[トップページ][平成21年一覧][Media Watch]][070.14 報道と政治宣伝]

■■ Japan On the Globe(580)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

          Media Watch: 言論封じる「空気の支配」

                   「日本はいい国だったと言ったら解任された」
                   田母神俊雄・前航空幕僚長
■転送歓迎■ H21.01.11 ■ 38,603 Copies ■ 3,032,162 Views■


■1.「ぞっとする自衛官の暴走」■

     待ってましたとばかりに朝日新聞が吠えた。田母神(たもが
    み)俊雄・航空幕僚長が民間企業の懸賞論文に応募した事で更
    迭された事件に関して、「空幕長更迭 ぞっとする自衛官の暴
    走」と題した社説である。

         こんなゆがんだ考えの持ち主が、こともあろうに自衛隊
        組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒
        くなるような事件である。[1]

     この朝日新聞社説に対して、田母神氏は、こう述べている。

        「日本は侵略国家ではない」という私の主張にここまで過
        剰に反応するとは、こちらがぞっとさせられた。

         とにかく内容に立ち入らずに、入り口で議論を封じてし
        まう、あちら側にいる人たちのいつもの戦法だ。・・・

         私は時事通信の記者会見で「もうそろそろ自由に発言で
        きる時期になったと思った私の判断が間違っていたかも知
        れない」「この程度のことすら言えないようでは民主主義
        国家とは言えない、北朝鮮と一緒だ」と語ったが、それが
        本音である。[2,p13]

     両者ともに「ぞっと」したわけだが、どちらが「ゆがんだ考
    えの持ち主」か、事実を見てみたい。

■2.「実証的データの乏しい歴史解釈や身勝手な主張」■

    「入り口で議論を封じていまう」戦法は、この朝日社説に如実
    に表れている。

         論文はこんな内容だ。

        「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害
        者」「我が国は極めて穏当な植民地統治をした」「日本は
        ルーズベルト(米大統領)の仕掛けた罠(わな)にはまり、
        真珠湾攻撃を決行した」「我が国が侵略国家だったという
        のはまさに濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)である」−−。

         一部の右派言論人らが好んで使う、実証的データの乏し
        い歴史解釈や身勝手な主張がこれでもかと並ぶ。[1]

     田母神氏の「ゆがんだ考え」に対する反論はこれだけだ。
    「実証的データの乏しい歴史解釈」と言うが、たとえば論文に
    は、以下のような一節がある。

         満州帝国は、成立当初の1932年1月には三千万人の人口
        であったが、毎年百万人以上も人口が増え続け、1945年の
        終戦時には五千万人に増加していたのである。満州の人口
        は何故爆発的に増えたのか。それは満州が豊かで治安が良
        かったからである。[2,p218]

     これが「実証的データに乏しい歴史解釈」であり、「身勝手
    な主張」であろうか。これを「ゆがんだ考え」と言うなら、よ
    り「実証的なデータ」を出して、反論すべきではないか。

     そんな努力も一切せずに「ぞっとする」「ゆがんだ考え」と
    斬り捨てる方こそ「実証的データに乏しい歴史解釈」「身勝手
    な主張」だ。自由主義社会の言論機関がすべきことではない。

     なお、これ以外にも実証データを見たい読者は、たとえば 
    弊誌既刊[a,b,c,d,e]を参照していただきたい。実証データが
    「これでもか」と並んでいる。

■3.中国軍幹部の見識■
    
     実は、田母神氏は中国軍幹部とも歴史論争をしている。平成
    16(2004)年、統合幕僚学校の海外研修で、田母神氏は校長と
    して、学生を引率して中国を訪問した。

     総参謀部ナンバー2の範長龍・参謀長助理と面談した時のこ
    とである。範中将は、とうとうと語り始めた。自分は瀋陽軍管
    区(旧満洲)の生まれで、子供の頃から両親や親族から日本軍
    の残虐行為を繰り返し聞かされ、到底忘れることはできない、
    と言う。

