フランス遠征稽古日誌


10/24〜11/1の間、師範・師範代の両名は、ワインの総本山フランスで遠征稽古。 訪問地はニースとパリ。飛行機と宿だけがセットになった格安パックでの旅行。
あ、フランスに行ったからって、「ワイナリー訪問」とかはしておりません。 ただ飲んで喰ってダラダラと、な旅であります。

ちなみに、フラン→円換算レートは、1FF(1フランスフラン)=18円くらい。
また、大抵のレストランは「税・サービス料込み」の価格です。


10月24日(日)

(日本)晴れ/(ニース)雨

成田空港までは自家用車利用なんで、意外と早く成田空港へ到着。 時間潰しにカードの会員サービスで利用できるラウンジへ。
軽食(パンとか)が無料で食べられるってんで、搭乗ゲートからは結構離れていたんだけど訪問。 行ってみたら相当広いスペースに客2組のガラッガラ状態、旅の前から思いっきりのんびり気分を満喫。
また、ここではビール・ワインとかも飲み放題なんで、 調子に乗って生ビールを飲んだ後以下のワインを一杯ずつ。

Manns 甲州辛口 N.V.
マンズ 甲州辛口 (ヴィンテージ無し)
マンズワイン
マンズワイン

(日本)
(日本)
99/10/24 成田空港第一ターミナル "東ラウンジ"
色は激薄、ほとんど無色に近い色。 香りは非常に生食ぶどうの香りが強くて、ネオ・マスカットあたりをそのまま食べてるみたいな感じ。 敢えて醸造ぶどうに喩えるとソーヴィニョン・ブランに近いかな。 味は、見た目から想像されるより濃い感じで、やや甘味が強調されている。
まぁまぁであります。
(65点)成田空港第一ターミナル "東ラウンジ" にて

Manns Chardonnay N.V.
マンズ シャルドネ (ヴィンテージ無し)
マンズワイン
マンズワイン

(日本)
(日本)
99/10/24 成田空港第一ターミナル "東ラウンジ"
上の甲州同様薄い色合い。やっぱり日本で濃い色のぶどうを作るのって難しいんですかね。 香りは確かに若いシャルドネらしい感じがある。味…かなり酸味が強い。
このワイン本来の味というより、抜栓されてから相当長い時間が経った、 という感じが強かった。
(58点)成田空港第一ターミナル "東ラウンジ" にて

Manns Cabernet N.V.
マンズ カベルネ (ヴィンテージ無し)
マンズワイン
マンズワイン

(日本)
(日本)
99/10/24 成田空港第一ターミナル "東ラウンジ"
色は、普通の若いカベルネに想像する青紫色よりやや鉄錆っぽい色側へよった静脈血色。 香りはカベルネらしい固くて埃っぽい感じの香り。 味はガッシガシ。渋味ばかりが強調されて飲みづらい感じ。
やっぱり日本の赤ワインって難しいのかなぁ。
(55点)成田空港第一ターミナル "東ラウンジ" にて

良い気分でのんびりしてたら、いつの間にか搭乗の最終案内の時間。

行きの飛行機は成田発→パリ(シャルルドゴール)行き、12:00発エールフランス AF275便。 機材はB747-400。
フランス旅行らしくエールフランス利用、安ワイン道場らしくエコノミー席利用であります。

で、エールフランス、サービスはまぁ普通です。 アイマスクや耳栓がサービスで配られるのはちょっと良いけど、 「飲み物巡回サービス」があんまり無くて、 欲けりゃ取りに来るか申し出ろってのが基本みたいなのがちょっと面倒。
機内食は、

まぁいわゆるエコノミーの機内食、「美食の国フランス」を期待してはいけません。 ただ、ワインはちょっと充実、ここらへんはフランスらしいっすね。
機内で飲んだワインは以下。

Nicolas Feuillatte Brut Reserve Particuliere N.V.
ニコラ・フューヤット ブリュット・レゼルヴ・パーティキュリエール (ヴィンテージ無し)
Centre Vinicole de la Champagne
セントル・ヴィニコール・ドゥ・ラ・シャンパーニュ
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
99/10/24 エールフランス機内
国際線に乗ったら、必ず「スパークリング・ワインはありますか?」と聞くことにしています。 そしたら『シャンパーニュならありますけど』のお返事。 嬉しいじゃないですか、さすがエールフランス。
このワイン、実はスクリューキャップなんだけど、コルク風の帽子を被っててちょっとお茶目。 この小さいボトルの裏にはちゃんとセパージュも書いてあって、 シャルドネ20%, ピノ・ノアール40%, ピノ・ムニエ40%らしい。 また「ゴールデン・イエローの色」とか「洋梨とリンゴの香り」とかまで書いてある。
で、飲んだ結果、確かにおっしゃる通りゴールデン・イエローで洋梨やリンゴの香りあり。 味はやや苦味があるけど、バランスは決して悪くない。
とにかく、エコノミーの機内で出されるワインとしては図抜けていることには間違無し。 「エコノミーの機内でシャンパン飲み放題と洒落込みたい」方にはエールフランス、 お勧めであります。ただ、料理と飲み物のリストにシャンパーニュは書いてないので要注意。
72点エールフランス機内にて

Grand Cuvee des Cadets d'Aguitaine N.V.
グランド・キュヴェ・デ・カデ・ダギテーヌ (ヴィンテージ無し)
Borie-Manoux
ボリー・マヌー
Blanc
Bergerac
ベルジュラック
Sud Ouest (France)
西南地区 (フランス)
99/10/24 エールフランス機内
料理と飲み物のリストには、白一種(これ)と赤二種が書いてあるんで、 とりあえず全種類いってみましょう、ってことで。
色はかなり薄め、香りもかなり弱め。味も、特ににどうということはなく、 いわゆる普通の白ワイン、といえばこれかなぁ、という感じ。
クセも無いしトゲも無いけどパワーも無い、万人に嫌われない白。
62点エールフランス機内にて

