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■■ Japan On the Globe(327)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

        Common Sense: オヤジたちの教育改革

                 オヤジたちが教育の正常化のために、連帯して
                立ち上がった。
■■■■ H16.01.18 ■■ 33,728 Copies ■■ 1,056,175 Views■

     今週は、広島県で教育改革に取り組んでいる各地域の「オヤ
    ジの会」会長3名に新春放談の形で、これまでの活動ぶりを語
    ってもらった。広島・尾道市では昨年3月に民間出身の校長が
    自殺、そして7月には教育次長の自殺と続き、4年前に世羅高
    校校長が自殺に追い込まれた異常事態[a]は今も残っているよ
    うだ。

     しかし、多くの地域ではオヤジたちによる教育改革への奮闘
    が続き、成果も出始めている。そのアプローチは、地域の父兄
    の関与が、偏向教育の是正のためだけではなく、学校や家庭で
    の教育をより良いものにするうえで、不可欠の要素であること
    を示している。全国のオヤジたちの参考に供したい。

■1.「学校の教育現場をなんも知らんかった」■

    A: 僕が始めてPTAの会長になって痛感したのは、今まで
        父親として、学校の教育現場をなんも知らんかったという
        ことです。
    
    B: ワシもそう思った。卒業式でも君が代どころか、校歌す
        ら歌わん、などとは思いもよらんかった。以前、校歌の作
        曲者が来賓で来とったが、「こりゃ、どこの国の卒業式じゃ」
        ちゅうて怒って帰ってしまったそうじゃ。

    C: うちの学校では、国際教育と言って、朝鮮の服を着せて
        みたり、家庭科でキムチの作り方を教えてました。東京か
        ら転勤してきて、向こうではそんな事は教えてなかったの
        で、はじめは国際的でいいじゃないか、と思ってましたが、
        しばらくすると、なんで北朝鮮のことばっかり教えるのか、
        他の国のことはなぜ教えないのか、と思うようになりまし
        た。別にうちの地域は在日の人が多いというわけでもない
        のに。

    B: 運動会でも、万国旗が飾られとったが、そのなかに日の
        丸がない。所々、豚や猫の旗があったが、わざわざ日の丸
        をはずして、豚や猫の絵にしとったんじゃね。それに遊技
        とか集団演技ばかりで競争種目がほとんどないから、父兄
        が見ていてもぜんぜん面白うない。徒競走だけはあったが、
        ゴールしても順番もつけん。なんじゃ、これは、と思うた
        わ。

    A: クラスを参観しても、混合名簿で男子女子がごちゃまぜ
        になっとりました。男の子もわざわざ「さん」づけで呼ん
        どって気色悪い。先生も時々間違えて「田中君」とか呼ん
        で、あわてて直しとりました。まあ、学校のことは先生と
        母親に任しておけば、ちゃんとやってくれとると思っとり
        ましたが、自分で学校に行って見てみると、こりゃ放っと
        けんなと思いましたね。

■2.「子供を人質にとられとる」■

    A: 私がPTAの会長になった時、ちょうど商売仲間のBさ
        んが会長経験者だったんで、軽い気持ちでどんなもんか、
        聞いてみたんです。そしたらうちの地域の偏向教育がひど
        いちゅう事を聞いて、初めは半信半疑だったんで、まず事
        実を調べてみよう、っていうんで、両方の学校の卒業式の
        式次第やアルバムを並べて、比較をしてみた。

         そしたら、ものすごい違いがあることがわかったんです。
        卒業アルバムを見ても、うちはフロアでの対面形式でやっ
        とる。こりゃぁ校長を高い位置に置かせんためのもんらし
        い。こういう比較情報は、僕だけでなくPTAの間でも、
        うちの学校はずいぶん変な事をやっとる、っていう事を認
        識するんに大きな効果がありました。

    B: ワシの友人にもPTA会長経験者がおって、こんな事を
        言うとった。その会長が学校にいろいろ文句をつけた所、
        その子供は、教室でのプリント配布の時でも、担任から
        「ああ、○○君のお父さんはPTA会長さんじゃけぇ、こ
        ういうプリントは渡さんでいい」と言われて、のけ者にさ
        れたそうじゃ。子供は家で泣きながら「PTAの会長をや
        めて」いうて頼んだそうじゃ。

         PTAの役員になって、この学校はおかしいと気がつく
        人は多いけど、こうして子供を人質にとられとるけぇね、
        言いたいこともなかなか言えん。特にお母さん方じゃね。
        卒業式でのPTA会長の挨拶の時に、こうした事をあらい
        ざらいぶちまけて、今日で会長を辞任するとやった人もい
        たそうじゃ。しかし、そうまでしても学校は全然変わらん。

