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ひとりごと

1998年12月




1998/12/03

 『ポポローグ』終了しました。買ったのが先週の木曜日でクリアしたのが月
曜日ですので、五日くらいですか。今、暇なので、一気に最後まで行ってしま
いました。
 前作が好きでしたので、この作品も期待していたのですが、今回はまあそこ
そこの作品って感じでしたね。
 世界観というか雰囲気というか、そういうのはしっかり踏襲されていて、前
作をプレイした人ならまた再び、あのキャラクターや世界に出会えるので懐か
しい気分に浸れると思います。唯、ゲームシステムにいくつか新しい要素が加
えられていて、その辺がちょっと私の好みではなかったような気がします。

 ポポローグで前作と一番違う点と言えば傭兵システムだと思うのですが、こ
れが私としては少々馴染めない感じでした。ゲームの自由度という意味では様
々なキャラの中から好きなキャラを選んでパーティーを組めるというのは必ず
しも悪いシステムという訳ではないと思います。
 しかしキャラが増えた分、一人一人に対する描写やイベント等は少ないです
し、なかなか傭兵たちに対して思い入れとかは持ちにくくなったような気がし
ます。
 前作、一緒に旅したナルシアやガミガミ魔王、白騎士たちがそれぞれ個性的
で魅力的なキャラたちだったので余計にそれを感じます。
 前作の『ポポロクロイス物語』というゲームはゲームシステムとしてはオー
ソドックスですし、目新しい点もなくてとりたてていうような作品ではなかっ
たのですが、ゲームの雰囲気や世界観、キャラの魅力、それにシナリオなどの
点で、他の作品とは一線を画している部分が感じられてそれがちょうど私の好
みにも合った為にとても好きな作品だったのですが、傭兵システムというのは
ちょっとそれにそぐわなかったような気がしてしまいます。
 勿論、傭兵のキャラ一人一人についてはそれなりに考えて設定とか作られて
いるのだと思いますが、やはり数が多くなった分、一人一人についての印象は
薄められてしまったような気がしますし、ナルシアやガミガミ魔王の個性に比
べるとどうしても見劣りしてしまうんですよね。
 せめてナルシアやガミガミ魔王と一緒に冒険しなくても、もっと登場する機
会が多くて、ストーリーの上でもいろいろ役割を果たしてくれるとよかったの
ですが、それもなくて結局は顔見せ程度で何度か登場しただけだったように感
じたのも少々不満に感じるところです。

 もう一つシステムの点で夢幻フィールドというのがありまして、入るたびに
地形が変わるダンジョンというのがあるのですが、これもゲームの中でそれ程
大きな意味を持っていたという感じはしませんでした。謎解き要素のあるよう
なマップもあることはありましたが、全体的に見るとそのダンジョンも風景が
違うだけで、地形的には殆ど違わないような、そんな印象で、これも少々ゲー
ムを単調にしていたような気がします。

 それとストーリー自体も前作に比べると軽めといいますか、いまいち深みを
感じなかったように思います。
 唯、先週、買ってきた『ザ・プレイステーション』での原作者田森庸介さん
とキャラデザの福島敦子さんの対談では、この作品は外伝的なストーリーだと
のことでしたので、外伝ということであればこの程度のストーリーになっちゃ
ったのも致し方がないのかも知れません。プレイした印象もそんな感じだった
ですねぇ。

 その対談の中では早くも次回作に関する話題が出ていたようで、またまた続
編が作られるそうですが、今度はもっとナルシアやガミガミ魔王が活躍してく
れると嬉しいのですが……。このシリーズの世界観や雰囲気は好きですので、
次回作には期待したいところです。

                       1998/12/03 眠夢


1998/12/05

 ダイエーのスパイ疑惑ってのが話題になってます。なんでも外野から盗み見
たキャッチャーのサインをバッターに教えてたとかって話みたいですね。今年
の春の選抜で同じように横浜高校がそういうことをやってたんじゃないかって
疑惑が持ち上がってましたが、とんでもないことをする奴がいるもんだな、み
たく思ってたのですが・・・。