Fontant de France Syrah '97
フォンタン・ドゥ・フランス シラー '97
Fontant de France
フォンタン・ドゥ・フランス
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
99/10/24 エールフランス機内
エコノミーの機内で赤が2種類選択できる、ってあたりはさすがワインの本場の航空会社。
色は濃い目の青紫で、香りは若いシラーらしいイチゴジャム的香りが強い。 やや甘目ながらなんだか真ん中が抜けたようなトボケ系の味わいも、なかなかシラーらしい。
バランスは悪くなくて、シラーらしいシラーだなぁ、と。
68点エールフランス機内にて

Les Terroirs Cabernet Sauvigon N.V.
レ・テロワール カベルネ・ソーヴィニョン (ヴィンテージ無し)
Borie-Manoux
ボリー・マヌー
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
99/10/24 エールフランス機内
もう一方の赤は、同じラングドックのヴァン・ドゥ・ペイで品種がカベルネ・ソーヴィニョン。 もう一種ピノ・ノアールあたりがあれば凄いのになぁ。
色は暗い青紫、香りはベリー香が中心、味は若々しい渋味満載。 教科書に出てきそうなくらい典型的なカベルネ・ソーヴィニョン。 まぁ「教科書を読んでもあまり楽しくない」、って部分も同様なんだけど。
65点エールフランス機内にて

パリへはほぼ定刻(17:10)に到着。

パリからニースへは、同じくエールフランスで 18:25発 AF7708便。機材はA-321。
こちらは国内線なんで食事サービスは無しだけど、ビールは飲めるんでビールを頂いて。

ニースのコートダジュール空港到着後、タクシーでホテルへ。
ホテルは、ニース市内の中心部にある"Nice Rivoli (ニース・リボリ)"というところ。 あんまり広くない部屋だけど、 リゾートに行ったのと違ってホテルは寝るだけの場所だから、 ホテル自体の快適度はそれほど気にしません。それより立地のほうが大切。 そういった意味ではまぁまぁ合格のホテル。朝飯はイマイチだったけどね。

ホテルに着いて一息入れたら、夕食を食べに外出。
行ったのは、ガイドブックに「魚屋がやってるカフェ」として載ってた"Grand Cafe de Turin (グラン・カフェ・ドゥ・トゥラン)"。 午後10時前に行ったんだけど、店内大盛況。 生の魚介類が色々なんであれこれ悩んでたら10時オーダーストップらしくて、 値段をあんまり見ずに慌てて頼んだのが以下。

非常に味わいが濃く(生臭い、とも言うかな)まぁ美味かったんだけど、ブロン産生カキがバカ高。 確かに、魚屋とかで見てもブロン産の丸いカキってお値段高め。 レシートに打ち出されてるし、確認したんでボラレちゃったってことはないと思うんだけど。 あ、水はタダでした。

飲んだワインは、

ホテルに帰って、ようやく長い長い初日の終わり。


10月25日(月)

ニース初日はあいにくの雨。雨だと屋外を歩き回るのは大変だし、 ニース名物の花市場は月曜はやってないみたいなんで、列車に乗ってモナコへ。
モナコでは宮廷とか水族館とかカジノ(の入り口)とかを見物。 宮廷では衛兵の交代を見たかったんだけど、残念ながら雨のため中止。 水族館はなかなかの見ごたえ。底の色によって体色の変わるイカをボーッと眺めてたり。 カジノの前では、アラン・デュカスの三つ星レストラン"Louis XV (ルイ・キャイーンズ)"を発見。

昼飯は、宮廷広場そばの軽食屋、"Creperie du Rocher (クレペリー・デュ・ロシェ)"にて。
食べたのは、

他には水 16FF (約290円)とエスプレッソ2つ 18FF (約320円)。
小さ目だけど、重くて塩味の強いピザ。 またアンチョビは、魚嫌いな人だったら顔を近づけるのも辛いくらいの強い香り。 塩辛に近いレベルですな。
全体的に「ま、観光地の軽食屋でこれだったら上等か」という感じ。

ニースに帰ったら、町中とかスーパーを見物。
スーパーでのワインは安いね。一番下は100円代からで、 (シャンパーニュを除けば)高くても1,000円くらい。 当然ながら安ワイン天国ですなぁ。

夕食は、ミシュラン2本フォーク星無し、シーフードレストランの"Boccaccio (ボッカチオ)"にて。
船のキャビンを模した店内はなかなか広くて、ゆったりとした気分になれます。 英語メニューもあるんだけど、英語メニューにはいわゆる"Menu(コースメニュー)"がありません。 これは、結構どのレストランでもそうみたい。

食べたのは、一人200FF (約3,600円)のコースメニューで、

その他、水 15FF (約270円)とカプチーノ2つ 36FF (約650円)
カキは前日とうってかわった素直な味、フォアグラはかなりのボリューム。 エビのフリカッセは美味いんだけど付け合わせの量が多すぎ、魚の衣揚げはまぁこんなもんか。 レモンシャーベットは、なみなみとウォッカをかけてあるんで、 アルコールが苦手な人には食べられません。
ここで飲んだワインは以下。

Clos d'Albizzi '98
クロ・ダルビッジ '98
F. Dumon
F.デュモン
Blanc
Cassis
カシス
Provence (France)
プロバンス (フランス)
140FF (約2,500円)99/10/25 レストラン"Boccaccio"
ワインリストは4ページくらいで、100種類くらい載ってたかな。 当然現地のワインを飲もうと思って、選んだのがこのワイン。 "Cassis"って、果実のカシスと違って「カシ」と発音するのかと思ってたけど、 店の人は「カシス」と発音してた。
色は結構黄色味が強くて濃いのかなぁという感じなのに、粘性は低くてサラリとしている。 香りはアルコール感が強いんだけど、蜜入りリンゴっぽい香りもある。 味は案外スルリとしていて、良く言えば軽快、悪く言えば拍子抜けな味わい。
『現地の料理と現地のワインの相性は素晴らしい』なんてことを信じてたんだけど、 まぁそこそこ普通の相性に思えました。生牡蛎には嬉しいんだけどね、軽快で。
68点レストラン"Boccaccio"にて

