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G1天皇賞春の反省

G1天皇賞春の結果
1 3-03スペシャルウイーク 武豊 3.15.3---34.2 476kg0 1人気
2 7-10メジロブライト 河内 3.15.41/234.0 466kg-4 3人気
3 6-08セイウンスカイ 横山典 3.15.82.1/234.8 474kg-2 2人気
4 8-11シルクジャスティス 藤田 3.15.8ハナ34.3 456kg-4 5人気
5 2-02ステイゴールド 熊沢 3.16.22.1/234.8 430kg+8 6人気
単勝230円 枠連410円
複勝100円 110円 110円 馬連430円
予想と見解 好材料と不安材料
G1天皇賞春の感想
  • 正直なところかなりショックを受けている。今回は3強の勝負と分かっていたし、1点で勝負するしかないのは当然のことである。今回の1点は絶対的な自信があったわけではないので、1点でハズレたのも仕方ないことだと理解している。しかし、今回の私の予想はどこかちぐはぐだった。今までの私の予想スタイルからすれば、やはり◎セイウンスカイはおかしかった。最終結論を出した後も、何かすっきりしないものが残っていた。これはたぶん、あまりに回収率が低いので、当てにいってしまったという気持ちがどこかにあったのだろう。ここまできたら回収率なんか気にしていられない。これからは開き直って自分の予想をしていきたい。結果は結果と思うことにしたい。
  • 勝ったのはスペシャルウイークであった。やはりこの馬は強くなっている。4歳時は後方からの競馬しかできなかったのが、5歳になってからは好位での競馬ができるようになったのが大きい。今回もセイウンスカイを完全マークする形で先行し、ラストの直線も突き放すだけである。3200mでこんな競馬ができるのだから本物だと言わざる得ない。ダービー馬というのは、その時点でもっとも完成度が高いから勝てたわけで、そのために古馬になってから意外と成長しないという馬もけっこう多いものである。ダービーを勝って、古馬でも活躍したのは、私が記憶している中ではシンボリルドルフとトウカイテイオーくらいである。ここまで言えば分かっていただけると思うが、ダービー馬が古馬になっても活躍する場合は、未完成な状態でダービーを勝っていることであり、その絶対的能力が常識外れであることを意味している。つまり、歴史に残る名馬になる可能性が非常に高いというわけである。スペシャルウイークにはその資格は十分にあると私はこのレースを見て感じた。少なくても内国産に限れば、今年のエースとして活躍するに違いない。
  • 2着はメジロブライトであった。さすがに長距離には強い馬である。堅実に2着は死守した。ただ、スペシャルウイークにはこれで2連敗なので、実力の違いと判断していいだろう。今後は展開のあやで勝てることはあっても、マッチレースで勝つことはないと思われる。でも、そんなに悲観することはないと思う。前述したとおり、スペシャルウイークは歴史的名馬になりうる存在である。相手が悪いとしか言いようがない。この馬はこの馬なりに高いレベルの実力を持っている。現に2冠馬セイウンスカイには圧勝しているではないか。今後もG1戦線を盛り上げてくれることは間違いないだろう。
  • 3着はセイウンスカイだった。サンデーセイラに終始からまれるという厳しい展開だったのも確かだが、私が期待した速いピッチの逃げをしなかったのが大いに不満である。私から見れば、やはり守りの走りだったように感じる。私が最も懸念していたスペシャルウイークとメジロブライトの理想的な展開になってしまった。とはいえ、日経賞の走りを考えれば、スローペースに落とすことも十分に考えられたし、私も何となくそんな気はしていた。結果論になるかもしれないが、やはり◎セイウンスカイは無謀だったと言えそうだ。菊花賞のレコード勝ちをあまりに高く評価しすぎてしまったようだ。ダービー4着、有馬記念4着を考えれば、かなり買い被ってしまったかもしれない。ただ、この馬が弱いと言っているわけではない。3200mでは展開が厳しかっただけだと私は認識している。中距離戦ならば、持ち前の粘りを発揮できるはずで、巻き返しも十分に考えられるはずである。
