会津若松 田楽蕎麦三昧


1999年3月18日から20日の2泊3日、 師範と師範代は、なんとなぁく選んだ日本の名湯「会津若松 東山温泉」へ湯治 (ってったってどっか悪いわけじゃないんだけど)へ向かうことを決意した。 そこで、折角見ず知らずの地に行くのであれば広く"美味いもの"情報を入手して、 ご当地の名産を食い漁ろうという計画を打ったである。

事前に道場の頁にて収集し得た情報によると、どうやらご当地名産の料理は 「蕎麦、田楽、わっぱ飯」に集約されるらしい。 もちろん、城下町ゆえ武家料理なんてのもあるらしいが、本来の目的は"温泉にてのんびり"なので、 外での食事に当てられるのは昼食のみ。 したがって、昼飯でもイケそうな前述の三料理と集中稽古を行うことと相成った。 (っていっても、昨年の讃岐饂飩行脚みたく、 一日に数軒ってわけにはいかないけれども。)

それでは、本文へゴー!


3月18日(木)

いつもの通勤時間、朝8時25分発の電車にて東京駅を目指す。
荷物が大きいんで、悲しくもご出勤されておる世間の皆様にご迷惑にならないかと心配したが、 普段乗らない前のほうの車両は案外空いてて事無きを得た。 東北新幹線"やまびこ119号"(救急車のような番号だ)の発車時刻は9時36分、 およそ30分前に東京駅へ到着である。
なぜ、30分も早く東京駅へ到着するような電車を選んだか?答えはもちろん「弁当購入」 が故である。旅の始まりは駅弁から、とは太古の昔から言い伝えられておる。 それで我々が選んだ弁当は… 別に示し合わせたわけではないが、なぜだか弁当は同額。
釜飯弁当は、案外うす味で師範好み。ただ950円は高いね。 列車内で販売してるのを買うんだったら納得がいくけど、駅売りだと780円ってとこでしょう。 あじさば寿司は、保存性を考えてか滅茶苦茶"シメ"が強くて、干物を酢で戻したかのような雰囲気。 ネコ科の師範代はそれでも満足げ。
飲み物の方は、ビールはまずまず。 特にどうってことはないけど、ぬるくなっても不味くならないあたりに好感がもてる。 お茶のほうも別にどうってことはないけど、特筆すべきはそのパッケージ。 缶みたいな形をしてるけど、実は紙製なのね。地球に優しくて結構結構。 それにしても、ビールが230円でお茶が150円なら間違いなくビールを選ぶよね、普通。

朝飯食ってアルコールも入って、なんだかウトウトしているうちに郡山到着。 ここで会津若松行きの快速電車、11時09分発の"ばんだい7号"へ乗り換え。
3両編成のこの列車、なぜだか結構な混雑ぶり。 聞くところによると会津若松って半導体メーカーの工場がいくつかあるらしく、 ソコへの出張と思しきビジネスマンな方々がローカル線のボックスシートで揺られていた。 師範代は更に昼寝の補充中。

とかなんとかしてる間に目的地"会津若松"到着。天気ははな曇りだけど、 気温が異常に高い。冬装束の師範・師範代は汗だく。
で、まずは明日の分のバスフリー券購入。一日分で920円。ちょっと高いなぁ。700円だったら許せるが。 市中心部までバスで向かって、「まずは挨拶がわり」とばかりに田楽の名店、『満田屋』へ。