総額591FF (約10,600円)、そんなに激ウマってわけじゃないしサービスも普通だけど、 ワインも飲んだしゆったりした雰囲気を考えれば、 まぁそこそこ満足なレストランでした。


10月26日(火)

曇り時々晴れ

本日は、朝から花市場や食品市場を見物したり城跡へ登ってみたり。 城跡のふもとには墓地もあってちょいと見物。面白いもんですね、外国の墓地。

今日の夕食は重そうだということもあって、昼食は軽くファーストフード的なお店で。
入ったのは"China Fast Food (チャイナ・ファースト・フード)"というそのまんまな名前のお店。 頼んだものは、

揚げ物とか一応揚げ直してくれるんで、まぁそこそこ美味いなぁなんて食べてたけど、 化学調味料が強すぎるのと油が良くないので胸ヤケ。軽くいくつもりがかえって胃に負担。

歩き回ったのと、旅の疲れが来たのもあって午後は昼寝。昼寝に飽きたら近所のデパート、 "Galeries Lafayette(ギャルリー・ラファイエット)"を覗いたり。

夕食は、ニース市内唯一の星付き(4本フォーク2つ星)レストラン、 ネグレスコ・ホテルにある"Chantecler (シャントゥクレール)"へ。

由緒正しい一流ホテルのメイン・ダイニングだけあって、内装はマホガニーが基調でゴージャスそのもの。 でもちょっと古臭い感じはするけどね。20くらいのテーブルがゆっくり置かれているくらいの広さ。
客の半分くらいは日本人。でも、いわゆる「ツアーで食事」みたいな団体さんは居なくて、 4人連れが1組あった以外みな2人連れ。 「ネグレスコ・ホテルに泊まるツアー」みたいなので来た人たちが個人的に食べに来てるのかな。 そんな中に着物の女性が居た。いやーアッパレな気合の入れ様であります。

食べた料理は、師範/師範代とも"Le Menu Chantecler (ル・ムニュ・シャントゥクレール)"で、 師範はチーズ無し415FF (約7,500円)、師範代がチーズ込み460FF (約8,300円)。
内容は、

他には、水 36FF (約650円)とエスプレッソを2つ 40FF (約720円)

過去、ミシュラン2つ星のレストランには2度ほど行ったことがあって、 その時の良い印象からかなり期待してたんだけど、正直言ってちょっと物足りない料理。
美味いには美味いんだけど驚きが無いというか、 日本のちょっと気の利いたレストランなら6,000円位で出されそうな料理。 盛り付けも、非常にオーソドックスというかクラッシック。 山羊のローストとかは『今日からの新メニューです』なんて言われたんで特に期待したんだけど、 イマイチヒットせず。 そんな中で、アンコウのポアレはオーソドックスながらなかなか美味しかった。 やっぱり海のモノが良いんですかね、ここは。

サービスも「これが2つ星?」と首をかしげたくなるような局面もあった。 師範代が「もうワインは結構」と言ったのに注ぎに来るし、「残りのワインはホテルに持ちかえります」 と言っても注ぎに来るし。魚料理は食べ終わったのにまた魚料理用のナイフ・フォークを並べようとするし。 帰る時、預けたコートを言わなきゃ持ってこないし。
まぁそんな感じなんだけど、サービスの人は「田舎のおっちゃん」っぽい人が多くて、 あんまり憎めないというか、そういうおおらかさもアリかなぁ、なんて思えるんだけどね。

で、飲んだワインは以下。

Savigny-Les-Beaune 1er Cru "La Dominode" '94
サヴィニ・レ・ボーヌ 1級 "ラ・ドミノード" '94
Dom. Bruno Clair
ドメーヌ・ブルーノ・クレール
Rouge
Savigny-Les-Beaune 1er Cru
サヴィニ・レ・ボーヌ 1級
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
315FF (約5,700円)99/10/26 レストラン"Chantecler"
ワインリストは24ページ、1ページに20〜30種ほどあるんで500種くらいのラインナップ。 当然プロバンス産が多くて、珍しいところではDRCがゴロゴロ、ボルドーは思いのほか少なかったのが印象的。 リストを見る前までは、ニース産のワインである "Ch. de Bellet (シャトー・ドゥ・ベレ)"ってのを飲もうと思ってたけど、赤だと400FF超。 ちょっと高いなぁと思いつつ他のページもパラパラ見てたら、ブルゴーニュで造り手シモン・ビーズ、 サヴィニ・レ・ボーヌのどこだったかの一級畑、86年が315FF。「こりゃ安い!」 と思ってソムリエのおっちゃんに相談。そうしたら
『うーん、今日のメニューは魚が多かけど、意外と味わいは強いけん赤を選ぶのは正解ばい。 ばってんシモン・ビーズのコレはちょっと弱か。下のブルーノ・クレールだったらもっと良かよ。 そやけど飲むとはあんたやけん、シモン・ビーズが良かならそれにしなっせ。(注:ニース訛りの英語を九州弁で表現)』
とのことだったんで、最初の意思通りシモン・ビーズを注文。ソムリエさんは
『最後の一本やったと思うけど取ってくるね』
と言って取りに行ったけど、
『ゴメンばってんシモン・ビーズのは無かった。これでどうね?』
とブルーノ・クレールを持ってきた。
まぁ無い物はしょうがないし、もうソムリエさん持ってきちゃったんでブルーノ・クレールを飲むことに。 このブルーノ・クレール、リストには395FFとか書いてあったんだけど、払ったのはシモン・ビーズの値段である315FF。 おっちゃんがオマケしてくれたのかな。
…と、前置きがメチャ長くなったけど、このワイン、相当アタリでした。 結構濃い目の色合いで、木苺みたいな果実香とミルクみたいな樽香が一体となってガンガン感じられるし、 味わいも最初から丸くて太くてブルゴーニュの良さ満点。
ブルゴーニュなんか選んじゃって「土地のワインとの相性」は知り得なかったけど、 美味かったから良いのさ!
87点レストラン"Chantecler"にて

