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G1秋華賞の反省

G1秋華賞の結果
1 8-16ブゼンキャンドル 安田康 1.59.3---36.1 466kg0 12人気
2 6-12クロックワーク 横山典 1.59.3クビ35.9 460kg+2 10人気
3 7-15ヒシピナクル 河内 1.59.41/236.8 480kg+6 2人気
4 5-10ウメノファイバー 蛯名 1.59.53/436.6 444kg+16 4人気
5 3-06フサイチエアデール 福永 1.59.6クビ37.0 438kg+8 3人気
単勝5760円 枠連8810円
複勝900円 770円 190円 馬連94630円
予想と見解 好材料と不安材料
G1秋華賞の感想
  • とんでもない結果になってしまった。まさかまさかであるが、レース自体はけっこう単純であった。ハイペースで流れるところをトゥザヴィクトリーが掛かってしまい2番手追走。他の有力馬はトゥザヴィクトリーをマークしなければいけないから、多少ペースが速くても前に行くしかない。それをハナッから一か八かの勝負を賭けてきたブゼンキャンドルとクロックワークは後方待機。直線に入ると、当然のようにトゥザヴィクトリーは全く伸びない。さらに、それをマークしていた馬たちも無理をしている分いまいち伸びない。それを後方待機策をとった2頭が一気に交わしてゴールである。今回のレースは完全にトゥザヴィクトリーに翻弄されたといえる。ふつうあれだけのハイペースであれば、もっと馬群が散らばるものである。それがトゥザヴィクトリーが前に行っただけで、みんな追いかけてしまうのだから、競馬はおもしろい。他力本願の2頭にとっては笑いが止まらない展開だった。とはいえ、これほどレベルの低いレースもめずらしい。当然のように58秒台が出ると思っていたのに、これだけのハイペースで59秒台決着とはがっかりである。本当に強い馬がいれば、楽に58秒台だったのだろうけれど、それだけのレベルの馬がいなかったということだろう。ブゼンキャンドルとクロックワークは自分の競馬をしただけなのに、勝手に有力馬が自滅したという評価が正しいのではないか。とにかく競馬というのは本当に何が起こるか分からない。この展開が予想できれば、少しは考えられたかもしれないが、スタート前にこんな展開になるなんて予想できるはずがない。4歳牝馬はこれだから困る。改めて4歳牝馬は信用できないことを思い知った。
  • 勝ったのはブゼンキャンドルであった。勝ちが転がり込んできたのだから安田康騎手は笑いが止まらないだろう。ローズSで完敗していたから、正攻法で勝ちにいくのは無謀なのは分かっていただけに、何の迷いもなく後方待機のレースをできたのが大きかったと思う。あとは前が崩れることを祈るだけだったが、まさか本当に崩れてくれるとは、棚からぼたもちとはこのことである。とはいえ、それもしっかりした末脚を持っていたからこそ、そのチャンスを見事に生かせたのだと思う。そういう意味ではローズS3着の実績は伊達ではなかったということになる。とにかく、勝ちは勝ちである。それなりに評価してあげないと可哀想だろう。ただ、今回のレースはそんなにレベルが高くなかったと思われるだけに、今後のこの馬については何とも言えない。けっこう厳しい現実が待っているような気がする。
  • 2着はクロックワークであった。いつもの戦法ではまた決め手不足となるだけに、いつもより積極的なレースか、思いきって後方待機かどちらかの作戦をとるとは思っていたが、横山典騎手らしく後方待機策をとってきた。結果的にそれが今回の展開にはまってしまった。もともと上がりのかかるレースは得意だっただけに、願ってもない展開だったといえる。結果論だが、ここまでハイペースであれば、もう少しだけ前の位置にいればこの馬のしぶとさがさらに生きたような気もする。まあ、そこまでは展開として読めなかっただろうし、仕方ないことだと思う。それよりも、少しでも賞金を加算できたことを喜ぶべきだろう。この馬の場合は、いろんな競馬ができるだろうから、今後もそれなりの活躍はしてくれるだろう。ただ、これからのG1は今回ほどレベルが低いということはないだろうから、G1の夢は諦めた方がいいかもしれない。