  • 4着はシルクジャスティスであった。直線の末脚はけっこう凄かった。最後はセイウンスカイを捕らえたと思ったが僅かに及ばなかった。最近は直線でまったく伸びておらず、この馬らしさが影を潜めていたが、今回の走りは復活の兆しかもしれない。もともと徐々に調子を上げてくるタイプなだけに、今回の走りはかなり意味がある。もう1度どこか叩いて、宝塚記念を目指せば、けっこう期待できるのではないだろうか。目が離せない存在になってきた。
  • 5着はステイゴールドであった。もともと分からない馬なので、何ともコメントしづらい。G1では必ず好走することを考えれば、今回の5着は「らしくない」と言えるが、この馬のイメージからすれば「いいところだろう」という感じである。今後についても何とも言いようがない。これで人気を落として、またG1で連対してしまうのだろうか。
  • ローゼンカバリーは6着であった。すでに7歳馬。5歳から徐々に成績が落ちていることを考えれば、やむ得ない結果だろう。G2までなら今後も何とかなるかもしれないが、さすがにG1では期待できないかもしれない。
  • マチカネフクキタルは7着であった。後方からの競馬で上がり35.1では完敗としか言いようがない。私は距離が向かないのだと思うのだが、どうだろうか。調子も絶好調まではほど遠いようである。
  • メジロランバードは8着であった。この馬にとっては絶好のコンディションだったはずなのに、結果はこのとおり。この馬のことを見直さないといけないかもしれない。
  • まあ、こんなもんですかねぇ。
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    参考
    G1天皇賞春の予想
    結論
    馬番連勝複式で下記の馬券

      ◎セイウンスカイ
      ○スペシャルウイーク

    にへい君の見解
  • ステイヤーNo1を決める伝統の天皇賞である。昔は秋の天皇賞も3200mだったので、天皇賞は「やはり3200m」という思いは強い。(もちろん秋天を否定しているわけではない。)私は意外と伝統とかに弱いので、どうしてもこのレースには「重み」みたいなものを感じてしまう。また、私は長距離レースが好きなので、天皇賞春にはどうしても思い入れが強くなってしまう。長距離レースというのは、ただ速いだけでは勝てないから面白いものである。ペース配分、駆け引きなど、騎手にかかる負担も相当のものである。そういう要素があるから面白いのである。ただ、ここ数年の天皇賞は、スタミナレースという感じがしないのが残念だった。スローで流れて直線だけの勝負という感じで、個人的には物足りない思いを持っていた。しかし、今年は違う。菊花賞をハイピッチのペースで逃げ、最終的にはレコードで圧勝したセイウンスカイがいるからである。この馬がいる限り、極端なスローは考えられない。後ろにスペシャルウイーク、メジロブライトが控えていることを考えても、直線だけの競馬に持っていくとは思えない。私は今からどんな競馬になるか楽しみである。久々に長距離レースらしい長距離レースを見ることができそうだ。
  • 私の本命◎はセイウンスカイである。やはり菊花賞のレコード勝ちを評価した。3000mという距離を考えれば、ハイペースと言っていいペースで逃げてのレコードなのだからその価値はかなり高い。逃げる馬が勝つパターンは大きく分けて2パターン考えられる。1つは、うまく自分のペースに持ち込んで、まんまと逃げ切ってしまうパターンである。これは人気薄の馬が逃げ切る時に見られるパターンで、平均ペースよりも遅いペースが圧倒的に多く、どちらかというと作戦勝ちみたいなもので、うまく騙したという印象を受ける。もう一つは、まったく逆のパターンで、ハイペースで逃げて、そのまま残ってしまうパターンである。このパターンは、言ってしまえば、強引な力技みたいなもので、相手としてはどうしようもないものである。ついていけば自分も潰れるのだから追えるはずもなく、相手が潰れないのだから追いつくこともできない。