総額1,266FF (約23,000円)。料理はちょっと残念だったけど、ワインが美味くて安かったから良いや。


10月27日(水)

晴れ

今日はニースからパリへの移動日。天気はピーカンの良い天気。ちょっと悔しいなぁ。
ニースからパリへの移動は、エールフランス 9:50発 AF7701便。機材はA-320。 なんだかパリの空港(シャルル・ドゴール)が混雑しているらしく、 予定より1時間以上遅れての出発。シャルル・ドゴールまで飛んできたら、 空港はものすごい霧に包まれてた。 それでも降りるのね、雲の中に突っ込んだと思ったらほんの数秒後には地面に着陸。 いやーお見事オミゴト。

空港で、パリとその近郊の地下鉄/電車/バスが乗り放題になる定期、 "Carte Orange (カルト・オランジュ)"を1-5zone 166FF (約3,000円)で購入。 これだと空港から市内への列車にも使えるし、パリ滞在中の移動も全部オッケーなんでとても便利。

ホテルは、地下鉄8号線の終点"Balard (バラール)"駅前にある"Forest Hill Balard (フォレスト・ヒル・バラール)"。 交通の便はなかなか良し。快適さ二の次で…なんだけど、さすがにこのホテルの部屋はちょっと狭すぎ。 エアコンもあんまり効かない(常に暑い)し、窓を開けると大通りの車がうるさいし。 ホテルは旅行会社が選ぶシステムのパック旅行だからしょうがないけどね。

本日は、ホテルに着いたのがもう3時前だったこともあって昼飯は抜きにして、 近所のスーパーで買ったバナナとぶどうを、近所の公園で食べることに。
昼時の公園にはお子様がいっぱい居て「バナナ食べてるぅ」と興味深げ。 連れてる親御さんが「"ボナペティ"って言いなさい」とお子様に言い聞かせてた。 なんだか動物園の猿になった気分の師範・師範代。

夕食は、凱旋門の近くにあるミシュラン1本フォーク星無しのビストロ、 "Le Bistrot de l'Etoire (ル・ビストロ・ドゥ・レトワール)"へ。
このビストロ、向かいが二つ星レストラン"Guy Savoy (ギー・サヴォワ)"で、経営はそのギー・サヴォワ。 実は、ギー・サヴォワは今回一旦は予約したんだけど、他のところに行きたくなってキャンセルしたレストラン。 で、同経営のビストロへ行けば、その片鱗くらいは味わえるかな、と。 7時頃行ったらまだ開店前、7時半から開くってことだったんでその場で予約。

食べた料理は、

他に水 20FF (約360円)、エスプレッソ2つ 30FF (約540円)

いやー、良いですここ。ギー・サヴォワの片鱗どころか、 結構良いとこまで味わえちゃってるんじゃ無いかと思うほど。(パンはギー・サヴォワと同じらしい)
前菜のサラダはいわゆるヌーヴェル・キュイジーヌって感じの華やかなものだし、 スープも驚きのある味わい、煮込み料理も、ただ煮込んだだけじゃなく一工夫あって楽しいし。
サービスのお兄さんは、12人くらい入る客席を一人で切り盛りしてたんだけど、 十分行き届いておりました。フレンドリーなサービスで、知ってる日本語使おうとしてくれるし(牛すね肉頼んだ時、"ちょっと待ってね" と言って厨房に消えたんで、在庫切れかなぁと思ってたら、帰ってきていきなり「ギュウスネニク」だって。 要は日本語を調べに行ってくれてたのね)
結構狭い店だけどあんまり気にはならないし、 窓際の席(ってほとんどの席が窓際)だったんで本店ギー・サヴォワへの人の出入りも見えて楽しかった。
ここで頼んだワインは当然これ。

Graves "Guy Savoy" '96
グラーヴ "ギー・サヴォワ" '96
Moliani
モリアーニ
Rouge
Graves
グラーヴ
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
160FF (約2,900円)99/10/27 ビストロ"Le Bistrot de l'Etoire"
ワインリストは見開き一枚、50種くらい、値段は100FF〜300FFくらいだったかな。 そんなに高いワインはなくて、「まぁ気軽に楽しんで下さいよ」的な余裕が見て取れます。 で、選んだのは当然「ギー・サヴォワ印」。だって(多分)ここでしか飲めないからね。 120FFくらいのACボルドーもあったんだけど、ここはひとつ奮発して160FFのグラーヴを。 隣りの席のフランス人男性二人も同じワインをチョイスしてたんで、案外良い選択だったのかな?
色は明るめ、ボルドーというよりイタリアっぽい色合い。 香りは、ブドウ由来の華やかな果実香が中心で、樽とかの複雑さはあまり無い。 味は、最初渋味を強く感じたけど徐々に開いて甘味が増し、 若くて活発なワインの良さを楽しめるワインとなった。
大絶賛なんてことは有り得ないし望むまれてもいないワインだと思うけど、 結構良い感じでありました。
75点ビストロ"Le Bistrot de l'Etoire"にて

総額597FF (約10,500円)。我々の身の丈に合った感じで、 値段の割にはなかなか満足度の高いレストランでした。


10月28日(木)

曇り

今朝は、ヴェルサイユ宮殿を見物。
パリは三度目の師範もヴェルサイユ宮殿はお初。 オーディオガイドとか借りて気合を入れて見たけど、まぁ要は熊本城見物に毛が生えたようなもんですな。 庭の広大さはさすがに目を見張るけど。