  • 3着はヒシピナクルだった。今回のレースで最も強い競馬をしたのはこの馬だと私は思う。道中は中団を進み、4角では早めにトゥザヴィクトリーを捕らえにかかるという積極的なレースを展開しての3着は非常に価値がある。もう少しトゥザヴィクトリーのことを早く見切っていれば、あんなに早く仕掛けることもなっかたろうに、そうすればたぶん圧勝していたはずである。完全にトゥザヴィクトリーに騙されたといえる。今回は運がなかったと思うしかない。それでもこれだけの内容の競馬ができたのだから次に必ず繋がると思われる。来年のエリザベス女王杯までこのまま順調に成長してくれればいいと思う。
  • 4着はウメノファイバーであった。休み明けを考えれば仕方ない結果だろう。これでもよく頑張っている。蛯名騎手がコメントしているとおり、「内回りコースだから早めに動くのは仕方ない。」というのが全てでしょう。勝ちにいくのであれば、どうしてもああいうレースになってしまう。もう少し直線が長ければ、もっと脚を貯めることができたのだろうが、今回は運がなかったと思うしかない。でも、京都の軽い馬場は合っているようだし、右回りも問題ない感じだった。とにかく軽い馬場が合っているということなのだろう。
  • 5着はフサイチエアデールであった。早め早めの競馬にしてはよく頑張っているとも言えるが、見せ場がなかっただけに、どうしても強いという印象を持てない。5着というのが妙に合っている感じもするのも私だけだろうか。展開に関係なくこんな着順だったのではないだろうか。
  • エアザイオンは6着であった。輸送で馬体が減っていたし、道中もけっこう揉まれていたらしい。キャリアを考えれば、こんな競馬で実力をだせるはずがない。それでも6着にがんばっているのだから大したものだ。これからもっと伸びる馬だと思う。
  • マイネレジーナは7着であった。前走1年以上の休み明けで2着という非常識なことをやった直後だっただけに、今回の走りが注目だったが、終わってみれば見せ場すら作れなかった。スムーズな競馬ができなかったようではあるが、本当に強い馬はそんなこと関係ないものである。ずば抜けて強い馬ではないことははっきりした。それでも、キャリアを考えれば、まだまだよくなる馬だろう。今後が楽しみである。
  • レッドチリペッパーは12着であった。距離のせいか休み明けのせいかよく分からないが、これだけ負ければ言い訳はできない。意外と成長していないということかもしれない。
  • トゥザヴィクトリーは13着であった。オークスの時のようにジワーっと追走するのかと思ったら、やたら前に出たがっていた。2角で交わされそうになったら、抜かれまいとするのだから、正直私は終わったと私は思った。その反面、この馬ならばそれでも何とかするかもしれないとも思っていた。そう思っていたのは私だけではないはずだ。河内騎手もそう思ったに違いない。だからあんなに早く仕掛けたのだろう。しかし、私も河内騎手もみんなこの馬に騙された。直線に入ったら全く伸びないではないか。これでは無理して仕掛けてきた馬たちの立場がなくなってしまう。今回の波乱を引き起こしのは間違いなくこの馬である。秋になってから、なんで難しい気性になってしまったのだろう。能力はあるのだから、あとは気持ちの問題だと思うのだが、果たして復活できるのであろうか。
  • まあ、こんなもんですかねぇ。
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    参考
    G1秋華賞の予想
    結論
     ◎トゥザヴィクトリー
      ○ヒシピナクル
      ▲マイネレジーナ
      △エアザイオン
      △レッドチリペッパー

     買い目(馬連)
      5-15(3,000円)
      5-14(1,000円)
      5-11(1,000円)
      5-8(1,000円)

    にへい君の見解
  • いろいろあって久々の予想になってしまいました。まあ、どうせ連敗中だったから楽しみにしていた人もいないでしょうけど、それでも私は競馬ができるというだけで嬉しくて仕方ないです。で、今週の秋華賞ですが、実は最近仕事がきつくて競馬のことを考える時間がほとんどありませんでした。そんな状況でいろいろと頭を悩ませたのですが、さすがに時間が少なすぎるようです。そういうことで、今回の予想はあまり自信がありません。ほとんど感性だけと言えるかもしれません。でも、意外とこういう時に限って的中するかもしれません。それはそれで複雑ですけど。