この2つのパターンを比べたときに、どちらの逃げ切りが強い内容であるかは一目瞭然である。ハイペースの逃げで勝つというのは、言ってしまえば実力が違いすぎたという結論に他ならないのである。ここまで説明すればご理解いただけるとは思うが、セイウンスカイの菊花賞の逃げは、まさしく後者のパターンであり、走破タイムがレコードだったことを考えても、実力が違ったという評価が正しいと私は思っている。菊花賞と同じようなレースさえ出来れば、結果はおのずとついてくるはずである。再び実力の違いを見せつけることになるだろうと私は見ているということである。ただ、不安がないわけではない。こういうハイペースの逃げは、諸刃の剣みたいなもので、ペースをちょっと間違えれば着外の危険性も出てくるハイリスクの戦法である。3200mという長丁場を考えても、ちょっとのミスが致命傷になりかねない。だからといって守りに入って少しペースを遅くしてしまうと、今度は後ろの馬にとっては理想的なペースになってしまうものである。抜けた存在がいなければ、それでも勝てるとは思うが、今回はメジロブライト、スペシャルウイークという強力な差し馬が控えており、直線だけの競馬になるとちょっと分が悪いかもしれない。やはり確実に勝つためには、ある程度ハイピッチで逃げて、後ろの馬を楽させない流れに持ちこむべきだと私は思う。そして、それができる馬だと私は思っている。個人的には、守りに入って3着ならば、攻めに攻めて着外の方がいいと思っている。ぜひとも、そういうレースをして勝ってもらいたい。そして、直線だけというまんねりの長距離レースの概念を変えてもらいたい。
  • 対抗○はスペシャルウイークにする。何と言ってもダービー馬である。3冠レースでは全て1人気だったことでも分かるとおり、イメージだけならば現5歳のエース的存在である。ダービーでは5馬身差圧勝と力の違いを見せつけており、その能力の高さは今さら言うここともない。それに加え、今年に入ってからのレースがまた強い。AJC杯では体調不十分にもかかわらず他を寄せ付けず、阪神大賞典では去年までの長距離のエースであるメジロブライトに完勝してしまった。5歳になってさらに成長したという印象が強く、残る相手は菊花賞で負けたセイウンスカイだけである。当時は、まさかあのペースで逃げ切るのは無理だろうと武豊は判断して無理に追わなかったのだろうが、同じミスは2度はできない。今度はセイウンスカイはばてないという前提のもとにレースを組み立てるはずである。武豊の計算をもってすれば、セイウンスカイの逃げにも対応してくるはずで、もちろん逆転も十分に可能である。本命にしても良かったくらいなのだが、私が気になっているのは、ジャパンカップの3着である。直線伸びると思われたところから、苦しがって内によれてしまい、結局エアグルーヴすら交わせずに完敗してしまった。今までは負けても「負けて強し!」の内容だったが、このレースで初めて「弱さ」を見せた。それまでは「日本のエース」に成長する馬だと信じていたが、あの負けで「かいかぶっていたかも」と私の評価は一気に下がってしまった。今回もG1では絶対的な馬ではないという評価が妥当だと思われ、菊花賞の着順どおりの評価が妥当だという判断を私はした。
  • 単穴はメジロブライトにする。去年のディフェンディングチャンピオンなのだから弱いはずがない。3000m以上のレースでは半端でない実績を誇るだけに、最も安定度があり信用度が高いのはこの馬である。上の2頭が着外に終わることがあっても、この馬が3着を外すということは考えづらい。そういう意味では軸にはもっともふさわしい馬かもしれない。上2頭の勢いに押されている形になっているが、セイウンスカイには有馬記念で先着しているし、スペシャルウイークには前走斤量が1kg重かったにもかかわらず僅差の勝負をしている。ほぼ同等の実力を持っていると考えていいし、他の2頭は3200mを経験してないのだから今回に限っては実績上位と見るべきだろう。この馬のことを舐めていると痛い目に会うことになる。ただ、4歳時にクラシックで結局1冠も取れなかったこと、宝塚記念、天皇賞秋では凡走していることを考えると、飛び抜けて強い馬という感じはしない。有馬記念がけっこう激しいレースだったのに、すぐに59.5kgで走ったり、前走も重馬場だったりと、疲れを癒すことなく走り続けている感じがする。何となくだが、去年ほどの勢いを私には感じない。それに、データ的根拠はないのだが、Sウイーク、Sスカイに比べると、やっぱり見劣りを感じてしまう。この馬が今年G1を勝つとすれば、距離から言っても春天しかないのだが、2連覇できるほどの器ではないと私は感じている。