昼は、なんだか良さげな軽食屋もなかったんで、駅の売店でサンドイッチを買って電車の中で食事。 サンドイッチ一個20FF (約360円)は高いと思うなぁ。売り子のお姉さんに『飲み物は?』って聞かれて、 「いらないよ」って答えたら怪訝な顔をされたんで飲み物込みだったのかも知れないけど。

午後は、デファンス地区で新凱旋門に登ったり、ヨーロッパで最大のショッピングセンター"キャトル・タン"を覗いたり。 やっぱりスーパーのワインは安くて羨ましいですな。

一度ホテルに帰ってシャワーを浴びた後、新進気鋭の3つ星レストラン"Arpege (アルページュ)"へいざ出陣。

このレストラン、1996年に3つ星を獲得、シェフはAlain Passard (アラン・パサール氏)。 安ワイン道場とはいえ「やっぱり一度は3つ星へ行きたい」という気持ちから、前述のGuy Savoyを止めて選んだのがこの店。 実は、この店の前に"Taillevent (タイユバン)"や"l'Ambroisie (ランブロワジー)"にも電話したんだけど、 約1ヶ月前にもかかわらず予約で一杯。フランスの3つ星でディナーを食べたい方は出来るだけ早目にご予約を。

店の雰囲気はあんまり豪華な感じではなくて、 やや暗めで、15テーブルくらいのやや狭めなダイニング(席間は広い)。 豪華絢爛なインテリアより、こういう雰囲気のほうがビシッとしまった感じがして 「美味いもん喰わずぞ!」って雰囲気は伝わる気がする。
お客に日本人は我々だけ。日本人のみならず旅行者風の人は少なくて、 パリ在住のグルメな上流階級、年齢は30〜40歳台って感じの人が多かった。

で、このレストランにはコースメニューは無く、アラカルトで食べた料理は以下。

他には水2本 60FF (約1,080円)、エスプレッソ2つ 50FF (約900円)。

何というか、とにかく冴えまくった料理で、食べる者に対して挑戦的、度胆を抜かされる皿の連続でした。
アミューズの卵からして凄い。蜂蜜の甘味とか胡椒の刺激とかが順を追って出てくるんですよ。 「なんじゃこりゃ」な味わいだけど、それがまた素晴らしい美味しさ。
生ガキは、一見単なる生ガキに香草の葉を一枚乗せただけなんだけど、 カキの身のまわりは緩いゼリー状のもので固めてあるし、身の下には生クリームと胡椒。 絶妙なハーモニーとはこのことですな。
何と言っても凄かったのはエビのカルパッチョ。生エビの甘味とキャビアの塩味の取り合わせは抜群。 なぜオリーブオイルが小豆島産なのかは謎だけど、 多分いわゆるオリーブオイルの香りが強くなるのを嫌ったのかな? キャビアは「キャビアって美味いんだ」と初めて感じた。 8,000円近くもする前菜だけど、その価値ありの逸品。
メインの2品とデザートは、いずれもこのお店のスペシャリテ。 メインはリードボーと子鳩。 リードボーはボリューム満点で、栗とトリュフの取り合わせという経験したことのない妖しい雰囲気。 鳩も丸一羽。表面の甘さと身の塩味が対照的。ここの料理に共通して言えることだけど、 甘味と塩味の対照を際立たせるものが多くて、それが複雑かつ謎めいた雰囲気を出しています。
デザートのトマトのファルシはとにかく強烈な香り。 満腹の頂点に達した我々にはさすがに刺激が強すぎたかな(でも食べ終えたけど)

そういう強烈な料理と共に、驚かされたのはサービスの徹底ぶり。
グラスが空になるとか、飲めない師範代のグラスにワインを注がれちゃうとか、 そんな一般的な心配は全く無し。
1つの料理を2皿に分けてくれるのも当然といった風。 トイレに立ったら、即座にナプキンを新しい物にセッティングし直してくれます。 トイレには手を拭いた使用済みタオルを入れておく筒があるんだけど、 そこに前の方が使用したタオルは入っていたことがありません。
なにより驚いたのは、師範代がメインの途中でトイレに立ったら、食べかけの皿を一旦キッチンに下げて、 温められた新しい皿に盛り直され、さらに新しくソースをかけて出してくれたこと。

とにかく驚いちゃったね、師範は。
ウェイティング・バーもない、そんなに広くなくゴージャスな感じもしないお店なんだけど、 ここが3つ星な理由は、その才気に溢れた料理と徹底しまくったサービスにあるな、と痛感。

そんなお店で頼んだワインが以下。

Billecart Salmon NFB '90
ビユカール・サルモン NFB '90
Billecart Salmon
ビユカール・サルモン
写真無し
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
120FF (約2,160円)99/10/28 レストラン"Arpege"
メニューを見る前『食前酒はいかがいたしますか?』ときたんで、 いくらだか知らないけどここは当然シャンパーニュでしょう、と思い注文。 そうしたら、年号付きのゴッツいシャンパーニュが大き目のフルート型グラスになみなみと注がれました。 一杯2,000円超。普通に考えたらえらく高いんだけど…。
これが高いと感じないのね。まずあの量だったらボトル1本から5杯くらいしかとれないでしょう。 それと、なにより凄かったのがその質の高さ。 師範がこれまで飲んだ中で、最も美味しいシャンパーニュでありました。 恐ろしくキメ細かな泡。焼きリンゴのような華やかで香ばしい香り。 重すぎず軽すぎず、素晴らしいバランスの味わい。
普通のシャンパーニュだったらキューって飲んじゃうんだけど、おかげでここのはずいぶん長持ちしました。 フランス語のメニューからアラカルトで料理を選ぶのって相当時間がかかったんだけど、 その間ずーっと残ってましたから。
90点レストラン"Arpege"にて

