『なるこ』第32号 (平成27年5月)

2016.2.25 初掲載


3201 巻頭言                                             理事長  白倉 昌夫

3202 講演 ナルコレプシーの診断について 
東京都医学総合研究所 睡眠研究プロジェクト リー ダ   本多 真
筆 記  桑原 正孝

3203 報告 睡眠障害専門病院へのアンケート調査結果について 結果報告           桑原 正孝

3204 報告 2014年11月24日の懇親会のお話・あれこれ                         町 田   誠

3205 報告 なるこ会の園遊会を今年も開催                               町 田   誠

3206 報告 晴和病院公開シンポジウム聴講記                             稲 葉   豊

3207 報告 「東京都の認定NPO資格取得」について                          事 務 局

3208 報告 埼玉県全中学校の先生のアンケート集約                          川 岸 聰 子

3209 報告 名古屋懇話会報告                                       土 岐 拓 也

3210 報告 春・秋の睡眠の日に関連する公開市民講座について                   河 野 通 久

3210_1 聴講録 良い睡眠とは? ストレス社会を生き抜くための睡眠術
講師 睡眠コンサルタント 友 野 なお

3210_2 聴講録 不眠症の治療  さよなら不眠症
講師 公益財団法人・神経科学振興財団理事 大 川 匡 子

3210_3 聴講録 睡眠時無呼吸症候群の問題 いびき、無呼吸は生活習慣病のサイン
講師 愛知医科大学医学部教授 塩 見 利 明

3210_4 聴講録 なぜ眠りは必要なのか?
講師 公益財団法人・神経科学振興財団理事 大 川 匡 子

3210_5 聴講録 「ストレスと上手につきあって質の良い眠りを手に入れましょう!
講師 東邦大学看護学部看護学科教授 尾 崎 章 子

3210_6 聴講録 睡眠障害の早期発見 睡眠検査を受けてみませんか?
講師 一般社団法人 日本睡眠総合健診協会 代表理事 川 名 ふさ江

3210_7 聴講録 認知行動療法  睡眠力を高める実践法
講師 東京医科大学睡眠学講座  客員講師  岡 島  義

3210_8 聴講録 薬物療法について 〜安心・安全・効果的に利用するコツ〜
講師 国立精神・神経医療研究センター部長  三 島 和 夫

3211 投稿 ナルコレプシーになってから……                              京都    母

3212 投稿 ナルコレプシーの発症と適正治療についての私見                   河 野 通 久



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3201 巻頭言                                    理事長  白倉 昌夫

 なるこ会会員の皆様、お元気でしょうか。
なるこ会役員一同は、互いに知恵を絞って、お役に立つよう会合を開いております。
ナルコレプシーの病気と知らないで、苦しんでいる方々がまだ大勢いるので、学校関係、睡眠障害セミナー、報道関係に積極的に取り組み活動しております。
 活動の結果、昨年から今年にかけて、なるこ会に入会する方が増えております。大変、喜ばしいことです。今後も継続活動を行って行きます。
もう一つの活動は、31号のなるこ誌の巻頭言に記載しましたが、病気と解ってからの治療方法は担当医師が指導されますが、ナルコレプシーの病気は日々の生活環境も大切です。
 私はなるこ会に入会してから、患者が集まる場に参加し、同じ病気の持つ方々と話し合いができて大変役立ちました。例えば、ナルコレプシー患者であること話すべきか! 車の運転方法は! 薬の飲み方! 食事の方法! 睡眠! 結婚! 出産! 他に沢山の参考意見を頂きました。ナルコレプシーの特有の幻覚の夢を話し合い、お腹が痛くなる位に笑い、話し合った時もありました。私は会員の意見を私なりに考え、最適な生活方法を考え、18歳に発病、20歳でナルコレプシーと診断され、現在71歳ですが、元気です。
 役員は患者同士が会える場は大切と思い企画しますが(春の園遊会、暮れの総会)参加者が少なくて、少ないのは一人で病気と苦労しているのではないか心配になります。
 会員の皆様一人で悩んでいないで会員同士の場に積極的に参加して下さい。必ず良い結果につながりますので。



3202 講演 講演 ナルコレプシーの診断について
                     東京都医学総合研究所 睡眠研究プロジェクト リー ダ   本多 真
                                                      筆 記  桑原 正孝

 改正道路交通法が2013年6月14日に公布され、2014年6月に施行される。特定の病気にかかる人の運転免許の拒否や保留について変わったので説明する。次に道路交通法が改正されたことに関して運転適正相談窓口の相談員向け講習を7月に行ったのでその内容について話し、またこれまで発表されていなかったアンケート調査結果について説明する。

1.日中の過剰な眠気を呈する疾患
   大きく3種類に分けられる。
(1) 夜間睡眠の量的不足
  ・睡眠不足症候群
   (不眠症)
    過眠症の中で一番多く、睡眠の必要量が足りないことによるものである。
    長時間睡眠者の場合には普通の人と同じ8時間睡眠をとっても睡眠不足となる。
(2) 夜間睡眠の質的障害の伴うもの
  ・概日リズム睡眠障害
     夜更かし・朝寝坊のように睡眠覚醒のリズムがずれているもの
  ・睡眠時無呼吸症候群
     睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりするもので本人は気づかなくても脳が努力して呼吸を
     再開させるため深い睡眠がとれなくなる。
     日本人の罹患率は2−4%位と多い。
  ・周期性四肢運動障害
     睡眠中足がぴくぴく動き眠りが妨げられる。
(3) 睡眠覚醒中枢の機能異常に伴うもの
  ・過眠症(狭義:中枢過眠症)
     ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症
     脳内で眠りを作る部分が勝手に働いたり目を覚ますところが働かなくなったりするもの
  ・パーキンソン病、筋剛直性ジストロフィー・気分障害

2.過眠症の診断フローチャート
  一般病院において患者から過眠の訴えがあった時の診断の流れは次図のようになる。
病気によるもの、薬剤や物質によるもの、睡眠不足によるものが除外されたのちに情動脱力発作がある場合にナルコレプシーType1と推定されPSG(睡眠ポリグラフ)/MSLT(反復睡眠潜時検査)または脳脊髄液中のオレキシン濃度の測定により診断が確定する。


     

3.ナルコレプシーの症状
 ナルコレプシーの診断は、症状と検査所見により行われる。

ナルコレプシーの主症状は次の通り
(1) 日中の強烈な眠気のため居眠りを反復
  ・耐え難い眠気のため実際に居眠りをする
  ・居眠りの持続時間は10〜20分前後
  ・覚醒後爽快感がある
(2) 情動脱力発作
  a.強い感情の動き(笑いや驚き)を契機に、体を支えている筋肉の緊張が両側性に突然喪失するもの
    ・持続時間は数秒から1分程度
    ・発作の最中 意識は清明
  b.小児あるいは発症後6ヶ月以内では、情動契機が無くてもしかめ面、口を開けて舌を出す、全身の
   持続性の筋緊張低下などの非定型な症状が見られる
   (この症状が情動脱力発作であることは3〜4年前に判明した)
(3) 睡眠麻痺(金縛り)
(4) 入眠時幻覚(寝入りばなの生々しい悪夢)
(5) 夜間の熟眠障害(分断化、夢と現実の混合)

4.睡眠障害の分類
4.1 診断分類の目的
  睡眠障害の診断分類をする目的は次のようになる。
 (1) 正確な診断によって適切な治療を行うこと
    それにより睡眠障害に伴う生活活動の支障や低下した生活の質の改善に役立つ。
    (身体疾患や精神疾患の関与を鑑別診断に含める)
 (2) 睡眠障害の研究(診断・治療、予防等)を共有するために共通の定義が必要
 (3) 睡眠検査だけでは睡眠障害の病名診断は出来ない
    主観的訴えや日常生活の障害があることが診断基準に含まれる
4.2 睡眠障害の国際分類
  主な睡眠障害の国際分類には次のものがある。

(1) ICSD−3: International Classification of Sleep Disorders
   「睡眠障害国際分類 第3版」  2014.3 に改版
    睡眠障害の正確・詳細な分類
    国際的な使用と、研究目的での使用を念頭においている
    睡眠障害を専門とする医療従事者の間で使われる
(2) DSM−5: Diagnositic and Statistical Manual of Mental Disorders
   「精神障害の診断と統計の手引き 第5版」  2013.5 に改版
    精神科で用いられる臨床診断分類
    アメリカ精神医学会作成だが、世界標準とされる
(3) ICD−10: International Classification of Disease
   「国際疾病分類 第10版」  1990年作成 現在11版の検討中
    世界保健機関(WHO)が作成する診断分類、加盟国で疾病や死因の統計をとるのに用いられる
    第1線の医師が使うために作成→さまざまな国や言語で使われる
    日本を含む多くの国で保険診療とリンクしている

5.診断
  診断は症状・経過と検査所見によりなされる。

5.1 MSLT検査の目的
(1) 眠気の重症度
   唯一の標準化された客観的評価法
  「早く寝付くほど眠気が強い」という考え方に基づく
   1日4回または5回の昼寝試行を行う。
   平均睡眠潜時(消灯後睡眠波形が生ずるまでの時間の平均値)を眠気の指標とする。
   8分以下で過眠あり、5分以下で重度の眠気と判断。
(2) レム睡眠の生じやすさ
   健常者ではまずノンレム睡眠に入りその後レム睡眠に移行する。
   睡眠がはじまって15分以内にレム睡眠が生じる「入眠時レム睡眠期」(SOREMP: Sleep Onset
    REM Period)が何回生じるかを調べる。
   2回以上あるとナルコレプシー型と判定。


     


5.2 オレキシン濃度の低下
 1970年代にアメリカでじゃれたりおいしい餌を食べたりすると脱力を起こす犬が見つかりスタンフォード大学に集められた。脱力発作を示す遺伝性の犬が作られ、このような症状を起こす原因遺伝子が探索同定された。目を覚ます作用のあるオレキシンの受容体の遺伝子に異常があることが判明した。
その後の研究から情動脱力発作を伴う典型的なナルコレプシー患者では90%の人が脳脊髄液オレキシン濃度が非常に低い事が分かった。


     

5.3 HLA遺伝子型

     


 日本人ナルコレプシー患者の99%は特定の遺伝子型をもつ一方で、一般人口中にも12〜13%この遺伝子型を持つヒトがいる(白人黒人では20〜25%とさらに多い)ためHLA遺伝子検査だけで診断はできず診断分類の基準には含まれない。

 オレキシン濃度の測定は睡眠外来では簡単にできないので、HLA遺伝子型がナルコレプシー特異的なものをもつか調べると、目安となる。もし陰性であればオレキシン濃度検査で異常低値を示すことはほとんどない(2−7%)。

6.ナルコレプシー診断基準
6.1 ICSD−2と ICSD−3との変更点
 中枢性過眠症については次図のように変更になった。

     


6.2 ICSD−3のナルコレプシー診断基準
  ナルコレプシーをType1とType2とに分類している

○ナルコレプシー Type1  [基準AとBが満たされること]
  A: 3か月以上の毎日耐え難い眠気や居眠り
  B: 下記のいずれかを満たす
    (1) 情動脱力発作が存在、かつMSLT基準を満たす
    (2) CSFオレキシン値≦110pg/mL, <正常平均の1/3
○ナルコレプシー Type2  [基準A-Eのすべてが満たされること]
  A: 3か月以上の毎日耐え難い眠気や居眠り
  B: MSLT基準を満たす
  C: 情動脱力発作が存在しない
  D: CSFオレキシン値が非低値 または未測定
  E: 他の原因で過眠症状やMSLT所見をよりよく説明できない

 ナルコレプシーはICSD−2では情動脱力発作の有無により分類されていたが、ICSD−3ではオレキシン濃度が低いか低くないか(または未測定)によって分類される。

     


 オレキシン濃度が低い場合には、脱力発作がなくてもType1になる。情動脱力発作があってもMSLT基準(平均睡眠潜時 8分以下、入眠時レム睡眠2回以上)を満たさない場合にはナルコレプシータイプ1、タイプ2に分類できなくなった。そのためオレキシン濃度の検査を行ってオレキシン欠乏を示すか、MSLTを再検査してMSLT基準を満たすことを示す必要がある。
 脳脊髄液中のオレキシン濃度検査は腰椎に麻酔をし針を刺して脳脊髄液を採取するもので、頭痛の合併症がありうるため外来で気軽に行いにくく診断側(医師)としては悩ましくなった。

6.3 特発性過眠症診断基準
 ICSD−3の特発性過眠症の基準は次のようになる

 [基準A-Bが満たされること]
  A: 3か月以上の毎日耐え難い眠気や居眠り
    [睡眠酩酊や長く(>1hr)爽快感のない昼寝は追加特徴]
  B:情動脱力発作が存在しない
  C: MSLT施行時のSOMREP(15分以内) ≦ 1回
  D:下記のいずれかを満たす
    (1) MSLTの平均睡眠潜時間? 8分
    (2) 24時間継続して睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行うと、総睡眠時間が 660分以上
   代替:7日以上、時間制限なく眠った場合の睡眠日誌とアクチグラフを組み合わせ、一日平均の
   総睡眠時間を算出すると、660分以上
    (小児期の発達による変化や文化の差異に合わせて総睡眠時間の基準値を変更する必要)
  E:睡眠不足症候群の除外
  F:他の原因で過眠症状やMSLT所見をよりよく説明できない

7.DSM−5、ICD−10
7.1 DSM−5の過眠症診断基準
 (1) ナルコレプシー
   A: 3か月以上の毎日耐え難い眠気や居眠り
   B: 下記の一つ以上がある
    1.情動脱力発作(定義aまたはb)が月数回以上ある
      a 大笑いや冗談で引き起こされる、両側性の筋緊張喪失の短いエピソード、意識は保持される
      b 小児あるいは発症後6か月以内では、明瞭な情動契機なしに自然としかめ面になったり、
       舌を突出し顎を開く症状や全身性の筋緊張低下がみられること
    2.CSFオレキシン値≦110pg/mLまたは <正常平均の1/3
    3.PSGでREML ≦15分またはMSLT mSL≦8分 かつ SOREMP ? 2回
 (2) 過眠障害 (Hypersomnolence Disorder)
   A: 夜間睡眠>7hrでも以下の症状がある
     (1) 一日に繰返し眠り込む
     (2) 総睡眠時間>9hrで目覚悪い
     (3) 目覚め後完全な覚醒状態となるのが困難
   B: 過眠は3か月以上、週3日以上持続
   C: 過眠症状が苦悩や日常・社会生活の機能障害を伴う
   D-F: 他の睡眠障害、薬剤、精神身体疾患では説明できない