  • 常識から言っても、ほぼこの3強で決まりでしょう。3頭BOXで買えば、かなりの確率で的中すると思える。しかし、この組合せで3点も買っては儲けなどないに等しい。ここは軸を1頭に絞って3強以外にも流すか、思いきって1点で勝負したいところである。2強対決とか3強対決とか言っても、意外とそれで決まらないケースも多いだけに、穴馬を求めたい気持ちもあるが、やっぱりこの3強のうちの2頭が連を外すなんて考えづらい。私は思いきって1点で勝負したい。これでメジロブライトが来ても悔いはない。それ以外の馬が来たら悩むかもしれないが・・・・
  • 4番手はメジロランバードにする。私は菊花賞の走りを高く評価している。前走前々走と4着に負けており、底を見せつつあるようにも思われるが、この馬は、軽い馬場の長距離レースを得意としていると私は思っている。菊花賞と青葉賞はそんな条件のレースであった。京都の3200mはこの馬にとっては願ってもないチャンスではないだろうか。私は穴を出すならばこの馬だと思っている。菊花賞ではスペシャルウイークと同じような内容のレースをしており、さらに200m距離が延びることで、逆転ということも理屈上は言えなくもないだろう。とは言うものの、前走勝馬に1.4秒差もつけられているのはあまりに問題である。本当にG1で連対できるような馬ならば、条件が多少合ってなくても、もう少し走っていいはずだ。やはり底力に欠けると言わざる得ない。
  • 5番手はステイゴールドにする。この馬は分からない。終わってみれば、またもや2着ということもあるだろう。その時はその時である。去年3度連対して、いずれも大穴にしているだけに、今回はさすがに人気になるだろう。今後は馬券的魅力がなくなるだけに、余計に買いづらくなる。ここまで来ると意地でも消したい馬になってしまう。
  • 6番手はシルクジャスティスにする。4歳で有馬記念を勝っている実績を忘れてはいけない。この馬の豪快な追い込みが決まれば、どんな馬も何も言えなくなる。そういう脚質だけに、前走がどんな走りだったにしろ、一発を警戒したくなるところだ。しかし、私が見た感じだと、この馬は徐々に調子を上げてくるタイプだと思う。前走の走りを見る限りでは、復活の兆しはちょっと感じられなかった。今回、復活を期待するのはちょっと厳しい感じがする。
  • 7番手はマチカネフクキタルにする。徐々にではあるが、復調してきている。菊花賞を勝っている実績から言っても、今回はけっこう恐い存在になりそうだ。しかし、私はまだまだ菊花賞のデキには戻っていないと思う。前走大阪杯2着も、サイレントハンターに負けているようではどうだろうか。それに、この馬は血統的にも長距離タイプとは思えない。菊花賞は勢いで何とかしてしまったが、古馬の3200mはそうはいかない。そいうことで私は今回はいらないと判断した。
  • 8番手はタマモイナズマにする。万葉S、ダイヤモンドSと2連勝し、3000mのレースならば強いところを見せている。距離は言うことないはずだ。しかし、前走の阪神大賞典で力の違いを見せつけられた感じは否めない。いくら3200mでもG1となると絶対的なスピードが絶対条件となるだけに、さすがにスピード不足は否めない。今回は掲示板までの存在だろう。
  • 9番手はローゼンカバリーにする。去年のこのレースで3着しているように、それなりの実力はある馬である。前走休み明けを叩かれて調子はかなり上がってきているだろうから、今回もチャンスはあるとは思う。だけどすでに7歳馬。成績が徐々に落ちていることを考えると、ここで初めてのG1連対というのは考えづらい。一発が恐いのも確かだが、私は去年より着順を上げることはないと見ている。