■3.「まずは校庭の草とりから」■

    A: この話を聞いて、僕も広島の男じゃけん、こういう卑怯
        な輩とは徹底的に戦っちゃろうじゃないか、と思いました。
        しかし、一人で立ち向こぉてもダメじゃ、父兄の中で仲間
        を作っていかんにゃぁいけん、とBさんからアドバイスを
        もらいました。

         そこで、私は地域のソフトボール仲間に声をかけて、P
        TAとは別に「オヤジの会」を作りました。オヤジの会の
        会員を集めようと、勧誘文を学校から配布して欲しいと頼
        んだら、初めは拒否されました。広教組(広島県教職員組
        合)の活動家の先生たちは、我々父兄が口出しするのを迷
        惑がっとりました。

         オヤジの会でまずやった事は、学校の草取りでした。父
        兄が集まって、校庭の草取りをする。これにも広教組の先
        生は、草取りをしたら昆虫の住む場所がなくなる、なんて、
        見え透いた反対をしましたがね。

         それから、学校の横を流れとる川のゴミさらいもしまし
        た。男親が集まると、電動の草刈り機を持ち込んだり、川
        に沈んどる自転車をクレーンで引き揚げたりと、いろいろ
        道具立ても揃いますけぇ、子供らも面白がって参加してき
        ました。今では、父兄の寄付で草刈り機が4台もあります。

         また「とんど祭り」なんかも、オヤジの会が中心となっ
        て学校でやりました。1月15日の小正月に門松やら注連
        縄(しめなわ)やらを山のように積み上げて校庭で焼くお
        祭りですから、オヤジたちが何人も揃わにゃできません。
        子供たちもそりゃ、面白がっておりました。

         作業が終わったら、皆でビールを飲みながら、バーベキュ
        ー・パーティーです。子供たちはジュースでね。これも初
        めは学校で飲み食いせんでくれ、っていう邪魔が入ったん
        で、駐輪場でやりました。

         こういう具体的な作業を作って、なるべく多くの父兄に
        参加してもらったのが良かったですね。座って学校の批判
        ばかりしとるよりも、わいわい言いながら一緒に作業をし
        て、校庭や川がきれいになったのを見る方が達成感があり
        ますけえね。オヤジの会は、別に子供がいない人でも、そ
        の地域の有志が参加できるようにしとったんで、お年寄り
        たちも清掃作業に喜んで参加してくれるようになりました。
    
■4.職員室の異様な雰囲気■

    A: こうして父兄でいろいろなボランティア作業をやりなが
        ら、学校にどんどん出入りするようにしていったんです。
        たとえば校長に会いに行く時は、わざわざ職員室を通って、
        先生方に挨拶していく。

         いや、しかし、最初に職員室に入った時は、異様な雰囲
        気にびっくりしましたね。こんちわっ〜、と大きな声で挨
        拶しもって職員室に入っても、誰も返事をせんのです。余
        計なよそ者が来た、という目つきで我々の方をにらんどる。

         ある先生の机の上には、解放同盟(部落解放同盟広島連
        合会)の新聞が広げてあって、どこかの校長を吊し上げた、
        なんていう記事が一面に出とる。そういう新聞を、我々が
        通ると、さっと隠したりしとりました。

         しかし、我々オヤジの会が校庭や川の掃除といったボラ
        ンティア活動をして、先生方にも呼びかけとると、参加し
        てくれる先生方も、少しずつですが出てきました。先生方
        の中にも、今の広島の教育はおかしい、なんとかしたい、
        と思うとる人も結構おるんです。

         その一人、道徳の女の先生が私に話があるとこっそり言
        うてきたので会うたんですが、その先生は、道徳の時間は
        同和教育や人権教育ばかりで、まるで道徳の教育をやらせ
        てくれない、と私に悩みを打ち明けてきたんです。それで
        も私と二人で話している事がばれると吊し上げされる恐れ
        があるので、部屋に入るときも出るときも、誰かに見つか
        らんようにえろう警戒しとりました。学校じゃあ自由にも
        のを言えん事がよう分かりました。

         オヤジの会では、このように本当に生徒の事を思ってい
        る、やる気のある先生を励まして、サポートしてきました。
        昨年は、ついにこの先生が、道徳の公開授業をやる所まで
        こぎ着けました。退職した前の校長先生からも、「ついに
        やったね」と電話がありました。

