ご出席各先生のお話
  3. 先生がたに謝礼 白倉会長
  4. 乾 杯 同 上
  5. 懇 談
  6. 病院事務職 藤田さん・原田さんによるお琴演奏
  7. お琴演奏のお礼プレゼント
  8. 事務、薬局、看護婦さん、にお礼プレゼント
  9. 会長奥様によるピアノ演奏と全員合唱
  10. ピアノ演奏にお花プレゼント
  11. 閉会

事業報告
  1. 前年に続き、なるこ会をNPO団体として活動出来るように内容を整え申請手続きをすべく計画した。 しかし、理由はともかく目標は達成できず、14年度に持ち越さざるを得なかった。
  2. 前年道路交通法が改正された。 関連して道路交通法施行令の改正によって運転免許の処分基準が見直されナルコレプシー患者にも利害関係が生ずるおそれが出てきた。 ナルコレプシーが誤解され、不利な法律改正がされない様、警察庁に意見具申等の活動をおこなった。細部は別項「道路交通法の改正とナルコレプシー」に詳述する。
  3. ホームページは2月から9月のあいだ三度バージョンアップした。 内容もかなり充実したので、アクセスされた方々にはかなり参考になっていると思われる。 六月四日NHK(TV)の「首都圏ネットワーク」で ナルコレプシーが取り上げられた後は、アクセスが急増、年間三万件に達した。
  4. 事務局には ナルコレプシー関係の問い合わせが続いて寄られているが、ホームページ立ち上げ以降は減少している。 また、専門病院の問い合わせが多い。
  5. ニューヨークのテロ事件でアメリカのなるこ大会訪問は妨げられたが、免許証問題に関連して、アメリカの関連事項の情報蒐集を依頼し入手することが出来た。 以上事業報告の概要である。
  • 13年度収支決算決算報告:省略
  • 同監査報告:省略
  • 14年度事業予算:省略
  • 人事
人事案
    留任(敬称略)
     会 長  白倉昌夫       会  計   K
     副会長  田宮由道       ホームページ 桑原正孝
     事務局長 清水利男       外国連絡担当 水野愛子
     事務局  佐藤芳博 他9名    同     南 新
     青年部  2名         監 査    1名
    
 後日NPO発足に合わせ人事を行う事とする。 以上、各案件について拍手により賛同を得、平成13年度総会を終了した。
 総会後恒例の懇親会にうつり、和気あいあいのうちに閉会した。
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1917 あとがき

 いつも「なるこ」はどの位読まれているのかなあ、など考えながら編集しています。 なるこの友の会誌ですから、やはり体験談が最も興味関心の的でしょう。 そんな意味で、今回も投稿を一生懸命にお願いしました。 幸いにもいつもより多くの体験談が寄せられました。 編集子としては大変うれしく、厚くお礼申しあげます。
 昨年は道路交通法の改正に関連して、運転免許の拒否等の基準が見直され、睡眠障害も対象にされることになりました。 当初はナルコレプシーそのものも対象にする案であったのですが、患者の生活権の侵害ともなりかねないとの視点から、睡眠学会、なるこ会ともに当局と話合いました。 いつも力になって下さるのが本多 裕先生、大変お世話になりました。 また、なるこ会員で弁護士の小松啓介さんにもお力を借りました。 こんな場合矢張り団結の力が必要になります。 この関連記事のため19号は20頁ほど厚みを増しました。 次号もまた、皆様のご協力をお願いいたします。 記事増加に押され、発行が1ケ月遅れ申し訳ありません。   (田宮 記)


なるこ19号 発行 平成14年5月25日
  発行責任者 白倉昌夫
  編集責任者 田宮由道
  TEL&FAX 03-5932-8053
  発行者 なるこ会

事務局 270-2114 我孫子市新木野 1-19-15 清水利男方
TEL&FAX 0471-88-1851
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