7.2 ICD−10の睡眠障害
 睡眠障害をFコード(精神の疾患)とGコード(神経の疾患)とに分けている。
   F51 非器質性睡眠障害
    F51.0 非器質性不眠症
    F51.1 非器質性過眠症
    F51.4 睡眠時驚愕症
    F51.5 悪夢
   G47 器質性睡眠障害
    G47.0 睡眠開始と持続の障害(不眠症)
    G47.1 過剰眠気障害(過眠症)
    G47.2 睡眠覚醒スケジュール障害
    G47.3 睡眠時無呼吸
    G47.4 ナルコレプシーカタプレキシー
    G47.8 そのほかの器質性睡眠障害

 ICD−10では、病名はついているが症状記載やF,Gの区別の指針が存在しないので診療現場で混乱を招いている。
 ICD−10は疾患コードの統計分類だけでなく、各国で保険診療にも使用されている。Fコード(精神の疾患)に認められている医療費助成、自立支援、障害年金、通院費補助などはGコード(神経の疾患)には認められていない。改訂作業中のICD−11では睡眠障害は独立した章とする案が検討されており、現在の精神と行動の障害と対応が受けられることが望ましい。

8.まとめ
 (1) 過眠症状を示す疾患は多彩だが、正しい診断が適切な治療に重要
 (2) ナルコレプシーに特徴的な症状と検査所見に基づいて診断分類がなされる
 (3) 主な国際的な診断分類はICSD-3、DSM-5, ICD-10である。それぞれ特徴が異なる。日本に合わせた診断も必要か
 (4) ナルコレプシー/過眠症に伴う生活の質の低下は、精神障害と同等
   → 自立支援法の対象に含めるべき

Q&A
Q.HLAが陰性だったので典型的なナルコレプシーではないと理解していた。Type2の可能性はあるか。
A.HLAが陰性の場合には典型(Type1)ではないがType2である可能性はある。Type2の人でHLAが陽性の人は3〜5割いる。

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3203 報告 睡眠障害専門病院へのアンケート調査結果について 結果報告   桑 原 正 孝         

 睡眠障害については、一般に精神科、神経科、神経内科などで診断治療されますが、過眠症についてはかなり限られます。
当会のHP(ホームページ)ではナルコレプシーの治療に重点をおいて睡眠障害の専門病院を紹介していますが医師の異動/退職に伴い閉鎖したりあるいは新設されたりします。これに対応するため2〜3年おきにアンケート調査を行い最新の情報を得るようにしております。
 調査の対象は、日本睡眠学会の認定病院及び認定医のおられる病院並びに睡眠障害(特に過眠症)の治療が可能と考えられる大学附属病院や国公立の比較的大きな病院としました。今回は、363病院に対して調査票を送り158病院から回答をいただきました。
アンケート調査の結果は次のようになりました。(かっこ内は平成23年の調査)

1.回答率   44(37)%
2.ナルコレプシーの治療・検査について(a〜dを一つ選択)
  a.ナルコレプシーの検査及び治療可  80(65)病院
  b.検査可能(治療は他病院を紹介)    7(9)病院
  c.治療可能(検査は他病院に依頼)   40(23)病院
  d.他の病院を紹介              28(14)病院
   無記入                     3病院
3.ナルコレプシー患者数         約4000(2900)名
4.治療対象の睡眠障害(a〜fから複数選択)
  a.全ての睡眠障害に対応        82(65)病院
  b.特発性過眠症、反復性過眠症    39(25)病院
  c.慨日リズム障害             32(17)病院
  d.睡眠時無呼吸症候群          42(36)病院
  e.むずむず脚症候群           55(39)病院
  f.REM睡眠行動異常症         30(25)病院

 回答いただいた158病院で治療を受けているナルコレプシー患者は約4000名になります。今回は回答いただけませんでしたが以前のデータを用いて計算すると約4500名が治療を受けていることになります。調査票送付先以外の病院で治療を受けている患者がどのくらいいるのか分かりませんが、20万人いわれるナルコレプシー患者のうち治療を受けている人は数千人程度ではないかと思われます。
今回の調査を含め、ナルコレプシーの検査及び治療可、検査可能(治療は他病院を紹介)、治療可能(検査は他病院に依頼)とお答えいただいた病院及びインターネットより検査/治療が可能と考えられる210病院を近日中に当会HPで紹介する予定です。
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3204 報告 2014年11月24日の懇親会のお話・あれこれ             町 田   誠

 2014年の懇親会は、本多真先生の講演会そして「2014年NPOなるこ会定期総会」のあと、会員皆様の熱意ある参加により大変有意義な時を持つことができました。勝手ながら一部を抜粋してその内容をこの紙面をお借りしてお知らせいたします。
 はじめに、なるこ会の活動の一つに地方の懇親会開催があります。いままでに札幌、福岡、大阪、2014年は名古屋で開催されましたので、土岐理事より名古屋で行われた懇親会の状況報告をお願いいたします。

 土岐理事の名古屋懇親会報告
  ・名古屋近辺のナルコレプシー治療の病院を知りたい。
  ・年をとるとナルコは症状が軽くなるのか。
  ・新薬や安価な薬があるか教えてほしい。
 といろいろな質問がありましたが、細かい内容はナルコ会会報でお知らせしようと思います。
 2015年は、どうするか,何処でやるかはこれから検討したいと思います。何かご希望があればご意見よろしくお願いします。

それでは懇親会の一部を抜粋してお知らせします。

Aさん(主婦) 省略

Bさん(お父さん)息子がナルコレプシーと分かり悩んでいる
 岩手から来ました。小さな町です。家内と来ましたが、子供は息子4人のうち2番目が大学4年生で就職活動しています。
大学1年生の時、非常に眠いし体が変だしおかしいといって自分でネットで調べたところナルコレプシーに辿り着いた。岩手医大に行ったところ、秋田大学付属病院を紹介され、そこで2泊三日で髄液を採ったりして検査した結果、ナルコレプシーと診断された。私はこの病気のことは全く知らず、これからどうしたらよいのか、この子の将来はどうなるのか、就職は、車の運転はどうなるのか。親戚にも兄弟とかも話したくない、隠したいという気持ちになった。なるこ会というのがあると岩手大の先生から聞いて、インターネットのホームページで調べて、それで事務局の人に電話して今日やってきました。
 悩みは多く、このことでいろいろな話を聞けるのも、ここしかないのです。ここが最後の砦です。これからどこへ、どう一歩進んだらよいか、この集まりの中でいろいろ情報を聞いて、これから子供の生き方、どう眠気を克服したらよいか探って行きたいと思います。

Cさん(お母さん)次女が大学に入れたが・・眠気との戦い
 3回目の出席です。私の次女が中学2年の終わりに発症して、脱力発作でバサバサと道で倒れますし、一日の半分は眠てました。
中学3年で高校験を迎え、学校の担任、教頭先生と教育委員会に病気のことを伝え、高校受験は保健室で個別に受けさせていただきました。休憩時間は仮眠を取らせて貰いました何とか私立に合格できました。高校ではすごく理解していただき、暖かく対応していただき、3年間を楽しく過ごさせていただきました。この病気を持っていることから、医療や薬学に関心が高く、進学を希望した。
 頑張り屋で勉強の出来る子ですが、一日の半分が眠いし、なかなか勉強の時間がとれず、医者になる希望をもっていたが、成績が追いつかないのでもう一つの薬学の進学を希望して、3つの大学を受ました。大学受験では、専門医の病気記載に脱力発作を理由に、他の受験生に迷惑が出ないように個別受験出来るようにお願いしました。三つの大学では個室を用意してくれて、冬の時期で暖房で眠くならないように室温調整してもらい、試験中にも服薬でき、飲料水の持込許可、眠気防止に保冷剤の持込、目薬も許可してもらいましたそれで大学は合格できました。
 本人の努力もありますが、私も仕事しながら、一緒に動きました。試験の前に大学の学長さんと面談したり、色々な情報を集めた結果だと思います。これからもできるだけサポートして行きたい。大学では勉強が難しくてみんなについて行くのが大変なようです。今も薬学部に通っている途中、居眠りしてしまって電車の乗り越しや携帯電話を落としたり、定期券を落としたり毎日そんな状況です。大学でも授業中眠ているようで、脱力と眠気の症状を抱えながら大学生活をスタートしています。とりあえず、娘が、色々な配慮をしていただいて高校と大学の受験ができましたことを皆さんにお伝えいたします。なにかの参考になればうれしく思います。

Dさん(お母さん)中学生の息子のことで不安がいっぱい
 12歳の男子の母親です。息子が小学6年の時の夏に丸一日眠ていてびっくりしました。元気な子で、赤ちゃんの時から公園に連れて行って走らせ疲れさせないと眠らせるのが大変でしたのに、突然あまりの変わりようにビックリしましたが、お蔭様で発見はすごく早かった。1週間後には周囲の皆さんが異変に気がついて、学校の先生も気がついて「何かおかしいですよ」と連絡してくれました。そういわれても、何が何んだか分からず、過眠症という病気も知らなかった。
 初めは、思春期だから、悩みがあるのか、ストレスでないか、思春期外来とかへ行ったらとか、誰彼となく色々言われました。
 インターネットで「ねむり続ける」と調べたら、なるこ会のホームページに至りまして、「これやー」と読んだ瞬間思いました。ホームページから病院の名前も見せていただいて近くの大阪の病院に行って診察受け、「ナルコに間違いない」とショックもありましたが安堵もしました。理由が分かったのが本当に良かった。それから、一年間この薬が合うのではと色々試しました。去年は主人にここに来てもらいました。私は「何でもいいから行って聴いてきて」と頼みました。ようやく本人も素直に努力してくれ、薬を試してといえばそうするし、お昼寝してみてといえばそうしてくれていますので、なんとか一年間頑張っていけるかと感じています。
 今、中学1年ですが、日々学校の環境が変わって行くことや生活スタイルが変わっていくので、その都度悩みが出てくることで不安になりながらやっています。親としては本人が頑張れる環境を作ってやれればと思っています。なるこ誌29号の中で、「学校にお母さんが依頼の手紙を書かれた」と、ありましたので私も真似をして学校に手紙を書き、中学校に持っていって、先生方に集まっていただいてサポートして欲しい事をお願いしたり、テレビ「夢の扉」の録画DVDをいっぱい作って、学校で「皆さん見てください」と持って行きました。これから不安なのは、高校受験、大学受験、就職ということで、本人も自分のこれからどんな仕事につけるのか訊いてみたいといっています。先程のお話で、親が子供の高校受験、大学受験のことで、そこまで考え、サポートを依頼できたことを参考にしたい。
 この病気を持ちながらも、どんな学生生活をしてきたのかお話を伺いたい。そんなに頑張り過ぎないで、良い面を伸ばすことで頑張れることが分かってきた。一番ここに来て安心したのは、皆さんが病気を持ちながらもきちっと成人し、年を重ねて来られたお姿を拝見でき、勇気が湧いてきました。

 ご主人:今家内が話しましたが、去年私が来て大変ためになるお話を聞けたので、こんなに生の声を聞けるところはないので、ぜひ本人に聞いてもらい、今後何かの役に立てればいいし、本人のやる気なりが出せればと思います。今回で息子も何かを感じてくれていると思います。

Eさん(女性)孫のことが心配で眠れない
 孫が高校3年ですが、ナルコレプシーと無呼吸睡眠障害の両方になっておりシーパップ (呼吸補助)をつけたり、薬を飲んだりしています。受験期になっても朝起きれないことで不登校を繰り返しています。わたしは、「今日は起きれるかなー」と思うと3時ごろから目が覚めてしまいます。孫は眠ちゃうし私は眠れず、困ったなーと思っています。この懇親会に参加して本当に良かったと思っています。岩手の方の明るいお話、次の方のお話は涙がでそうになっている気持ち、京都の受験生のお母様のお話などを聞けて、とっても為になりました。皆様が同じ病気同志で助け合っていけることで明るい気持ちになれるし明るい気持ちにならないと病気を持っている本人もきついのかなーと思っています。来年孫が大学に入れました暁には、孫本人を連れてまいります。そして皆様とお話ができたらと思っています。

Fさん(お父さん)社会人の次男がこの病気と分かり・・・どうしたらよいか
 息子が3人おりますが、次男はナルコレプシーです。もうすぐ31歳になります。病気に気づいてやれずにいたところが、最初におかしいといってくれたのが職場の先輩でした。息子は、会議中の柔かい話に談笑で「わー」と言った時、脱力発作か出てガタとしゃがみこんだ。その時「お前それは病気だぞ」と言ってくれたそうです。それで、私は女房・息子と一緒に順天堂に行きました。女房が詳しく症状を説明したところ、それはここでは検査ができないと言われ、代々木睡眠クリニックを紹介してもらった。検査の結果ナルコレプシーだと分かりました。
 思い返してみますと。中学のときも高校の時もよく眠る子でした。女の友達を連れてきているのに横で居眠りしているようなそんな子でした。私たち家族は体育会系でしたが、この子だけは力の入らない子で居眠りばっかりしているので、こういう子なんだと思っていました。私も高校の時はよく居眠りをしていましたので、やっぱり似たようだと思ってました。調理の道に入ったが、越谷から池袋の専門学校に通うことになりましたが、余りに居眠りしているので、「そんなんじゃ通えないんじゃないか」といいましたが、その2年間はとても頑張りまして、本人は朝早く起きて、学校に行って、学校が終わったら、池袋でアルバイトして夜中に帰って来ました。成績が良かったので、ホテルの契約社員になりオランダに3年間行きました。その時にグット悪くなったみたいで、引きこもりのようになった。国内にいれば、もうちょっとましな治療が出来たんじゃないかと思っています。
 先生に質問したかったのは、食事の取り方で異常に甘いものを食べることです。今仕事は卸売市場で鮮魚を扱う仕事をしています。朝4時頃から昼過ぎまで働いて帰って来ます。お腹もすいているのだろうが、ごっそりアイスクリームを買ってきて、食べて寝ちゃうといった生活です。どうしたもんかと思います。職場で人と衝突してしまうこともあるようで、2,3回そうしたことで辞めています。薬のせいなのか、本人の性格のためなのか、病気が災いしているのかそのへんのことを何かありましたら、教えてほしいと思います。なるこ会を頼りにしていますので、色々教えて下さい。