  • 10番手はユーセイトップランにする。3000m以上のレースを2勝している実績があるので距離は歓迎のはずである。アルゼンチン共和国杯で最後方から差し切っているように、開き直った追い込みに徹すれば、一発があってもおかしくない馬ではある。しかし、前走13着はあまりに問題である。いくら何でもG1で巻き返すのは無理だろう。
  • まあ、こんなもんですかねぇ。
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    G1天皇賞春出走馬
    馬名 買い&消し
    スペシャルウイーク
    (牡5・武豊58)
    買い H10ダービー優勝、H11阪神大賞典優勝、H11AJC杯優勝、H10京都新聞杯優勝など。何と言っても去年のダービー馬である。重賞もすでに6勝している。未だに3着を外したことがないという安定度もすばらしい。実績はほぼ文句がない。前走阪神大賞典でメジロブライトを完封し、今回の主役であることを強く印象づけた。阪神大賞典の優勝馬が、本番でも好成績を残す場合が圧倒的に多いというのも心強い。5歳になって逞しくなった印象を受けるだけに、セイウンスカイに勝って同世代No1を立証し、メジロブライトに再度勝って世代交代を印象づけたいところだ。もちろん鞍上は長距離に滅法強い武豊である。
    消し ダービーを圧勝しているので、この馬はとんでもなく強いというイメージがあるが、菊花賞をセイウンスカイに完敗し、ジャパンCでもエルコンドルパサー、エアグルーヴに完敗しているので、みんなが思っているほど強い馬ではないかもしれない。特にジャパンCでは苦しがって内によれていたのが印象的だった。G1で絶対的というほどの強さではないような感じもする。菊花賞で完敗したセイウンスカイに、またそのセイウンスカイに有馬記念で先着したメジロブライトに本当の実力を見せつけられて終わるということも十分にあり得る。
    セイウンスカイ
    (牡5・横山典58)
    買い H10菊花賞優勝、H10皐月賞優勝、H11日経賞優勝など。クラシック2冠という輝かしい実績を誇る。特に菊花賞ではレコードで逃げ切るというとんでもないことをしでかしている。やや速い平均ペースでレースを進めながら、上がりが35.1なのだから後ろの馬は手も足も出なかった。まさしく影をも踏ませる大逃走である。とにかく、長距離を速いペースで逃げ切ることほど強い内容はない。菊花賞と同じようなペースで逃げれば、ついてこれる馬はまずいない。さらに、日経賞を直線だけで5馬身離したことでも分かるとおり、タメ逃げでも十分に決め手はある馬である。直線に坂のない京都コースならば、どんな展開でも逃げ切り濃厚である。
    消し ダービーで4着、有馬記念で4着というのがあり、スペシャルウイーク、メジロブライトに完敗しているレースがある。速いペースで先行する展開になると、ちょっとペースを間違えただけで、どうしても踏ん張りが効かなくなる。菊花賞ではスペシャルウイークが人気をかぶってしまったので、ノーマークとなったが、今回はそうはいかない。少頭数ということもあり、目標にされることは目に見ている。まして、スローの展開だとSウィークもMブライトも早めに仕掛けてくるだろうから、決め手勝負に持ち込まれるとちょっと苦しいかもしれない。
    メジロブライト
    (牡6・河内58)
    買い H10天皇賞春優勝、H10有馬記念2着、H11阪神大賞典2着など。何と言ってもディフェンディングチャンピオン。長距離には滅法強い真のステイヤーである。強い5歳馬相手でも3000m以上のレースだけは譲れない。前走はスペシャルウイークに負けたが、斤量が1kg重かったわけで、今回はこの1kg差がなくなるから、逆転も十分にあり得る。セイウンスカイにも有馬記念で完勝している。長距離での安定度はピカ1だし、鞍上河内は長距離には滅法強い。
    消し 阪神大賞典で負けたのは痛い。斤量差はあったにしろ負けは負けである。阪神大賞典での2強対決は過去にもあったが、シルクジャスティス、マヤノトップガンと負けた方は本番では連すら確保できなかった。有馬記念から休みがないし、日経新春杯で59.5kgを背負い、阪神大賞典は重馬場と、疲れが残りそうなレースばかり走っている。さすがに去年ほどの勢いは感じないというのが正直なところだ。
