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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/_/ Japan On the Globe 国際派日本人養成講座(55) _/_/ 平成10年9月26日 発行部数:3,130 _/_/ _/_/ The Globe Now:北朝鮮、管理された飢餓地獄 _/_/ _/_/ ■ 目 次 ■ _/_/ 1. 年間数十万人規模の餓死者 _/_/ 2.飢餓の人為的構造 _/_/ 3.労働者と農民だけが飢え死 _/_/ 4.届かない救援物資 _/_/ 5.反政府活動の弾圧 _/_/ 6.無知の罪 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ■1.年間数十万人規模の餓死者■ 北朝鮮での食糧危機が伝えられてから、数年になる。我が日本政 府は平成7年にコメ50万トンを事実上無償援助し、さらに昨年は 日本人妻の里帰りにあわせ、コメ7万トン(34億円)を贈与した。 まさに「コメを贈ったら、ミサイルが帰ってきた」と言いたい所 であるが、そもそも食料援助が、本当に北朝鮮の人々を助けること になっていたのか、検証してみよう。 「北朝鮮では毎日1000人が餓死しているという報告もある」。韓 国の金泳三前大統領は、2年前の在任中にこう語ったと伝えられて いる。[1] 96年7月に北朝鮮から韓国に亡命した朴スチョル氏(41才)の住 んでいた乾川里は農村で、150世帯500人の人口を持つ。氏の証言で は、その年の1月から7月までに15名の人々が餓死したという。 月平均では約2人、人口比では0.4%/月となる。これを仮に北 朝鮮全体の平均だとすると、人口2100万に対し、毎日2,800人の餓 死者が出ている計算となる。[1] 金前大統領の推定1,000人/日では年間36万人、2,800人/日では、 100万人を越す。いずれにせよ、数十万人規模の餓死がここ数年続 いていると考えてよさそうだ。 ■2.飢餓の人為的構造■ 北朝鮮は84年に穀物生産1000万トン達成を大々的に報じた。その わずか約10年後の95年には3分の1の350万トンしかとれなかったと 公式に認めている。どうしてこのような事になったのか。 その原因は、3つあると言われている。第一に、肥料、農薬、資 材、石油の決定的不足、第二は、農民の勤労意欲の低下、そして第 三が水害である。[1] 肥料不足は、限られた外資を化学プラント建設よりも、軍事や国 威発揚のための巨大建造物を優先した結果である。たとえば金正日 総書記の指示で「世界一の高層ホテル」をめざしながら、資金と資 材不足で建設中断、巨大な廃虚と化している平壌の「柳京ホテル」。 こういう資源の無駄使いが、肥料や農薬などの生産より優先され、 経済の基幹である農業生産の息を止めたのである。 社会主義下で勤労意欲が極度に低下し、農業生産性が落ちるのは すでにソ連経済で実証済みである。現在でも密かに田畑を開墾して、 生産物を闇市場で売り払う「隠し田」が広まり、これには農民が真 剣に取り組んでいるようだ。この事からも中国式の個人請負制など を本格的に導入すれば、容易に成果が上がることは分かっているの に、現政権はそれをしない。 水害も、政策的失敗の結果であることは明らかである。76年に 金日成は農地拡大運動と称し全国に段々畑を作ることを命じた。こ れについて、97年11月に訪問した社民党九州ブロック友好訪問団は 次のような報告をしている。 平壌と板門店を結ぶ高速道路(約200キロ)から見た土地 にも驚いた。(略)山のかなり上まで畑が切り開かれ、わずか に残る樹木の高さはせいぜい3、4メートル。辺りを見回して も、緑色は収穫期を迎えた白菜と申し訳程度に山肌に植えられ た針葉樹くらいしかない。「土壌改良が必要だ」と手嶋団長。 別の参加者は「あんなに山を切り開いたら、豪雨に遭えばひと たまりもない」と言った。[2] 肥料の不足も、勤労意欲低下も、水害も、すべて金日成・金正日 政権の政策ミスによるものである。それを改めれば、状況は好転す る事が分かっていながら、自分たちの政策ミスを認めないために、 改めない。 食糧危機は、こういう人為的構造に根ざしている。一過性の天候 不順による凶作などが原因ならば、臨時の食料支援も意味を持とう。 しかし現在の北朝鮮に食料支援をしても、国民を人質にとったゲリ ラに食料を渡しているようなもので、問題を先送りしているだけで ある。その先送りが続く限り、年間数十万人規模の犠牲者も続く。 ■3.労働者と農民だけが飢え死■ 95年に脱出した李チョングッ氏(30才)は北朝鮮では外貨稼ぎ事 業所の課長だった。氏は語る。[1] 問題は下層の人々です。金日成体制下で苦労ばかりしカネも なく商売をする能力もないのが彼らです。餓死者続出という話 はまさにこのような人にあてはまるのです。南よりもよい暮ら しをしている人々も北朝鮮には多いのです。韓国では北朝鮮全 体が飢え死んでいるというが、大間違いです。労働者と農民だ けが飢え死んでいるのであって幹部たちはみんなよい生活をし ています。私だって何一つ不自由なく昨年冬まで暮らしていて こっちに逃げてきたのです。 共産主義政権下で、高級官僚や共産党幹部が利権を独占して、貧 富の差が逆に広がるという逆説は、どこでも見られた事である。し かし、一般人民が数十万単位で餓死しつつあるときに、優先的な配 給や、ヤミ市場での儲けで安楽な生活をしている、というのはあま り例がない。 ■4.