 本多先生からFさんへ:息子さんが、アイスクリームをたくさん食べるので心配されていたが、もともと甘いものを食べる欲求があるのと眼を覚ます効果があるのでそうするのだろうが、またすぐ寝てしまう。食べると太るというか、もともと普通の人と同じに食べても太る傾向にある。代謝が落ちているので太るのがこの病気です。食べる量を減らすとかこれ以上太らないようにすることが大事です。ダイエットができれば素晴らしい。あと早寝するのもよいことです。遅くまで起きていると何か食べてしまうので。
職場の人と衝突する件・・体質もあるが、眼を覚ます薬だと気分が高揚しイライラし易くなる。

Gさん(女医でナルコレプシー患者)過眠症外来担当だから言えること
 秋田大学医学部過眠症外来を自分で担当しています。
先程の家族の方の話を聞いて、皆さんなんと恵まれているのでしょう。ご両親がすごい協力してくれて、なんとうらやましーことでしょう。私の発症は中学でしたが、大学入るまでは分からなかった。親からも「気合が足りん」「勉強から逃げるために眠てるんじゃないか」と言われてました。だから、親が大学受験まで協力してくれ、一人で受験できたなんてなんとうらやましーこと。
 私は2浪はしましたが、なんとか大学に入れました。大学に入ってからこの病気が分かって、薬を飲んで留年はせずに卒業できました。1年目の医師国家試験で3日間のうち3日目の日に眠てしまいました。当時はモデオダールはなく、リタリンを飲んでいましたが、試験中に飲んでよいのか分からず、リタリンも途中で切れたのか眠てしまいました。
 大学卒業して、1年浪人して、2年目に合格でき、医師になりました。私は手術が好きで外科医に成りたかった。6,7年外科の医師をやりましたが、体にかなり負担がかかるのと、力のいることも、食生活も忙しく食べられないこともありました。当直とか、夜勤も週3回あり、土日も出勤するのは当たり前ですから、明らかに体には大変応えました。まだ30歳台なのに血圧160とか上がってしまい、コレステロールも高く、健康診断でこれでは良くないということになりました。前から睡眠の研究をしたいと思っていたのと秋田大学には清水教授、神林教授が睡眠の専門でおられて、学生のころから睡眠学会に入っていたこともあり、お誘いいただいて、睡眠の研究をするように成りました。特に今はオレキシンの測定とかを中心にやってます。

 睡眠外来も患者が増えてきて、特に小児の患者さんが増えてます。はやく見つかってよい面もあるのですが、大人の人より薬のコントロールが難しく、脱力発作や睡眠も強く出ている印象があります。9歳の子供を治療していますが、「僕、なんでちゃんと薬飲んでいるのに、効かないの。僕言うことをちゃんときいているのに」と親御さんも困ってしまいますが、私たちもおっしゃるとうりですと思ってしまいます。本人もそうとう我慢していて、急に眠気が強く出て来たので、今まで外で遊びまわっていたのに、我慢して外に遊びに行くのも控えたりしていると憤懣やるかたないようで、大人と違って納得がむずかしいようです。中学生以上で発症する患者が増えてきていますが、今 薬の調整期間だから、4週間後に又来てください、と言えばある程度は理解してくれますが、小学生くらいでは説得するのが大変です。
 最近小児の患者さんが増えてきていますが今まであったけれど病気が見つかっていなかっただけなのかもしれませんが、自分の経験から早く見つかるに越したことはないと思いますが、親御さんから見ると長い期間薬を飲み続けるという心配もあるらしいので、見つからないより早く見つかったほうがいいですよと言います。親の協力は、小さい子供ほど必要だと思います。皆さん受験など苦労があると思いますが、親の助けはケースバイケース、その学校にもよります。

 先程の質問にもありましたが、よく聞かれる質問で、「会社の職場等で自分はナルコレプシーです、と言った方が良いか」です。あくまで私個人の見解ですが、本当の理想としては言って就職できれば素晴らしいことですが、実際には私が治療している方で、当時は正規で働いる人でも、それが原因でクビになった人も居ました。ナルコレプシーを薬でコントロール出来ている人でも、診断書を書いて、それが原因で会社を辞めさせられた人も居ます。
 治療してすごく調子が良くなって仕事を大いに任せられるようになった人も居ます。だから、周りを見て病気のことを言ってよいかどうか判断した方がよいと思う。周りの人間関係とかも考慮したほうが良い。
 強いて言えば、もしどういう職業が向いているかといえば、資格を持って行う仕事とか公務員はいいかなと思う。一般に企業は「代わりはいくらでも居る」と考えるのか、結構簡単にクビに成っています。公務員は意外と大丈夫かな、白バイ隊の人も居ましたが、私は職場変えられるかと思いましたが、薬を飲んでちゃんと仕事をしていれば大丈夫だったので、ほんの一例かもしれませんが、公務員は理解があると言うか、職場の余裕があると言うのか、そんな印象を持ちます。これは本当に私の個人的な意見ですので、参考程度にして下さい。お願いします。

Hさん(大学生の男性)どう生きたらよいのか知りたい
 発症は中学時代です。中学、高校生の頃は良く眠るやつと言われてました。小学のときは眠ったりしませんでしたが、中学生になって初めて眠ていて先生に怒られました。就学のことやナルコレプシーの方々がどのように生活しているのか知りたくて、会員ではありませんが、インターネットでこの会のことを調べて、ここに参加させてくださると知り今日来ました。

Iさん(女性)旦那が病気を見つけてくれました
 私自身がナルコレプシーと診断されました。発症の時期はハッキリは覚えていません。それというのも、私の父が農業をしていて、たまに仕事の途中で帰ってきて横になっていつの間にか又仕事に行くという生活をしていた。私自身が専門職をしているので、とても不規則な生活をしていました。全く気がつかなかったのですが、私の主人が北海道の方でナレコレプシーのお友達とかかわっていたので基礎知識を知っていた。私と一緒に生活するようになって、その情報が私と合致することが多いというので、もしかしたらと検査を勧められていた。そんなはずはないと考えてもみなかったのですが、病院に行ったらナルコレプシーと診断されました。いろいろお薬を試しましたが、私はリタリン以外の薬は副作用が強くて眩暈とか吐き気とか酷くてだめでした。今もリタリンを服用しています。いままでには、本当に眠いときは、職場に畳の部屋があるので、昼休みにコーヒー、お茶などカフェインが入っているものを飲んで、15分〜30分くらい寝ると、ある程度眠気が晴れたので、とても有効と思います。車とかも運転が好きで本当に眠い時は5分10分でも眠ると頭がすっきりして、だらだら眠気を持って運転するより安全です。

Jさん(大学生・女性):苦労しましたが、やっと病気が分かりました
 中学1年の時に、脳動静脈奇形という脳内出血の一種を患い、その後金縛りを時々起こすようになりました。授業中も良く眠てました。眠った後、頭がハッキリするので集中して覚えるようにしたので、そんなに勉強も遅れるようなことはありませんでした。悩まずに病気と知らずにいましたので、受験勉強をしようとしても夜起きていられず、体温高く心拍数を上げたら何とか起きれるだろうと、父親のウイスキーやブランデーを拝借して、その中にコーヒーとココア、牛乳、砂糖を混ぜて飲んで勉強しました。1、2時間くらい起きれたので勉強して、高校に入りました。手術の影響で私にはハンデイがあるので、センター試験は眠気に耐えられないと思い普通の大学受験は無理と思いました。高校のときから推薦入学を目指して、夜はあの秘策を使って勉強しました。養護の先生に成りたかったので、大学では養護教諭養成課に入りました。 授業も1時間半起きていられないので、そばの宿舎に戻りあの秘策で目を覚し、自転車で授業に一目散にかえりました。金縛りがものすごく強くなってきて授業中全く起きれなくなり、自分は精神的にどっかおかしいのかと思って大学の保健センターに行って相談しました。
 すると先生が貴方の症状を聞くとナルコレプシーに近いようだが、貴方この病気を知っていますか。それでその先生に一番早く診てくれる病院を教えてもらい、水戸から東京まできてMSLT検査を受け、ナルコレプシーと診断されました。最初の病院の先生は、私が薬の副作用ですこしイライラが強いと言ったら、それは女性だからショウガナイと言われたので、私はこの先生とは気が合わないと思いました。それで私の大学の先生が紹介してくれた本多 真先生のところで今は診てもらっています。6,7年になります。

本多先生からJさんへ:眠気を無くすのに工夫をしたのは大事なことですが、お酒を飲んで自転車に乗るのはあまりよくないので、皆さん真似しないで下さい。

Kさん(女性):健康的な生活が大切でーす
 発症したのは中一で、中3の受験の時に母の協力のお陰で知らされて分かりました。対処の仕方が重要と思います。症状的には変わってないですが、金縛りが無くなったので夜長時間寝れるようになって、ものすごく楽になった。ここに来るまではナルコレプシーを忘れてしまうほどです。対処の仕方が分かってきたからだと思う。中学高校の時は言われたことに従って薬を飲んでいたが、今は薬を飲んでいない。正しい生活管理、夜は早く寝て長時間睡眠を取る。朝は早く起き、起きたときにたくさん朝日を浴びる。食生活とか健康的な生活が良い。現在海外に居ます。仕事は、オフィスで働くのは絶対眠てしまうので無理。向いているのは、自発的なもの、6時間以上の仕事は無理で、今はフリーのカメラマン、ウェートレスで忙しいレストランだと頭がフル回転しているので向いている。

Lさん(お母さん):娘が一日眠らないとはこういうことなの!こういう世界!と驚いた
 次女ですが、小学、中学生くらいから発症していたと思いますが、病気だとは知らず、良く寝る子で、試験中に眠てしまったという話をしても笑い話にするくらいで、病気だとは結びつけず、高校生の時、娘の友達がこの眠り方は普通じゃないと思うから病気じゃないのと言ってくれた。病院に行ってナルコレプシーと診断され、リタリンを処方された。リタリンが怖い薬というイメージが強すぎて、夫と相談して、寝かせてあげようということになった。娘が就職したのですが、本人が眠くて辛いということで、別の病院にいった。もう一度脳波とか診察してもらい、ナルコレプシーとしてモデイオダールを処方された。これを飲んで、娘はこういう世界があったのか。1日眠くないとはこういうことなのかと言って驚いております。飲ませて良かったと思っています。周りにナルコレプシーの人が居ないので、皆さんの貴重な体験など意見をお伺いしたいと思って本日は参りました。

Mさん(男性):ナルコの他に持つ病気で障害者手帳をもらい、働いています。
 私は現在障害者として公園内の作業者を担当しています。ナルコレプシーの症状としては脱力発作はありません。困っていたのは夜の幻覚が強くて眠りが浅くなってしまうことです。昼間は軽いナルコレプシーがありまして、耐えられない眠気が襲ってきました。。私が今までどういう歩みをしていたか。中2の学生時代にこの症状にはきずいていた。このころ学校内で半分眠ていた。大学までそのような調子でした。試験については友人のノートを借りてなんとか乗り切りました。22歳で就職をしたのですが、初日から立ち寝をしてしまい、それを社長が異常に感じてお前おかしいから治療へ行って来いと言われました。この時初めて自分はおかしいんだなと思いました。高熱のガラスを扱う会社でしたが、その前で眠てしまう事が結構あったので相談の上で退社することになりました。
 次の年の4月から職業訓練校で電気配線を学びましたが、作業が普通の人より倍以上かかるので先生にあきれられるということが何度もありました。病院には6軒ほど回りましたが7月にやっとナルコレプシーと診断されました。訓練校は卒業しましたが、地元のボランテア活動に参加して色々な人に支援してもらいながら自立支援センターなども頼っていましたが、この時なるこ会の存在を知りました。私自身に自閉症の傾向がありまして、後半性発達障害という診断を受けました。これにより障害者手帳が発行されました。この手帳により自立支援センターの援助を受けられるようになりました。そして就労移行支援施設(障害のある人が仕事に就けるように手助けする所)に通って「公園内作業者」を紹介してもらい現在になります。家族には24歳のころ、この病気のことを知らせたところ、なぜ今まで気がつかなかったのかと非常にショックを受けていました。家族には心配しないで欲しいと思います。自分も病気と思わなかったし、ナルコレプシーも最近明らかになってきたのですから。飲んでいる薬は、朝にベタナミン2錠、リタリン1錠、アナフラニール12mg1錠。夜はアナフラニール20mg1錠、ランドセン1錠です。夜は不眠の症状がつらいので眠れる薬が主です。

Nさん(元警察官):この病気のことは話さなかった
 先程、公務員はナルコレプシー患者に向いているというお話がありましたが、公務員の警察官を41年間やってました。いろいろありましたが、結構夜勤が多くそれで眠いのが当然じゃないか、という見方をしてくれた。実はナルコレプシーだったんですけどね。会社には病気のことは言いませんでした。最後の頃言いました。自分なりに考えて言いませんでした。それなりに仕事はやりましたから。いろいろな仕事がありまして、テレビのようなカッコいいものじゃなく地味な仕事ですがそれなりに努めました。昇級試験もありますが、筆記試験は合格するが、面接で警察学校の悪いうわさも手伝ってよく落されました。前向きに進もうと思い、勉強もしたし、仕事もやりました。こう見えても私は柔道をしています。今でも市内の武道館で子供たちを集めて前向きに取り組んでいます。「継続は力なり」と言いますが、柔道でも、勉強でも、何でも続けていると力が付きます。仕事にも役に立ちます。ナルコだなんて言っていないで、前に向かっていくなら人生は楽しく生きて行けます。

