G3小倉記念の感想
最悪の結果である。私が考えていたこととまったく逆の形になってしまった。思ったよりも楽にアンブラスモアが逃げてしまった。エイシンビンセンスあたりがもっと早めに仕掛けなければいけないのに、同じように直線まで脚を貯めていたのでは交わせるわけがない。楽をさせるとしぶといのが分かっているのに、なんで競り掛けないのか不思議である。ともに自滅するのが恐いのも分かるが、そんな根性のない走りでは勝てるわけがない。それにしても、2着にニシノダイオーとは。弱い馬ではないが、スピード馬場でこれだけ頑張るとは夢にも思わなかった。今回は完敗である。言い訳も何もない。
勝ったのはアンブラスモアであった。マイペースの完璧な逃げだった。私はこの馬の息を抜かない逃げでは2000mは持たないと思ったし、息を抜けば相手が早めに仕掛けるので潰されると思っていた。それでもこの馬が勝つためには息を抜いて逃げるしかなく、当然そういう戦法をとった。しかし、私の予想とは裏腹に他の馬たちが意外と攻めていかない。アンブラスモアはのほほんとマイペースで逃げている。なのに競り掛ける馬が1頭もいないのである。1000mを通過したあたりで、私はほとんどこの勝負は諦めた。アンブラスモアの距離の限界に賭けるしかないとも思ったが、4角の手応えを見て完全に終わったと思った。この馬の勝因は終わってみれば相手に恵まれたことになると思う。あの程度のペース(1000m58.8はけっこう速いけど)についてこれないなんて、ラッキーとしか言いようがない。それと平坦コースなので何とか2000mも克服できたようだ。まあ、なんだかんだ言っても、自分のレースをしっかりとやって結果を出したのだから、それは高く評価しないといけない。稍重発表でレコードタイムも立派である。とはいえ、今回の勝ちが次に必ず繋がるとは言い難い。ローカル重賞から中央重賞に戻れば、レベルが一気に上がるだけに、これからは厳しい戦いになる。この馬の本当の戦いはこれからということになるだろう。
2着はニシノダイオーであった。正直びっくりした。スピード勝負では分が悪いと思っていたが、このタイムで走られては文句が言えない。恐れ入りました、というのが正直な気持ちである。今思えば、この馬が苦手とするのは決め手勝負のレースであり、切れ味勝負になると弱いということだったかもしれない。つまり、多少時計が速くなっても、淀みのない流れで、切れ味よりも息の長い末脚が有利になる展開だと強い馬だったかもしれないということである。そうでなければ今回の走りは納得がいかない。単に速いタイムには対応できないと判断したのは、あまりに軽率だったということになる。今回のこの馬には勉強させられた。
3着はエイシンビンセンスだった。終わってみれば、別定戦では実力不足だったということになるのだろうが、もっと積極的なレースをしていれば結果が変わっていたのではないかと私は思う。前走の北九州記念よりも流れが緩かったのに、前走と同じような感じでアンブラスモアを追っては捕まえられるはずがない。ペースにあわせてもっと前で競馬をするべきだったのではないか。まあ、無理に勝ちにいって惨敗するよりは、3着でもしっかりと賞金を稼いだ方がいいから、こういう無難な乗り方は仕方ないのかもしれない。前走が強い勝ち方だったから今回もやってくれると思ったが、特に実力が抜けているわけではないことが今回のレースではっきりした。今後も別定戦では苦しいレースになるかもしれない。
4着はロングワールドであった。私はけっこう面白い存在だと思っていたので、そんなにはびっくりしていない。とはいえ、大きく離されての4着ではあまり評価もできないか。それでも56kgでもこれだけの走りができたのは収穫である。今後もローカル戦ならばけっこう走ってくれそうだ。人気がないときは特に注意が必要だろう。
5着はサクラエキスパートであった。去年までの実績を考えれば、ここで好走しても何の不思議もない馬だと思っていたが、5着とは中途半端だなあ。どうせ好走するならば2着まできてほしかったが、ここらへんが年齢的な限界なのかもしれない。もっと時計のかかる馬場ならばチャンスは出てくるのだろうが、今後はローカル重賞でも厳しい戦いになるかもしれない。
グランスクセーは8着であった。いくら前走レコード勝ちしたとはいえ、しょせん900万の話である。さすがに重賞では格が違いすぎたというところだろう。同型馬がいたのも運がなかった。まあ、これからの馬だろうから、この経験が今後に生きればいいのではないだろうか。
カネトシガバナーは9着であった。いい感じで先行していたので、これならばと思っていたら、ズルズルと後退していった。秋山騎手のコメントでは、ただ単に掛かっていただけらしい。もうがっかりである。こういう馬は復活の兆しを見せた次のレースで惨敗するから困るのである。次も分からないというより、どうでもいいという感じである。
サンライズフラッグは10着であった。レース後に足元を気にしていたらしい。故障であればこの惨敗も仕方ないところか。
まあ、こんなもんですかねぇ。
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