#4  遥か高みから幾筋かの光が降り注ぎ、スポットライトのように辺りを照らす。  その光の一つに照らされた背の高い椅子。  その椅子の主はいないが、その脇に、光が薄らぐ距離を置いて、背の高い少女とおぼしき一つの人影がある。  ボンネットでまとめた髪を包み、均整のとれた肢体をエプロンドレス一枚で覆っただけの姿。目は伏せられ、膝まづき、まるで主の帰りを待つかのようにただじっと控えている。  美しく、滑らかな肌には幾筋もの鞭跡、切り傷、擦り傷、火傷が残されており、その身体に与えられた責めの激しさを物語る。  何かの気配に少女は目を上げる。  無限の奥行きを感じさせる薄闇に果てしなく広がる床と、そのあちこちに散りばめられた雑多な道具。  一部は椅子、机、戸棚などといったごくありふれた家具だが、その大多数は−その使用法は別として−見ただけで拷問器具だと覚しき品々である。  その道具の間を縫いながら現れる幼い少女の姿を認める。 「待たせたわね、まこと。」  光の中に入ってきたちびうさはいささか背の高すぎる椅子に飛び上がるようにして座る。「おびき寄せるのに少し手間が掛かっちゃってね。見つかるように罠を仕掛けるのは神経がいるわ。」 「御苦労さまでした、レディ。」  快活に話すちびうさに、エプロン姿のまことは低く、抑えがちの声で囁くように答える。 「ありがと。…ところでうさぎとレイはどうしてるの?」 「二人ならあそこで…」  まことが示す先では二人の人物が光の中でもつれるようにして動いていた。  黒く不透明な床に映える、光を反射する白い肌。時折汗が光る粒となって散る。  動きに合わせて髪が宙に舞い、愉悦のため息が桜色の唇から漏れる。 「なぁに?まだやってたの?」 「ええ…」 「まったくしょうがないわねぇ…あの二人、限度って物を知らないのかしら?」  ちびうさは椅子から飛び降りると、散らかされた道具の間を抜けてもつれ合う二人の所に行く。 「あ…レディ…お帰り…ああんっ!」  組み敷かれたうさぎがちびうさを見つけて声を掛ける。 「うさぎ、そんなに楽しいの?」 「は…はいっ!…あんっ…するのも…されるのもっ…好きっ…」  上にかぶさるレイの身体の動きにつられて言葉を切りながら、うさぎは口元にだらしない笑みを浮かべて答える。 「レイ、お前は?」 「んっ…はぁっ…あたしも…好きっ…んくっ…」  腰のグラインドに微妙な強弱を加えながら、背筋を走る快感にレイは身を震わせる。  二人はそのまましばらく同じ動きを見せていたが、そのうちにレイが動きを止める。 「どう…したの…?」  荒い息の中で身を起こしてうさぎが尋ねる。レイはうさぎに尻を向けて四つん這いになると、指を添えてゆっくりと足を開く。 「うさぎっ…あたしにも…してぇ…」  指が後ろの蕾に入れられ、押し広げるようにしてその奥へと差し込まれる。同時に足の間でそそり立っていた物が花の香りと共に溶け、足元の床と一体化する。 「後ろだね?…レイちゃん…思いっきり可愛がってあげる…」  うさぎは息を凝らし、自らの胎内からレイの物と同じような−真っ黒でディティールに欠けた−硬ばりをゆっくりと引き出す。 「待って、うさぎ。」  ちびうさは手を上げて制すると、うさぎが理由を尋ねようとするのを無視してレイの耳に口を寄せる。 「ねぇ、レイ…お前のここ、もう緩みきってるんじゃなぁい?」  後ろへ手を伸ばし、レイの指に添えるように中へと入れていく。 「こんなにするまで…レイ、お前は本当に恥知らずね…」 「は…はいっ…あたしっ…後ろでされるのが好きな…雌犬ですぅっ…」  二つの異質な指の動きに反応してレイの蕾がその全てを包み込もうと締まる。 「これなら大丈夫ね…うさぎ、これから新しい可愛がり方を教えてあげるわね。」  一度手を戻すと、ちびうさは椅子の傍らで控えていたまことを呼ぶ。 「まこと、服を脱がせて。」 「はい、レディ。」  一礼すると、まことはちびうさの服を手際よく脱がせていく。ちびうさは手慣れた様子でまことの作業を助けるように腕を広げ、脱がされるのに任せる。  