本多 真先生(ナルコ会顧問)
 貴重な体験いつもありがとうございます
 充実したお話ありがとうございます。病気の早期診断と病気であることを受け入れることがすごく大切です。なかなかそれが出来ないと、診断を受けた時ショックを受けると言う人が何人かいましたが、自分が病気であると理解して、それに合わせた暮らしをしていくことが大事です。眠くならない人と全く同じようにやっていこうとすると大変苦しくなると思います。この病気を受け入れた上で、ジャーどうしようと前向きに考えることが大切と思います。逆に、病気自体がそんなに重症でないし、大変じゃない病気と言う風に考えるようになって、この病気の知識が社会に広まればいいのですが。イタリアでは、人気まんがのアニメが眠ちゃうとか脱力でくづれちゃうとかを放送したら、子供たちがいっぱい病院に来てすぐに診断されて、早期治療に入れていることが、2,3年前から始まっています。日本でもそういう風になれればいいと思いますが、なかなかうまくいっていない。

 白倉理事長がよく言っていますが、ちょっと眠ると普通の人が朝の目覚めのように頭がスッキリ働くので、この時間を使って他の人より仕事や勉強を効率よく行うことが出来る。病気に合わせたリズムで生活をすると、うまくいけるのでは。お薬を使うかどうかも、その時その時の生活に合わせた薬の飲み方を工夫する必要があります。一日に何回かお昼寝が出来る人、お薬なしで過ごしておられる方もいます。短い時間の仮眠が特技みたいなところがあるので、それをうまく使って乗り切れるのでは。ナルコレプシーの特徴として、短く眠て短く起きるという特徴があるので、時差があるようなところに行ってもグッスリ寝れてその場にすぐ適用できるという特徴がある。不規則なずれた生活をしてても、その場では起きていられるのはいいが、基本は規則的に睡眠時間を確保することがベースになるので、不規則なずれた生活が良いかと言うとそうではない。お医者さんや看護してる方夜勤をしてる方の不規則が悪いと言うのではないが、積極的にはお勧めしない。

 脳手術の後、二次性のナルコレプシーで、オレキシンの細胞が落ちることが分かってきた去年オレキシンの細胞をつくる方法が報告された。東大農学部先生で今一緒に研究している。そういったものをうまく誘導するsysが分かると落ちてきた細胞を戻すことができる可能性も、ゼロでない。またこの伸展を報告できればと思います。
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3205 報告 なるこ会の園遊会を今年も開催                   町 田   誠

 陽春の中、緑したたる代々木公園で5月4日(みどりの日・祝日)認定NPOなるこ会の園遊会が昨年に引き続き開催されました。
これで3回目となりますが、西門から上ったいつもの場所で、本多 真 先生(顧問医師)を囲んで楽しいゲームやおいしいお弁当に舌鼓を打ちながら、適当にお酒も入って舌も滑らかになったところで、ナルコレプシーの悩み・相談やお互いの健闘を認めそして励ましが出来るのも、こうした素晴らしい緑の中で出来ることです。今回は20名の集まりでしたが、熱気あふれる有意義な恵みの時間でした。

 まずは、「よろしくジャンケン」で一人ひとりと挨拶を交わして始まります。豪華弁当と楽しい会話で心も体も活力あふれたところで、ゲームで頭と体を動かしてリフレッシュしました。
「番号送り」「ピンポン渡し・リレー」「ロープ・バレー」「10(テン)ゲーム」などで時間の経つのも忘れてしまいます。
改めて自己紹介から始まり、本多 真先生との相談やアドバイスを受けたりしていると、あっという間に16:00です
 記念写真を撮って、後片付け、お掃除をして、お名残惜しいですがお別れです。
ナルコレプシーに負けず皆で元気をもらって、来年もまたここでお会いしましょう。
お元気でさようなら  
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3206 報告 晴和病院公開シンポジウム聴講記                  稲 葉 豊

 去る2月21日、『眠気〜日中の眠気の原因と対応』をテーマに(公財)神経研究所附属晴和病院・附属睡眠呼吸障害クリニック主催のシンポジウムが開催され、なるこ会の会員を始め300人近くが参加しました。各講演の概要をお伝えします。

1.発達障害と眠気         [晴和病院理事長 加藤進昌]
 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、脳の前頭葉でドーパミンが不足することによって起きる病気で、ADHDの患者は、落し物・忘れ物の名人で居眠りも多い。
 また、むずむず足症候群や睡眠随伴症(寝ボケ)を伴うこともある。ドーパミンの効果を高めるメチルフェニデート(コンサータ)という薬が有効で、治療により、今までできなかった部屋掃除ができるようになった、人格が変わった、などと言う人もいる。
ドーパミンの効果を高める薬は「むずむず足症候群」にも効く。
 ADHDと睡眠障害との間には何らかの関係があると思われる。この関係を研究することで、さらに有効な治療法が見つかるのではないかと考えている。

2.睡眠時無呼吸と眠気      [睡眠呼吸障害クリニック院長 福原俊明]
 睡眠時無呼吸症候群の人は、大きないびき・日中の強い眠気・倦怠感・集中力低下といった症状がある。高血圧、虚血性心疾患、脳梗塞、うつ病の罹患率が、正常の人に比べて高い。
 睡眠時無呼吸症候群(閉塞性無呼吸)は、睡眠中、舌がのどの奥に落ち込み、気道がふさがれることによって起きる。気道に空気を送り込んで舌を押し上げるCPAP(持続的気道陽圧法)により劇的に改善される。

3.概日リズムと眠気       [メディカルケア虎ノ門副院長 海老澤尚]
 体内時計のリズムは24時間より少し長いが、朝の光によってリセットされ、生活リズムの24時間を保っている。
体内時計は光の影響を受けやすく、昼の光で睡眠・覚醒のリズムが前進し、夜(特に0時前後)に光を浴びるとリズムが後退する。
朝起きられない、午前中に眠気が強い、夜ははっきりと目が覚めているという症状の概日リズム睡眠障害は、リズムの後退が長期間に及んだものである。
朝強い光を30分以上浴びることで改善する。

4.なぜ眠気は起こるのでしょう そしてその影響は   [精神・神経科学振興財団理事長 高橋清久]
 睡眠不足は、仕事・学業・生活の各面に悪影響を及ぼす。眠気による仕事能率の低下は年間3億5000万円の損失を生じているという試算がある。
スペースシャトルの打ち上げ失敗、オイルタンカーの座礁などの大事故も睡眠不足が原因だった。
また、睡眠不足の人は、高血圧・糖尿病など、生活習慣病といわれる病気にかかる割合が高い。また、認知症との関連も報告されている。
眠気対策としては昼寝(午後の早い時間に30分程度の短い時間)も有効だが、何よりも規則正しい、質の良い睡眠をとることが大切である。
厚生労働省が提唱している睡眠12か条を参考にしてほしい。

5.過眠症と学童期の眠気      [東京都医学総合研究所睡眠研究プロジェクトリーダー 本多 真]
 ナルコレプシーは、日中の耐えられない眠気のほかに、情動脱力発作が主な症状。子供の場合は、舌を出し続ける、顔のしまりがなくなる、歩いているときにふらつくなどの特異的な症状もみられる。
 また、全患者の約8割は入眠時幻覚を伴う。健常者は、眠りにつくとすぐ深い睡眠状態に入るが、ナルコレプシー患者は入眠直後にREM睡眠が起き、幻覚を生みやすい。
 オレキシンの欠如が、ナルコレプシー患者に特有に起きていることは知られている。人の脳には覚醒中枢と睡眠中枢があり、目覚めているときは、覚醒中枢からドーパミン、アドレナリンなどの覚醒物質が大脳皮質に送られているが、オレキシンはこの覚醒中枢をコントロールする神経伝達物質である。
睡眠中枢と覚醒中枢は相互に他方を抑制する働きを持っていて、その結果、覚醒と睡眠がそれぞれ安定して継続されるという仕組みがあることがわかってきた。
 オレキシンが欠如するとこの覚醒と睡眠の安定性が損なわれ、不随意の眠気や寝ぼけ状態が引き起こされてしまうと考えられる。
ナルコレプシーは本人も周囲も病気だとの自覚を持たず、治療が遅れることが多い。特に子供のナルコレプシーの症状を見逃さず、早く治療することが重要だ。

6.高齢者の眠気      [睡眠総合ケアクリニック代々木理事長 井上雄一]
 高齢者は、一般に、睡眠が浅くなる・睡眠リズムが(早いほうに)変化する。覚醒と睡眠の振幅が減少する傾向にあるために、日中に眠気を感じやすい。
 高齢者の睡眠時無呼吸症の場合は、筋力の衰えに伴う自然なものである場合があり、日中の眠気を引き起こすことは少ない。
夜間の睡眠を確保するには、睡眠薬による方法もある。最近は、体内時計の調節や、オレキシン阻害薬など、色々な機能の睡眠薬が開発されている。
また、昼間十分な光を浴びる、運動をするなどをして、夜間の睡眠を確保することが、何より重要でありその実行が望ましい。


 各講演ともわかりやすく話して頂きました。
公開市民講座は、自分の経験や症状と照らし合わせて、病気の原因や仕組みを知る格好の場だと思います。
具体的な治療やその効果の話もあり、「病院に行きやすくなるのでは」と思いました。
出席経験の無い方は、是非誘い合わせて出席してみることをお勧めします。
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3207 報告 「東京都の認定NPO資格取得」について            事 務 局

 当会が「国税庁の認定NPO資格」(有効期間H22.9.15から5年間)を取得していることはご高承の通りです。
 しかし、法改正により国税庁の認定資格は有効期間終了後は無効になり、新たに東京都の認定する資格制度に移行することになりました。
 この認定NPO資格取得は、寄付をする側に税制面での優遇制度をもたらす為、ご寄付を頂戴する当会にとって、取得して置くことが必須であるとの考えから、空白期間が出ないよう昨年春から鋭意努力して参りました。
 その結果、平成26年12月22日から5年間有効の東京都知事の認定する「認定NPO資格」を取得することができましたので、ご報告します。
なお、この資格は全国で2万とも3万ともあると言われているNPO(特定非営利活動法人)が取得希望しているものですが、審査基準が厳しく、東京都でも取得しているのは200社強に過ぎないもので、誇りに思って良いものです。
本件は、「なるこ便り(平成27年2月)」にて報告済みですが、重要事項なので再録しました。
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3208 報告 埼玉県全中学校の先生のアンケート集約               川 岸 聰 子

 1昨年の千葉県全中学校に続き、昨年は埼玉県内全公私立中学校を対象に啓発活動を実行しました。
 内容は埼玉県内全中学校480校(公立451校。私立29校)の保健担当の先生宛に下記の書類を発送しました。(H26.9,20)
  *「過眠症が疑われる生徒には睡眠障害専門外来のある病院への受診を勧めて下さい」と言う4ページの手紙
  *「ナルコレプシーはこんな病気」のパンフレット10部
  *「過眠症やナルコレプシーと言う病気をご存知ですか」のアンケート及び切手付の返信用封筒
また、全教育委員会(64)に別途事後承諾をお願いする文書を送付しました。

このアンケートを集約しましたので、生の数字及び内容を報告します。
送付460校の内、
   回収アンケート数 102通(10/30回収分まで)  回収率:21.3%

 アンケート結果            (不記入及び複数回答の箇所あり)

1.「ナルコレプシーはこんな病気」のパンフレット追加送付は必要ですか?
    イ.必要 10校   ロ.不要 92校
  イの場合は主な使い道:・職員に配布したい・希望する保護者に配布したい 
 
2.「今回のお願い状」は役に立ちましたか?
   イ.役に立った  100     ロ.どちらとも言えない  1

3.「過眠症」についてご存知でしたか?
   イ.今回初めて知った 27    ロ.以前から知っていた 75
  ロの場合(何によって)     新聞:7、TV:25、雑誌:23、インターネット:7、本:1.知人から:1、
    大学で勉強:6、研修会:2、仕事上:2、病気の生徒が居た:3

4.「ナルコレプシー」についてご存知でしたか?
   イ.今回初めて知った 24    ロ.以前から知っていた 78
  ロの場合(何によって)      新聞:12、TV:23、雑誌:20、インターネット:7、本:1.講演会:1、
     大学で勉強:7、研修会:2、仕事上:1、病気の生徒が居た:3、同僚に居た:1

5.「睡眠時無呼吸症候群」についてご存知でしたか?
   イ.今回初めて知った  1    ロ.以前から知っていた 100
  ロの場合(何によって)      新聞:37、TV:61、雑誌:39、インターネット:3、本:1.病院のパンフ:1、
     大学で勉強:5、研修会:2、仕事上:1、夫が10年前に発症:1、講演会:1、疑わしい職員が居た:1、