     範中将の話が終わる様子がないので、田母神氏は手を挙げて
    話を遮って、次のように発言した。

         平和な時代にも暴行はあるし殺人もある。それだけを取
        り上げて残虐行為が頻繁に行われたという中国側の歴史認
        識にはまったく同意できない。日本軍が実質満州を統治す
        るようになってから満州の人口はどんどん増加している。
        それは満州が豊かで治安が良かった証拠である。残虐行為
        が行われる場所に人が集まるわけがない。

     そして日本はアメリカから原爆投下や東京大空襲で、民間人
    に対する無差別テロを受けたが、それに対して謝罪要求をする
    ことはしない。中国は日中会談のつど、それをやっていて、そ
    れが日中関係を阻害している、と語った。

     範中将はややびっくりしたような表情をしたが、「歴史認識
    の違いが日中軍事交流の妨げにならないようにしたい」との趣
    旨を語った。範中将のこの答えは見事な見識だ。朝日新聞の社
    説子よりも、はるかに思想・言論の自由をわきまえている。
    
■4.「政府の基本方針」■

     朝日の社説子は、5万人の航空自衛隊のトップである空幕長
    が「政府の基本方針を堂々と無視して振る舞い」と非難してい
    るが、この「政府の基本方針」とは村山談話のことである。

     村山談話とは、平成7(1995)年8月15日に村山富市首相が
    閣議決定に基づき発表したものだ。村山は日本社会党党首だっ
    たが、自民党との連立により、たまたま首相になっていた。

     村山談話の中に次の一節がある。

         わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争へ
        の道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略
        によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し
        て多大の損害と苦痛を与えました。

     朝日新聞は、これを「政府の基本方針」と見なして、「日本
    は侵略国家ではない」と主張する田母神論文を、「ゆがんだ考
    え」と非難しているのである。
    
■5.議論を封じて成立した村山談話■

     そもそも、この村山談話がどのような経緯で閣議決定された
    のか、見ておく必要がある。[f]

     平成7(1995)年、戦後50周年を機に、村山首相は談話と同
    内容の「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議案」を国
    会で決議しようとした。

     しかし、この決議案には超党派の反対意見が強く、国会で成
    立する見通しは立たなかった。そこで村山首相は、同じく社会
    党の土井たか子衆院議長と一計を案じ、平成7年6月9日、
    「本日は本会議なし、各議員は選挙区に帰られたし」との通知
    を衆議院内に回した。

     多くの議員がこれを信じて帰郷したその夜、土井議長は本会
    議開催のベルを鳴らし、議員総数509人のうち、265人が
    欠席するという異常な状況の下で、わずか230人の賛成で決
    議を成立させた。開会が7時53分、決議後の散会が7時59
    分という早業であった。

     しかし、参議院の方は、衆院でのあまりにも汚いやり方に審
    議すらせず、決議案は宙ぶらりんの状態になってしまった。

     そこで村山首相は、同年8月15日の閣議で、少数のスタッ
    フで作成した談話を事前説明もなしに、読み上げさせた。「閣
    議室は水を打ったように静まり返った」。突然出された談話に、
    閣僚は誰ひとり反論できず、閣議決定とされたのである。

     朝日新聞の言う「政府の基本方針」とは、国会内でも閣議で
    も議論を封じ、多数派の隙をついて騙し討ち的に成立させたも
    のなのである。民主主義国家にあるまじき成立プロセスであっ
    た。

■6.「村山談話は言論弾圧の道具だ」■

     田母神氏は平成20(2008)年11月11日に参院の外交防衛
    委員会に参考人として招致された。2時間半の審議の後、国会
    を出ようとする田母神氏は、追いかけてきた記者にこう語った。

         村山談話の正体が本日分かった。村山談話は言論弾圧の
        道具だ。自由な議論を追求することができないなら日本は
        北朝鮮と同じだ。[1,p70]

