#1 「ねぇ、うさぎぃ?」  セミダブルのベッドの上から、枕を抱いたちびうさが声を掛ける。 「なぁにぃ?」  石鹸とシャンプーの香りを辺りに漂わせた風呂上がりのうさぎはドアを後ろ手で閉めながら尋ねる。 「あのさぁ、『れず』ってどんなのか知ってる?」 「はぁ?」  一瞬うさぎは何を言われたのか理解できなかった。 「え、えーとねぇ…それは…その…なんだ…」  必死になって答を探そうとするが、悲しいかな、相変わらずうさぎの脳味噌は外来語の類に弱かった。  しかたなく、うさぎは年長者の特権を利用する事にした。 「な…何であんたがそんな事知ってるのよ?」  ちびうさの隣に座り空威張りをする。 「知りたい?」  紅の瞳を大人っぽく細め、小馬鹿にしたような笑みを口元に浮かべるちびうさ。 「な、何よその態度は?」 「別に教えてあげなくてもいいんだけどなー。」 「教えてくれたっていいじゃないのよ、ケチ!」  少々むくれるうさぎをちびうさは面白そうに見つめていたが、口をうさぎの耳元へと持って行き、息を吹き込むように囁く。 「学校でね、教えてくれたの…」  ゆっくりと、一語一語を噛みしめるように囁いてから顔を元に戻し、まだ釈然としないうさぎの顔を見つめ、 「わかった。うさぎ、あんた『れず』が何なのか知らないんでしょ?」 「うっ…」  うさぎは一瞬図星を突かれて返答に苦しむが、どうにか持ち堪えてすぐに反論に移る。 「と、とにかく!何であんたがそんな事知ってるのか知らないけど、あんた学校でいったい何を習ってるのよ?」  無知を悟られまいと苦心するうさぎを、ちびうさは妙に大人びた仕草で見ている。 「どんな事って…こんな事。」  呟くなりちびうさはうさぎの首に抱きつき、小さな体の持つ全重量で自分よりも背の高いうさぎを押し倒しながら唇を重ねる。 「んむっ!」  一瞬何が起こったのか理解できないまま、うさぎはちびうさに組み伏せられ、濃厚なキスを続けていた。 (な、何?何であたしこんな事してるの?)  パニックが通り過ぎ、必死に現在の状況について考えようとする度に、ちびうさの小さな舌が歯をこじ開け、うさぎの舌と絡み合う。 「ん…んっ…んむ…」  抵抗しようとする度にちびうさの舌が巧みに操られ、お互いの唾液が混ざり合い、そして唇と唇がぴったりと合わさる。  むっとするほど濃厚な、甘い、花の香りを何十倍にも高めたような香りが口中に満ちる。思わずうさぎの喉が二、三回動き、混じり合った唾液とおぼしき物を飲み込んでしまう。  そのうち息が続かなくなり、苦しくなったうさぎは無理矢理にちびうさを突き飛ばして執拗なちびうさのキスから逃れる。 「けほ…けほっ…はぁ、はぁ…」  尻餅をついてベッドに座ったちびうさは、それでも奇妙な落ちつきを保ったまま肩で息をするうさぎを見つめて言う。 「ふぅん…うさぎってディープは始めてなんだ。知らなかった。」 「何を…何を考えてるのっ!あたし達は女の子でしょ!こんな事やってもいいと思っているの?」  怒鳴るうさぎにちびうさは微笑みを浮かべて答える。 「そう…女の子同士よ。レズってそんな物じゃないの?」 「えっ?な、何よぉ…」  不気味なまでの落ちつきを見せるちびうさに気圧され、うさぎは一瞬鼻白む。 「だから、レズって女の子同士でこんな事するんでしょ?」 「し…知らないわよっ!」 「そう。じゃ、ゆっくり教えてあげる。」  獲物を追いつめた猫のような表情を浮かべ、ちびうさはもう一度うさぎへと近寄る。 「何するつもりよっ!」  うさぎは言いながらもう一度ちびうさを押し返そうとするが、 「ありゃ?…か、体が…」  腰が抜けたようになり、手足に力が入らない。その代わりにサイダーの泡のような奇妙な幸福感と充実感が徐々に体を満たしていく。 