 昨日のおはよう朝日のスポーツコーナーでスポーツキャスターの佐々木修さ
んがベンチ裏からスパイするのがダメなら、二塁ランナーがサインを見て教え
るのは何故いいのか? また三塁コーチがピッチャーの握りを見て「フォーク」
と叫んだりすることもあるそうで(特に西武の伊原コーチとか)、それはよい
のか? とかって話をしていてどこまでがスパイでどこまでが相手チームの分
析なのか、基準が曖昧だって話をしてまして、なるほど言われてみるとそうだ
なぁ、と思っていたところ、今度は昨日の夕方のニュースでは高野連が二塁ラ
ンナーや三塁コーチがキャッチャーのサインを盗み見てバッターに教えるのも
禁止って話になってました。

 ダイエーのスパイって話を最初に聞いた時にはすっごく悪いことみたいな気
がしたんですが、いろいろな話を聞いたり、考えたりしてみるとこれってどう
なのかな〜、みたいな気分になってきてしまいました。
 スパイというと無条件に悪いことって感じがしてしまいますが、二塁ランナ
ーが教えるってのはそれも作戦のうちみたいな気がしてしまいます。でも実際
にやってることはそんなに変わりません。グラウンド内でプレイしてる選手な
らよいって考えもあるんですけど、じゃ、三塁コーチならどうなのか? あの
人はグラウンドでプレイしている選手ではありませんが、作戦というか試合の
進行の上で重要な役割を果たしています。
 確かにコーチにしてもランナーにしても相手のサイン盗み見てバッターに教
えるって行為はフェアじゃないと言えば、フェアじゃないです。野球はチーム
プレイではありますが、ピッチャーとバッターとの間では一騎打ち的な要素も
ありますし、他の人がそれに介入するというのはずるいような気もします。

 高校野球では隠し球も禁止になってますが、でも汚いプレイを全部排斥する
のが本当に良い事なのか? と言われるとそれもどうかな、という気がしてし
まいます。
 勿論、正面から正々堂々とというのは大切なことかも知れませんが、虚々実
々の駆け引きってのもスポーツの面白さの一つではないか、という感じもしま
す。

 どこまでが卑劣な行為でどこまでが作戦として認められるものなのか、たぶ
ん、選手の方の認識も曖昧だったんでしょうね。二塁ランナーや三塁コーチが
サインを盗み見て教えるのがいいのなら、外野席から教えるのは何故いけない?
 と言われれば、それはそれで一理あるような気もしますし、でもやっぱりそ
れはずるいような気もしますし……。

 なかなか難しい問題かも知れません。

                      1998/12/05 眠夢


1998/12/12

 『吸血鬼ドラキュラ』という映画のビデオを借りてきて見ました。普段は別
にホラー映画の類殆ど見ないのですが、先日、読んだ小野不由美さんの『屍鬼』
という小説が吸血鬼ネタの小説でして、それに触発されて、といいますか、ち
ょっと見てみようかな〜って感じで借りて来ました。
 見た感想としてはさほど感興をそそられるというものでもなかったのですが、
たぶん、自分の想像した範囲内の内容だったから、そのように感じたのだと思
います。
 吸血鬼なんて全然知らないで見たら、もっと楽しめたかも知れませんが、吸
血鬼ドラキュラというと狼男やフランケンシュタインなどと共に日本でもポピ
ュラーな怪物ですし(怪物くんの手下たちもこの三匹でしたしね)、予備知識
はあり過ぎる程ありましたから。

 吸血鬼というとそれなりに魅力的な題材みたいで、他にも『ポーの一族』と
か『吸血鬼ハンターD』とか他にもあると思いますが、いろいろ吸血鬼ネタの
マンガだの小説だのは日本でも書かれています。
 死体が生き返る、そしてその死体が人間の血を吸って、殺された人もまた吸
血鬼となって蘇る・・、というシチュエーション自体はなかなか面白いですも
んね。