満田屋

(0242)27-1345田楽屋

田楽Bコース×2800円×2身欠きニシン×2180円×2鶴の江 辛口(ぐいのみ1杯)300円
ガイドブック等で「田楽ならココ!」と力説してあるお店。 本来は味噌屋さんなんだけど、その奥で田楽を食べさせてくれる。
店の雰囲気は良いですね、「旅に来たなぁ」というの実感させてくれるような非日常空間。 囲炉裏端に座って、目の前で田楽を焼いてくれているのを見ると特にそう感じる。 店のあちこちに芸能人のサインが飾ってあるのはご愛敬か(って、他のどの店もそんな感じだったけど。) コースの内容は、こんにゃく2本(味噌は甘味噌と柚味噌)、豆腐生揚、おもち、里芋、 しんごろう(お米を練ったきりたんぽみたいなやつ)の6本で、あと追加で身欠きニシンを注文。
どれもなかなかおいしいんだけど、惜しむらくはちょっと味噌の味が濃すぎるのね。 味噌にも4種類くらいあって、材料によって使い分けられて飽きない工夫がされているんだけど、 味が濃いゆえその1本の中で飽きてしまう、って感じ。 濃い味に慣れた人だったら楽しめるのかな。 そんな中でも、身欠きニシンはなかなか秀逸。 身が厚くて脂が乗ってて、後で食べた他店と比べても圧倒的ナンバーワン。
お酒も美味かった。ぐい飲み1杯の"鶴の江 辛口"。 適度な吟醸香、ドシンと来る飲み応えでありながらキレの良さもあって。 普段清酒は飲まない師範の心をがっちりキャッチ。

[師範代コメント]
田楽なんてほとんど食べたことがないので、 囲炉裏端で田楽を焼いているという雰囲気だけで旅行気分満喫。 ちょっと味は濃かった気が…。でも、何種類かの味噌を使用していて美味しい。 ボリュームもあってお腹一杯。美味しいそうなお餅が何種類かあったが断念。 お餅に思いを残し店を後にした。 帰りに柚味噌を購入。

その後、会津若松市内散策。由緒正しげなお菓子屋さん『会津葵』って店に入ったら、 いきなり紫蘇茶とお菓子のサービス。小心者の師範は「こりゃ何か買わねばなるまい」と腹を括って、 ちょっと美味しそうだった『花餅(1,000円)』ってのをお土産に買おうとしたけど、 添加物が一切入ってないんで、3日くらいしかもたないんだって。 帰る日にまた買いに来る旨告げてさようなら。

なんだか疲れたってのもあって、まだ早いんだけど宿へ。 って、この旅の本来の目的は「温泉でのんびり」なんだから、 早めに宿へ行って悪いってことは無いんだけど。

宿は『東山パークホテル 新風月』。一泊二食付き一人13,000円(諸税別)。
いわゆる大旅館なんだけど、なんとなく暗い。ロビーも廊下も。 部屋は最上階に近く、眺めの良いロケーション。 でも畳は擦り切れてるし、壁も剥がれ落ちてたりしてちょっと汚い。 風呂は広いんだけど、脱衣所がなんだか暗くて綺麗な感じがしない。
惜しいなぁ。あと一歩でかなり感じの良い宿になると思うんだけど。

夕食は、部屋出しで。地の食材を使い、 これもご当地の特色らしい味噌味を中心とした楽しげな皿もあるんだけど、 何を間違ったかメインは茹でたタラバ蟹。美味く無いよ、そんなの。 質的にも気分的にも。 でも仕方ないんだろうなぁ、こういうのが無くちゃ文句言うようなお客さんもいそうだから。

あ、せっかく部屋出しなんで、 ワインも持ち込んで飲みました、はい。

夕食後にもまた温泉に入って、まずまず良い気分でご就寝。


3月19日(金)

朝飯は、宿の最上階にある食堂で。景色はとっても良いけど、どうも雨が降りそうな天気。
食事の内容はいわゆる旅館の朝飯。 しょっぱい物が多くて、ついご飯を食べ過ぎそうになるけど、 今日もあちこち食べ歩きたいので、そこをぐっと我慢。

最初に行ったのは「会津武家屋敷」。 入館料800円、割引がきいても750円は猛烈に高い。 維持するのが大変なんで、あんまり人を入れたくないってことなのかなぁ。
併設されているこジャレたお土産屋で、自分用に箸を購入。

