家なき娘セーラ

 セーラはペリーヌとは逆に父がイギリス人で母がフランス人なんですね。それをヒントにこんなストーリーを思い付きました。



 父を亡くしたセーラはミンチン学院で、セーラを嫌っている院長に食べ物もろくに貰えず、ひどい待遇でこきつかわれていました。そしてある日放火の疑いをかけられてミンチン学院を追い出されてしまいます。
 ミンチン学院を追い出されたセーラはある村へやってきました。その村には大きな織物工場があり、沢山の人が働いていて、ここでなら自分も働いて暮していけると思ったのです。セーラは森の小屋に住み着き、本当の名前は隠して織物工場でトロッコ押しとして働くことになりました。
 ある日、工場のフランス語の通訳が病気になり、急遽セーラはフランス語の通訳として呼ばれました。母がフランス人だったため、セーラは英語と同じようにフランス語が話せたのです。
 工場主のクリスフォードはセーラの働きぶりに感心し、また彼女の身の上話を聞いて同情して、彼女を秘書としてそばにおくことにしました。
 クリスフォードは弁護士を雇って、インドで破産して死んだ親友のみなしごになった娘を探していましたが、なかなか見つけることが出来ずにいました。そのこともあって同じ年頃のセーラに親友の娘の面影を重ねあわせていたのかも知れません。

 彼は親友の妻がフランス人だったため、その娘もフランスの寄宿学校に通わせていたのではないかと考えて、フランスの学校ばかりを探させていました。しかしフランス中の学校を探しても親友の娘は見つかりませんでした。その為、もしかしたらイギリスの学校に入っているのかも知れない、と考え始めます。そしてセーラがロンドンの寄宿学校にいたと言っていたことを思い出し、もしかするとセーラが親友の娘ではないかと疑いを抱くようになり、弁護士に調査を命じます。
 数日後、ロンドンでの最後の調査を終えた弁護士が村にやってきました。

「ロンドンではジャンプに会って来ました。とても元気でしたよ。」
「まあ、ジャンプに?」
「はい、それに御者をしていた元気な男の子で、えっと……、」
「ピーター!」
「そう、ピーター、あの子がよろしくとのことで御座いました。セーラ様・・。」
 セーラは驚いたような戸惑ったような表情になり立ち上がりました。

「これが私の最後の調査であります。あなたのお考え通りこちらのお嬢様はあなたの親友クルー様のお子様に間違い御座いません。」
「おお、やっぱりやっぱりそうだったのか、やっぱりお前はクルーの娘だったのか!」  喜びに打ち震えてセーラの名を呼ぶクリスフォード。セーラも涙を流しながらクリスフォードの胸に飛び込んでいくのでした。


 なんちって・・。(^_^;)

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