18日(金)

Cotes du Rhone Village Seguret 2017 [Dom. de l'Amandine (Les Familles Verdeau et Suter)]
名称Côtes du Rhône Village "Séguret" 2017
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ "セギュレ" 2017
生産者Dom. de l'Amandine (Les Familles Verdeau et Suter)
ドメーヌ・ド・ラマンディーヌ (レ・ファミーユ・ヴェルドー・エ・ステ)
価格1,136円 (6本セット6,911円(10%off):単品価格2,068円)
購入店京橋ワイン

 本日の夕食は、トンテキ、鶏と野菜のクリーム煮(昨日長女が作ってくれた残り)、 ブロッコリーとトマトパプリカとロースハムのサラダ、イカフライ、ベーコンとトマトとキャベツのスープ。 昨日の残りがあるのにちょっと作りすぎたな。

 そしてワインは、道場で稽古経験の少ないシラーと稽古していきましょう、ということでコート・デュ・ローヌの赤。 品種構成はシラー60%/グルナッシュ40%、先日買った『すべてパーカー【90点以上】赤ワインセット 6本』の中からの一本です。 パーカー・ポイントが93点である旨のステッカーが誇らしげに貼られています。 またツイッターで「こういうセットを買った」とツイートしたら『その中でコレは美味いです』と反応も頂いたので、期待して稽古致します。

 さて抜栓、コルクはDIAM3です。色は、思ったよりは濃くなくて、やや赤みのある紫色。南ブルゴーニュの濃いヤツくらいの色合いです。 香りは「あーっ、そうそうコレコレ!」なツンッと来るフルーツ香。アメリカンチェリーとイチゴっぽい雰囲気はこれまた南ブルゴーニュ的ですが、 それ以外の胡椒のようなスパイシーな感じがブルゴーニュと違って間違いないローヌらしさを感じます。 口に含むと「美味いな、コレ!」です。渋味はそこそこ、酸味は穏やかで、顕著なのは甘味です(糖度8.2)。 アルコール度数が14%もあるのでゴクゴクとは飲めませんが、案外スムーズでスイスイ入ります。

 いや~、確かに美味いわ。パリッとした主張のあるワインです。 もちろん、ローヌらしい若干の田舎っぽさ(青畳っぽさ)はありますが、 それでもこれは単品価格の2,000円でもお買い得。 さすがは師範も認める「安ワイン発掘名人」のパーカー君が93点を付けただけのことはあるな。

点数81点
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指南書


スワリングに関する考察


スワリング

 最近、ツイッター上でスワリング(Swirling:グラスの中でワインの液体を回して空気に触れさせる行為)の功罪、方法に関して議論が高まっている。 もちろん、生産者、酒販店、ソムリエさん、消費者、それぞれの立場・考え方があってしかるべき。 それらを尊重しつつ、師範はここで「安ワイン者にとってスワリングとは?」の考察結果を開示したい。 項目は大きく2つ、
 ・スワリングはするべきか
 ・スワリングはどう行うべきか
の二点。それではご清聴頂きたい。


教義

スワリングはするべきである

 スワリングの主な目的は、ワインの香りを開かせ、香りを取りやすくするためにある。 17年前にしたためた「飲む」の頁に既出だが、 ワインはその香りに金を払っている部分が大きいので、それを最大限享受できるよう努力することは当然である。 なので安ワインに関してはスワリングは「した方が良い」。

 ただし、ここで敢えて「安ワインに関しては」という条件を加えたのには訳がある。 一部の高級ワインなどにおいては「しない方が良い」場合があるからである。 まずはその「しない方が良い」場合から述べていきたい。


 しない方が良い場合1:極めて香りに富んでおり変化も期待できるワイン

 スワリングなんかしなくたってガンガン香りは出てくるし、 刻一刻と香りが変化するようなワインにおいては、乱暴にスワリングして変化を早めるのはかえって悪である。 こういうワインは、液体に口を付けず香りの変化を感じながらウットリするのが良い。 ただし、そんなワインは「安ワイン」にはまず無い。