 しかし吸血鬼って恐れられている割りにはまた弱点が多いような気がします。
吸血鬼の弱点と言えば、十字架にニンニクに太陽の光、といったところが基本
ですが、太陽の光に弱いので昼間は動けないで無抵抗、見つかれば簡単にやら
れてしまいます。
 またニンニクをぶらさげておけば近づくことが出来ませんし、十字架に触れ
ると触れた部分が焼きゴテを当てられたようになるようです。(映画の中では
そんな感じでした。)
 この中で十字架というのはキリスト教徒ではない私としては少々首を傾げた
くなる代物ではありますが、日本でも耳なし芳一の話では体中にお経を書いて
おけば悪霊に姿が見えなくなるというような設定がありましたし、宗教の力が
悪霊や怪物の類を退けるという発想は万国共通なのかも知れません。
 まあしかし例えば虎だのライオンだの狼だの熊だのと言った野獣に襲われた
時に、十字架を振りかざしてもたぶんきっと効果ないでしょうし、効果があっ
たらいいな、という願望だけで作られた設定だと思います。
 そもそも十字架ってのはイエスを磔にして殺した道具だというのに、なんで
またこんなものをキリスト教徒の人たちはありがたがるのか、なんだか不思議
な気がしてしまうのですが……。(ちょっと話がそれてますけど。)

 吸血鬼のもう一つの特徴と言えば、一旦死んだ人間ですから、それ以上死ぬ
ことはなく不死の体を持つことが出来るってことでしょう。心臓に杭を打たれ
たり、首を切り取ったりしたら生き続けることは出来ないようですが、体を致
命的にまで破損したりしなければ、基本的には不老不死ってことになっている
ようです。
 不老不死ってのは人類にとって永遠の憧れですよね。不死というシチュエー
ションで言えば、吸血鬼の他に人魚の肉とかってのもありますが、人間の血さ
え吸っていれば、永遠に生き続けることが出来るとなると、吸血鬼になるのも
悪くないかも……、という気もします。
 『屍鬼』の中では人間の血を吸って人間を殺さなくては生きていけない自分
に対して苦悩する、なんて人もいたんですが、なにも相手が死に至るまで血を
吸い続けたりしなければよい訳です。
 人を殺すのが何故悪いことなのか? というのは少々難しい問題なのですが、
少なくとも普通の人間は幼い頃から『人を殺すこと=悪いこと』というように
教えられて育っているでしょうし、心の中に深く刷り込まれています。
 例え自分が吸血鬼になってしまって、生き延びる為であっても人を殺さなく
てはならないという立場になったとしても、人を殺すことに罪悪感みたいなも
のを感じてしまうのは当然のことでしょう。

 でも人を殺さずに吸血鬼をやっていけるなら、それはそれで不老不死の体も
持つことが出来ますし、なかなか悪くないかも……、という気もしてしまいま
す。
 吸血鬼にしても一回の襲撃で人を殺せる程の血を吸い尽くすという訳ではな
く、数回の襲撃を重ねることにより、漸く獲物は死に至るのだそうです。
 それならば、例えば献血のことを考えると400mlの採血だと最低三ヶ月
先までは次の献血はしてはいけないということになってます。これは健康のこ
とを考えて少し長めに設定してあるんだとは思いますけど、吸血鬼さんも一日
一食400mlずつ血を吸うのだとすれば、三ヶ月分、すなわち90人くらい
の獲物を常に確保しておくことが出来れば、相手を殺すことなく、血を吸って
生きていくことが出来る訳です。
 しかもこの方法だと吸血鬼のパラドックスとでもいうのですか、血を吸われ
て死んだ人間が全て吸血鬼になるとしたら、ねずみ算式に吸血鬼が増えて、あ
っと言う間に全人類は吸血鬼ばかりになってしまって、獲物がなくなってしま
う、というのも心配しなくてもすみます。(吸血鬼を増やさない為には血を吸
われて死んだ人間はさっさと火葬にしてしまうというのが、手っ取り早いみた
いですけど。)