     審議の冒頭から北澤俊美委員長(民主党)は「本委員会は参
    考人の個人的見解を表明する場ではありません」と釘をさした
    上で、こう言った。

         論文事案は制服組のトップが自衛隊の最高指揮監督権
        を有する内閣総理大臣の方針に反したことを公表するとい
        う驚愕の事案であり、政府の文民統制が機能していない証
        であります。・・・昭和時代に文民統制が機能していなかっ
        た結果、国家が存亡の淵に立ったのは、忘れてはならない
        過去の過ちであります。存亡の淵に立った最初の一歩は、
        政府の方針に従わない軍人の出現とその軍人を統制できな
        かった政府、議会の弱体化でありました。[1,p71]

     田母神論文を「文民統制が機能していない証拠」と決めつけ、
    それによって政府を追求するための審議だったのである。

     毎日新聞の同日夕刊も「この日は通常の参考人招致と異なり、
    田母神氏が委員の質問だけに答える形式をとった。田母神氏が
    持論を一方的に披露することを警戒したため」と報じた。

■7.発言を封じられた「参考人」■

     実際に、田母神氏は二度にわたって、発言を封じられている。
    一度目は、田母神氏が次のように発言した時である。

         ただ私は村山談話で批判されているが、村山談話と私の
        論文は別物だと思っています。村山談話はどの場面が侵略
        とも具体的に言っていない。自衛官にも憲法19条、21
        条、23条の自由が、、、

     ここで委員長は「参考人に申し上げます。冒頭の委員長発言
    の趣旨を体して発言してください」と田母神氏を遮った。

     もう一回は、こう述べた時である。

         で、私も今回びっくりしていますので「日本はいい国だっ
        た」と言ったら解任されたと。そしてまた責任の追及も
        「いい国だと言ったような人間をなぜ任命したんだ」と言
        われる。(このまま)しゃべっていいですか。

     北澤委員長はまたしても「参考人、質問者はそこまで質問し
    ていません」と発言を制した。

     北澤委員長は「内閣総理大臣の方針に反した」とか「政府の
    文民統制が機能していない」と冒頭で決めつけたが、田母神論
    文のどこがどのように「内閣総理大臣の方針に反した」のか、
    文民統制上、自衛官はどこまで言論の自由が持てるのか、とい
    う本質的問題に対しては、議論を封じているのである。

■8.我が国の言論の自由を蝕む「空気の支配」■

     何の根拠も示さず、何の議論もなく騙し討ち的に成立した村
    山談話が金科玉条とされ、それを批判する言動は、これまた何
    の根拠も示されずに、「ゆがんだ考え」「ぞっとする」とまで
    罵倒される。

     自由な議論の場であるはずの国会でも、田母神氏の発言のど
    こがどう問題なのか議論もされず、氏の自由な発言も許されな
    かった。

     こういう情景から思い起こされるのは、山本七平氏が名著
    『空気の研究』で提起した「空気」という概念である。

         いわば彼を支配しているのは、今までの議論の結果出て
        きた結論ではなく、その「空気」なるものであって、人が
        空気から逃れられない如く、彼はそれから自由になれない。
        ・・・従って「空気だ」と言われて拒否された場合、こち
        らにはもう反論の方法がない。[3,p14]

     村山談話に込められた「日本は侵略国家」という自虐史観、
    そして「文民統制」の背後に潜む「軍の暴走」という強迫観念、
    これらは戦後の日本を拘束してきた「空気」なのであり、その
    「空気」を批判する人は、「KY(空気が読めない)」として、
    たちどころに左傾マスコミや野党から問答無用の集中砲火が浴
    びせられるのである。

■9.「空気の支配」を打破するには■

     我が国が国民の多数意思に基づく真の自由民主主義国家に脱
    皮するためには、こうした自由で理性的な議論を封ずる「空気
    の支配」を打破しなければならない。

     その兆しはある。田母神氏の著書[2]は、硬い内容のわりに
    はベストセラーとなっている。またヤフーの世論調査では「幕
    僚長という立場で政府見解に反する論文を公表したことに、問
    題があったと思いますか」という設問に対し、投票総数9万7
    千票ほどのうち、「まったく問題なし」46パーセント、「ほ
    とんど問題なし」13パーセントという結果となった。