Morey-Saint-Denis '90
モレ・サン・ドニ '90
Faivley
フェヴレー
Rouge
Morey-Saint-Denis
モレ・サン・ドニ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
700FF (約12,600円)99/10/28 レストラン"Arpege"
ワインリストは豪快なもので、まぁ百科事典かアルバムみたいな感じ。 100ページくらいはあったかなぁ。 それぞれのページに10〜30位の書かれてるんで、軽く1,000種を超えるラインナップ。 こうまで多いと、いちいち見てたら何時間も経ってしまいます。若干途方に暮れていると
『ワインはいかがいたしましょうか?』
との声が。「ぉを、フランス語がスルスル耳に入ってくるぞ」と思ったらやっぱり日本語でした。←(C)光弘さん
対応して頂いたソムリエさんが名古屋のホテルキャッスルでチーフソムリエをなさっておられる伊奈さんという方で、 一年間の修行ということでこちらに来られてました。
「もうここまで多いとワケが分かりませんので、1,000FF未満で、柔らかで香りが華やかなブルゴーニュをひとつお願いします」
と言ったら
『1,000FFもありますと結構お選びいただけますよ。ナニナニとかドレソレとか…』
と客の心をくすぐるお返事が。 そんな中から3つくらい薦めてもらったんだけど、 700FFというそこそこのお値段、90年というちょっと熟成が味わえそうなヴィンテージ、 『前菜はお魚ですし、一本で通されるのでしたらあまり強くないコレなんかは…』 というお言葉によりチョイスしたのがこれ。
色は若干薄め。まぁブルゴーニュでは普通なんだけどやっぱりちょっと心配にはなる。 しかし香りはなかなかなもの。 若いブルゴーニュにありがちな木苺香のオンパレードじゃなくて、 若干動物的な香りがあるあたりに熟成感と高級感を感じる。 味は確かに強くない。 前菜に合わせて食べてた頃「このままだと肉合わせると弱いかなぁ」と心配したけど、 ちょうど肉になること開いてきて、十分に張り合える強さが感じられるようになった。 そこらへんまで計算してのお勧めだったらアッパレですな。
大ビックリってわけじゃないけど、かなり満足度の高いワイン。 っていうか、料理にビックリしすぎてワインの印象がちょっと霞んじゃったのかもしれない。

p.s.
ソムリエの伊奈さんが言われるには
『ここのワイン、期待して来たんですけど案外古いのはありませんでしょ? 別にストックしてある訳ではなくてリストに載ってるだけなんですよ。それがちょっと残念で…』
とのこと。確かに、種類は爆裂的に多いけど案外古いワインは少ないリストだったみたい。 値段もそんなに安くはないような感じがした。

85点レストラン"Arpege"にて

総額2,590FF (約46,600円)。絶対額としては安くないけど、 日本のちょっとしたレストランでもそれくらいかかることを考えれば決して高くはないと思う。 特に、日本のレストランの感覚だと一皿7,000円とか8,000円の料理をこんだけ食べて、 万を超えるワインを飲めば最終額はもっと高くなるけど、 こちらは税・サービス料込みなんで、会計した時は「えっ」と思うほど安く感じるのね。

ともあれ、初の3つ星体験は伊奈さんが居てくれたおかげで更に楽しい物になりました。 ありがとうございました。名古屋へ行くことがあったらお伺いするかもです。 (←なんて書いたって見てないってば)
…とか書いてたら、伊奈さんからメールを頂きました。うーん、世界は狭い!


10月29日(金)

晴れ

今日は朝から、アウトレットの店が多いアレジア通りでお買い物。 フランスとかイタリアって、 ブランド品じゃなくてもなかなか仕立てが良くてデザインも良い衣料品があったりするんで。 見て廻るだけでも楽しいし。(…といっても師範の服をちょっぴり買っただけだけど)

昼食は、アレジア駅前のイタリアン軽食屋"Restaurant Gasparino (レストラン・ガスパリーノ)"にて。
食べたのは、

他には水 17FF (約300円)とエスプレッソ2つ 24FF (約430円)
茹で過ぎててあんまり美味く無いっすね、スパゲティ。 おとなりのイタリアだとちょっとした店でも結構美味いのに、どうしてこうも違うんだろ?

午後は、モンパルナス墓地を見物した後、ノートルダム寺院とか見物。 あんなに真っ黒だったノートルダム寺院も修復されて真っ白に。 確かに遠くから見たら綺麗にはなったけど、薬品で処理されるのか表面はガサガサ。 なんだかちょっと悲しいなぁ。

夕食は、「フランスの中華でも食べてみっか」という気持ちで中華料理を。 フレンチに飽きたってわけじゃないけど、ここらへんで一発自分にヒネリを入れとこうかなぁって感じで。

行ったのは、シャンゼリゼ大通りから一歩入ったところにある"Kok-Ping (国賓大酒樓)"という店。 ミシュラン2本フォーク星無し。
食べたのは、一人120FF (約2,160円)の選択式ディナーメニュー。

その他はお茶 22FF (約400円)。
不味くはないです。でもまぁ普通。ただ量は相当あって、 結局全部は食べきれず。値段を考えるとまぁお得な感じのする料理。
驚いたのは、我々に付いたサービスの方(中国人?)の徹底したぶっきらぼうな態度。 注文しても返事しない、投げるように皿を置いていく、笑顔は全くない等。 「日本人観光客が嫌いなのかな?」と思ったけど、その方は誰に対してもこの態度。 そこまで徹底してると見てておかしくなるくらい。
ここで飲んだワインは以下。