  • 私の本命◎はトゥザヴィクトリーである。私はオークスで一番強い競馬をしたのはこの馬だと思っている。負けたのは確かであるが、ウメノファイバーは一か八かの勝負をかけてきて、それがうまくはまったという感じがする。それに比べてこの馬は、確実に勝ちにいったレースをした。一か八かではなく、何がなんでも勝つというレースをしたのである。距離不安の残る有力馬が後方に控える中で、この馬は早めに仕掛け直線ではさっさと抜け出してしまったのである。こんなレースはスタミナに自信がなければ到底できない芸当である。もちろん、スピードは前提での話である。九分九厘勝ったと思った瞬間に、まさかの強襲にあったわけだが、あれは運がなかったと思うしかない。まあ、そういうことで2000m以上のレースであれば、現4歳馬で最も強いのはこの馬であると私は信じている。絶好調と言わないまでもそれなりの体調であれば連対を外さないと私は見ている。切れる脚がないのが気になるところではあるが、直線の長い東京コースで粘りきったのだから、京都コースでも粘りきれるだろう。まして、京都2000mは内回りコースなので、先行馬の方が有利となる。東京よりも楽にレースを進められるはずである。ただ、心配なのは前走のローズSで4着に負けたことである。圧倒的1人気に推されながら、あの負け方はどうだろうか。確かに休み明けで重め残りだったのだろうが、それにしても4着は負けすぎという感じもする。春の実力馬が、秋になるとまったく走らないということもあるだけに、この馬で絶対という感じはさすがに持てない。しかし、アネモネSでもだらしない負け方をしておきながら、桜花賞ではしっかり3着したように、叩かれると大きく変わるタイプだと私は判断したい。それに武豊は同じ失敗は繰り返さない。この馬を勝たせるための策は万全のはずである。前走4着は気になるものの、今回はこの馬に底力を信じてみたい。
  • 対抗○はヒシピナクルにする。まずローズSの勝ち方が素晴らしかった。トゥザヴィクトリーをマークするような形でレースを進め、直線ではきっちりと捕らえて、着差以上の強さでゴールした。休みを挟んでこれで3連勝であるが、前走、前々走の走りがとてもいい。単純に考えて距離が延びて良くなったのだと思う。ヒシアマゾンの全妹だということを考えれば当然のことかもしれない。であれば、今回のレースも期待は大きい。先行できるスピードも持っているだけに、展開も問わない。安定度ならばトゥザヴィクトリーよりもこっちかもしれない。鞍上も河内騎手ならば間違いはない。牝馬は勢いが重要なだけに、この馬を中心に考えるのがセオリーかもしれない。まあ、そういうことで、私はこの馬をけっこう評価している。トゥザヴィクトリーとこの馬の1点勝負でもいいかな、と思ったくらいである。でも、前走はトゥザヴィクトリーだけをマークしとけば良かったというアドバンテージがあったが、今回はメンバーが強化されているだけに、そういうわけにはいかない。G1という全体的に厳しい流れの中で実力を出し切れるかどうかに少し不安を感じる。やはり、すでにG1で結果を残している馬とそうでない馬では、その信用度がどうしても違ってくる。そういうことでもう少しだけ手を広げることにした。
  • 単穴▲はマイネレジーナにする。前走のクイーンSにはびっくりした。1年以上の休み明け、しかも大幅距離延長で重賞2着なんて常識では考えられない。こういう非常識なことをする馬は、とんでもない大物である可能性を秘めている。休み明けであれだけの走りをするのだから、叩かれた今回はどんな走りをするか本当に楽しみである。私としては、もし上の2頭を実力で勝ちきるとすれば、まだ底を見せていないこの馬だと思えてならない。そういうことで高く評価した。もちろん、休み明けの激走で反動が出る可能性もあるし、クイーンSはレベルが低かっただけということも考えられる。そういう意味では前走だけでは実力を判断できないというのも正直なところではある。とりあえず「大物でなければ非常識なことはできない」という私の持論からすれば、この馬を切ることはとてもできない。