     朝日新聞などによる「空気の支配」を打ち破るのは、国民一
    人ひとりの事実と理性に基づく自由な言論活動である。
                                         (文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(446) スターリンと毛沢東が仕組んだ日中戦争
    スターリンはソ連防衛のために、毛沢東は政権奪取のために、
   蒋介石と日本軍が戦うよう仕組んだ。
b. JOG(239) 満洲 〜 幻の先進工業国家
    傀儡国家、偽満洲国などと罵倒される満洲国に年間百万人以
   上の中国人がなだれ込んだ理由は?
c. JOG(254) 「親日派のための弁明」を読む
    私たちは国を奪われたのではなく、日本というましな統治者
   を受け入れたのである。
d. JOG(168) 日米開戦のシナリオ・ライター
    対独参戦のために、日本を追いつめて真珠湾を攻撃させよう
   というシナリオの原作者が見つかった。
e. JOG(059) パール博士の戦い
    東京裁判で全員無罪を主張
f. Wing(1196) だまし討ちで成立した村山談話

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 朝日新聞「(社説)空幕長更迭 ぞっとする自衛官の暴走」、
   H20.11.02
2. 田母神俊雄『自らの身は顧みず』★★★、ワック、H20
3. 山本七平『「空気」の研究』★★★、文春文庫、S58

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■おたより

                                               直人さんより
     小生は何の因果か、海外に長く居住しております。スイスを
    中心とした独仏や英国で、当然多くの家が国旗を掲げているの
    を見かけております。ある日、小生の居住している場所へ皇室
    の方がいらした時に、日本人会で日の丸を掲げてお迎えするべ
    きでしょう、と言ったときに「右翼と間違えられると困る」と
    の答えでボツとなりました。そこで、個人で日の丸を掲げてお
    迎えいたしました。
 
     ドイツ人とフランス人と南アフリカ人と食事をした際、自分
    の国を愛するか、と聞いて、「あたりまえじゃないか」と変な
    顔をされた経験があります。大多数の日本人が普通に自分の国
    を愛することを表現できないのは、右翼と思われたら困る、と
    云うのが一番の理由ではないでしょうか。日本で自宅に日の丸
    を掲げたら大変なことになるような気がします。
 
     ですから、日本人がいつまでも自国を愛することができない
    のは街宣車に代表される職業右翼のせいだと思っております。
    逆説的ですが、彼らが結局は民族の敵なのだと思っております。
    その上、その構成員のかなりの部分が韓国・朝鮮人であるとの
    ことを知り、海外にて怒り心頭に達しております。
 
     そこで、何とか編集長様の卓越したお知恵により、彼らを撲
    滅する手段をご提案していただけないでしょうか。

■ 編集長・伊勢雅臣より

     街宣車の問題は分かりませんが、「日の丸を掲げたら右翼」
    というのも、「空気の支配」ですね。

■「言論封じる『空気の支配』」に寄せられたおたより

                                                 島さんより
     No.580の読者投稿に「日本で自宅に日の丸を掲げたら大変な
    ことになるような気がします」と、「右翼に間違われる不安」
    が書かれていました。数年前まで私もそう思っていました。右
    翼に間違われる不安、あるいは右翼に敵対する人たちからの批
    判や攻撃が気になっていました。

     私の父は現役時代には教職員組合と対峙して日の丸を掲揚さ
    せ君が代を唄わせる立場にあり、子供の頃から祭日には自宅に
    国旗を掲げていました。6年前に私に子供ができた時に、私は
    「親が私にしてくれた事は自分の子供にもしてあげよう」と考
    えました。子供が三歳になった元旦に玄関に旗を掲げたのです
    が、家人に反対されるのがいやで相談もせずにいきなり実行し
    ました。同居の家内の母はすぐに日の丸に気づき孫を呼んで日
    の丸の歌を唄ってあげていました。子供は無邪気で日の丸日の
    丸と大はしゃぎです。家内にはなぜ国旗を掲揚するのかと訊か
    れましたが「自分が育ったように子供を育てたい」と話したら
    納得したようです。納得したというよりも元々あまり気にして
    ないのかも知れませんが。