セーラー服を模した子供服の下から露わにされていく肢体はまだ性差がはっきりと現れない子供の物だが、ほんのわずかばかりの起伏を持った胸が「女」への変身が始まっている事を示している。 「まこと、ありがとう。」  衣類を手早く畳み、まことは一礼してから元の場所へと戻る。 「これでいいわ…うさぎ、あたしの足を舐めて濡らしなさい。」  目の前に出されたちびうさの素足にうさぎはためらわずに舌を伸ばす。 「んふっ…ふぅんっ…」  愛おしげに舌を這わせ、少しづつ小さな足を唾液で包んでいく。 「その辺でいいわよ、うさぎ…こっちへ来て私の身体を支えなさい。」  うさぎがちびうさの腰を手で支えると、ちびうさは濡れた足をレイの蕾に当てがう。 「そ…そんなっ!無理ですっ…」  何が行われるのかに気付いてレイが恐怖に目を見開く。 「大丈夫よ…心配しないで…」  角度を試すように二、三度爪先を動かす。 「さあ、力を抜いて、楽にして…」  恐る恐るレイが身体の緊張を抜いていくのを見計らって、ちびうさは足先を蕾の中へとめり込ませる。 「ひぃっっ!」  レイ自身信じられない事に、彼女の蕾は難なくちびうさの爪先をくわえ込み、飲み込んでいく。繊細な粘膜が足を暖かく包み込み、締め付ける。 「いっ…くぅあああっ!」  背が反り、喉の奥から悲鳴にも似た歓喜の声を絞り出す。 「ふふ…締め付けがまだ強いわね…」  ちびうさが足の指を動かす度にレイの身体全体がびくんと跳ねる。息を継ぐのもままならず、陸に上げられた魚のように口をぱくぱくとさせる。 「あたしの足でもまだきついわね…うさぎ達じゃ腕で一杯かしら?」  伸ばしていたくるぶしをゆっくりと元に戻す。次第にレイの直腸の中で爪先が垂直になり、内壁が無理に押し広げられる。 「きひいいいっ!」  レイの青ざめた顔にどっと汗が流れる。歯を食いしばり、目を見開いて腸が押し広げられる激痛に耐える。口端から唾液が泡になって垂れる。 「ぐっ…ああうっ…ひぃっ…」 「レ…レディ…レイちゃん…苦しそう…」  それまで眼前で繰り広げられていた行為を信じられない面持ちで見ていたうさぎが、レイの変化に気付いておずおずと年下の主人に声を掛ける。 「ふん…レイ、我慢が足りないわよ。」  爪先を立てたまま足を前後左右に動かす。ごりっ、と鈍い音がレイの身体の中で鳴り、その度に四肢を硬ばらせて悲鳴を上げる。 「いっ…ぐぅっ…ゆ…許してっ!…」 「レディ…あたしからもお願いします…レイちゃんがかわいそう…」  うさぎの言葉にちびうさの細い眉の端が吊り上がる。 「あ、そう…お前、ペットの分際で主人のあたしに命令しようってのね。」  冷ややかな、しかしあくまで優しい調子。 「うさぎ、お前は自分の立場が分かっててそんな事言ってるの?」  おびえたうさぎの身体がかたかたと震え始める。ちびうさの身体を支えている手がわななき、力が徐々に抜ける。 「わ…分かっています…だから…」 「そう…だったら話は早いわね。」  一度爪先を元に戻し、ちびうさは自分の足をゆっくりとレイの体内から引き抜く。 「うぐっ…くぅぅっ…」  腹を抱えてうめくレイを横目で見てからうさぎの方へと振り向き、手が離れたのを見計らってから引き抜いたばかりの足でうさぎを蹴る。 「うっ!」  何が起こったのか理解できないまま、うさぎは姿勢を崩して横様に倒れる。すかさずちびうさがうさぎの首に結んであるリボンを引き、宙に吊り上げる。 「ぐぅっ…げっ…けほっ…」  喉を締められた形になり、細い指がリボンをずらそうと首を掻きむしる。もがくうさぎの目をちびうさが見据える。 「今度あたしにそんな口の聞き方をしてみなさい…その舌をひっこ抜いてから手足をへし折って便器にするわよ…」  一言ごとに区切るように言ってから、リボンを握っている手を離す。勢い良くうさぎの身体が床に落ち、その場で何度も咳込む。 「丸太ん棒にされたくなかったら逆らわない事ね…それとレイ。」  ようやく立ち上がれるようになったレイの尻を蹴って床に這いつくばらせ、頭を踏みつけながらちびうさは続ける。 「お前はもう少し我慢する事を覚えなさい…雌犬がっ!」  レイの柔らかい腹を蹴り上げ、彼女がすすり泣き始めるのを見届けてから再度まことを呼ぶ。 