「何…したの…ちび…」 「ふふっ…」  ちびうさの桃色の唇の端から黒い液体が糸を引いて垂れる。 「おまじないしたのよ…気持ち良くなれるおまじないを、ね…」  小さな舌が唇の上を滑り、滴る液体を舐め取る。 「う…嘘よ!あたしに…何か…飲ませた…」 「ええ、飲ませたわよ。それがおまじない…」 「いい加減にしないとっ…!」  その瞬間うさぎの心臓がびくり、と鼓動を強め、そして次第に鼓動の間隔も早くなってくる。  まるで鼓動の音が頭の中で鳴り響くような感覚。顔が次第に赤みを帯び、額にふつふつと汗が浮かぶ。  高まる息苦しさに胸が大きく上下する。体の奥底に火が点き、燃え上がるような熱が体中を駆けめぐる。 (こ、これって…)  目の前が霞のような白い光に包まれ始め、鼓動と血流の音で周囲の物音がかき消されていく。 「あ…あっ…あぅ…」  うわずった声がわななく口から漏れ、爪先が不規則にぴくん、ぴくん、と跳ねる。 (「あの時」とそっくりだ…ううん、もっと凄い…)  そう思った途端、うさぎにも馴染みのある感覚が体を捉えた。 体中を電流のような痺れが走る。じわっ、と熱い液体が体の奥底から涌き出し、あふれ出す。いけない、と思う間もなく熱は体の外へと流れだし、下着へと沁みて包まれた部分を暖かく濡らす。 切ないような心の高ぶりと罪悪感が自然にうさぎの声を鼻に掛かった物へと変えていく。「うん…くぅん…ふぅ…」  うさぎの甘い声を聞くと、ちびうさは見計らったかのようにもう一度うさぎの体にのし掛かり、小さく開かれた唇を包み込むようにキスする。  知らないうちにうさぎは唇を動かし、舌を口の中で絡めた。唇を離し、角度を変えて、唾液の筋が切れないうちにまた重ねる。  幾度と無く、むさぼるように唇を重ねる二人。ちびうさの小さな手がキスに夢中になっているうさぎの胸元へと伸び、キスを続けながら上手にボタンを外していく。自然にうさぎの腕がちびうさの背中に回され、軽く抱きしめる形になる。  長いディープキスが終わった頃には、うさぎは今まで味わった事の無い至福感に酔いしれていた。 「はぁ…はぁ…」 「ふふっ…効いてきたみたいね。ディープだけでもこんなに感じちゃうんだもんね…」  優しく、呼びかけるように呟きながら、うさぎの首筋にちびうさの唇が押しつけられる。  首筋から胸元へ濡れた唇が滑っていくと微かな震えがうさぎの肌に伝わる。  深く、早い呼吸に合わせて上下する柔らかい曲線を描く胸元に口づけ、舌先を滑らせていく。 「うふ…んっ…」  少しづつうさぎの顔がのけぞり、爪先が何かを求めるように宙をさまよう。 「ね?気持ちいいでしょ?」 「き…気持ち…いいっ…」  顔を上げて尋ねるちびうさに、うさぎは目をとろんとさせて答える。 「まだまだ、本番はこれからなんだから…」  言うなり、ちびうさはうさぎの胸の可愛らしい膨らみに二、三度頬ずりをする。花が咲いたような桜色の突起が固くなっているのを頬の触感で知ると、それを唇で軽くくわえる。 「ひゃう!」  うさぎの腰が軽くベッドから浮き上がる。 (ぜ、全然違う…あたしの知ってるのと全然違う…)  何をどうしているのかはうさぎにも理解できる。バスルームで体を洗うときに感じるスリルに似た感覚と同類だ。これを何と呼ぶかは知らなかったが、それでも不器用ながらその感覚をどうやって高めていくかも知っているし、一度ならず実践してみた事もある。  しかし、今回のは今までの物とは違う。感覚はもっと敏感になり、刺激は狂おしいほどに高まっている。  頭の片隅ではちびうさに飲まされた何かが関係している事は理解できたが、それ以上にうさぎは自分の心の中で何かが変わっていくのを感じとっていた。 (もっとちびうさに気持ち良くしてもらいたい…ずっと、ずぅっと、こうしてもらいたい…)  次第に四肢の自由が失われていくのに気づかぬまま、うさぎは徐々にちびうさの行為に身を委ねていく。 「んっ…あんっ…」  ちびうさの口の動きに合わせて敏感に反応し、可愛らしい声を上げるうさぎ。ちびうさは空いている手でもう一方の膨らみを撫でさすり、掌で包み込んで回すように動かしていく。 「や、やあんっ…」  嫌々をするように首を小さく左右に振るうさぎを見て、ちびうさは愛撫の手を止める。 「嫌なの?じゃ、やめちゃおっかなあ?」  驚きにうさぎの目の曇りが少しだけ薄れる。 「や、やだっ…」 「じゃ、続けるの?」 「でも…もう…」 「もう、はっきりしない子ねぇ…」  言うなり、ちびうさは今まで愛撫していた胸の膨らみの先端をねじり上げた。 「きひいいっ!」  感覚の集中している部分に激痛が加わり、うさぎは悲鳴を上げる。しかし自分でも信じられない事に、その激痛は直後に弱まり、甘い痺れとなって全身へと伝わってきた。 「ああんっ…な、何で…こんなのが…」 「それもおまじないのお陰よ。どうする?続けてほしい?」  うさぎは潤んだ瞳でちびうさを見つめ、夢見心地でゆっくりと答えを返していく。 「う…ん…もっと…もっとして…」 「やっと素直になったわね。それじゃ、もっと続けたげる。」  ちびうさは一度身を起こすと、うさぎのパジャマの袖から動かせない腕を抜いていく。 「大丈夫…脱がしてあげる。ふふっ、うさぎって赤んぼさんね…」  反論しようとするうさぎの口を素早いキスでふさいでから、ちびうさは手をパジャマのズボンへと伸ばす。 「これも脱いじゃおうね。」  一息にうさぎのズボンを脱がし、上着と一緒に丸めてベッドの外へ放り出す。  軽く開かれた足に手を滑らせ、肌の滑らかさと張りを楽しむ。そのまま手を上へと動かしていき、シンプルな白のコットンパンティに指を掛ける。 「やだっ…」  うさぎの体がびくりと動く。手を伸ばしてちびうさの手を押し止めようとするが、すぐに手が自由にならない事を思い出す。 「やめて…ちびうさ…それ…だけは…」 「だーめ。」  悪戯っぽい声で囁くと、ちびうさはゆっくりとパンティを降ろし始める。 「駄目っ…恥ずかしいっ…」 「どうして?一緒にお風呂に入ってる時には気にしてないじゃない。」 「…でもぉ…」 「じゃ、恥ずかしくないようにしてあげる。」  ちびうさは一気にパンティを引き落とし、足首から抜き取る。 「やあんっ!」  かろうじて動く足をすり合わせ、必死になって体を隠そうとするうさぎ。 「やだ、うさぎったら…これなあに?おもらししちゃったの?」  今脱がしたばかりのパンティを広げ、うさぎの鼻先に近づけるちびうさ。 「ちっ、違うっ…」 「じゃ、どうしてこんなに濡れてるの?…やだ、糸引いてる…やあらしいんだ…」  ちびうさはうさぎを問いつめる。うさぎの大きな瞳に涙が一杯に溜まり、ぽろぽろと溢れ出す。 「ち…違うもん…えくっ…あたし…ひくっ…あたし…」  しゃくり上げながら抗議するうさぎに、ちびうさは表情をやわらげた。 「からかってごめんね、うさぎ。これで許してくれる?」  ちびうさの唇がうさぎの頬に触れると、涙の筋をなぞるようにして吸い取っていく。 「ふえっ…えくっ…」  くすぐったそうに顔をしかめるうさぎ。 「ほーら、きれいになったわよ。じゃ、続けるわね…」  ちびうさは手を伸ばし、うさぎのかすかに生えた柔毛にそろそろと指を這わせる。 「柔らかぁい…うさぎの髪の毛と一緒ね…」 「やんっ…」 「それに、こぉんなに濡れてる…」  ちびうさの指がうさぎのほころび始めた鮮桜色の花びらの上を素早く滑る。 