いよいよ11時、狙っていた蕎麦屋が開く時間。

桐屋夢見亭

(0242)27-5568蕎麦屋

飯豊権現そば1,420円ざるそば750円超辛口 鬼羅 (一合)400円
「1日限定30食、会津産そばを100%使用し自家製粉するこだわりのそば」 っていうのを食べてみようってことで。それにしても一食1,420円は異常だなぁ。 比較のために普通のざるそばも注文。ついでにお酒も注文。
確かに、飯豊権現そばの方は色からして普通の蕎麦とは違い、透き通るように白い。 歯応えもしっかり。盛岡冷麺みたいに非常に強い歯応えがあるんだけど、 あっちはゴム系のウニウニした食感であるのに対し、こっちはずっしりと重い食感。 あと、香りが素晴らしい。ツユにつけずに食べると、特に蕎麦の良い香りを感じる。
いやはや確かに素晴らしい蕎麦だけどやっぱり1,420円は異常。
普通のざるそばは、相対的に色が黒くて香りも弱いけど、 歯応えなんかは結構しっかりしててまずまず好印象。でもこの750円も高く感じるけどね。
お酒は普通。なるほど「超辛口」らしく甘味は弱いけど、単にそれだけって感じ。

[師範代コメント]
限定30食といわれれば、食べずにはいられないでしょうってことで、いざそば屋へ。 師範に「1,420円は高いなぁ。君はお大臣だよ」と言われ、お大臣な私はお高い飯豊権現そば、 師範はお安い普通のそばを注文。はっきり言って飯豊権現そばの方が美味しい。 そばの香りがいいし歯応えもありあり。普通のそばと値段の差程は違わないが、とてもうまい!! いやいや、高い美味いそばでした。

食事の後は飯盛山周辺へ。
最初に行ったのは「旧滝沢本陣」。入館料250円。なんだか、 ここの持ち主のオヤジが、個人的に維持費捻出のため公開しているような感じ。 弾痕とか刀傷とかが残ってて面白いけどね。

そのあとは「白虎隊の墓」へ。『悲しい話よのう』と思いつつ、 『で、戊辰戦争っていつごろ?どこが戦争したの?』って程度の知識もない歴史音痴。

本日二軒目は田楽の店。

奴郎ヶ前茶屋

田楽屋

田楽セット×2750円×2花春 (一合)450円
「奴郎ヶ前付近に美味い田楽屋あり。店の名は不明だがお地蔵さんが目印。」との情報を事前に入手、 メールでの説明を頼りに店を探したが発見できず。よって、宿の仲居さんが推薦してたこのお店へ。
…出てきたのは、こんにゃく、身欠ニシン、豆腐生揚、餅。全部で4本。 少なすぎるぞぉ。おまけにこんにゃくに至っては歯にしみるほど冷たいし。 味噌の使用量控えめで、あんまりくどくない味付けなのは良いけど…。
酒もイマイチ。なんのこだわりも感じられない普通の清酒。
残念ながらイマイチな印象のお店。

[師範代コメント]
このお店の怪しいところは、店に入った瞬間「うちのお勧めは、そばと田楽のセットです」 と言われてしまうところ。お味のほうは、まあまあでした。一言いわせて頂くとすれば、 量が少ないのね。お腹いっぱいにならないじゃないの!! (お陰で、後程もう一件田楽屋の敷居をまたぐことになる〜)

バスに乗ったら、説明されていたのとは逆の方向にお地蔵さんがある田楽屋を発見。 悔しいんで後で行くことを決意。

次の見物ポイントは鶴が城(若松城)
再建された鉄筋コンクリート造りなんで風情とかは無いけど、まぁお城なんてそんなもんですね。 石垣の造りとかは熊本城の方がずっと凝ってるなぁなんて地元贔屓なこと思ったり。 雪でも積もっていればもっと綺麗なんだろうけどね。

そんなにお腹は減ってないけど、先ほど発見した田楽屋へ。

お秀茶屋

(0242)27-5100田楽屋

田楽セット700円
350年前から営業してる由緒正しいお店とのことだけど、 外観はそんなことを微塵も感じさせない普通っぷり。 店の中では猫が歩いてるし、テーブルではここの子供さんが宿題をしていた。 なんだか「日常」が感じられる雰囲気。
お腹が減ってないんで、二人で一人前を注文。生揚げ2本、餅2本、身欠ニシン、里芋。 丁度良い量。味噌も香ばしくて美味しい。
なかなか満足のお店。ただ、正直言って店ごとの味の違いってあんまり無いのね、田楽。

[師範代コメント]
今までの田楽屋の中で一番甘目の味噌です。そして、このお店でも美味しそうなお餅を発見。 しかし、本日既に4食目なうえに、あと数時間で旅館の夕食。ここでもお餅を断念。 甘目の味噌が気に入りここでも味噌購入。