  • 4番手はエアザイオンにする。クイーンSを勝って、その素質を一気に開花させた。危なげないレースぶりで、とても500万を勝ったばかりの馬とは思えなかった。レースぶりが安定しているだけに、大崩はしないだろうし、まだ底を見せていないというのがやはり大きな魅力である。藤沢-岡部コンビでもあるだけに、どうしても気になってしまう。まだキャリアが浅く、G1で力を出せるかどうか不安も大きいし、小さな馬なので輸送も心配である。惨敗されても文句が言えない馬ではあるのだが、上2頭に勝てるとすれば、まだ底を見せていない馬としか考えられないから、私は押さえることにした。
  • 5番手はレッドチリペッパーにする。今回の予想では基本的に休み明けの馬は評価しないことにした。ただ、その中でなぜこの馬だけを選択したかと言えば、クラシック戦線を戦っていないからである。外国産馬だから当然と言えば当然だが、もしこの馬がクラシックを走っていれば、もしかしたら桜花賞あたりは勝っていたかもしれない。NHKマイルC3着という実績を考えても、十分に考えられる話だと私は思う。となれば、今回のレースでも実力上位の可能性は否定できない。たとえ休み明けでも力の違いを見せつけるということも十分に考えられる。軽い馬場を得意としており、京都コースであれば相当の切れ味を見せるはずだ。けっこう器用なタイプだけに、京都2000mもこなせるだろう。休み明けに距離と大きな不安もあるだけに、これ以上は評価しづらいが、とりあえず押さえは必要だろうと私は考えた。
  • 6番手はクロックワークにする。とにかく決め手がなくてここ3戦はすべて3着である。こういう馬は常識的にはどんなに頑張っても3着という評価が正しいのだろうが、G1という厳しいレースだと意外にもこの馬の堅実というか、しぶとい末脚が生きてくるような気がしてならない。前走3着に敗れたが、リアルシャダイ産駒は休み明けは走らないと言われているだけに、叩かれて大きく変わることも十分に考えられる。そういうことで私はけっこう気になっている1頭である。でも、京都コースを考えると、この馬のジリ脚ではやっぱり通用しない公算が高いような気がする。配当的に手を伸ばすことも考えたが、やはり最終的にはどんなに頑張っても3着だろうという結論にした。
  • 7番手はウメノファイバーにする。オークスを勝ったのだから実力は間違いなくある馬である。しかし、重賞3勝がすべて東京というのはやはり極端すぎる。なぜ東京と相性がいいのか分からないだけに、何とも言えないが、左回りで直線が長いのがいいのであれば、京都の内回りコースで好走することはないと思われる。ただ単に軽い馬場が合っているのであれば、京都でも走れるとは思うが、やはり不安の方が大きくなってしまう。輸送が苦手ということも考えられ、休み明けという不安もある以上は、今回は思いきって消しとしたい。これで勝ってしまったら実力を素直に誉めるしかない。
  • 8番手はフサイチエアデールにする。これまでの実績を考えれば、当然押さえるべき1頭の馬である。前走2着も休み明けということを考えれば上出来の走りだったし、ラストチャンスを虎視眈々と狙っているはずである。しかし、私にはどうしても強い馬とは思えないのである。なぜ?と聞かれると、なんとなくとしか言いようがないが、ここ一番での勝負強さに欠けるような気がするのである。これが桜花賞の時のように武豊が乗ってくれるというのであれば話は別だが、福永くんではけっこう不安である。まあ、そういうことで特に理由はないが、私は買わないことにした。
  • 9番手はゴールドティアラにする。ユニコーンSを圧勝して、その実力を見せつけた。芝だともっと切れるという説もあるようだが、私はダート戦では無敗ということを考えても、ダートでこその馬だと思う。つまり芝では無理だと判断したい。
  • 10番手はゴッドインチーフにする。春のクラシック戦線ではかなりの人気を集め、大きく期待された馬だったが、桜花賞4着、オークス12着といいところなく終わってしまった。この負け方から、私はその程度の器だったんだという判断しており、秋はいらない馬だと思っていた。TR戦で強い内容を見せてくれば、考えが変わったかもしれないが、ぶっつけで勝負してきた以上は評価を変えるわけにはいかない。私は実力不足だと思っている。
  • 11番手はハギノスプレンダーにする。アネモネSでけっこう強い勝ち方をしているだけに、実力は意外と持っているような感じを受ける。前走のローズSも5着ならば、巻き返す範囲内だと考えられ、展開次第ではチャンスがあるかもしれない。まあ、そうは思っていても、この程度の実力ではあまりに頼りない。京都の軽い馬場も合いそうにないだけに、ここも掲示板がいいところだと思う。