         組合活動の中核となっている問題教師は一部なんです。
        その一部が事ある毎に外部の勢力を引き込んで吊し上げや
        らするんで、校長先生も大勢の普通の先生方も口出しでき
        ないような状態になっとる。だから、我々オヤジたちが学
        校に乗り込んでいって、世間の常識からものを申す。そう
        いう事で初めて、やる気のある先生方に不当な圧力をはね
        のけて、子供のやる気を引き出す授業をして貰えるんです。

■5.「破り年休」■

    B: また以前は、組合活動の中心となっとる先生は、広教組  
        の大会とか集会とかで月に3日も4日も出張しとって、そ
        の都度、生徒たちは自習を命ぜられとった。じゃけえ、以
        前は生徒たちが昼日中から、町なかをうろついとる、なん
        て事もようありました。活動家の先生方は、組合活動へ出
        るのに、年次有給休暇の届けを出しておいて、帰ってきた
        ら破って捨てる。これを「破り年休」と言います。

         これが30年間も続けられとったんじゃが、教育委員会
        が約2百名の教師に総額2千万円ほどの返還請求をした。
        学校ぐるみの不正が行われとったわけじゃが、ワシら、オ
        ヤジの会のメンバーがしょっちゅう学校に出入りしとると、
        こがぁな事はあからさまにできなくなった。

         まだまだ組合の方も、いろんな活動をしとるが、以前の
        ように不正をおおっぴらにやるという事はなくなりました
        な。

■6.オヤジたちの援護射撃■

    C: 私はソフトボールが好きで、Aさんのチームとはよく試
        合をしていました。試合後の一杯飲みで、Aさんたちがオ
        ヤジの会で活発にやっている様を聞いて、私も自分の地域
        のために何かしたいという気になってきました。

         Aさんたちを見習って、初めは校庭の草取りから始めま
        したよ。そういう作業を通じて、学校の建物とか、先生方
        の顔と名前を覚えると、家でも息子といろいろな話題がで
        きたのは、嬉しかったですね。今までオヤジとして、いか
        に子供の教育をなおざりにしていたか、改めて感じました。
        息子も口には出しませんが、自分のオヤジが学校のために
        いろいろやってくれるのが、誇らしい様子でした。

         それから、ちょうどこの頃、文部省の指導で、県教育委
        員会から、学習指導要領に則って入学式、卒業式では国旗
        掲揚・国歌斉唱を実施すべきとの通達が各校長に出されま
        した。

         この通達どおり国旗掲揚・国歌斉唱を何とか実施しよう
        とした世羅高校の石川敏浩校長が、広教組の強硬な反対に
        あって、自殺に追い込まれました。この事件は国会でも問
        題になりましたが、やはり教育委員会からの通達があって
        も、校長一人では組合員たちに吊し上げられたら、どうに
        もできません。

         日頃から、オヤジの会がいろいろな行事を通じて、校長
        とよく話し合っていれば、こういう時に支えてあげること
        ができます。私の学校では、オヤジの会が中心となって、
        教育委員会からの通達のコピーを父兄に配布し、有志の連
        名で「学習指導要領通りの卒業式、入学式をしてください」
        という要望書を学校に出しました。

         こういうオヤジたちの援護射撃で、校長をバックアップ
        し、また良識ある先生方を励まして、ちゃんと国旗と国歌
        が卒業式、入学式でできるようになりました。

■7.広がるオヤジの会■

    B: ワシらの市じゃあ、20いくつかの小学校があるが、こ
        うしてオヤジの会が広まっていって、いまではほとんどの
        学校で結成された。まだない所でも、立ち上げようと準備
        が進められとる。お互いに横の連絡をとって、進め方のノ
        ウハウを交換しながら、やっとるけえね、連帯意識もある
        けど、いい意味での競争意識もあるかねえ。

         今までは、オヤジたちは家にほとんどおらんので、学校
        も母親任せで、日教組がどんな勝手な事をしているのかも、
        知らんかった。母親が多少変だなと思うても、子供を人質
        にとられとるから何にも言えん。

         結局、日本の学校教育がこんなになってしまったのは、
        我々オヤジたちが、教育を学校や母親に押しつけて知らん
        ぷりをしとって、その隙に日教組が勝手な事をしとったと
        いうことじゃろう。やはり、オヤジたちが社会の常識を学
        校にも持ち込み、不正とは連帯して戦こうていかにゃなら
        ん。

         また家庭教育がなっとらんのも、オヤジたちの責任じゃ。
        最近、うちのオヤジの会では、暴走族の少年を更生させよ
        うと取り組んどるが、父親や地域のオヤジたちが子供たち
        の不良行為を初めのうちからきちんと注意しとったら、暴
        走族なんぞになりはせん。