     それから何年も経ちますが、誰かから嫌がらせを受けること
    もなく何か言われることもなく今に至っています。今年の元旦
    は近所の何軒かが国旗を掲げていました。少し増えたような気
    がします。国旗を掲揚してもよいのだ、という地域のコンセン
    サス形成にいくらか貢献できたのではないかと自負しています。

                                             D.M.F.さんより
     田母神氏は「村山談話は閣議決定であるため、公務員はこれ
    に拘束される。従って、論文を書くにあたり、村山談話を否定
    しない事については、入念に考慮した」とWiLL4周年記念講演
    会で述べられております。

     すべての公務員が拘束される「閣議決定」が、かかるだまし
    討ちの様な経緯で決定され、それを朝日新聞が「政府の基本方
    針」と勝手に言葉を作って持ち上げる…。まさしく「直江兼続」
    がいれば「直江状」を送りつけて「一戦(総選挙)を辞さず」
    と行くところでしょうが、当時はみんな「空気に支配」されて
    何も言えず、安倍首相でさえも村山談話を覆す事ができません
    でした。(※)ここは近隣諸国の「過去の(謝罪を受け入れた)
    事は忘れて、断固として日本に謝罪要求する」鉄面皮な姿勢を
    見習って欲しいものですが。

     講演会の話の中では、統合幕僚学校の海外研修で件の発言後、
    招待された返礼のパーティーの時は、範中将の姿はなく、数名
    の佐官のみでした。通常は相手に合わせて将官クラスが来るの
    ですが、あからさまな嫌がらせでした。また、翌年は中国から
    招いて研修をする予定が「来れなくなった」とまた嫌がらせを
    受けたそうです。これを報告に来た担当に対し、田母神氏は
    「『じゃあ来るな』と返信しておけ」と言ったら、相手は慌て
    て来る旨連絡があったそうでした。

     中国の方がよほど空気を読める様で滑稽でした。

    (※)「村山さんの個人的な歴史観に日本がいつまでも縛られ
    ることはない。その時々の首相が必要に応じて独自の談話を出
    すようにすればいいと考えたのです。むろん、村山談話があま
    りに一面的なので、もう少しバランスのとれたものにしたいと
    いう思いもありました。ところが、とんでもない落とし穴が待っ
    ていた。平成10年、中国の江沢民国家主席が訪日した際の日
    中共同宣言に「(日本側は)1995年8月15日の内閣総理
    大臣談話(村山談話)を遵守し、過去の一時期の中国への侵略
    によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任を痛感し…」
    という文言が盛り込まれていたのです。この共同宣言は、昭和
    47年の日中共同声明、53年の日中平和友好条約に次いで中
    国が重視していますから、日本が一方的に反古にすることは国
    際審議上出来なかった。」(月刊「正論」2月号「緊急対談・
    保守はこの試練に耐えられるか」p54〜55 より)
    と覆す事ができませんでした。


                                             寺小路さんより
     田母神論文に関しては、まさしく空気のようなものに支配さ
    れて、単なる一私企業の懸賞にエッセイを書いたに過ぎない田
    母神氏を排除するという、日本の国会議員の亡国的な姿を目の
    当たりにしました。あれほど「選良」が選良とはいえない、判
    断力の欠如を示した、現在の国会議員のレベル低下を示す事例
    はないと思います。
 
     ただ、彼らの姿をレベル低下として捉えるよりも、もっと適
    切なとらえ方あるのかなと、現在は思っています。かつて故山
    本七平氏が言語化に成功した「空気の支配」、山本氏がこの状
    況を見出す一番のきっかけは、日中戦争や大東亜戦争に突入し
    ていく日本の姿からだったと思います。

    「愚かなバカな決定」を下した背景を分析していく上で、当時
    は「愚かな」姿が目立ったのかも知れませんが、今日ではコミ
    ンテルンが絡んだ意図的な偽装的な判断が見えてきて、実は彼
    ら売国奴にとっては非常に合理的な判断であり行動であったと
    いうことが見て取れるわけです。
 