  • 12番手はメジロビクトリアにする。古馬900万を勝ったときは、これならばと思ったが、前走のセントライト記念で14着に負けているようでは、あまりに厳しい。確かに牡馬との戦いだったので、牝馬限定戦ならばもっと戦えるのだろうが、それにしても連対までは難しいだろう。先行して、どこまで粘れるかだが、トゥザヴィクトリーも早め早めの競馬をしてくるだろうから、厳しい展開になりそうだ。
  • こんなところですかね。
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    G1秋華賞出走馬
    馬名 買い&消し
    ヒシピナクル
    (牝4・河内55)
    買い ローズS優勝。この馬の魅力は何と言ってもヒシアマゾンの全妹だということである。3歳時は実力不足でなかなか勝てなかったが、この秋に復帰してからの勢いは凄い。古馬900万で完勝し、続くローズSも完勝してしまった。以前とは明らかに違う馬になっている。良血開花にふさわしい活躍である。距離が延びてよくなったのかもしれない。ここ2戦の戦いは、先行して直線で抜け出すというレースをしており、安定度の高い走りを見せている。大きく崩れることは考えづらい。
    消し 前走のローズSは勢いで勝てたが、G1で活躍したような馬は休み明けだっただけに勝負付けが終わったとは言いがたい。一戦一戦が勝負だったこの馬と秋華賞に標準を絞っていた実績馬とはその仕上がりが全く違っていたはずである。実績馬が本気になるのは今回である。また、その他の有力馬との勝負付けが済んでいないのも事実である。それにレベルの高いレースで先行すると、予想以上に力を使ってしまい、直線で伸びないということも考えられる。
    フサイチエアデール
    (牝4・福永55)
    買い 桜花賞2着、ローズS2着、4歳牝馬特別優勝、シンザン記念優勝、4歳牝馬特別2着。オークス5着を除けば、重賞ではすべてに連対しているという実績はあまりに凄い。常に実力を出し切れる安定度は信用度が大きい。前走休み明けながら2着を確保し、その実力が衰えていないことを証明した。叩かれた効果は大きいはずで着差を考えれば、巻き返しは必至である。
    消し この馬の判断は非常に難しい。実績が凄いのは確かであるが、あまり強さを感じないというのが正直なところである。重賞を勝つ時は相手が弱すぎたという印象が強いし、2着のときは武豊がうまく乗ったというイメージが強い。今回も武豊騎乗であれば問題はなかったが、今回は福永である。武豊と比べれば信用度が落ちるのはやむ得ない。オークスでは見せ場がなかったし、2000m戦は2着2回とはいえ1勝もしていない。4歳牝馬特別(阪神)の走りを見ても、1400m〜1600mが合っている馬のような感じもする。
    ブゼンキャンドル
    (牝4・安田康55)
    買い ローズS3着。夏も休まず走って、900万を3着3着2着とけっこう安定した走りを見せていた。そこから秋華賞の切符を賭けてローズSに出走したわけだが、見事にトゥザヴィクトリーを交わして権利をゲットした。今までは先行していたが、ローズSでは後方からの競馬がはまったようである。G1だと先行馬が崩れる展開も十分に考えられるわけで、今回も後方で待機していれば、チャンスが出てくるかもしれない。
    消し 前走3着とはいえ、前2頭とはけっこう離されているだけに、さらに上の着順を目指すのはあまりに苦しい。しかも、夏場を使っていたのだから大きく変わることも考えづらい。さらに、休み明けの実力馬がさらに良くなってくるわけだし、ローズSに出走していない実績馬が多数出走してくるわけだから、この馬の立ち場はあまりに厳しいものだと言わざる得ない。
    エアザイオン
    (牝4・岡部55)
    買い クイーンS優勝。まだ4戦しかしていない遅れてきた大器である。3勝2着1回と連対率パーフェクトである。格上挑戦となったクイーンSも横綱相撲で完勝し、その素質の片鱗を見せつけた。まだ底を見せていないというのが大きな魅力であり、さらに大きなことをやってくれそうな感じもする。藤沢和厩舎だけにその期待は大きい。気性は素直そうなので安定度はありそうだ。