         ワシらの子供の頃は、学校への行き帰りは、近所の人が
        農作業をしている横を通って行くんで、あちこち、お早う
        ございます、とか、挨拶をしながら学校に行った。近所の
        人も、「おう、賢ぼう。今日も元気だな。」とか、声を掛
        けてくれる。そういう中では悪さなんか、できっこない。
        地域全体で、子供を教育しとったんじゃね。

         オヤジの会ちゅうのは、日教組と戦うだけじゃのうて、
        家庭や地域の教育力を復活させて、本当の教育改革をして
        いこう、ちゅう動きなんじゃ。日本中にオヤジの会がでけ
        た時には、日本はもっとまっとうな国になっとるじゃろう。
                                          (文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(114) 恐怖と無法の広島公教育界
    「自分の選ぶ道がどこにもない」と言い残して校長は自殺した
b. JOG(065) 閉ざされたクラスルーム
     バラバラに遊び回る生徒達、「生徒に背中を向け」黒板に字
    を書き続ける先生、お互いの心のつながりを失った荒涼たるク
    ラス風景である。なぜこんなことになったのか。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「オヤジたちの教育改革」について 

                                                一孔さんより
     私は岡山県の南西部に住んでいます。隣県の広島県の教育の
    荒廃については、噂話や実体験を通して良くわかっています。
    例えば、私の娘は地元の私立高校に通っていますが、広島県か
    ら多くの生徒が通ってきます。あちらの学校は不良生徒が多く
    まともな教育が受けられないということで、ある程度裕福な
    家庭の子供達は県境を超えて、娘の学校に通学しているのです。

     このような荒廃の背景には、日教組の跳梁があるわけで、三
    重県と並んで偏向教育が子供達を毒している地域と認識してい
    ました。今回オヤジの会の皆さんの対談を拝読し、非常に心強
    く感じるとともに、やはり父親の役割の大きさ、教育を人任せ
    にすることの怖さを再認識しました。日教組も悪いが、それを
    許した親や我々の側にも責任があるんですね。日教組を非難す
    るばかりでは何も解決しない、大人が積極的に関わらなければ
    良い方向へ向けることはできません。タックスペイヤーとして
    も、教育に意見する権利があります。子供達としても、父親が
    関わってくれることはうれしいことでしょう。

     このような動きが全国に広がることを願って、オヤジの会の
    皆さんには是非頑張っていただきたいと思います。応援してい
    る者がたくさんいることを、オヤジの会の皆さんにお知らせく
    ださい。

                                          「あやか」さんより
     私は教職課程を履修中の広島の大学生です。広島の偏向教育
    は、私たちと教授の先生との話の中でもよく議論になります。
    私は今年初めて採用試験を受けるのですが、正直広島の教育に
    は否定的なので、広島で就職したいという気持ちではいますが
    やはりよそへ出て行こうかとも考えていました。自分で言うの
    も…という感じですが、教員という職業に対してかなり熱い気
    持ちを持っているので、「私が広島の教育を変えてやるわっ!!」
    くらいに思うのですが、やっぱり広島じゃぁこんな教員は潰さ
    れるんかねぇ…と友達とも語っていました。
    
     しかし、「オヤジの会」の活動を知って、とても心強く思い
    ました。教育の場面における親の存在はやはり大きいものです
    から、もし私が現実に教員になれた時には、このような協力者
    がいてくれたら…と本当にそう願います。まぁ教員への道はと
    ても険しいのでまずはここからなんですけど…。やっぱり教育
    を考える広島人としては、この状況を見捨てるわけにはいきま
    せんよね。わたしも早く教壇に立てるようにがんばりますので、
    オヤジのみなさんもがんばってください!!そして、子供たち
    に最良の教育をプレゼントできるように一緒にがんばりましょ
    うー!!

                                   「しらゆきひこ」さんより
     オヤジたちの教育改革、胸のすく思いで読ませていただきま
    した。戦後教育の毒がまわってきたようなさまざまな閉塞状況
    を打開する道を示していただいたと思います。これはまさに
    “オヤジの復権”であり、草の根からの教育正常化への道であ
    ると思います。私は、教育行政に関わる職にあり、なかなか言
    いたいことが言えないこともありますが、このようなオヤジた
    ちのバックアップが、閉鎖的空間である現場に風穴を開け、将
    来を担う子供たちを救うことになるかと思います。私も、口先
    だけでなく、子供たちの将来のために行動できる人間となりた
    いと思わさせていただきました。
    
■ 編集長・伊勢雅臣より

     オヤジたちに、先生の卵に、教育行政の担当者と、いろいろ
    な立場の人々が、教育の正常化に向けて取り組んでいます。
     そのほか、多くの方から、オヤジの会への激励のお便りをい
    ただきました。

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