「お…お呼びでしょうか、レディ…」  先ほどの二人の仲間への仕打ちに圧倒された格好で、まことはおずおずと上目がちで主人に尋ねる。 「さあ、今度はお前の番よ、まこと。いつか言ってた手術をしてあげるわ。」 「まさか…」 「そう、あれよ。」  邪悪な笑みがちびうさの唇に浮かび、忍び笑いを洩らす。 「今日は亜美に用意させてあるの…手伝って貰おうと思ってね。」 「そんな…嫌ぁ…」 「何言ってるのよ…お前の身体をそんなにしてあげたのは何のためだと思うの?」  身を引くまことの首のリボンを掴み、引く。 「さあ、来るのよ!」  首で引きずられる形になったまことは慌てて高這いの姿勢になると早足で家具の間を縫うちびうさに追いついていく。  すこし歩くと光に照らされた硬木の台があり、その脇で細身の女性がうずくまっている。 「亜美、用意は出来てる?」 「あ…はい…レディ…」  亜美は顔を上げると少々物憂げな仕草で立ち上がる。白く、半透明の液体が腿の内側を伝って流れ、滴が床に落ちる。 「あらまあ…亜美、お前よっぽど退屈してたのね。」 「ええ…手術台に結ばれていましたから…」  濡れた指先でほつれた髪を掻き上げ、恥じらうようにうつむく。 「さ、始めるわよ。まこと、こっちにいらっしゃい。」  恐怖に動作が鈍るまことを無理矢理に台の上に寝かせると、亜美が手足を革バンドで固定し、唯一身に纏っていたエプロンドレスを脱がす。 「まず何をしますか?」 「そうねぇ…」  ちびうさはまことの足の付け根で息づく栗色の陰りを指さす。 「これ、剃っちゃおうよ。手術するにも不便だし。」 「分かりました。」  亜美は脇の台から片刃の剃刀を出し、舌を滑らせて刃を湿らせる。 「まこちゃん、ここが濡れてるからそのまま剃れちゃうわね…」  頬を薄く染め、小さく首を横に振るまこと。  剃刀が当てられると肌にさざ波のような震えが走る。小さな音と共に最初の一房が剃り落とされ、剃刀とまことの肌に髪と同じように軽くウェーブのかかった柔らかい毛が散る。 「まことの毛って柔らかいのね…すぐ癖が付いちゃうもんね…」  何気ない調子でちびうさはまことの前髪をいじる。 「終わりました、レディ。」  暫く手を動かしていた亜美が剃刀を置き、タオルでまことの身体と自分の手を拭う。  毛その物が細いために剃り後はそれほど目立たず、そのためにかえって開き始めた花びらがアンバランスな印象を与える。 「あたしとおんなじね、まこと…」  ちびうさの指が二、三度剃り跡を滑る。まことの頬に涙の滴が落ち、流れる。 「さて…次は何をしようかしら…」  ちらりと台に載った道具に目を移す。 「あ…や…やめてぇ…っ…」  涙と恐怖に震える声でまことが呟く。 「じゃあ包皮を切っちゃおうか。亜美、注射器を貸して。」  ちびうさは亜美から手渡された注射器を器用に操り、まことの腕の静脈に刺し、中の薬液を全て中に押し出す。 「な…何を…」 「これ?これは痛みを激しくする薬…亜美がお前のために作った物よ。」  注射器を置いたちびうさの手がまことの足の間へと伸び、彼女の最も敏感な部分を守る柔らかい包皮をつまみ上げる。 「ひっ!」  言われたとおりに強化された痛みに突然襲われたまことは背を反らせて反応する。 「さあ、この邪魔な皮を切っちゃいましょうねぇ…」  鋏がちびうさに手渡される。鋭利とは言い難いが切れそうな刃が光を反射して凶悪な光を放つ。  つまんでいる皮を持ち上げ、鋏の先でくわえ込み、力を加える。刃先が皮膚組織に食い込み、充血したその部分を勢い良く断ち切る。 「ひぎいいいいっ!」  手足を動かして苦痛から逃れようともがくまことの悲鳴を無視して、ちびうさはわざとゆっくりと作業を続けていく。刃先が朱に染まり、辺りにかすかな血の匂いが漂う。  手術と言うよりはずっと拷問に近いその作業は、それでも短時間のうちに終わった。 「ほうら…剥き出しだ。」  鋏を片づけたちびうさが小さな突起を爪で弾く。 「ひんっ!」  刺激で血に濡れたまことの花びら全体がひくひくと震える。 