6.その他ご意見(メッセージ)
  1.初めて知ったことが多かったです。
  2.突然だったので驚いたが、大切な内容だったのでよく読ませて頂きました。職員研修の資料にします。
    有難うございました。
  3.案内書を読んで初めてナルコレプシーの発症が中学時代に多いことを知りました。
    今後の指導に生かして行こうと思います。有難うございました。
  4.アンケート4−ロ、以前診断を受けた生徒が居ました。
  5.アンケート5−ロ、夫が以前(その時は社会的にも全く知られていませんでした)
    無呼吸症と診断されました。現在呼吸器を使用しています。
  6.私自身が勉強させて頂きました。有難うございました。
  7.情報提供して頂き、為になりました。
  8.学校生活で居眠りは「夜、眠りにつくのが遅い」ことしか考えず、生活習慣の改善を図ること、その
    ため保護者との協力位しか考えてていませんでした。
   「病気なんだ」と理解してあげられることが、少しは救いになるだろうと考え、他の教員にも伝えました。
    有難うございました。
  9.現在、本校ではここまでの症状の生徒は居ませんが、参考になりました。
  10.600人に1人位と言う有病率と言うと本校にも1人位居るのかもと思い、病気ではないかと言う観点も
    もって子ども達に接したいと思いました。
  11.本校で今の処ここまでの症状の生徒は居ませんが、冊子を参考に「保健便り」に掲載しようと
    思いました。
    冊子は先生方に回覧し、保健室に保管し活用させて頂きます。
  12.有難うございました。
  13.アンケート5―ロは、学校保健委員会でドクター講演して貰ったと言うことです。
  14.小学校に勤務していた時、22歳の臨時採用の男性教諭(ボクサー)がナルコレプシーの疑いがあると
    思ったため受診を勧めたことがありました(6年前)。本人が困っていたので勧めたのですが、受診の
    結果は特に異常なしとの事でした。
    (受診した病院は大学病院で、紹介した専門外来には行かなかったとのこと)
    当時、管理職からは「生活習慣の問題なのに病人に仕立て上げることをする」と非難されました。
    養護教諭ではなく。知識にない学年主任などの上の方からの知識の普及をした方が良いのでは
    ないか?と思います。
    今回のパンフレットは配布し、活用させて頂きます。
  15.本校にも睡眠障害では?と言うほど授業中に寝てしまう生徒が何人もいます。    
    数が多いだけに、ただの寝不足なのか、それとも睡眠に異常があるのか、判断が難しいです。
    また、保護者への伝える際もかなり配慮が必要かと思います。
    まずは「保健便り」等で保護者に過眠症についての情報提供が必要があると思いますが・・・・
    マダマダできていないのは現状です。
  16.本校にはナルコレプシーを疑う生徒は殆ど居ないと思われますので、パンフレットは頂いた分
     だけで十分です。
    むしろ職員の睡眠時無呼吸症候群の方が心配です。睡眠の大切さについて指導する予定です。
  17.過眠症で生活に支障を来している生徒がいるかどうか、注意深く聞き取ってみます。
    「疲れてるんじゃない」「夜ふかし過ぎじゃ?」と笑って済まされることが殆どですが、将来
    就職や結婚に本人は非常に困ると思います。
    気付いて受診に繋げる役割を担えたら良いなと思います。
  18.以前、ナルコレプシーと診断された生徒が居ました。パンフ有難うございました。
  19.今回頂いた資料は職員に配り、保健室にも保管しました。今後の生徒の健康に頭に入れておく
    と良いと思いました。
  20.学校内で先生方から「何時も居眠りする生徒が居る」と聞いていたのですが、見過ごしていました。
    養護教諭として注意してみるべきだったと思います。
  21.前の学校でこの病気になった生徒が居ました。
  22.パンフレット等送って頂き有難うございました。分り易く参考になりました。
    (今は居ませんが、前任校で疑われる生徒が居ました。)
  23.アンケート4−ロは、耳にしたことがある程度。5−ロは患者の話から発症時期が13〜15歳
    に多いことや有病率が600人中1人と多いことなど、知らないことが多くありました。
    パンフレットも参考になりました。全教職員で共有する予定です。
  24.起立性調整障害や発達障害と同様に線引きの難しい病気だと思います。
    今回、診断治療出来る医療機関の紹介があり、大変有難く思います。
  25.アンケート5−ロ 周りにも何人か居ます。
  26.アンケート1−ロ現在の処頂いた部数で先生方にも読んで頂きます。必要になりましたらご連絡
    しますので宜しくお願いします。
  27.周りの人の気づきや知識、医療機関へ繋げるための情報等参考になりました。
  28.パンフレット大変有難うございました。心当たりのある生徒が居るので早速参考としてパンフ
    を渡すことにしました。
    本当に有難かったです。
  29.もっと小さく纏まっていた物が職員数分だけある方が配り易いです。
  30.ナルコレプシーと言う病名を始めて聞きました。症状1つ取っても原因は様々という視点で生徒を
    見て行きたいと思います。
  31.授業中何時も眠っている生徒が居るのでこのような病気も視野に入れて考えて行きたいと思います。
  32.とても良いパンフレットだと思います。
    ・丁度職員で心配な人が居ますので早速さし上げました。受診も勧めました。
    ・生徒の中にも心配な人が居ますので活用させて頂きます。
    ・表紙に「居眠り病」と書いてありましたが、気になりました。
    ナルコレプシー症を分り易く伝えるためだとは思います。が、きちんとした理解を深めて浸透
    させて行くためには、安易に「居眠り病」を使うのではなくジュリノー医師が名付けた由来を
    取って、睡眠の発作=激しい眠気が自己のコントロール外で襲って来る病気であることを表す
    日本語を当てる方が良いと思います。(精神科医等の学会で正式に「居眠り病」となっている
    のでしたら生意気なことを言って済みません。)
  33.アンケート3−ロについては、以前そういう生徒が居て学校医に相談したと聞いたことがあります。
    5−ロはポピュラーな病名なので皆さん知っているのではありませんか。
  34.貴重な資料有難うございます。学校の職員間でも知識を普及して行きたいと思います。
  35.アンケート3,4,5のロについて、何からかは覚えていません。
    頂いた資料は、内容も良く纏まっていて読み易いものでした。現在疑わしく感じる
    生徒は居ませんが、今後の参考になります。有難うございました。
  36.以前、ナルコレプシーと診断された者がいて教職員の適切な対応が必要になったことがあります。
   「こんな病気」のパンフレットがあったらなあと思いました。
  37.アンケート4−ロに関し、あまり詳しくは知りませんでした。が、どんな病気も認知度が低いと
    周囲に理解されず、本人が苦しむことになります。
    機会があれば今回のように情報を流して頂けると、子ども達にとって相談できる医療機関を紹介
    出来るので有難いと思います。
  38.本校には今の処、該当するような生徒は居ませんが、疑いのある生徒に接することがあったらこの
    パンフレットを上げようと思います。
  39.私の娘がそうです。今まで病院に行っても「問題なし」でした。専門外来が分かり嬉しい限りです。
    一度伺いたいです。
    今の処、生徒には見当たりませんが、一般情報として伝えて行きたいです。
  40.授業中眠ってしまう生徒(病気による)に対し、無理に起こして良いかどうかを知りたい。
  41.子ども達の助けになるよう活用します。有難うございました。
  42.学校に何か送られる場合は、学校長宛にする方が良いと思います。
    この病気には心療内科的な治療も必要かなと思いますが、原因も診療的なものなのか、今後知り
    たいです。
    アンケートの2−イ、ロ はどちらとも
    4−ロはドラマ化された「居眠り先生」の様な題名で。
    5−ロは大分前から話題になっているので  知っています。
  43.本校にも疑わしい生徒が居ましたが、たまたま通った病院に専門睡眠外来のある病院で、睡眠
    障害とは診断されませんでした。
    ただ深夜までTVやゲームなどをしているためなのか、病気によるものかの見分けが難しいと
    日々感じています。
    今回頂いた文書とパンフレットは、学年主任、教育相談担当、生徒指導担当、保健担当、疑わ
    しい生徒の担任に渡し周知したいと思います。
    有難うございました。
  44.アンケート4−ロに追記したように、以前授業中の居眠りがひどい生徒が在籍していて、学校
    医から情報を貰いました。
    当時は職員が理解できない症状だったため資料を探した記憶があります。保護者の話をする
    にも、実際に症状を見てない保護者に受診を勧めても空振りするばかりで困ったという経験
    があります。
    現在本校にはそれらしい生徒は在籍していませんが、職員研修のための資料としてパンフレット
    を活用させて頂きたいと考えています。
    宜しくお願いします。
  45.アンケート3,4,5は大学の講義で習いました。
  46.送って頂いた資料は、文書もカラーで読み易かったです。
  47.ナルコレプシーの発症時期が13〜15と中学生に多いこと、また有病率がパーキンソン病
    と同程度の高さであることを初めて知りました。パンフレットは教職員への周知に活用した
    いと思います。
  48.本校にも居眠りをしてしまう生徒が居ます。教職員全員に配布しようと思います。
  49.本校にもナルコレプシーと診断された生徒がいるので、このようなパンフレット、資料は
    大変有難いです。


事務局より
 都道府県内の全中学校宛の啓発事業は独立行政法人福祉医療機構(WAM)の支援事業として200万円の助成金をもらい、東京都の全中学校を対象に始めたのが最初です。
  (以前から理事会ではやってみたいと考えていましたが、あまりに資金がかかることが予想されるから実現できなかったものです。)
  その時は資金の裏打ちがあった為、校長先生宛に文書の他、全教職員人数分のパンフ、アンケート等を送付し、相談用の専用電話の設置、相談員の待機等充分過ぎるほどな用意ができました。
が、期待したような反応が少なく、原因を調べると校長先生は学校外での会合等で超多忙な実態があり、送付物を見ておられないケースが多いことが分かりました。
代わりに教頭先生が送付物をチェックされるケースが多いとのことでした。(毎日新聞の全国版に掲載して貰った処、途端に他の府県からの問い合わせが激増したことが苦い記憶として残ってます。)
  その後、政権交代があり同機構の助成金制度はなくなりました。
  その為、今後どうするかを理事会内で検討し、送付先は保健担当とする、送付するパンフ数は一律10部とし、追加送付の依頼があった先に対応する、相談専用電話は設置せず、相談員の待機もしない。
  と言う簡易型に変更し、自己資金で運営することとし再開しました。
  既に会誌にてご報告の通り、神奈川、千葉、埼玉と首都圏を終えました。
  この事業は、アンケートの回収率は20%強ですが回収したアンケートのご意見を見ると「概ね有難かった」と言う結果であることから、続行したいと考えています。
  今後の実施対象府県を何処にするかは検討中です。疑いのある生徒がいる場合に備え、診断・治療出来る専門医の紹介が必要なことから、専門医の多い所または多い所に近いをベースに検討する予定です。

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3209 報告 名古屋懇話会報告                   土 岐 拓 也

 8/24 開催した「名古屋懇話会」に、桑原理事と共に出席しました。その際の皆様のお話しをメモしていたので、以下簡単に報告いたします。
全体として出席者数は少なかったのですが、その分本音が飛び交いとても有意義な時間となったと感じました。機会がありましたら、こういった機会には是非出席されることをお勧め致します。
お名前はすべて仮名です。
 出席者の中に、名古屋近辺に在住しながらも、遠路はるばる、東京の代々木まで本多真先生に診察を受けているという方もいらっしゃいました。同じ患者さんがいれば話しをしたいと言っておられました。

■W夫さん(50〜60代くらい 男性)
 ・無呼吸症候群とナルコを併発しているそうです
 ・血糖値が高い
 ・脱力がひどく、本多先生に診て貰いたいと言っていました
 ・薬の効果があまりないように感じていて困っている
*懇話会には奥様も付き添いで参加されていました。
■Y美さん(お子様がナルコ)
 ・小5の息子がおり、ナルコレプシーと診断されたばかりだそうです
 ・息子は脱力がいつくるか不安だとのこと
 ・最後不安からか母は泣いていました
*Y美さんのお話しを伺い、子供時代にナルコと診断され、周囲の理解を得るためにも学校への 啓蒙活動はとても意義のあることだと感じました。私の体験から親は患者自身よりも心配するものなのです。でも患者さんにとっては心配を言葉でいつも聞かされるより、普通に接してもらったほうが救われるのではないかと私は思っています。
■I子さん(社会人、女性)
 ・仕事をはじめてから発症
 ・現在はモディオダールを服用されているそうです
 ・なるこ会会誌についての感想として、「情報が少ない中で、なるこ会の会報誌はとても助かる」と、
  仰っていました
■M代さん(社会人、女性)
 ・本多真先生に診察されている
 ・反復性過眠症といい、眠気が襲い気がついたらベッドの上にいて「4-5日くらい寝続けてしまった!」 
  という体験もあるそうです
*同じ患者さんがいたら、是非話しをしたいそうです。周囲への理解をどのように説明しているか?仕事をどうやったら続けられるか? 等切実な訴えがありました。
 今回の懇談会だけでなく話しをもっとしたいといった感じでした
■O介さん(社会人、男性)
 ・20代男性で、ナルコでは人間関係で苦しんだそうです

■出た質問/話題
質問@ : 名古屋近辺で優良な病院を知りたいです。
 回答 : 当会のHPに専門病院の一覧表がありますので参考にして下さい。
質問A : 年をとるとナルコが軽くなるというのは本当ですか?
  回答 : ナルコレプシーの発病時期自体が若年期に多く、40歳での発病は5.7%、50歳になる
       とまず発病しません。
      (本多裕著「ナルコレプシーの研究」P98)また、患者の予後調査アンケートでも「年と
      共に症状が軽くなる」がはっきりしてます。
質問B : 症状がよくなった感じがないのですが、どうしたらよいでしょうか
  回答 : ご自分の現在の状況を担当医に詳しく話すことが、最も重要です。
      現在の治療が「どう良くないのか」、具体的に説明しない限り医師には分りません。
      ここがナルコレプシ−の適正治療の難しい所です。ヒトには体質が色々あるため、
      Aさんに合う薬の種類や量が、Bさんに合うとは限りません。
      医師に状況を説明し、自分に合った適正治療と言えます。つまりバイオーダーの治療
      とも言えます。日常の生活態度も関係します。
質問C : 難病指定を受け負担が1割ですます方法があると聞きました。今でもできますか?
  回答 : 現在、ナルコレプシー病と言うだけでは難病指定を受けることは出来ません。
     あくまでも症状が重篤な場合で、医師の証明貰って申請することになります。
質問D : 新薬について知りたいです
  回答 : 質問Gを参照下さい。
質問E : ナルコレプシーは遺伝しますか?
  回答 : 結論から言うと遺伝子ません。(ナルコレプシーの遺伝子を持っていても)その証拠と
      して、一卵性双生児のケースが挙げられています。 一卵性双生児は完全に同じ遺伝子
      を持っているため、片方が発病したらもう片方も発病する筈です。どちらかがナルコレプ
      シーにかかっている一卵性双生児を世界中から17組集め調べた処、2人そろってナルコレプシー
      を発病していたのは5組だけで、他は発病していなかったことが知られています。
      (本多裕著「ナルコレプシーの研究」P97)
質問F : 生命保険に加入する際申告したほうがいいでしょうか?申告したら加入できなくなります
      でしょうか?
 回答 : 生命保険に申告した場合は、全くダメという場合が多いようですが、申告して加入できて
      いる例も聞きます。
      どうなのか私にもわかりません。会社により対応が分かれる印象です。なるこ会で情報
      を集約できる機会があるよいかと思います。(本多 真先生より)
質問G : モディオダールの純粋な成分の新薬がアメリカで治験中と聞きましたが本当ですか?
 回答 : 新薬については、世界的には色々ありますが、日本国内で使用する為には厚労省の認可
      が必要です。そのため海外で
      使用されていても日本では使えないものが多いのが実態です。
      また、モデオダールについては、R体のModifinil(モデオダール)についてはすでに認可
      されて使用されています。
      このR体のModifinil とは、モディオダールはラセミ体でそのうち有効成分です。(本多真
      先生より)
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3210 報告 春・秋の睡眠の日に関連する公開市民講座について         河 野 通 久