 吸血鬼が血を吸う対象としては、若い女性の血が好まれるみたいですね。実
際に性別、年齢等によって血の味とか成分とかに違いがあるのかどうかは知り
ませんけど、もし私が吸血鬼になったとしても襲うならやっぱり若い女性がい
いなぁ、とか思ってしまいます。(こらこら(^_^;))
 ならば女子校の先生になるって手がよいかも知れません。女子校なら毎年若
い女性が供給されますもんね。
 吸血鬼の仲間同士で学校建てて、先生は全員吸血鬼で固めて、年に一回か二
回、献血の日を設けて、その血を保存しておけば、食事には困らないってこと
になります。
 ま、吸血鬼さんにしてみれば、獲物の首筋に歯を立てるというのも楽しみの
一つかも知れませんので、これでは少々不満も出るかも知れませんが、襲って
しまって殺さないままでおいておくと、一般の人間たちにも吸血鬼の存在が知
られてしまうことになりかねないので、それは少々まずいんですよね。前述の
ように吸血鬼って結構、いろいろ弱点が多いので、人間に見つかってしまうと
あっと言う間にやられてしまう可能性が高いのです。
 血を吸った後、相手の記憶を消してしまうことが出来ればそれもまたよいの
ですけれど……。(紐緒さんにでも頼むか?(^_^;))

 あ、でも問題点が一つ。吸血鬼は夜しか行動出来ないので夜学にせざるを得
ないですね。夜学の女子校……、う〜ん、ちとまずいかも……。親の立場から
すると、女の子を夜学校に通わせるってのはあまり気が進まないかも知れませ
ん。
 でも塾とかなら夜遅くまで通ってる子もいるでしょうし、学校よりも学習塾
とかにする方がよいかなぁ・・。でも塾で全生徒に献血させる日を設定するっ
てのも不自然かも知れないって気がします。
 う〜ん、難しいところですね〜・・・。ま、私は今現在、吸血鬼ではありま
せんので、そういう細かいことは万一自分が吸血鬼になってしまうようなこと
があったら、それから考えることにしましょうか。(^_^;)

                      1998/12/12 眠夢


1998/12/20

 昨日はアメリカンフットボールの大学王座決定戦、甲子園ボウルが行われ、
立命館大学が法政大学を逆転で破って優勝しました。四年振り二度目の大学日
本一だそうです。
 第1クォーターでは14−3といきなりとリードされ、前半終わった時点で
も17−9、立命は前半タッチダウンを一つも取れず法政のペースで進んでい
たので、こりゃ、ちとしんどいかなと思ってたのですが、後半は流れが変わり
ましたね。
 第三クォーターでいきなりタッチダウンと思いきやファールがあって取り消
されたので、こりゃ、なかなかペースに乗れないかと思っていたのですが、終
わってみれば、25−17、テレビ放送は録画で編集されていて、後半は法政
の攻撃する場面が殆ど放送されてなかったのですが、法政は後半はファースト
ダウンも殆ど取れずにいたみたいです。
 しかし最後の最後は法政のオフェンスが奮起して、あと1ヤードのところま
で攻め込んでなかなか手に汗握るような展開で面白かったです。8点差と言っ
てもアメフトはタッチダウンと二点コンバージョンが決まれば一気に追い付け
るんですよね。

 前半は法政、後半は立命とはっきり流れが分かれた試合でしたが、全体的に
見れば、前半、タッチダウンが取れずに点差は開いたとは言っても、立命の攻
撃も一応、得点を取って終わってましたし、逆に立命ペースになった後半、法
政は結局フィールドゴールの得点も取れなかったので、その辺の差が最後にな
って出たのかなという感じでした。
 それと殆どランオンリーだった法政とラン中心ながら、ここぞというところ
でパスも決めていた立命の差というのもあったかも知れません。

 アメフトはここ数年は毎年、関西勢が強いので私としては見るのが楽しみな
のでした。確か7年連続で関西が勝っていると言ってましたっけ・・。
 法政は関東では敵なしみたいな感じのようで、五年連続で甲子園ボウルに出
場しているのですが、去年、引き分けの両校優勝があったものの、一度も勝て
ずにいます。
 たぶん、実力的には法政も引けは取っていないと思うのですが、ここ一番と
いうところでは、リーグ戦で凌ぎを削ってる関西勢と毎年優勝してる法政との
差が出てしまうのかな、という気がします。関西では京大、関学、立命の三強
が毎年凌ぎを削っていて、甲子園ボウルにも毎年入れ代わり立ち代わり出場し
てますもんね。
 昔、強かった日大あたりがまた盛り返して来て関東でも凌ぎを削るようにな
れば、もっと面白くなるかも……、という気はするのですが……。
 ショットガンで鳴らしてた頃の日大はとっても強くて関西勢はなかなか勝て
ませんでしたもんね〜。パスでどんどんファーストダウン取っていく、ショッ
トガンってのは凄い脅威に思っていたのですが、最近はああいう戦法も研究さ
れてしまってあまり通用しないんでしょうか……。詳しいことは判りませんけ
れど……。