「ふふ、こんなにひくつかせて…いいわよ、すぐに輪を通してあげる…」  花びらの動きを覗き込んで見ていた亜美が顔を上げる。 「そ…そんな…」 「まこちゃん、大丈夫よ。ちゃんと消毒した針を使うし、輪だってちゃんとしたプラチナ製なのよ…」  細い、小指の直径ほどの白金の輪を台からつまみ上げ、まことの目の前にかざす。 「肉が貼り付かないから痛くないし、それに綺麗でしょ?」  暫くその輝きに見とれていたが、輪を元の場所に戻し、問いかけるような視線をちびうさの方に向ける。 「いいわよ、始めて。」  亜美は頷くと針を取り上げて消毒し、そのまま両胸の頂きと花びらをアルコール綿で消毒していく。  エタノールが気化するときの冷たさにまことの緊張が高まる。次第に胸へと近づけられる針の先端に視線が固定され、片で大きく息をしながらその瞬間を恐怖の中で待っている。  亜美の指先がまことの暗桜色のしこりをつまみ上げ、そして何気ない調子で針を突き通した。 「ひいいいっ!」  薬の力で過敏な反応を示すまことの苦悶の表情を楽しむようにしながら、亜美は針を抜き、血が止まらないうちに輪を通す。 「まこちゃん、思った通りプラチナが似合うわ…」  亜美がどこか恍惚とした表情で呟く。 「あらあら…亜美ってばまことの手術して感じてるんじゃないの?」  ちびうさが楽しそうに声を掛ける。 「は…はい…私、まこちゃんの身体を傷つける度に…身体がぞくぞくします…」  言いながら亜美はもう一方の色づいた頂きに輪を通す。 「ひいいっ…痛いよぉ…亜美ちゃん…っ…」 「大丈夫…きっとそのうち気に入るわよ。」  亜美はなだめるように言い、大の字に開かれたまことの足の間に潜り込む。 「まこちゃんっ…消毒したばかりなのに…もう…」  少し肉厚の蜜できらめく花びらに指を滑らせ、その柔らかく暖かいぬめりを楽しむ。 「手術されて感じてるの?…うふふ…してる私だってそうだもんねぇ…」  ようやく血が止まったばかりの傷口を爪で突つくとその度に花びらが妖しい動きを見せ、奥底から新しい蜜を絞り出す。 「さあ…ここには輪を四つ通すわよ…痛くないように一気に穴をあけてあげるわね…」  花びらをつまみ上げ、引き伸ばす。血が止まったとは言えまだ感覚が敏感になっている部分をつまみ上げられてまことがうめく。  合わされた花びらに針が素早く二度突き通され、合計四つの穴が開けられる。 「うあああっ!ぐううっ!」  まことの背が反り、台から浮き上がる。亜美はその動きを読んでいたかのように正確に作業をこなしていく。  半開きになっている輪をまだ血の滴る花びらの穴へと通し、先端にゴムを付けたペンチで軽くかしめて閉じる。 「ほうら…もうできたわよ…そんなに泣かないで…」  亜美の舌がまことの頬に止めどなく流れる涙の筋を舐め取る。 「まこちゃん、ピアスは始めてじゃないでしょ?いつまでも泣いてちゃ駄目よ。」  薔薇の形を模した左耳のピアスに軽く指先で触れ、そのまま顎の線をなぞる。 「亜美、遊んでないで刺青の用意をしなさい。」  ちびうさが少し苛立たしげな仕草をする。 「ふぇっ…もう…やめ…てぇ…」 「何言ってるのよ。あたしはお前を綺麗にしてやろうと思っているのに…」  束ねた針を取り上げて光にかざす。 「そうよ、まこちゃん。痛いのを我慢すれば綺麗になれるのよ。」  右の内腿を消毒しながら諭すように言う亜美。 「ここに紫の薔薇を刺青してあげるのよ…」  針と布を持って近づくちびうさに亜美が場所を譲る。 「いい加減に覚悟を決めなさい、まこと。」  ちびうさが目配せすると、亜美の手がしっかりとまことの右太股を抑え込み、動かないように体重を掛ける。  束ねた針を消毒し、位置を確かめてから、肌理の細かい柔らかな肌に深く突き刺した。 「ぐうううっ!」 針を抜くとその形のままに血がにじみ出し、深紅の球となって肌を滑り落ちる。それを事も無げに布で拭き取りながら、ちびうさは次々に迷わず針を突き刺し続ける。 「ひいっ!…うぅ…ああうっ!…」  まことの悲鳴が少しづつかすれる。ちびうさは作業する手を止め、 「本当にうるさいわねぇ…亜美、あの棒を噛ませて黙らせなさい。」 