 「睡眠の日」は、3月18日の「春の睡眠の日」、9月13日の「秋の睡眠の日」と2回制定されており、その前後1週間を睡眠週間として全国で市民公開講座が開催されていることはご高承の通りです。いずれの市民講座も参加される方々は、少なくとも睡眠や睡眠障害について興味を持って方々です。換言すれば、ナルコレプシーの啓発にとっても絶好の機会と考えられます。(当会が独自に講演会を開いても、資金的に無理があると共にそんなに人は集まりません)
 そのため、牽引役である「睡眠健康推進機構」様にお願いし、全会場の主催者・担当者名、連絡先等を教えて頂いています。その上で、その方々に連絡を取り、当日出席者に配布する資料の中に当会のパンフレット「ナルコレプシーはこんな病気」を入れて頂くようお願いします。
ご了承を得た先から必要部数を送付するようにしています。毎回東京会場と4地方会場とで約2000部発送しています。
 同機構長の高橋清久先生初め、ご担当の皆様のご厚意に感謝の申し上げる次第です。

*平成27年度・春の睡眠の日 公開市民講座について
 春の公開市民講座は3月15日開催の東京会場(500名)の他、
  3/13茨城(茨木医師会館)500名  3/14富山(富山国際会議場)250名
  3/25宮崎(KITENビル)200名,3/9鹿児島(鹿児島県医師会館)350名
 が各地で開催されました。
 以下、東京会場での講演概要を「睡眠推進機構ニューズレター」から転載しながらご紹介します。
ナルコと直接関係ないものも多くありますので、興味のある箇所をご覧ください。

 冒頭に主催者で「公益財団法人精神・神経科学振興団理事長」兼「睡眠健康推進機構長」 である高橋清久先生よりご挨拶がありました。
  概要は、平成23年度に日本睡眠学会の先生方の協力を得て、人生の1/3を占める睡眠の重要性を普及啓発活動することを目的に「睡眠健康推進機構」を立ち上げたこと、その目的を達成するため、同機構は春秋の2回「睡眠の日」を定め、それに合わせてまず東京で公開市民講座を開催しました。
現在、それの発展形として、東京だけでなく5か所程度の都市で開催しています。
  また、昨年度からは出張睡眠市民講座として、全国1300余りの自治体の希望を聴取し、自治体の希望時期に合わせて開催するもので、全国約30の自治体で開催されました。
  このように睡眠に焦点を当てて活動を展開している理由は、「睡眠が心身の健康維持・増進に極めて重要である」からです。(睡眠、栄養、運動は健康維持・増進の三大柱)
  国もこの点(睡眠不足や睡眠障害によって作業能力が低下し、その損失は3兆5千億円と言われる)を重要視しており、昨年厚労省は「睡眠12カ条」を発表しています。


 第3回睡眠健康推進機構長賞の発表
  高橋康郎先生が受賞されました。
  眠りについてから最初に現れる深い睡眠である徐波睡眠に一致して成長ホルモン(growth hormone.GH) の血中濃度が上昇することは、良く知られています。
  このGHが睡眠中に増加することは、小児でも成人でも認められる現象ですが、食事をしたり、運動をしたり、急逝ストレスなどによっても起こります。
  しかし、睡眠による分泌が一日の中で最大になります。これを1965年にワシントン大学留学中の同先生が発見されました。この成果をメキシコでの国際内分泌学会で発表された際、最初の質問に「睡眠中の成長ホルモン分泌にどんな作用があるか?」と言うものでした。
先生はとっさに日本には古くから「寝る子は育つ」(A baby with a sound sleep grows well)という諺があると答えたそうですが、このような諺は欧米にはないようです。
 また、先生は故本多裕先生の2年後輩に当り、本多先生と一緒にナルコレプシーの治療法の研究にも多大な貢献をされました。(盟友と言った関係でしょうか・・・)
 当会にも深いご理解を頂いております。ご夫妻で出席されていたのでご挨拶にお伺いした処、「まだまだ頑張れ!」と励まされました。

 参考(厚生労働省 健康局  平成26年3月発表)
 「健康づくりのための睡眠指針 2014」  〜睡眠12箇条〜厚労省HPより引用

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に
    ・良い睡眠で、からだの健康づくり 
    ・良い睡眠で、こころの健康づくり 
    ・良い睡眠で、事故防止
2.適切な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
    ・定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
    ・朝食はからだとこころの目覚めに重要
    ・睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
    ・就寝前の喫煙やカフエイン摂取をさける
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります
    ・寝不足や不眠は生活習慣病の危険を高める 
    ・肥満は睡眠時無呼吸のもと
    ・睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
    ・眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、こころのSOSの場合あり
    ・睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
    ・必要な睡眠時間は人それぞれ  
    ・睡眠時間は加齢で徐々に短縮
    ・年を取ると朝型化 男性でより顕著  
    ・日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
    ・自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
    ・自分の睡眠に適した環境づくり
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
    ・子どもには規則正しい生活を  
    ・朝目覚めたら日光を取り入れる
    ・夜更かしは睡眠を悪くする  
    ・休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠
    ・日中の眠気が睡眠不足のサイン  
    ・睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
    ・睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる  
    ・午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
    ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る  
    ・適度な運動は睡眠を促進
    ・年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を 
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
    ・眠たくなってから寝床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない
    ・眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
    ・眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
11.いつもと違う睡眠には、要注意
    ・睡眠中の激しいいびき・呼吸停止
    ・手足のびくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
    ・眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談
12.眠れない、その苦しみを抱えずに、専門家に相談を
    ・専門家に相談することが第一歩  
    ・薬剤は専門家の指示で使用


 以下に講演の概要を記します。


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3210_1 聴講録 良い睡眠とは? ストレス社会を生き抜くための睡眠術
講師 睡眠コンサルタント 友 野 な お

・現代のストレス社会は睡眠障害の原因のひとつ
 今や実に5人い1人が何かしら睡眠に悩みを抱えている時代だと言われています。 その背景として年々深刻化する現代のストレス社会が原因の1つと考えてられています。ストレスは誰しもが感じるもので、一般的に知られている精神的ストレス以外にも、肉体的なストレスの他、気温の変化、騒音、外傷、自然災害などによる物理的なストレスも存在します。インターネットやスマートフオンが普及するデジタル社会、24時間稼働し続ける24時間社会もまた、現代ならではのストレスや不眠問題を生み出している社会的背景と言えるでしょう。

・いい眠りを得るためのリラックス法を身につける
 睡眠問題とストレスには非常に強い相関間役があることが明らかになっていますが、その理由の1つとして、睡眠のリズムをコントロールしいている体内時計が位置する場所とストレスを感知する中枢が同じところに位置していることが挙げられます。
 つまり、ストレスがかかると睡眠のサイクルが乱れ、睡眠のサイクルが乱れるとストレスに弱くなり易くなるのです。
 様々な理由により睡眠問題を抱える、いわゆる「睡眠難民」が増加の一途を辿っているにも拘らず、睡眠の関する正しい知識の普及が追いついていません。
 いい眠りの定義を明確にするとともに、いい眠りを得るために欠かすことが出来ないリラックスのしかたについて、日々の生活に落し込めるような具体的な手法を見につけることが急務です。

・ストレスと上手に向き合いながら質の良い睡眠を
 上述のように具体的な手法を見につけることと併せて、眠りから心身の健康を育むためには「睡眠の質がイコール健康の質であり、人生の質である」ことをしっかり理解し。日々の生活のリズムや習・慣。睡眠の環境を今一度見直して行かねばなりません。  そのためにも、睡眠日誌を用いて自分の睡眠を可能な限り記録をし、客観的に自分の睡眠状況を把握して行くことが必要不可欠です。自分の睡眠が可視化されることで、今後よりよい睡眠を得るために取り組むべき課題や、自分なりの問題点への対処法などが見つけやすくなります。
 「ストレスを徹底的に排除する」ではなく、ストレスと上手に向き合いながら睡眠時間で心身をメンテナンスすると同時に、エネルギーを充電する力に変えて行く力が、これから全ての人に求められる能力なのです。


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3210_2 聴講録 不眠症の治療  さよなら不眠症
講師 公益財団法人・神経科学振興財団理事  大 川 匡 子

・不眠症は現代社会の国民病
 1990年代後半に行われた日本人の成人を対象に行われた疫学調査によると、「何らかの不眠がある」と答えた人は21.4%、国民の5人に1人と言う高い率でした。
 不眠の症状をより詳しく調べると、
   床に入ってもなかなか寝付けない「入眠障害」が8.3%、
   夜中にしばしば目覚める「中途覚酔」が15.0%、
   朝早く目覚めて困る「早朝覚醒」が8.0% 
となっています。
また、夜間の不眠を訴える人で、昼間眠くて困ると言う人も多くなっています。
不眠症状は加齢とともに増加しています。
 また、眠れない人の7人に1人がお酒を飲んだり、睡眠薬を服用しています。まさに、現代社会の国民病と言えます。 
 また、睡眠時間が短くなると血圧が上昇したり、肥満が増加するなど、生活習慣病が増加している現象に睡眠が関連しているようです。

・不眠を引き起こす原因
 不眠を引き起こす原因として、
   @薬の影響:病気の治療として使っている薬の中に副作用として不眠になったり、日中に眠気がみられる
   Aストレスや心の疲れ
   B身体の病気、痛みや痒み
   C睡眠時無呼吸や過眠症、むずむず脚症候群など他の睡眠の病気
 などがあげられます。
不眠症の治療としては、これらの原因を取り除くことが第一ですが、不眠症の慢性化を防ぐために適切なストレスマネジメントを行い、日中の運動や規則正しい3度の食事など、生活習慣を整えることが必要です。

・さまざまな睡眠障害とその治療には専門医の受診を
 それでも効果がみられない場合に睡眠薬が使われます。現在はベンゾジアゼピン系睡眠薬が広く使われていますが、さらに新しいタイプの睡眠薬も発売されるようになりました。これらの睡眠薬は、
   @脳全体を休める催眠作用
   A夜と昼を区別する体内時計作用
   Bストレスなど興奮した部位を鎮める作用
などに分けられます。
 睡眠薬は適切な量を飲み、不眠症が改善してきたら減量し中止することが原則です。過剰な服用が様々な身体の症状、転倒骨折、記憶障害などを引き起こす場合があります。薬の飲み方については、医師や薬剤師に相談して下さい。
さまざまな睡眠障害とその治療については専門医を受診しましょう。

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3210_3 聴講録 睡眠時無呼吸症候群の問題 いびき、無呼吸は生活習慣病のサイン
講師 愛知医科大学医学部教授  塩 見 利 明

・SAS重症患者は居眠り運転の危険
 大いびきで寝ている間に、呼吸が止まってしまう「睡眠時」無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、20003年JR西日本新幹線運転士の居眠り騒動からその病名が日本中に知れわたりました。
 我々が睡眠ポリグラフ検査によって診断したSAS患者の調査では、2506例中264例(10.5%)が過去5年間に自動車事故を起こしていました。
 SASの重症患者が訴える日中の過度の眠気は、居眠り運転事故の危険信号です。

・SASは生活習慣病との合併率が高い
 またSASは肥満に伴う生活習慣病やメタポリックシンドロームと密接に関連し、高血圧や糖尿病の合併率が高い疾患です。
我々のSAS患者に於けるメタポリックシンドローム合併頻度関する調査では、男性は正常値で22.0%,SAS群で49.5%(オッズ比3.5) 一方女性は正常値で 6.7% SAS群で32.0%(オッズ比6、6)と、いずれもその頻度はSAS群で有意に高値でした、
更にSASは、心血管病、脳卒中、慢性腎疾患(Chronic Kidney Disease:CKD)を併発し易いことが徐々に明らかになって来ました。
夜間に増悪する心不全、不整脈、並びに狭心症などの循環器疾患の背後にもSASの存在が強く疑われます。従って、SASの早期診断後に、持続陽圧呼吸(Continuous Positive Airway Pressurre:CPAP)などを用いて適切な在宅治療を行うことは、肥満に関連して生活習慣病と呼ばれて来た疾病の一次予防としてのみならず、心血管病及び脳卒中という二大死因の生命予後を左右する医学的な重要課題としても非常に意義があるので紹介します。

その他
 *今回初めての試みとして講演の間に、女性2人によるコンサート(約15分)がありました。
 どの程度の技量なのかは筆者は門外漢なので判りませんが、楽しませて頂きました。
 後で、ご本人達に尋ねた処、
  ・病気や障害を抱え、コンサートの行く機会の少ない人のいる病院や施設を訪ね、演奏を通じて癒しや楽しみのひとときを過ごして貰うことをポリシ―にしている。
  ・プロのクラシック音楽奏者の集まりだが、要望によりクラシックに限らず童謡、唱歌、ポップス等幅広い演奏活動を、1012年より小平市地域を中心に行っている。
  ・一般的な出張コンサートも行っているが、病院や施設向けは格安料金にて実施されるとのこと。
  ・現在は、クラリネット、ピアノ、ソプラノで、の演奏で、ボランテイア登録アーテイストを募集中とのことでした。

 *使ってみようと思われる場合のご参考までに連絡先を下記します。
   やすらぎコンサート Sana(さな)  代表者: 星 美智子  
            TEL 080−3555−7329
            Mail kaabpaxp@i.softbank.jp


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3210_4 聴講録 なぜ眠りは必要なのか?
講師 公益財団法人・神経科学振興財団理事  大 川 匡 子

 近年、新聞やテレビなどで睡眠についての話題が取り上げられる機会が多くなっています。 現代社会では、毎日の生活で眠る時間が充分にとれない「睡眠不足」の人、 眠ろうとして床に入ってもなかなか眠れない「不眠症」の人、夜勤明けなどで翌日の昼間に眠ろうとしても熟睡できない「リズム障害」の人など、睡眠に問題があり、心身の健康を損ねている人が増えています。
 では眠りとは何でしょうか。どうして眠くなるのでしょうか。何のために眠るのでしょうか。夢に何の意味があるのでしょうか。眠りの謎は尽きないようです。
 このような問題にについて、近代科学が明らかにしたことを紹介します。
 