 さて次は来年1月3日のライスボウルですね。昔は学生が強かったのですが、
最近は社会人の方が圧倒的に強くて、いまいち面白みが減ってきているのです
が、なんとか学生にも頑張って欲しいところです。

                      1998/12/20 眠夢


1998/12/24

 今日はクリスマスイブですね〜。で、明日はクリスマス。朝方は雨が降って
ましたが、今は止んでます。クリスマスというとホワイトクリスマスというの
がありがたがられますが、天気予報によるとこの雨が雪に変わるということは
なさそうです。
 クリスマスというと恋人同士で過ごすというパターンが、定着しつつあるら
しいですが、私はそういう世間の流行とは全然無縁なところにいます。(^_^;)
(彼女いない歴……、もう何年になるでしょうか……。(^_^;))

 クリスマスというのキリスト教徒のお祭りですし、キリスト教徒でもないの
にそんなもん祝わなくてもいいじゃないか、みたいな気もしますが、いろいろ
な世界の文化を取り入れて自国の文化として定着させてしまうというところは
日本のいいとことも言えますよね。
 でも実際にはイエスの誕生日という話は後から作られた話だというような話
も聞いたことがあります。
 元々は冬至のお祭りだったのが、キリスト教が発展する過程で結び付いてク
リスマスという行事が出来上がったのだとか。
 冬至というのは一年で一番昼が短い日のことですが、寒い地方の人々に取っ
てはこの日を分岐点にして、これから命芽吹く春に向かっていくという意味で、
重要な位置付けだったのだそうです。それがキリスト教に取り入れられたとい
うことで、キリスト教自体もいろいろな文化から影響を受けて、それを取り入
れて発展してるんですよね。
 そういう意味では元々異文化、異教の文化であっても、自国の物として定着
させてしまうというのは、日本独自のことという訳でもないようです。
 ま、既に定着してしまってる行事ですし、プレゼント貰ったり送ったりとか
ケーキ食べたりというのはなかなか楽しいことでもありますので、キリスト教
云々は横においといて楽しめばいいですよね。

 まあ、楽しむもなにも私にとっては普段の日とそんなに違わないのですけれ
ど、ケーキとチキンでも買ってきて少しくらいはクリスマス気分に浸ってみま
しょうか……。

                      1998/12/24 眠夢


1998/12/26

 一週間くらい前に買ってきた『YU−NO』というゲームをクリアしました。
一年くらい前にジーコさんがらくがき帳の部屋ではまってるという書き込みを
されていたのを覚えていて(LOGで調べてみたら昨年の10月〜11月頃でし
た)、たまたま立ち寄った中古屋さんで2980円とい
う値段で出ていたので買ってきたのですが、なかなか面白いゲームでした。

 基本的にはパラレルワールド使ったマルチエンディングのHゲームと言った
感じでしょうか……。多重次元とか並列世界という概念自体はさほど目新しい
ものではありませんし、マルチエンディングのゲームというのも今は当たり前
ですから珍しい訳ではありませんが、パラレルワールドを設定に組み込んでし
まってそれぞれの分岐世界を更に大きな全体的なストーリーの中で意味を持た
せたという点はなかなか斬新なところなのかも知れません。
 それよりなによりこのゲームの面白いところは、SFオタクを連想させるよ
うな意図的に難解さを演出したような説明が随所に出てくるところでしょうか
……。

『時は可逆なものである。しかし歴史は不可逆なものである。』
 ジーコさんがゲームを始められた頃、この言葉を引用して
「何言っているか訳わかんないよーーー!!!(ToT)」
と書き込んでおられたのですが、つまりこのゲーム世界でのルールはこうなっ
てるんだよという説明を一言で言えばこういうことになるってことですね。