    ステイゴールド
    (牡6・熊沢58)
    買い H10天皇賞春2着、H10宝塚記念2着、H10天皇賞秋2着。G1を3度連対した実績はかなり凄い。有馬記念でも3着にきているし、なぜかG1だと好走してしまう。G2G3では勝ちどころか、連対だって1度しかない。なのに、G1は好走するのである。こういう馬はあまり常識で考えない方がいいかもしれない。G1では好走する馬だと思っていた方が良さそうだ。ちなみに、去年の天皇賞春で2着しているのだから、距離コースは問題にならない。
    消し G1で3度連対している実績は凄いが、すべて2着である。しかも、勝馬には完敗という内容ばかりである。つまり、実力というよりは、うまく流れに乗ってしまったというか、運というか、潰れた馬を拾っていたら2着だったというか、とにかく、たまたま2着というイメージが強い。だいたい本当に強い馬であれば、G2G3で勝てないのはおかしい。前走も日経賞で3着に敗れているし、勢いとしてはあまり感じられない。
    シルクジャスティス
    (牡6・藤田58)
    買い H9有馬記念優勝、H9ダービー2着など。この馬の持ち味は豪快な追い込みである。この豪脚で、4歳にして有馬記念を制した。もちろんダービーも追い込みである。4歳時はとにかく強かった。菊花賞、ジャパンカップは5着に敗れたが、多少不利もありながら僅差なのだから内容は良かったと言っていい。それが現在は大スランプに陥っているわけだが、実力があるのは間違いないのだから、あとは気持ちの問題のはずである。こういうタイプは忘れた頃に復活するだけに、今回はなんとなく匂う。
    消し 確かに4歳時の実績は素晴らしかったが、すでに1年以上勝ち星どころか2着すらない。G1では掲示板すらないのである。もともと徐々に調子を上げてくるタイプなだけに、急に変わるというのは考えづらい。今回好走するためには、前走の走りになにか兆しがあるはずだが、そういうものは見受けられなかった。4歳時に急に成長した馬は、古馬になってから意外と伸びないタイプが多く、この馬も4歳時に力を使い果たしてしまった感じがする。
    マチカネフクキタル
    (牡6・佐藤哲58)
    買い H9菊花賞優勝、H9京都新聞杯優勝、H11大阪杯2着など。切れ味鋭い差しで神戸新聞杯、京都新聞杯、そして菊花賞と3連勝した。この時は、他の馬は手も足も出なかったと言えるくらい強かった。この時の菊花賞で3着のメジロブライトと5着のシルクジャスティスがその後G1をゲットしているのだから、この馬はそれ以上の実力があってしかるべきである。前走大阪杯2着などやっと復調の兆しが見えてきた。爪が弱い馬だけに、少しでも暖かくなるのはプラスのはずである。
    消し 菊花賞を勝ってからスランプに陥っている。前走大阪杯2着も相手が弱かったことを考えると、G1で巻き返すほどの勢いは感じられない。4歳春はいまいち君だったのに、秋になったら急に成長したというようなタイプは、ピークが短い場合がある。たとえばホワイトストーンもそうだった。菊花賞を勝っている実績はあるが、血統的には長距離タイプではないだろう。
    タマモイナズマ
    (牡6・小原58)
    買い H11万葉S優勝、H11ダイヤモンドS優勝。3000m以上のレースを今年になって2勝している勢いは買える。先行してしぶといレースをするタイプで、マイペースでレースを運べればおもしろい存在だ。天皇賞で穴を開けるのは、3000mで実績があった馬が多いだけに、注意は必要だ。
    消し 前走の阪神大賞典で5着に負けたのは痛い。さすがに準G1レースとなると格が違うようだ。後ろから行く馬だと最後まで脚を貯めて一発かますということも考えられるが、この馬にそこまでの決め手があるとは思えない。セイウンスカイという強力な先行馬がいるだけに展開に恵まれることもなさそうだ。
    メジロランバード
    (牡5・吉田58)