    消し クイーンSのレベルはそんなに高くなかったと思う。オークス8着のクロックワークが1人気だったくらいである。このメンバーに勝ったからといって、秋華賞でも好走できるという裏付けにするのは厳しい。春の実績馬はまだまだいるだけに、それらとの実力関係は未知数であり、まったく相手にならないということも十分にあり得る。G1の厳しい流れに戸惑い実力を出し切れないということも考えられる。
    マイネレジーナ
    (牝4・松永幹55)
    買い クイーンS2着、函館3歳S2着。クイーンS2着はかなり凄い。1年以上の休み明け、4歳になっての初レース、距離も大幅延長と、常識では好走できる要因は何もなかったはずである。それを2着してしまうということは実力が違ったとしか言いようがない。叩かれた上積みが見込めるのであれば、次はとんでもない走りをするかもしれない。
    消し 一番心配なのは休み明け激走の疲れである。いわゆる2走ボケである。休み明けであれだけの競馬をすれば、かなり疲れそうな気もする。中2週ローテでどこまで回復できるかだろう。また、クイーンSのレベルがそんなに高くなかったとなると、その他の有力馬との力関係が問題となる。まだ未対決なのだから、力の違いを見せつけられて終わることも十分に考えられる。
    クロックワーク
    (牝4・横山典55)
    買い クイーンS3着、ラジオたんぱ賞3着、4歳牝馬特別3着。とにかく安定度は抜群である。牡馬混合のラジオたんぱ賞でも3着しているように、どんな相手でも大崩れしないのが特徴である。決め手の甘さが気になるところだが、レベルの高いレースだとスタミナ勝負となることもあり、切れ味よりも息の長い末脚の方が武器になることもあるので、まったくチャンスがないわけではないと思う。リアルシャダイ産駒は休み明けは走らないだけに、それで3着ならば上出来と考えれば、叩かれた今回は大化けする可能性もある。血統的にはもっと距離があった方がいい感じもするが、気性的にこのくらいの距離の方が合っていそうだ。
    消し とにかく決め手がないのが問題である。上がりのかかる展開になればいいが、決め手勝負になれが勝算はまずない。安定度が高いのはいいが、ここまで3着続きだと魅力が薄れる。しかも、レベルが低かったと思われるクイーンSで3着に負けているだけに、さらに相手が強くなることを考えると巻き返しは厳しいと言わざる得ない。オークスも9着に負けているわけだし、G1では出番のない馬なのかもしれない。
    ウメノファイバー
    (牝4・蛯名55)
    買い オークス優勝、クイーンC優勝、京王杯3歳S優勝。オークスを勝っているのだから、桜花賞馬プリモディーネが出走しない以上はこの馬が最上格ということになる。オークスではほとんど最後方から一気に差し切っているように破壊力のある末脚が武器である。切れ味重視の京都コースならばこの馬の切れ味が生きるはず。休み明けも力の違いということも十分に考えられるし、かえっていいという馬だっている。
    消し まず休み明けが不安となる。一般的に牝馬の休み明けほど信用できないものはない。現にトゥザヴィクトリーがローズSで惨敗している。陣営がいくら大丈夫といっても、結果はあんなもんである。ファビラスラフインの例もあるので、絶対とは言えないが、一般的には休み明けは大きなマイナスである。次に、この馬は東京コースでしか実績がない。左回りがいいのか、長い直線がいいのか、よくは分からないが、とにかく東京でしか実績がない。問題は京都コースも未経験なので、コース相性がどうかである。ただ、内回りなので直線はそんなに長くないし、右回りでもある。軽い馬場というのはいいのだろうが、果たしてどうだろうか。あとは輸送が苦手ということも考えられる。
    トゥザヴィクトリー
    (牝4・武豊55)
    買い オークス2着、桜花賞3着。オークスでは早めに抜け出し、押し切るかと思った瞬間に、まさかのウメノファイバーの強襲にあい、ハナ差の2着となってしまった。でも着差を考えても、内容を考えても、最も強い競馬をしたのはこの馬だったと言っても過言ではないだろう。桜花賞でも先行馬が崩れる中で唯一3着に粘っていたことを考えても、この馬の潜在能力は相当なものである。前走まさかの4着に敗れたが、桜花賞もTRのアネモネSで同じような感じで3着に敗れながら巻き返しているので、そんなに気にすることはないだろう。叩かれて良くなるはずで、本番ではきっちり仕上げてくるはずである。