・眠れないと日常生活にどのような影響があるのでしょうか
 睡眠は人間を含めて動物の本能行為であり、それ自体で生存のために大きな意義があります。睡眠は成長、発達、免疫機能、記憶情報処理などの関連しているので、睡眠時間が不十分で睡眠不足の人にはさまざまな負の影響があり、心身の不調をきたします。

・睡眠は脳のために必要、睡眠をコントロールするのも脳の働き
 ヒトはコンピューターのように夜も昼も続けて働くことは不可能です。オーバーヒートした脳を冷やすのが睡眠の役目です。脳は疲労の状態や睡眠物質が蓄えられたことを探知し、睡眠に導きます(睡眠中枢・恒常性気候)。さらに脳には夜と昼を区別し、夜に眠り、昼間に活動するように働く生体時計(体内時計)があります。この2つの脳部位が協同して働くことにより良い睡眠が生まれます。
さらに最近では非常時にすぐに目を覚ますよう覚醒中枢があることが分かりました。
 脳があるので睡眠が起こる、脳のために睡眠が起こるようです。脳は健康な昼間の生活を支えるために創られた身体の中枢組織です。睡眠を理解し、良い睡眠を取ることが快適な昼間の活動を支え、その繰り返しが健康長寿につながるようです。


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3210_5 聴講録 「ストレスと上手につきあって質の良い眠りを手に入れましょう!
講師 東邦大学看護学部看護学科教授  尾 崎 章 子

 現代はストレス社会と言われます。皆さんは眠れない時にどのような対応をしていますか?
「お酒を飲んで眠る」「床の中で悩み事や考え事をする」「睡眠時間を確保するために、眠たくないが早めに床に就く」「疲れが取れるように眠れなくてもじっと横になっている」などの行動をしていませんか?これらの行動は不眠を発症したり、不眠を慢性化させてしまいます。
 健やかな眠りを得るためには、「頑張らないこと」がポイントです。「何としても頑張って眠ろうとする努力」を放棄することです。床の中で眠ろう眠ろうと頑張るほど、「眠らなくてはならない」という焦りが生じ、ますます目が覚めてしまいます。
次に、寝床の使い方を見直しましょう。皆さんは普段、寝床で何をしていますか?スマホでメールやゲームをしたり、食べ物を食べたりしていませんか?
 そして、睡眠習慣を見直しましょう。皆さんは何時に床に就き、何時に床から出ていますか?眠たくないのに就床していませんか?睡眠時間を補おうと、寝床の中で極端に長く過ごすようになると、睡眠の質はかえって悪くなります。
そもそも、私たちは何のために眠るのでしょうか?むしろ充実した日中を過ごすことの方が、より大切なのではないのでしょうか。
以下略。

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3210_6 聴講録 睡眠障害の早期発見 睡眠検査を受けてみませんか?
講師 一般社団法人 日本睡眠総合健診協会 代表理事  川 名 ふさ江

・睡眠時無呼吸症の3割は肥満ではない
 昼間眠い、つい居眠りをしてしまう、朝頭が重い、物忘れがひどくなった、集中力がない、イライラする、階段を上るとすぐ息切れするなど、このような症状でお困りでしたら、是非睡眠検査を受けられるようお勧めします。このような症状の原因として考えられるのが、睡眠時無呼吸症です。
 この病名は、最近新聞やテレビでも取り上げられ、すでにご存じだと思います。でもこの病気は太った人の病気と思われがちで、やせた人はこの病気にならないと言う、誤った考え方があるようです。実は、日本人の睡眠時無呼吸症の約3割は非肥満の人だと言われています。
睡眠時無呼吸は、眠っている最中に起ることですから自分では分かりません。多くの方は同室で眠る人に言われて初めて受診されています。最近はいびきがうるさいと夫婦別室でお休みになる方も多いとか、それでは誰も無呼吸に気付いて貰えないことになります。
 まずはご自宅で、簡単な検査器を装着して眠って頂くだけで、睡眠中の無呼吸の有無を調べることができます。これは簡易ポリグラフイと言って。鼻にカニューラを装着して鼻から吐く息の気流を測定し、指先にセンサーを巻きつけて血液中に含まれる酸素の割合を測定します。後は小さな機器本体をベルトで胸に巻いてお休みいただきます。これだけで、気流・酸素飽和度・いびき・体位・呼吸努力・心拍等が測定できるのです。
 しかし、この検査では、無呼吸の有無を調べることは出来ても、睡眠の状態をみることは出来ません。
睡眠の状態も含めた詳細な検査は睡眠ポリグラフと言って、入院して頂く必要があります。この検査では、睡眠の状態を測定するために、頭に脳波の電極、目の側には眼球運動を測定する電極、顎には筋電図を測定する電極を装着します。簡易ポリグラフイ同様の呼吸測定センサーも装着しますが、それ以外に下肢にも電極を装着して、周期的な下肢の動きも記録します。ですから、この検査は専門の技師がいる病院やクリニック出ないと受けることができません。

・簡単な検査機器で睡眠中の無呼吸を調べることができる
 最近では、もっと簡単に睡眠まで測れる装置が作られています。額に3個の電極を貼り付けて、小さな検査機器を額に巻くだけで、脳波やいびきを測定できるのです。それですと専門の技師がいなくても検査ができることになります。
 睡眠時無呼吸は先にあげた症状の他に、高血圧・虚血性心疾患・心不全・不整脈・メタポリック症候群・糖尿病・動脈硬化・慢性腎不全・逆流性食道炎・脳血管疾患

・うつ・認知症・交通事故などとの関連も報告されています。
特に高血圧と診断された人の3割は無呼吸症であると言われています。このような病気を発症する前に、是非睡眠検査を受けてみませんか。


事務局より
 最近ナルコ患者の中にも、睡眠時無呼吸症を併発されているとの話をよく耳にします。また物理的な原因の他に「中枢性」のもあるやに聞いています。他人のことだと思わず見直してみましょう!!

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3210_7 聴講録 認知行動療法  睡眠力を高める実践法
講師 東京医科大学睡眠学講座  客員講師  岡 島  義

・認知行動療法とは?
  皆さんは「カウンセリング」と聞くとどんなものを想像しますか?
  おそらく、「悩みを聞いて貰う」と言う印象が強いげはないでしょうか? ところが、「カウンセリング」にはさまざまな手法があり、「悩みを聞く」と言うのは1つの手法に過ぎません。今回のテーマである認知行動療法は「カウンセリング」の一つで、車で例えると「カウンセリングとは自動車全般のこと」であり、「認知行動療法とは車種」になります。
  認知行動療法とは、@その人の性質や人柄の「せい」にするのでなく、Aその人の「くせ」に注目し、Bその「くせ」を修正することで問題解決を図ることを目的とした心理療法です。ここでの「くせ」とは、日頃の振る舞い方、考え方、気分」等のことで、自分では気づきにくい,もしくは気づいてもなかなか止められないものを言います。
  この認知行動療法は、さまざまの病気に対して行われますが、特に、不眠症に対して非常に効果が高いことが明らかになっています。不眠症に対する認知行動療法、1回50分の面接を6回程度行うことで効果が期待できます。現在では世界各国で実践されていて、不眠症に対する認知行動療法によって7~8割の不眠症患者さんに効果が期待できると期待されています。

 不眠症に対する認知行動療法は、一般的に次のようなことを行います。
  ・睡眠教育・睡眠衛生指導
    睡眠についての正確な知識について解説します。解説した内容に沿って、日頃の生活パターン
    を見直して行きます。
  ・リラクセーション
    不眠になると、就寝時刻が近づくにつれて身体が緊張して来たり、不安が高まってしまうこと
    が多くなります。
    そこで、寝る前に身体をリラックスさせる「漸進的筋弛緩法」を行います。
  ・睡眠スケジュール法
    不眠になると、寝床に入っている時間と実際に寝ている時間の「差」が徐々に開いてしまい、
    これによって睡眠の質が低下してしまうことが分かっています。そこで、睡眠を立て直す
    ために現在の睡眠のスケジュールを変更し、この「差」を出来るだけ小さく保つことで、
    睡眠の質を高めて行きます。

 ・認知行動療法は「睡眠力」を高める治療法
  このような方法を行うことで、皆さんが本来持つ「睡眠力」を高めることを目的にしたのが不眠症に対する認知行動療法です。これまでの研究成果によると、不眠症の認知行動療法を受けた直後の効果は、睡眠薬治療と同程度である一方で、治療効果の持続力は認知行動療法の方が高いことが分かっています。睡眠薬治療と同時に行っても効果が高いだけでなく、いざ睡眠薬を減らしたいと言う場合も認知行動療法を受けていることで止めやすくなることが多くの研究によって明らかにされています。
  現在では、うつ病やPTSD、ガンや慢性疼痛などの心身の病気に伴う不眠症に対しても認知行動療法の有効性が示されて来ており、不眠が改善することでこれらの病気の抑うつ気分や疲労感、痛みと言った症状の軽減効果も期待されています。
  このように、認知行動療法は「悩みを聴く」だけでなく、積極的に睡眠を改善するための有効な手段を提供します。

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3210_8 聴講録 薬物療法について 〜安心・安全・効果的に利用するコツ〜
国立精神・神経医療研究センター部長  三 島 和 夫

・日本人の約65%が睡眠薬に対して不安を感じている
 睡眠薬は非常に良く処方される薬の一つですが、服用することに不安を覚える方がとても多い薬でもあります。私達が行った全国調査では、日本人の約65%が睡眠薬に対して不安を感じていました。
 本講演では、睡眠薬に関する基礎知識、服用法、心配事、誤解などについて分かり易く解説します。また、最近まとめられた「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」では、睡眠薬を安心、安全、効果的に利用する治療法についてまとめられています。
 睡眠薬の服用を過剰に心配して治療を躊躇していては症状が悪化するばかりです。不眠症を早目にしっかり治して、その代わり治ったら正しい方法で減薬、休薬をする、そのようなメリハリの効いた「出口の見える」不眠治療が望ましいものです。

・皆さんから頂く代表的な質問について簡単に回答します

●依存症があり止められなくなる?  
睡眠薬依存の二大症状は、@休薬時に出現する「離脱症状(禁断症状)」と、A同じ量では効果が乏しくなる「耐性」です。
 離脱症状として最も多いのは不眠の悪化で、他に頻度は少ないもののイライラ感、不安感、痺れ、動悸、発汗などがあります。特に多剤を長期服用した後に急に断薬すると離脱症状が出ることがあります。一方で、最近開発された睡眠薬では離脱症状が軽く短期間で改善することが明らかになっています。

●効果がなくなる(量が増える)?
 耐性が生じ易い睡眠薬と生じにくい睡眠薬があります。
 ただし、不眠恐怖やこだわりの強い方では効果が減弱したと感じ易く、服用間もなくから効果に不満を抱いてしまう場合があります。これは耐性とは違います。

●離脱症状ですか?不眠の再燃ですか?
 休薬に失敗する主な原因は減量を急ぎ過ぎることです。
 急な断薬は治療前より強い不眠(反跳性不眠)を引き起こすため「依存症になった」、「不眠が再発した」と早合点してしまうことが少なくありません。
主治医と相談しながら睡眠薬を半量(もしくは1/4)に減らして1〜2週間経過を見て、また半量に減らすなど緩やかに減量すれば成功率が高くなります。
慎重に休薬しても不眠が再燃する場合には、未だ治ってない可能性が高いので、副作用をチェックしながら適量の睡眠薬を長めに服用することをお勧めします。

●大量服用すると死んでしまう?
 マリリンモンローが中毒死したのは、バルビツールと言う非常に古いタイプの睡眠薬でした。現在使われている大部分の睡眠薬では死に至るような重篤な副作用の心配は少ないので、過度に心配する必要はありません。

●睡眠薬で認知症になる?
 睡眠薬が認知症の危険を高めるかを調査した疫学調査が幾つかありますが、まだ結論が 出ていません。最近行われた調査では、睡眠薬や抗不安薬(同じ系統の薬物です)を 平均17年間服用した高齢者では100人当たり6人が認知症になり、服用していない高齢者では4人だったそうです(危険率1.5倍)。
 皆さんどう思われますか? 不眠や睡眠不足がうつ病の危険率を高め、生活習慣病やうつ病が認知症の危険を高めることを考え合わせると、不眠に対処しないことの方が問題だと私は考えます。このように睡眠薬には効果も副作用もあります。
 不眠は毎晩の苦痛であるだけでなく、日中の心身機能にも悪影響をもたらします。必要な睡眠薬は適量服用し、不眠が治ってきたら休薬を試みる、不眠が続く場合には副作用に注意しながら正しく利用されては如何でしょうか。

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3211 投稿 ナルコレプシーになってから……           京都    母

 娘が発症したのは中学2年生の後期頃でした。夜も遅くまで塾に通って勉強も頑張り、部活の副キャプテンも務めて土日も早朝より練習に励み、本人にとってはとても充実した日々を過ごしていましたが、私から見るととてもハードな生活で日頃から心配していました。

 そんな中、ナルコレプシーの症状が出始め、頻回に症状が起きるようになりました。すぐに眠気に襲われ勉強も捗らず、部活にも塾も行けなくなりました。何よりも脱力発作が強く登校中も途中で歩けなくなったり倒れ込んだり、思うように行動する事が困難になりました。

 原因が分からず大学病院で長期検査入院した結果、ナルコレプシーと診断されました。完治しない難病と聞かされて娘も自分の身に突然何が起こったのか受け入れられず、親子共々戸惑いと悲しみで涙を流した日々が続きました。
 中学校は休みがちになり、また登校しても教室には行けず保健室で過ごすことが頻繁になりました。クラスの生徒にも病気になった娘を受け入れてもらえず段々と孤立するようになりました。

 身体状況が厳しい中、ついに高校の受験を迎えることとなります。担任の先生や保健室の先生と話し合いながら、受験する予定の公立高校と私立高校、教育委員会にも連絡を取って病気の事を伝えてもらいました。受験日には二校とも保健室で受験させてもらい、ベッドで仮眠できる時間も配慮して頂く事ができました。その結果、私立高校への進学が決まりました。
 高校では病気の事を周りに伝え、授業中に机に上で眠ってしまってもそっとしておいてもらえたり、廊下で倒れてしまっても助けてもらえたり、周りの方々に支えられて学校生活を過ごす事が出来ました。クラスメイトにも理解してもらい、また先生方にも親身に相談に乗って下さり、精神的にも乗り越えられました。