届かない救援物資■ また各国の救援物資が、実際にどう使われているのか、次のエピ ソードがヒントを与えている。 96年9月、武装工作員を乗せて韓国東海岸に侵入し捕獲された北 朝鮮の潜水艦に、米国から北朝鮮に救援食糧として送られた缶詰が 積み込まれていた。缶詰は米バージニア州の「兵役反対」で知られ るキリスト教団体が送ったもので、「救援食糧」「非売品」と明記 されていた。「兵役反対」の善意の人びとの援助が逆に「軍事」に 使われたわけである。[3] また、今年1月には、世界食糧計画(WFP)の平壌駐在員が、 欧州連合(EU)から北朝鮮に食糧援助として送られた食用油が平 壌の外交官専用商店などで売られているのを発見した。この食料油 は、幼児の栄養補給用のものとされ、援助物資として非売品に指定 されているが、外交官専用商店のほか一般商店三カ所でも陳列され ていた。WFPでは関係援助国にも通報し注意を呼びかけている。 [4] 短期的な食料支援すら、餓死しつつある人民には届かないようだ。 ■5.反政府活動を弾圧■ さてこういう非道な政権に対して、北朝鮮国民はどう対処してい るのだろうか。民衆レベルでも、政府批判をした人は収容所に送ら れているようだ。 西海岸の地方都市開城市のレンガ工場労働者であった崔スンチャ ン氏(29才)は、96年7月に脱出してきた。この人が直接目撃した ケースでは、道ばたで中年婦人4〜5人が立ち話をする中で、一人が 「このまま金正日将軍だけを信じていたら我々みんな飢え死んでし まう」と語った。それをきいていた別の1人が大声で「この反動お んな!」と非難し、それに対して最初の女性が「それではお前は配 給だけで食べているのか……」と反論した。大声での言い合いが約 10分も続いたところで国家保衛部員(政治警察)がかけつけてきて 金正日批判をした婦人をなぐりつけて引きずっていった。風のうわ さでは彼女は政治犯収容所送りとなったという。[1] ジュネーブの国連人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会で は、政治犯数万人が国内に拘留されている、との報告と同時に、法 に基づかない処刑と失そうに懸念を表明している。[5] 学生によるデモや、労働者のストライキ、軍の反乱なども続いて いる。 96年2月20日頃、清津で大学生200名が配給用食糧の着服に抗議し て騒ぎを起こし一部地方党員もそれに加勢したと伝えられた。さら に3月上旬、両江道恵山の林業事業所で労働者8百名が食糧配給中断 に抗議して集団欠勤し、その上、指導員クラスの中間幹部らがそれ に傍観者的態度をとったという。[1] 本年3月には軍1個師団(約1万人)がクーデターを計画、それ が直前に発覚し、弾圧されていた事実が最近判明した。[6] ■6.無知の罪■ 北朝鮮は、自分の政権さえ維持できれば、自国民が何十万単位で 餓死しようとも構わないという、日本人の感覚からは信じられない 体制によって運営されている。 こういう体制が長続きするはずもない。在韓米軍のゲリー・ラッ ク司令官が言うように、「問題なのは、北朝鮮は解体するのか、と いうことではなく、いかに解体するか。さらに、いつ解体するか、 である。」 そして崩壊した後に、どれほどの餓死者が出たのかが、明らかに なるだろう。近代における平時の4大ホロコーストとは、共産中国 (2千万人)、ソ連のスターリン時代(1〜2千万人)、ナチス (6百万人、ユダヤ人虐殺は自国民をも対象とした政治犯罪で、戦 争犯罪ではない)、カンボジアのポル・ポト(1〜2百万)と言わ れている。年間数十万規模の餓死者が、数年続けば、ポル・ポトに 匹敵する規模になりうる。 現在の金正日体制が倒れた時、かならずポル・ポトと同様、極悪 非道の存在として、新政権から徹底的な糾弾を受けるだろう。その 時に、食料援助などをして金日成体制の延命に力を貸した日本政府 は共犯者として非難されかねない。新たな「反省と謝罪」を要求さ れるかもしれない。 「人道的援助」という善意を施しているつもりが、実は悪魔に荷 担していたという無知なるが故の罪もあるのである。 [参考] 1. 餓死者続出の北、「革命前夜」の南、 『現代コリア』1996年11月号、西岡 力 http://www.bekkoame.ne.jp/~mki/nishioka2.html(ホームページ抹消) 2. 垣間見た北朝鮮/上 毎日新聞、97.11.12夕刊 社会 3. 北朝鮮 支援食糧やはり軍流用、産経新聞、97.10.17夕刊 総合1面 4. 北朝鮮支援のEU食用油 WFP職員発見 平壌の商店などで 販売 横流しか、98.02.17朝刊 5頁 国際面 5. 産経新聞 北朝鮮の人権状況 98.08.29夕刊 2頁 総合2面 6. 北朝鮮ミサイル発射のねらい、佐藤勝巳 (ホームページ抹消)
■ おたより: 武田ひとしさんより
北朝鮮。私の子供の頃(昭和30年代)には、日教組が理想とした国でした。日の丸、君が代大反対、子供の権利を守ろう!平等、平等、機会均等の平等、そして結果の平等・・・又詰め込み教育で教えるばかりで育むことがなく教育が調教になり、そして入力とまで揶揄され・・・又団塊の世代が定年を迎えるとこの国も大きくいろんな面でひずみが噴出してくるだろう。
・・・生産力の低下、一生懸命に働くものが少なくなり労働力の低下、
・・・自己中心、指示待ち人間の増大
■編集長より私も小学校時代に日教組の先生から、北朝鮮の経済発展がどれほど素晴らしいものか、教えられた記憶があります。今、こういう先生方は何を思っているのでしょう。
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