    消し この馬は強い強いと言われているが、実は重賞を未だに勝っていない。切れる脚質ではないだけにどうしても詰めが甘い印象がある。切れ味勝負となると分が悪いかもしれない。それに前走4着に負けていることでも分かるとおり、ずば抜けた実力を持っているわけではない。アネモネSもそうだったが、ちょっとしたことで負けてしまう脆さがある。どうしてもラスト100で一気に交わされそうな気がしてしまう。
    エイシンルーデンス
    (牝4・野元55)
    買い チューリップ賞優勝、紅梅S優勝、フェアリーS2着。最も強いレースだったのはチューリップ賞である。マイペースの逃げだったとはいえ、1.35.1という好時計で走っているのは実力の証明である。とにかく気持ちよく走れるかどうかが鍵となる。ノーマークだとあれよあれよと逃げ切ることもあるかもしれない。
    消し 桜花賞、オークスと惨敗しているようにG1だとちょっと厳しい感じは否めない。距離もマイルくらいの方が合っているように感じられ、2000mは長い感じがする。前走もいいところなく終わっているだけに、叩かれた上積みを見込んでも勝ち負けまではどうかという感じがする。ハイペースで逃げるタイプではないだけに、逃げる展開も厳しいと思う。
    ゴッドインチーフ
    (牝4・四位55)
    買い エルフィンS優勝、チューリップ賞2着、ファンタジーS2着。阪神3歳牝馬Sで4角で大きな不利を受けながら3着にきたり、エルフィンSで8馬身差で圧勝したり、桜花賞までは超1流の評価を受けていた馬である。その桜花賞だって4着は確保しているのだから立派なものである。息の長い末脚が武器であり、ハイペースになると決め手を発揮するタイプである。
    消し オープン特別を2勝しているものの、重賞は勝ったことがない。どうもレベルの高いレースでは決め手が甘くなる感じがする。34秒台で上がったことがないことを見ても、決め手勝負だと厳しそうだ。まして、休み明けでの出走では常識的にはマイナスと評価せざる得ない。オークス惨敗からも2000mの距離にも不安を感じる。
    レッドチリペッパー
    (牝4・藤田55)
    買い クロッカスS優勝、クイーンC2着、フラワーC2着。NHKマイルC3着の実績を見ても、相当の実力の持ち主である。切れる末脚が武器であり、軽い馬場は得意としている。取りこぼしが多い感じもするが、クイーンCは相手がウメノファイバーだったし、フラワーCは超不良馬場だった。ラジオたんぱ賞4着も牡馬相手に斤量が厳しかったという言い訳がある。外国産馬なので、初めての牝馬限定となるが、牡馬混合のG1で3着している実績を考えると、圧勝しても何の不思議もないことになる。
    消し 2000mという距離が不安である。経験していないだけに半信半疑である。クロッカスSの勝ちっぷりを見ると、どちらかというと短距離馬のような感じもする。それに、休み明けでいきなりG1というのはやはり不安である。ファビラスラフインの例もあるが、あれは例外中の例外だと思う。まだ重賞を勝ったことがないことを考えても、意外と決め手がないとも言え、大崩れはしないものの、勝ちきる力はない馬ということも考えられる。
    ゴールドティアラ
    (牝4・田中勝55)
    買い ユニコーンS優勝。ユニコーンSはダート戦であったが、牡馬混合の重賞を勝っていることは価値が高い。クイーンCで3着、中日スポーツ3歳Sで4着しているのだから芝でも問題はない。前走はかなり強い勝ち方だっただけに勢いは十分である。ダート1800mであれだけ走れるのだから芝2000mのスタミナはあるだろう。
    消し しょせん前走はダート戦である。実績から芝にも対応はできるだろうが、勝ちきれないレースが多く、前走の強さを見る限り、ダートでこその馬である可能性が高い。前走大幅に馬体が減っていただけに、馬体回復も難しそうだ。距離も2000mは未経験である。
    フレンドリーエース
    (牝4・柴田未55)
    買い スイートピーS優勝。このときは道中は後方に控え4角で仕掛け直線突き放すという完璧なレースぶりだった。この夏は札幌に参戦し、牡馬を含む古馬と戦った経験は大きなものである。道新杯4着などなかなか成績を残しており、4歳牝馬限定のレースならばという気持ちもあるだろう。