 娘はこの病気になったことがきっかけで医療や薬品に興味を持つようになり、薬学を学び研究したいと大学進学を希望しました。高校での定期試験や模擬試験の最中にも眠ってしまう事があり実力を発揮できない事が度々ありました。大学受験に当たっても、担任の先生が大学先と熱心に連絡を取っていただき、三校の薬科大学とセンター試験を個室で受験させてもらう事ができました。その際には、主治医の先生にも相談し、診断書を書いて頂きました。その内容として、
  ・脱力発作の症状が出た時の周りへの影響と対応(個室)
  ・暖房調節の希望(室温が高いと眠気がくる為)
  ・薬の服薬と水の持ち込み許可
  ・目薬の使用(眠気を取る為)
などの配慮を記載してもらいました。
 そして今年の二月 薬学部 医療薬学科(六年制)に合格する事ができました。本人の努力もありますが、周りの方々に支えられた結果だと感謝しています。

 今は薬で調整しながら日常生活はできていますが、睡眠時間のコントロールは安定せず計画して時間を過ごすことが出来なかったり、眠気が強いと脱力発作がでたり、疲れやすく長時間の外出にも限度があります。
まだ色々と辛いことを乗り越えながらの生活ですが、夢と希望を持って大学生活やこれからの人生を送ってもらいたいと親として願っています。

 平成二十四年になるこ会に入会させていただき、東京での総会に私だけが二回参加しています。会員の方々や本多先生より病気の情報やアドバイスを頂きとても参考になっています。何よりも同じ病気の方々と経験や思いを共有する事で、不安や心配が少なくなり心が軽くなって帰宅する事ができます。今年は娘と一緒に総会に参加できたら、と思っています。

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3212 投稿 ナルコレプシーの発症と適正治療についての私見           河 野 通 久

*はじめに
 当会の会誌も32号を発行することになりました。年1回の発行ですので32年間続いていることになります。本来会誌は、会員の皆様方のものですから、皆様方の苦労話や工夫・或いは趣味・会の活動についてのご意見等何でもよいから自主的な投稿と事務局からの最近の医薬や治験状況・問題となりそうな監督官庁の動き・会の活動状況等とで構成すべきものと、私は考えています。
 しかし、現実は皆様に投稿をお願いしても近年は殆ど集まりません。もし、会誌が皆様方にとって不要なものなら、何も苦労して発行する必要はなく、何時でも廃止すれば良いことです。皆様はどうお考えでしょうか?
今回は従前通り発行することにしていますので、かなり無理やり事務局主導で、内容もゴッタ煮のようになります。私も発行責任者として、余談も交えながら、これを書き掲載することとしました。
 長文となりましたので、興味の有る方は目を通してみて下さい。

*ナルコレプシーの発症について
 私の人生には、5つのエポックメイキング的事項があります。
  1.大学時代にボートに魅せられたこと
  2.損害保険会社に入社したこと
  3.ニューヨークに1年駐在を経験させて貰ったこと
  4.ナルコを発症したこと
  5.本多 裕先生にお会いしたこと
がそうです。

私の略歴
 私は、昭和18年(1943)4月29日生れでこの会誌が出る頃には72歳になってます。いわゆる戦中派ですが、食い物も十分にない幼少期を過ごしましたが、全体でみれば「その間戦争もなく、経済も右上がりの時代」を過ごさせて頂きました。(同期の仲間と一杯やりながら話をすると、何時も「良い時代だった」との感想が出ます。)
更に父母から頑健な身体を貰い、この年まで大病をしたことがありません。また、身体にメスを入れたことも(60歳代で足首骨折時を除くと)ありません。
 これは好き嫌いを言わさず、何でも美味しく頂くと言う母の教育のせいもあったのかと、考えています。(貧乏で好き嫌いを言えるゆとりがなかったせいもあるのでしょうが。)高校までは割と背が高くヒョロットした(1.73m、63kg程度)体系で、勉強は割と出来ました。大学時代漕艇部(ボート部)に入り身長は変わらないものの体重80kg程度のがっちり型に変わりました。ボート部に入った理由は、両舷8本とコックスの9人が乗るシュエルエイトがミズスマシのように進む美しさに魅せられたことと、「金がかからず、短パンがあれぱ出来る」と言うことでした。(後日大ウソと知らされましたが。)
ともあれ勉学のために大学を選んだ目的は、どこかに行き4年間部活動に熱中しました。(4年間で貴重な友人8人(最後までの残った者)を得、八泡会と称し、親交を深めていましたが、それも3人が他界しました。)

 そして就職は、ボーt部の先輩方が勤務している会社に後援会費を頂きに訪問した際、話して頂いた色々な助言も参考に、第一志望は損害保険会社に決めました。
 当時、文科系(私は法学部)で人気のあったのは、大手の商社、銀行、国家公務員で、次に大手のメーカー、建設会社でした。在学中の成績が悪く(ようやく卒業できた程度で8人の仲間の内、4年で卒業したのは4人、5年組が3人、残る1人は8年も残ってました。)、学校推薦も得られない状況でしたが、何と一番成績の悪い私が入社出来ました。後日担当常務にお聞きした処例年例年成績の用法から採用したが、社員構造に偏りができるので、今年は体育会系を重視したとのことでした。司法試験を目指したのはどこかに飛んでしまい、両親からはエラク叱られたと言うお粗末!!!昭和42年(1967)4月のことでした。
 話は変わりますが、私は何時の頃からか「人生60年」と設定しており、当時の定年である55歳までは仕事1本で進み、運よく55歳まで生きてたら残りの5年は「好きなことをさせて貰う」と決めていました。(信長の時代は、人生50年でしたが)それに従い、入社以降夢中で働きました。

 損害保険会社は、目に見えない補償と言うものを売るだけに、人との信頼関係を築く事が最重要になります。当時は殆ど代理店経由の契約だったためも有り、代理店を初め、重要得意先あるいはターゲットする会社の経営者、更には社内の上司・部下・関係セクションの皆さんとの信頼関係が重要となると言うことです。そのためには、相手が年長者であっても「保険知識に関しては私の方が上」が必須条件になります、
 更に何の話題でもついていけるよう、全ての分野に広く・浅く(時には深く)知識を持つ知識を持つ必要も有ります。信頼関係を作るためと称して、ヤレ接待だ、打ち合わせだと言って、「ほぼ毎晩麻雀か酒を飲む習慣」がつきました。まさにこれらがないと1日が終わった気がしなかったものです。
その上で勉強もしなければならないので、睡眠時間は極端に減りました。しかし、それはそれで当り前のことと考えていて、いくら飲んでも遅く帰宅しても、翌朝は6時には起き朝飯を食って出勤してました。お陰で営業成績はウナギ登り。時代に恵まれたせいもあるのでしょうが、対策年比2倍なんてこともしばしばでした。

 そして、昭和49年(1974)4月から1年間のニューヨ−ク駐在を命じられ、期間が限定されていたことと、妻は第2子を身ごもっていたため、単身で行くことにしました。英会話も出来ない上、初めての飛行機に乗り、不安を抱えながら羽田から旅立ちました。(会社は、「営業社員鼓舞の施策」と個人的には「世界を見て来い」の意味だったようです。)
 僅か1年でしたが、苦労やら面白かったことは数限りなくありますが、ここでは本意ではないため省略します。ただ、ここで得たことは「エライ人に会ってもビビらず、はっきりものを言う」でした。(日本から多くのエライ方が来られ、その方々と直接会話を交わし食事を共にしたりする内に,「ヒトは動物的には鼻で呼吸し、口から食物を入れ、尻から排泄すると言う意味では全てのヒトが同等」であり、エラいとか役職とか何とかは関係ないこと。)尊敬すべきヒトは、人格・識見。さらに言えば「徳」を持つヒトだと自分なりに確信したことです。それ以降、「怖い人」は少なくなり、変に権限を振りかざすヒトは警戒するようになりました。

 翌、昭和50年(1975)帰国し、東京の営業(主として食品会社担当)に配属され、その翌年には課長代理に昇進。社宅が横浜となったため、初めてスシズメ電車による通勤を始めましたが相変わらず時間外は麻雀・飲みの日々を過ごしました。そして、何時頃からかはっきりしませんが、多分昭和53年(1978)頃から乗り過ごしや、かばんの置き忘れ、更に吊皮を持って立っていても眠ってしまうことが多くなり、それに伴い昼間の居眠りがしばしば起きるようになりました。

 当初は寝不足が続いたせいだろうと簡単に考えていましたが、睡眠時間を延ばしても一向に状況は改善せず、歩きながら眠り電柱にぶつかる・側溝に落ちる、昼間の居眠りは意識していても我慢できず眠ってしまう、食事の際も茶碗や箸を落とす等、さらに脱力発作も出始める等、状況は悪くなるばかりで、妻からも早く病院に行くよう勧められましたが何となく嫌で行きませんでした。
 自分で完全に異常であると認め、病院に行こうと決心したのは昭和54年(1979)で翌55年にかけて10か所以上の病院に行きました。(精神病院も含め)幸い勤務地が東京だったので色々な有名病院を訪ねましたが、いずれも問診を初め「脳波検査」「血液検査」を実施し、結果は「異常なし」「原因不明」でした。(その時、東大地下病院を訪ねてたら、その後の生活は一変したでしょうに・・・)
 幾ら自分の状況を説明しても同じ結果だったので、私は完全に医師不信に陥り、以後「これは天から与えられた私の運命」と受け入れ、病院に行くことは止めました。
それからエリート社員から転落し、天国から地獄を味わう20数年は省楽します。
平成15年(2003)娘から「お父さんと似た症状を診てくれる」本多 裕先生の存在を教えて貰い、妻と共に1月に伺い、長い苦痛の生活から解放されました。

 履歴の紹介が長くなりましたが、自分の体験と読み漁った色々な本、講演等から現在、私は「ナルコレプシーの発症」のメカニズムを次のように考えています。
  *ヒトにはそれぞれ体質と言うものあり、ナルコレプシーが発症しやすい体質がある。
  *その体質を持ったヒトが全て発症するのではなく、発症はトリガー(引き金)が引かれた場合である。
  *このトリガーに当るものとして、大きなストレスが挙げられる。
 現在、医師、研究者により部分的には解明されていることはご高承の通りです。ジグソーパズルに例えると、あと数ピースが揃えば絵が完成する段階だと期待されます。
 私の場合は症状を抑えられれば充分ですが、将来を担う若者達にとっては完治(根治)が望ましいのは言うまでも有りません。

*ナルコレプシーの適正治療について
  ナルコレプシーの適正治療には2つの要件が必要不可欠です。
    1.規則正しい生活を続ける
    2.自分に合った(適正な)薬の服用を続ける  
の2つです。

1.ついては言うまでも有りませんが一応書いてみます。
  規則正しい生活とは、夜は少なくとも12時までに就寝し、朝は6.〜7時頃には起床し、軽い体操でもしながら朝日を浴びた後、朝食を取る。昼間は出来るだけ体を動かすことです。仕事の関係等色々な制約があるため、一律に11時就寝、6時起床とかと言った具体的な時間は関係ありませんが、「その日の内に就寝し7〜8時間の睡眠時間を確保する」ことは非常に大切なことです。
私のように無茶苦茶な生活を続けることは決して良くありません。論外です。
また、昼食を取ると眠くなるのは健常者でも当たり前の現象ですので、食後どこかで軽い睡眠をとるか、白倉理事長のように昼食を抜く手も有ります。要するに、厚労省の出した「健康な睡眠のための12箇条(前述)」を出来るだけ守り、かつそれを続けることです。

2.について実行するには、難しい事態もあるため詳述します。
 症状を抑えるためには、夜間出来るだけ熟睡するよう睡眠薬や精神安定薬、昼間目が覚めているように覚醒薬、更に脱力発作を防ぐためアナフラニール等が必要になります。
 これらのクスリは医師によって処方(何と言う薬を、どれくらいの量)され、薬剤師によって患者に渡されます。この内、睡眠薬と覚醒薬については色々な薬が存在します。早く効くもの、ゆっくり長時間に渡って効くもの(半減期の違い)、直接脳に効くもの等々。
 医師は患者の病状からこれらのうちから適当と思われるものを選択し処方しますが、これが当該患者に適切なものかどうかは判りません。(A患者には適切なものが、B患者に適切とは限りません。服用後の状態を医師は見ていないのですから。)故本多 裕先生は、「ナルコの適切な治療はオーダーメイドであり、それだけ難しい」と言って居られました。私はその通りだと確信しています。
 効き目の他に、副作用の問題も有ります。薬自体が化学的に製造されている物だけに薬には大なり小なり副作用があるものと考えるべきです、そしてそれが耐え難いものであるならその薬の使用は止めて、他の薬を試すべきです。その意味では、診断後の最初の処方で上手く行くことはまずないと考えるべきです。

 会員の皆さんと話していると、「どうも服用すると気分が悪くなるため、飲まずにいる」なんてことをつらそうに言われることがあります。全くとんでもない事です。最初は2週間なり、長くても4週間分を処方して貰い、次の診察日にどうであったかを逐一報告し、「薬を変えるか或いは量を変えるか」を考えて貰うべきです。
ナルコの患者は、「頭はソコソコ良いけど気が弱い」と言われることがあります。「気が弱くなる」即ち「内気になる」のは、ある程度病気のせいと考えられますが、そうであっても、服用後の状況を報告し、処方内容の変更処置をとって貰うことが出来なければ、一生適正治療は期待できないと考えてます。
ナルコの診断ができることと、ナルコの適正治療が出来ることが違うことを、皆さんがきっちりと知るべきです。

 医師も人間ですので様々な方が居られます。服用後の状況(特に効果と副作用)を報告すると嫌がる先生も中には居られるかも知れません。薬の変更等をお願いすると医師の尊厳をキズ付けられたと誤解される方も居られるかも知れません。しかし、そう言うことがあるならその先生の方はオカシイのであって、その先生には適正治療は期待できないので、早々に別の医師を探すべきと考えます。
自分に合った適正治療が見つかれば、症状は殆ど抑えられ健常者と変わらぬ生活が送れます。皆さんが適切な治療を受けられるよう、心から願って終にします。

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