と言って、台の上に載る革ベルトの付いた硬木の棒を顎で示す。  一礼して亜美はその棒を取り上げ、親指ほどの太さの棒をまことの口に押し込み、頭の後ろでフックを止める。 「いいみたいね。じゃ、続きをするから抑えてて…」  作業を再開するちびうさ。まことは強くなる一方の強烈な痛覚に頭の芯が痺れ、自分のくぐもった悲鳴すら他人の物のように感じ始めていた。 「よし、こんなもんじゃない?」  まことにとっては永遠にも等しい時間の間続いた、針で刺しては血を拭き取る作業をやっと終えてちびうさが身を起こす。亜美から手渡された染料を手に取ると、指先で傷口に擦り込んでいく。 「うん、我ながら上出来。」  指の染料を拭き取りながら、ちびうさは自分の「作品」に見とれる。  紫の薔薇が炎症を起こした朱の肌の上で煌めく。まことの苦悶のうめき声に合わせて花全体が揺らめき、息づく。 「ぐ…っ…ふぅっ…ふぅ…」  蒼白なまことの顔には苦痛を通り越して麻痺したような、どこか喜びにも似た表情が浮かんでいる。 「まこちゃん…素敵よ…」  まことの口を封じる棒を取り外し、亜美はいとおしげに薔薇に口づける。 「ほ…ほんと?…あたし…綺麗なの?…」 「ええ…自分で見てみなさい…」  ちびうさはまことの四肢を固定していた革バンドを外すと、まだふらつく身体を支えて起こしてやる。 「う…わぁっ…凄い…」  まことの視線が震える薔薇に釘付けになる。 「ちょっと…まだ終わってないのよ、まこと。」  目を細めて、ちびうさはどこからともなく焼き印を取り出す。 「これをお尻に押して出来上がりよ。すぐに押せるようにしてあげるわ。」  念を凝らすようにすると三日月を模した先端がじらすようにゆっくりと熱を帯び始める。 「まこと、うつ伏せになりなさい。」 「あっ…いっ…嫌ぁっ…」  台の上でおびえ、後ずさるまことを亜美が後ろから羽交い締めにする。 「もう少しの我慢よ、まこちゃん。」  そのまま全体重でのしかかり、これまでの責めに体力を使い果たしたまことの身体をじわじわと祈るような格好で台に押しつける。まことの肩が台に付くと、台の上に新しい革バンドが生まれ、無様な姿勢のままでまことを固定する。 「ほうら…だいぶ熱くなってきたわよぉ…」  ちびうさが顔の前で揺らす焼き印は少しづつ鈍い赤色を帯び、辺りに熱気を振りまき始めていた。 「な…何で…何でこんな事…」  まことは震えてかすれた声で誰にともなく呟く。  しかし、彼女のこの恐怖から生まれる言葉とは裏腹に、まことの心の奥底ではこのような拷問まがいの事を受け入れる事に納得がいっていた。  以前−と言っても時間感覚の消失したまことにとってはただ昔としか答えようがないが−、まことはうさぎに導かれる形でちびうさが支配するこの空間へとやってきた。  ちびうさはまことに絶対の服従を誓わせようとし、それに反抗すると見えない力で彼女を殴りつけ、切り裂いた。支えていられるのが不可能になるほど心身共に傷跡を作ってから、まことはようやく諦め、ちびうさを主人として服従する事を誓ったのであった。 「ん、もういいかしら。」  見ると焼き印の先は真っ赤な光を放ち、熱気は目を開けられないほどに強まっている。 「動かないでよ…ちゃんと綺麗に押してあげるからね…」  身体を動かして赤熱した焼き印を避けようとするが、馬乗りになった亜美の体重と姿勢のために全く身体を動かす事が出来ない。 「さあ、行くわよっ!」  ちびうさのかけ声と共に辺りに肉の焼ける匂いが散る。 「ひいいいいっ!」  恐ろしい熱さと痛みが身体中を掛けめぐり、脊髄を通って身体中を津波のように揺さぶる。幾万もの針が腰の膨らみの上で爆発する。  平然とした顔で五つ数えて、ちびうさは焼き印を外す。まことの尻の左上部に、一生消えないほど克明に三日月の模様が残った。 「あっ…はぁん…素敵ぃ…」  ぐったりとしたまことを解放しながら、亜美は肌に浮いた汗を舐め取るようにキスを繰り返し、肌をすり合わせる。  まことは痛みが心地よい痺れとなるのに気付き、それに身を任せてみる。ゆっくりと痺れはまことの心から今まで残っていた微かなこだわりと理性を溶かし、流し去っていった。