    消し オークス16着、ラジオたんぱ賞5着、クイーンS5着と重賞での実績はいまいちである。特に前走のクイーンSは相手がそれほどでもなかったと思われる中で、直線失速するような形で負けたのはあまりにだらしない。ラジオたんぱ賞でもそうだったが、ここ一番での決め手に欠けるような気がする。
    エフテービルサド
    (牝4・武幸55)
    買い 忘れな草賞優勝、ジュニアC2着。2000mのオープン特別を勝っているのは大きな魅力である。先行して粘りきるというのがこの馬の好走パターンであり、先行馬有利の京都2000mは合っていると思われる。牡馬混合のジュニアCで2着したこともあるだけに、牝馬限定戦ならばという気持ちもあるだろう。
    消し 重賞だとクイーンC7着、4歳牝馬特別4着、オークス18着と成績が悪くなる。先行するタイプなだけに大きなレースだと粘りきれないのだろう。そういう意味では今回も厳しい戦いになりそうだ。まして休み明けではさらに不安である。
    メジロビクトリア
    (牝4・吉田55)
    買い 夏のローカル線で500万、900万と連勝したように、かなり力をつけてきている。4歳限定戦であれば、古馬900万を勝てる実力があれば十分に通用する。前走のセントライト記念では惨敗したが、展開が合わなかったし、牡馬相手では仕方ないところもあった。先行してしぶといタイプなだけに京都2000mは合うかもしれない。
    消し 前走のセントライト記念14着は問題である。確かに牡馬との戦いだったし、展開も合わなかっただろう。しかし、G1を狙うということを考えれば、いくら何でも14着は負けすぎだろう。重賞で連対したことがあるわけでもないし、どうしても底を見せてしまったという印象が強い。
    メジロサンドラ
    (牝4・芹沢55)
    買い 前走古馬900万を勝っているのは好感が持てる。勢いを感じることができるし、4歳牝馬限定戦ならば十分に通用する実績である。トゥザヴィクトリーの同僚であり、稽古も一緒に積んでいる。強い馬との併せ馬で実力がついてくることはよくあることだ。先行するタイプなので京都2000mは合うだろう。メジロマックイーン産駒で少しでも距離が延びるのはプラスだろう。
    消し 前走はハンデに恵まれたという感じは否めない。それまで大崩はしないが勝ちきれないというレースが続いていただけに、大器という感じも受けない。いくら4歳牝馬限定とはいえ、ここまでレベルが上がってくると、それなりの決め手を持っていないと通用しない。重賞初挑戦というのは大きな不安である。
    ハギノスプレンダー
    (牝4・熊沢55)
    買い アネモネS優勝。このときは先行するトゥザヴィクトリーを直線で軽く交わし完勝した。その次の桜花賞も5着とまあまあの結果を残し、実力があるところを見せている。前走のローズSも5着にきており、休み明けを考えれば上出来の結果だろう。牝馬は叩かれると大きく変わる場合もあるだけに要注意である。そういえば、去年のナリタルナパークもローズSでは5着だったはずである。
    消し アネモネSは完勝しているものの、あのときは重馬場で切れ味勝負にはならなかった。桜花賞、ローズSと5着に負けているのは、やはり切れ味がないためだと思われる。であれば、京都の軽い馬場では厳しい戦いになるかもしれない。前走もそんなに見せ場はなかったし、G1連対まで巻き返せるかどうかは疑問である。距離も少し長い感じがする。
    ピサノガレー
    (牝4・佐藤哲55)
    買い 前走古馬900万を勝っているのは好感が持てる。勢いは十分に感じられる。ブライアンズタイム産駒であり、大一番に強い血統である。オークス出走の経験もあるだけに、とんでもないことを起こすこともないとは言えない。
    消し 3勝すべてが1200m戦である。常識的に見て短距離馬としか思えない。4歳牝馬特別6着、オークス13着ということを考えても、2000mでは厳しい戦いになるだろう。前走もローカル福島でのものだし、G1でも好走できるというにはちょっと厳しいものがある。
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