 しない方が良い場合2:非常に熟成が進んだ「香りが脆い」ワイン

 開けてすぐは果実の香りがちゃんとしたんだけど、 ちょっと時間が経ったら香りが弱くなり酢酸臭や埃っぽいだけの雰囲気になってしまうご年配のワイン、 これもスワリングしない方が良い。こちらのケースは安ワインにも稀にあるので注意されたい。


 上記二例以外は、スワリングして悪いことは無い。 特に安ワインの場合、香りのボリュームはそれほど大きくないことが多いので、スワリングには明らかな効果がある。 ただし、もしかすると上記二例に当てはまる可能性も無いことは無いので(ほとんど無いが)、 注いですぐはスワリングせずに香りを取ることをお薦めしたい。 そこで「やっぱ香り弱いよなぁ、コイツ」と思ったら、好きなだけグルグルすると良い。 スワリングすることで香りのボリュームのみならず、傾向まで変わって感じられることがある。 「スワリングはダメ」派だと変わる前の香りしか体験できないが、 「スワリングはする」派で「スワリングせずに嗅ぐ→スワリングして嗅ぐ」を行うことにより、 両方を体験出来てお得ともいえる。


教義

スワリングは反時計回り(※)に回せ

(※)右利きの場合


 スワリングの際の液体の回し方、こちらも議論が多い項目である。 議論のポイントとして「液体がこぼれた際に他者に迷惑をかけるかどうか」という点は一致していると思う。 それに対し、上記に教義とした通り「反時計回り」を推奨する派と、 「回す方向は関係ない」とする派、どちらも存在している(「時計回り」推奨は見たことが無い)。 道場では、スワリングの回し方に関して2つのケースを想定し、その上でやはり「反時計回り」を推奨したい。


ケース1:グラスを宙に持って回す場合

 立席の場合やテーブル表面の滑りが悪い場合は、グラスを手で宙に持ってスワリングすると思う。 その場合、右利きの方であればグラスを少し左側に傾けるはずである。 このケースだと、回転する液体とグラスの縁が最も接近するのはグラスの左側になる。 その最もクリティカルな部分で、液体の進行方向を「向こう側から手前側(こぼれる方向が自分側)」にするには反時計回りに回す必要がある。 グラスを直立させてスワリングする御仁もあるかもだが(右手持ちで右側に倒す人は見たことが無い)、その場合でも下記ケース2の理由が適用される。


ケース2:グラスをテーブルに置いて回す場合

 ちゃんとしたレストランなどでは滑りの良いテーブルクロスがあるので、グラスはテーブル上に置いたまま、 台座の部分を指で押さえてスワリングすることも多いと思う。 この場合、ケース1のようなグラスの傾きは無いので、一見どちらに回しても良さそうに思える・・・が違う。 液体を回す際には遠心力を利用した方が楽である関係から、力を加えやすい身体から離れた(グラスの向こう側)部分で液体の速度が最も速くなる。 それが速くなりすぎるとグラスの縁を超えて液体が溢れるわけだが、その溢れた先が反時計回りだと左側/時計回りだと右側になる。 もちろんグラスが目の前にあればどちらに溢れようが関係ない。 しかし、大抵グラスは利き手側(右側)にあって、 目の前(グラスの左側)には「自分の料理」という緩衝地帯がある。 なので、反時計回りに回す方が他者に迷惑をかけるリスクが少ないと言える。


・・・などと屁理屈をこねてきたが、口のすぼまったワイングラスに適量注いだ状態だとまずこぼれることは無いし、こぼした人を見たことも無い。 なので本音は「回す方向は関係ない」なのだが、重箱の隅をつついてあくまで可能性を考えると、という意味で上記を教義とした。

 実際のところ、人によって回しやすい方向ってあると思う。手をどちら向きに動かす方がスムーズか、ということなので、テニスを考えると判りやすい。 右利きで反時計回りが回しやすい人はフォアハンドが得意な方、時計回りの人はバックハンドが得意な方、という関係性があると思われる。 従って、「回す方向は関係ない」と言って憚らない御仁は『バックが好きな野生的性癖の持ち主』と考えてよかろう。


 そして師範は左利き。スワリングでこぼれることなんかより、左隣の人とグラスが当たる/取り間違えることの方がリスクが大きいよ。

<2019/10/17 記>

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