Chateau Rochet '91
シャトー・ロシェ '91
Ch. Rodhet
シャトー・ロシェ
Rouge
Medoc (Cru Bourgeois)
メドック (ブルジョア級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
98FF (約1,760円)99/10/29 中華料理"国賓大酒樓"
ホントはアルザスのゲヴュルツあたりが飲みたかったんだけど、 ここのワインリスト(6ページ160種くらい。Ch. Latourなんかもあった)にはそういう安くて香り強めっぽい白は無し。 それじゃぁってことで、お勧めワインリストに載ってたボルドーを選択。 91年はあんまり良い年じゃないらしんだけど、ブルジョア級ならそこそこ飲めるでしょう、って感じで。
結果、まずまず正解でした。香りも味もそこそこ柔らかくなっており、 メドックっぽい炭みたいな感じもそんなに強烈ではなくアクセント程度だし。 中華相手だと甘味が無いとつらいけど、 このワインは思いのほか甘味を感じるワインで、お勧めに載せるってのはそれなりの理由があるのね、って感じ。
まずまずのワイン。レストランでこの値段だったら十分でしょう。
70点中華料理"国賓大酒樓"にて

総額360FF (約6,500円)。「フランスの中華を食いに行くぞ!」という向きにお勧めできる店ではないけど、 まぁまぁのレベルではありました。


10月30日(土)

晴れ

今日は、モンマルトルのサクレクール寺院とか、その周辺の絵描きさんたちとかを見物。 似顔絵を描いてるのを見るのは楽しいね。「ほほう、そうやって光を表現するのか」とか。 もちろん自分達は書いてもらわないんだけど。

昼飯は、モンマルトルの丘の下、アベス広場前で適当に見つけた軽食屋"La Petite Charlotte (ラ・プティ・シャルロット)"にて。
食べたのは、

他はカプチーノ 20FF (約380円)

この店は結構アタリでした。ハンバーガーっつったってマクドナルドみたいなんじゃなくて、 クロワッサンみたいな生地のパンにハンバーグやらハムやら野菜やらがどっさり入ったもの。 手で掴んで食べるのは不可能で、ナイフとフォークで食べるハンバーグ。
グラスで頼んだ赤ワインも、ごく普通のローヌながら12FFなら上等、って感じ。

午後は、オペラ座周辺のデパートやマドレーヌ広場近辺でワイン屋巡り。
マドレーヌ広場前にはエディアール、ニコラ、フォションの本店が集結してるんで、 見て廻るのにはとっても便利。
品揃えは相当なものだけど、日本のワイン専門店と比べてどうかといわれると大差無いかも知れない。 値段は…よく分からないんだけど、そんなに安くはないかな。 なかには「おぉ!」と思うくらいのもあったみたいだけど。
あ、ニコラはいわゆる酒屋なんで、20FF (約380円)とかの相当安いやつから並んでいます。

最後の夕食は、ブローニュの森の中にある今年ミシュラン2つ星(4本フォーク)になりたてのレストラン、 "Pre Catelan (プレ・カトラン)"にて。 一旦ホテルに帰って風呂入ってビール飲んで着替えて、準備完了いざご出陣。

…と出陣は威勢良かったんだけど、ちょいと失敗してしまいました。
まだ明るかったんで「ブローニュの森を散策しつつ店に向かうか」 と思って最寄りのメトロの駅から歩いて向かったんだけど、アッと言う間に日が暮れてあたりは真っ暗。 その上「およそここらへんにあるだろ」という程度しか場所を理解してなかったんで、 非常に心細い思いをしながらレストランへ向かうハメに。
真っ暗な森の中を歩くきちんとした格好の二人、さぞ異様な光景だったことかと。

と、そんな行きっぷりだったんだけど、幸い時間ぴったりにレストランへ到着。 さすがにこの時期歩いてディナー食べにくる客は珍しいらしく、入り口にいたお店の人は驚いてました。

お店の雰囲気はさすが。天井はめっちゃ高いし、インテリアも超豪華。 まるで王侯貴族になったような感じ。広いダイニングにテーブルは30くらい。
客層も、ちょっとお歳を召した方が多いかな。日本人は我々のほかにもう1組(旦那さんがフランス語達者な新婚さん)。 結構英語を話してる人が多かったんで旅行者は多いのかも知れない。

料理は、一人550FF (約10,000円)のコースメニューもあったけど、 なんとなくピンと来なかったんでアラカルトで注文。

他には、水 40FF (約700円)とエスプレッソ2つ 60FF (約1,100円)

いやー美味いです、ここも。アルページュみたいな才気走った感じはないけど、 普通に納得出来る範囲で驚きのある味わいで。
ウニはニヤッとするほど滋味豊富で美味しいし、メインの鶏もただの鶏ではなくて、 とっても味が濃い(まるでウズラとかをニワトリのサイズにしたような)鶏だし。 この店の経営がお菓子のルノートルだけあって、デザートも繊細で可憐。

サービスは…ちょっと「あれ?」と思うことがあったかな。 「もうワイン要らない」と言った師範代に注ごうとするし、 「残りのワインを持ち帰ります」と言ってもなかなか対応してくれず、 結局帰る際パニエごと持って立って「どうにかして下さい」と言わなきゃいけなかったし。 お客さんに酔っ払いの人(一人で1本半飲んでサービスの人を困らせていた)が居て、 その人の対応に手を焼いていたってことはあるかもだけど。

で、飲んだワインは…これだ!