本日の宿は『千代瀧 瀧の舞』。JTBのパックで、電車賃と合わせて23,700円の宿。
こちらもいわゆる大旅館。 清潔で明るい感じ、昨日より高級感のあるお宿なんだけど、部屋があんまり良くない場所。 まぁ安パックなんで仕方ないか。
お風呂は最上階。眺めは良いけど、露天風呂は開放感が無くてイマイチですね。

この宿でも夕食は部屋出し。 美味しいものもあるんだけど、やっぱりメインが「フグ鍋」と「牛の陶板焼き」なのが残念。 JTBのパックだとどの宿でもこのメニューらしい。 宿としても嫌だと思うんだけどなぁ、不味いフグ鍋なんて出すの。
もちろん本日も
ワイン持ち込みで。


3月20日(土)

本日で旅も最終日。初日の暖かさとはうってかわった寒い日で、雪なんか降り出したりして。 車で来なくて良かったなぁ。
朝食はバイキング形式。つい取り過ぎそうになるのを我慢しつつ。

朝から行ったのは「会津酒造歴史館」。 "宮泉銘醸"が自分のところの蔵を公開展示しているというもの。
吟醸酒の米を削った「削りかす」をどうするのか興味があったんで、 ガイドの女性に聞いたら、精米度合いの低いものは家畜の飼料、 高いものは煎餅とかの材料になるんだと。なるほど。

本日の一軒目は蕎麦屋へ。

蕎麦工房 すず勘

(0242)32-6777蕎麦屋

丸善そば1,500円末廣 生 (200ml)600円
ここで注文した蕎麦は「1日限定10食、2.5人前の丸善そば」というもの。 中身は普通の蕎麦と変りないらしく、なぜ"限定10食"なのかは謎。
蕎麦は確かに美味いっす。昨日「桐屋夢見亭」で食べた普通のざるそばの方よりは美味い。 歯応えはしっかりしてるし、表面がふやけたみたいになってないのも良い。
しかし一番良かったのはそば茶だなぁ。とにかく香りが良くて。
お酒はまずまず。とっても軽いお酒。600円はちと高い。

[師範代コメント]
またしても、限定10食。そうなると食べずにはいられないでしょう。 美味しいおそばです。歯応えばっちりです。香りは桐屋夢見亭のお高いそばのほうがいいかな? でも、2.5人前で1,500円。かなりお安い。

初日に「満田屋」で飲んだ清酒が美味しかったんで、その蔵まで買いに行くことに。
普段清酒はあんまり飲まないんだけど、やっぱりこういうところへ来ると買いたくなるもんです。

いよいよ最後の食事は「わっぱ飯」を。

田季野

(0242)25-0808和食

鮭わっぱ飯×21,350円会津印? (一合)400円
わっぱ飯って、曲げ木の器に入れて供されるという以外どこに特長があるのか知らなかったけど、 要は最終工程で蒸すわけですね。一番安い鮭わっぱ飯でも1,350円。ちょっと高いなぁと思いつつ。
確かに美味いっす。鮭の脂がいい感じでご飯に染み込んで、 そのちょっと塩気のあるご飯がとっても美味しい。 美味しいんだけどやっぱり高いなぁ。だってご飯の上に鮭が乗ってるだけだもの。 700円くらいが適正価格じゃないだろうか?
お酒もとっても普通でした、はい。

[師範代コメント]
わっぱ飯、美味しかったですね。お腹がすいていれば倍ぐらいおいしかったと思うと ちょっぴり残念。だいたい世の人は昼食1回なのに、 なぜ我家だけ2〜3回昼食を食べるのだろう? そうはいっても残さず食べれたのは美味しいご飯のお陰。

食事の後は、初日に行った「会津葵」とかでお土産を購入。
駅に着いたら、車中用のお酒を購入。 名倉山 ワンカップにごり酒 (310円)栄山 本醸造生貯蔵酒(290円)。 すっかり清酒ファン?となっております。 雪山の景色を見ながら頂く清酒は、なかなかオツなものでございました。

これにて「会津若松 田楽蕎麦三昧」の旅も終了でございます。


by 師範/師範代