 並列世界というのは元々タイムパラドックスを説明する為に作られた概念で
すよね。タイムパラドックスというのはご存じの通り、タイムマシン等で時を
遡って例えば自分の親を殺してしまったらどうなるのか? 親がいなければ自
分が存在するのは不可能な訳で、その時点で自分という存在も消えてしまうの
ではないか? と、簡単に言えばそういうことです。
 SF等でもタイムマシン物では過去の歴史を変えてはいけない、みたいなも
のもよくありますし、タイムパトロールみたいなものが歴史を変えないように
監視してたりとかそういう設定のものもあります。
 しかし過去に遡って自分の親を殺したとしても、自分が元の時点に置いて存
在するまでの歴史というのも厳としてある筈で、それが即座に否定されてしま
うのはおかしいのではないか? というところから、過去の歴史を変えてしま
った場合、そこで歴史が枝分かれして別の次元に別の歴史を持ち、並行して存
在する世界が新たに形作られる、という考え方が出て来たのだと思います。
 考えてみると巷に沢山あるマルチエンディングのゲームというのも違った展
開、違ったストーリーに分岐していくという意味で全部、パラレルワールドの
世界ですよね。
 YU−NOの場合はそのパラレルワールドの概念自体を設定に織り込んで主
人公が時間を遡ってやり直すことにより、話が分岐していく、そしてあるアイ
テムを使えば既に行ったことのある時系列の世界と自由に行き来することが出
来るというところがこのゲームの骨格ということになるでしょうか。

「時は可逆なものである。しかし歴史は不可逆なものである。」
と、いうのもつまりはそういうことですね。時を戻ってやり直すことは出来る
がそこで作られる新たな歴史は別次元のの並列宇宙に属する歴史として新たに
存在を始めるもので、一つの世界で既に形作られた歴史自体が変わる訳ではな
いということですね。
 これってパラレルワールド等の概念に慣れてないと少々理解するのが難しい
のかも知れません。
 しかもその前後の説明もわざわざ難解そうな書き方がされている……。難解
さを演出することで重厚さを作り出し、本格SFっぽい雰囲気を醸し出してい
るというところはなかなかいい感じなんですよね。
 
 基本はパラレルワールドなんですが、それを自分なりの形にアレンジして、
このゲームの独自の世界を作り出してますし、作者のゲームに対する意気込み
や思い入れが伝わってくるように思います。

 設定以外のゲーム部分もしっかり作られているように思います。勿論、アダ
ルトソフトであるというところに寄り掛かってる部分もあるのですが、それを
差し引いてもよく練りこまれたシナリオだったと思います。

 アダルトソフトにしてしまったのは、エルフという会社がずっと18禁ばか
り作ってきた会社だからというのもあるでしょうし、18禁だと売りやすいか
ら、というのもあるでしょう。
 18禁、しかもエルフは定評のあるメーカーですから、それだけである程度
は売れるという目算は建てられます。それにゲーム内でプレイヤーを引っ張る
意味でもエッチというエサをちらつかせるというのはなかなか効果的です。
 唯、アダルトソフトは一定の人気はありますけど、一定以上はなかなか売れ
ない、偏見を持って見られる場合も多いので、そういう意味では18禁にして
しまったのはちょっと惜しいかも……、という気もしないではないです。
 このゲームをそのまま18禁な部分だけを取り除いて、一般ソフトにしてし
まってはいろいろと齟齬が出て来そうですけど、最初から一般ソフトとして作
られていれば、それなりに評価されたゲームになったのではないかと思えるゲ
ームなんですよね。

 唯、理想論としてはそうなんですが、私自身ももし18禁でなかったらプレ
イする気になったかどうか判りませんし、実際のところはなかなか一般ソフト
で売るのは難しいのかな? という気もします。
 アダルトゲームというのは18禁という部分である程度売れますし、プレイ
ヤーを引っ張ることも出来ますので、Hシーンさえ入れていれば、その分あま
り制約を受けずに作れるというメリットもあるのだと思います。
 そういう背景があったからこそこういうゲームも作ることが出来たという側
面ももしかしたらあるのかも知れません。

 とにかくお楽しめるゲームであることは間違いないと思います。

                      1998/12/26 眠夢

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