    買い H10青葉賞2着。この馬のベストレースは菊花賞だと思われる。セイウンスカイには大きく離されたものの、スペシャルウイークとは僅差の4着である。同じような位置から、まったく同じように伸びてきた。これはスペシャルウイークと同等の決め手を持っていることに他ならない。他ではやはり青葉賞だろう。この2つのレースの主な共通点は、どちらも軽い馬場だったことと、距離が長かったことだと思われる。つまり、この馬はスピード馬場での長距離レースを得意としていると思われる。京都3200mという舞台はこの馬にとっては願ってもない条件になるであろう。
    消し 重賞勝ちどころかオープン勝ちもない馬である。最近は準オープンを除けば、ほとんど4着と決め手の甘さを露呈している。条件が合わなかったにしても、G2くらいでは1度くらいは連対できないようでは、とてもG1で連対できるとは思えない。現3強に先着したこともなく、さすがに苦しい戦いになりそうだ。
    ローゼンカバリー
    (牡7・菊沢徳58)
    買い H11中山記念2着、H10日経賞優勝、H10AJC杯優勝など。昨年のこのレースで3着した実績が光る。後方で脚を貯めて直線だけで3着まで来た。それまでは先行する馬だったが、どうしてもラストが甘くなる傾向があったので、開き直って脚質を変換したと思われ、それが成功した形となった。去年の実績からも距離コースは問題ないし、少なくても前走よりは条件は良くなっているはずである。
    消し なんだかんだで2年以上勝っていない。単純に考えれば年齢と比例して成績が落ちているようにも感じる。前走も今回のために無理矢理出走したという感じがして、順調にレースを迎えたという感じがしない。後方一気という作戦も、一発という可能性は秘めるようになったが、逆に安定度はなくなった。やはり3200mという長丁場を考えると、もっと自在性のある脚質でないと厳しいと思われ、他力本願では限界がある。
    ユーセイトップラン
    (牡7・幸58)
    買い H10アルゼンチン共和国杯優勝、H10ダイヤモンドS優勝、H10万葉S優勝。この馬のベストレースはアルゼンチン共和国杯である。スローペースで先行馬有利の展開かと思われたところを、ほぼ最後方の位置から直線だけで差し切ってしまった。この時の上がりが33.8というのだから、はまった時の決め手はかなりのものである。3000mのレースを2勝している実績もあり、長距離レースはのぞむところである。
    消し G1ではジャパンカップの6着が最高で、掲示板すら載ったことがない。しかも有馬記念、宝塚記念では2桁着順である。G1では格下的イメージは拭えない。G2G3だと直線だけの競馬でも何とかなったが、さすがにG1となると先行する馬も決め手がしっかりしているだけに、そう上手くはいかない。もっと自在性がないと厳しい。さらに前走ダイヤモンドSで13着に負けているのは痛い。G3でこの結果では勢いを感じるこはできない。3ヶ月弱でG1を好走できるレベルまで復調しているとは思えない。
    アポテオーズ
    (牡6・四位58)
    買い 万葉S3着の実績がある。前走の大阪ハンブルクCも4着にきており、長距離レースは得意としているようだ。なかなか決め手のある馬のようなので、開き直ったレースをすれば一発あるかもしれない。
    消し 重賞出走経験もなく、ましてオープン連対もないような馬がいきなりG1で好走できるとは思えない。前走も4着に負けているわけだし、勢いを感じることもできない。常識的に見て、背伸びしすぎである。
    メイショウヨシイエ
    (牡9・村本58)
    買い H9金鯱賞2着、H10日経新春杯2着。重賞で連対した時はどちらも高配当を出している。この馬は前触れなく好走するから困ってしまう。いつ走るか分からないタイプだけに、もしかしたら一発があるかもしれない。
    消し 連対したのはしょせんG2の話である。G2で2着の実績しかないのに、すでに9歳となった現状で、G1連対を期待するのはあまりに厳しすぎる。はっきり言って常識をあまりに逸脱している。
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