「はあああっ!」  うさぎの体が大きく跳ねる。 「こんなに感じて…恥ずかしくないの、うさぎ?」 「恥ずかしい…よぉ…」 「でも気持ちいいんでしょ?」 「う、うん…気持ちいい…こんなの初めて…」 「もう少し続けてあげる。」  ちびうさは指で何度も、優しく、素早く、うさぎの花びらを上下にこすっていく。指が滑る度にうさぎは体を反らせて悲鳴に似た声で叫ぶ。 「きゃうっ!…ふああっ!きゃんっ!…ひゃっ!」 「もう、あんまりうるさくしちゃ駄目。」 「で…でもっ…凄ぉいいっ…」  うさぎの口元から唾液の筋が滴り、新しく溢れた涙が頬を伝って落ちる。体中に汗が噴き出し、上気した身体はうっすらと桜色に染まっている。 「…そう。あたしの言う事が聞けないの?少し静かにしなさい、うさぎ。」 「でもっ…我慢できなくて…」 「ふうん。どうしてもあたしの言う事を聞けないの?」  ちびうさはうさぎの蜜で濡れそぼった手を足の間から引き出した。 「え…嫌っ…もっとして…続けてぇっ…」  反射的に呟くうさぎ。 「じゃ、約束。あたしの言う事何でも聞くのよ。」 「何でも聞くから…早くぅ…」 「そう?じゃまず、あたしの事を『レディ』って呼んで。」  ちびうさはじらすように指でうさぎの内股をなぞりながら言う。 「ふぁっ…わ、分かり…ました…レディ…」 「そう、敬語も忘れちゃ駄目よ。」 「は…はい…」 「いい子ね。じゃ、もっと凄い事したげる。」  言うなり、ちびうさは顔をうさぎの足の間に埋め、小さな舌でうさぎの最も感覚神経の集中した場所を舐めた。 「ひあああっ!」  とろり、とうさぎの身体の奥深くから新しい花蜜が絞り出され、吐き出される。ちびうさの顎が暖かな蜜で濡れると、それを親指ですくって舐め取る。 「おいしい…」  ちびうさは顔を戻すと、舌で花びら全体を舐め上げた。 「きゃうううっ!」  舌の動きに合わせて、うさぎは面白いほど敏感に反応していく。それを見たちびうさは口から先ほどうさぎに飲ませた黒い液体を滴らせ始める。黒い液体はまるで意志があるかのようにうさぎの花びらを探り当て、その花芯へと入り始める。 「や、やだあっ!…嫌あっ!やだやだぁっ!…入って…こないでっ!…」  逃れようとするうさぎの足を抱え込み、ちびうさは唇をうさぎの花びらにしっかりと押し当てる。 「あ…ああぅ…くぁぁっ…」  黒い液体は無数の触手のようにうさぎの胎内をなぞりあげ、微妙な圧力を掛ける。快感を通り越した感覚がスパークする電流となって身体中を掛けめぐり、頭の芯をびりびりと震わせる。 「は、はやっ…あわっ…」  うさぎは半分白目を剥き、口をぽかんと開いて快感に酔いしれている。ちびうさは身体をけいれんさせるうさぎの耳元で囁き始める。 「さあ、あたしの言う事をこれからは何でも聞くのよ。あたしがうさぎの主人で、うさぎはあたしのペット。そうでしょ?」 「うあっ…うさ…ぎは…レディのっ…ペット…ですぅ…」  回らなくなってきた舌でどうにか答えるうさぎに、ちびうさは満足そうな笑みを浮かべて言う。 「よくできたわね、うさぎ…ごほうびよ。」  ちびうさはうさぎの身体中で最も敏感な場所を力任せにつねり上げた。 「うあああううっ!」  がくん、とうさぎの身体が跳ね、背を反ったまま数瞬の間波打つようにもがき、そしてベッドに崩れ落ちた。  身体の緊張が解けた後も、うさぎは呼吸できずに少しの間あえぐ。身体中の汗は滝のようになり、ベッドのあちこちに染みを作っていた。 「可愛かったわよ、うさぎ…」  ちびうさは汗でしっとりと湿ったうさぎの髪の毛をいじりながら、あやすように呟いた。 「これからも、ずっと可愛がってあげる…みんなと一緒にね…」  荒い息の中で、うさぎは小さく頷いた。