Pre Catelan Blanc de Blancs ??
プレ・カトラン ブラン・ドゥ・ブラン (ヴィンテージ不明)
-
-
写真無し
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
80FF (約1,400円)99/10/30 レストラン"Pre Catelan"
やっぱり食前酒はシャンパーニュでしょう、もう有無を言わさず注文。 ただ、どんなワインか聞かなかったんで、ここに書いてる情報はレシートに書かれているもの。 ここも大き目フルートグラスになみなみとだったんで量的には満足、 メニューを選ぶ間ずっと楽しめた。
内容的には、大手シャンパンハウスのノン・ヴィンテージかなぁ、 モエ・エ・シャンドンあたりに近い感じの、 非常にニュートラルな、シャンパーニュと言えばこれ、と言った味わいのシャンパーニュ。
驚きはないけど、そこそこ美味しかった。
76点レストラン"Pre Catelan"にて

Vosne-Romanee "Cros-Parantoux" '89
ヴォーヌ・ロマネ "クロ・パラントー" '89
Henri Jayer
アンリ・ジャイエ
Rouge
Vosne-Romanee 1er Cru
ヴォーヌ・ロマネ 一級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
1,100FF (約19,800円)99/10/30 レストラン"Pre Catelan"
ワインリストは20ページ程度、500種くらいのもの。 格式あるお店ゆえ昔からの在庫が多いのか、意外と相場より安い感じがするリスト。 そんな中に…見つけてしまいました、ブルゴーニュの天才、いまや幻ともいわれるアンリ・ジャイエのワインを。 それも89年と言う良い年かつちょうど良い古さ。 お値段1,100FFは「飲み物750ml分」の値段としては爆裂的に高いけど、 ここで見つけたのも何かの縁、まぁ話の種としても飲んでみたいな、と。
で、ソムリエさんに「このアンリ・ジャイエのヴォーヌ・ロマネはどうかな、と思ってるんですけど」 と相談したら『クロ・パラントーですね。よろしいですよ』と、非常に素っ気無い返答。 『おお、このワインはこんな感じで云々』って言って欲しかったのに…って、フランス語で説明されても分からんか。
色は、幻と言っても別に七色に変化したりするわけじゃなく、 これくらいの年齢で造りの良いブルゴーニュ相応の、ややオレンジがかった濃い紫色。 香りには参りました。チーズを思わせるような動物的な香りと、 非常に素直な果実香、表に出過ぎないけど結構強めの樽香。それらが渾然一体。 味も素晴らしい。一口飲むごとにため息が出るような完成度。 安師範レベルではなんとも表現しがたいその複雑さ、まろやかさ。
『アンリ・ジャイエを飲むと「農産物を飲んでるなぁ」という感じがするよ』 とゴトー酒店の後藤さんが言われてたけど、たしかにおっしゃる通り。 ぶどうそのまんま、という意味ではなくて、このぶどうが作られた土地の、 土や草、家畜に至るまでのいろんな香りが感じられる気がする。(ちょいと気取りすぎか)
…と、飲み初めの頃はそんなふうにウットリしてたんだけど、このワインの本領は抜栓後1時間以上経ってからにありました。 抜栓直後は、そういった「まろやかな一体感」が売りのワインだったのに、 後半はとーっても力強いワインへと変貌。 それはそれは暴力的なまでの香り、味。『恐れ入りました』と言わざるを得ない迫力。 グラスに置きっぱなしだった師範代の分ともまた違うのね。 とにかく「変化の振幅が大きいワイン」という意味でもこれほど凄いワインは飲んだこと無い。 殆ど澱だった残り一杯分をホテルに持ち帰った。恐ろしいことに、 それさえも衰えずに違った雰囲気を見せるのよ、このワインは。
世間一般の評価に迎合するようでちょっと癪ではあるけど、アンリ・ジャイエ、 やっぱり天才です。
98点レストラン"Pre Catelan"にて

総額2,320FF (約42,000円)。フランス最後の夜にふさわしいレストラン、料理、ワイン。
夢のワインを飲んで夢心地、シェフに見送られて天国気分でホテルヘ。(さすがに帰りはタクシーで)


10月31日(日)

晴れ

今日は帰国の日なんだけど、フライトは夜中の11時過ぎ。よって一日使えるって寸法。
日曜日はお店とか殆ど閉まるんで、美術館へ行くのが一番。 前回パリに来た時みたいに「一日4つの美術館を制覇する」なんて無鉄砲かつ無意味なことは止めて、 あまり絵心のない我々にも判りやすいオルセー美術館を朝から午後にかけてゆっくり見た。

午後3時頃、遅い昼食はパッシー駅そばの"Musee de Vin Paris (パリ ワイン博物館)"で。 この博物館はレストランを併設していて、食事をしたひとは入館料無料。 どうせ日曜なんてろくな店開いてないから、ってことでここで食事を採ることに。
食べたのは一人99FF (約1,800円)の選択式コースメニュー。

他に、サービスで付いているワイン2杯と、ボルドーのどこだったかのワイン 30FF (約540円)、 水 20FF (約360円)。

前菜はまぁまぁだったんだけど、メインがいけません。とっても塩辛くて全部は食べられないくらい。 付けあわせのジャガイモは美味かったんだけどね。ワインはまぁ普通。

パリでは穴場観光地のワイン博物館、穴場の秘密はその質にありでした。 ワイン/料理/展示物、どれをとっても行く価値無しの博物館。

夕方、ホテルから空港へは路線バスとRER(高速郊外鉄道)を乗り継いで。 タクシーで行けば楽なのにね。レストランで豪遊する人間とは思えない貧乏性。

帰りのフライトもエールフランス、23:15発 AF274便、機材はB747-400。
エンジンに故障があったみたいで修理に時間がかかり、飛び立ったのは夜中1時前。 この便の最終目的地はヌーメア(ニューカレドニア)なので、乗客の大半は外国人(フランス人?)。 特にお子様が多くてちょっとうるさかったけど、まぁ子供は世界の宝、温かく見守りましょ。

機内食は、師範/師範代とも

機内食ってそもそも美味いもんじゃないけど、これは不味すぎ。 作りがどうの、って問題じゃなくて、明らかに保存状態が悪く表面がバッサバサ。米なんて干飯。 師範の経験上、過去最悪の機内食。

ワインは行きと同じシャンパーニュと白を軽く。

あと、なんだか機内寒すぎ。あんまり快適ではなかったなぁ。がんばれエールフランス! と思いながらご就寝。


11月1日(月)

晴れ

20時過ぎに成田到着。飲んで食っての毎日、楽しかったなぁ。
で、気になる体重は…思ったより増えてませんでした。旅行前の体重をほぼキープ。


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by 師範