     同じように、現在の国会議員は愚かに見えるのですが、彼ら
    が本当の独立国家を意図しているのでなく、あくまで戦後的な
    「従属国家体制」存続に利益を見出し、その継続を狙っている
    のならば、田母神氏を追い出す彼らの判断には十分な合理性が
    見えてきます。
 
     従って、私は今の国会議員は自民党も含め基本的に独立国家
    体制派ではない、従属国家戦略に乗った人たちなんだと判断す
    るのが正しいと思います。憲法改正さえもこれを唱えるだけで
    実際には時間を稼ぎ続けるだけの人たちなのが、彼らの正体な
    のではないでしょうか。

     以上のことから、今後の我々の戦略は、彼らは戦後体制に利
    益を見出す「国家簒奪」派であり、これ以上国政を任せること
    は「従属国家体制」に日本をおくだけなのだと言うことを、明
    確に認識していくことではないかと思います。


                                           鼻庵居士さんより
     最近、阿川弘之氏の" 井上成美 "を読み返しているのですが、
    井上海軍大将がいかに当時の世相・日独伊三国同盟締結を計ろ
    うとする空気なるものに翻弄され惑わされきっている人々を相
    手に果敢に対応されたか、自等の命の存続さえも危ぶまれた状
    況下でありながら毅然と、海軍行政の中枢を担う活躍をされた
    か、改めて確認出来、その識見と行動の正しさに、今回の田母
    神航空幕僚長の論文に表わされている識見と行動にまぎれもな
    く一致するものがあると感じました。

     それにしても危惧するのは、昭和前期の世相を支配していた
    空気なるものと現在の平成のそれとが、妙に共通点が有るよう
    に思えてならないことです。

     また腹がたつのは朝日新聞なるもののいい加減さです、大体
    日華事変から対日米戦までその戦争遂行に最も協力的だった当
    時の報道姿勢をころっと戦後変換させながら、六十年以上も経
    ちながらも、その事に対するきちんと論理的に釈明することも
    ない野郎自大の実践です。

     井上成美海軍大将、田母神俊雄航空幕僚長という日本の明治
    期以降の武将がいられることになにやら胸がほっとしました。


                                               お京さんより
     私はアメリカで3年生活しておりました。アメリカでは、国
    旗と州の旗が交差して置かれているのを普通に目にします。国
    と住んでいる州に、みんな自信を持って生活しているのです。
    私は添乗員、日本語教師という仕事を通して、多くの外国人と
    知り合う機会がありましたが、それぞれが普通に愛国心・郷土
    愛があるのに対し、日本人は愛国心・郷土愛がなさ過ぎるし、
    それを持つと右翼的に見られます。大戦の時の後遺症なのかも
    しれませんが、愛国心・郷土愛をアレルギー的嫌う傾向があり
    ます。

      私は愛国心・郷土愛は、人に言われて持つものではなく、
     生活する中から自然と湧いてくるもので、その心が良く国を
     保つことになるし、他の国を愛する心へと繋がり、本当の国
     際人になれるのだと、確信しております。日本人は外国に迎
     合しすることばかりで、自国文化に誇りを持っている人が少
     なすぎます。また、自国文化を語れる人も少ないです。これ
     は、国際人として、非常に恥ずかしいことではないでしょか。

      外国語が話せる、話せない、という問題より、自国文化を
     愛する気持ち、それを他国に紹介し、他国の文化も尊重しよ
     うという気持ちが、真の国際化に繋がると思います。日本人
     が、本当の国際人になるためには、まだまだ時間がかかりそ
     うですネ。


                                             catnetさんより
     アメリカ在住20年のcatnetです。
 
    「中国側の歴史認識にはまったく同意できない。<中略>日本
    はアメリカから原爆投下や東京大空襲で、民間人に対する無差
    別テロを受けたが、それに対して謝罪要求をすることはしない。
    中国は日中会談のつど、それをやっていて、それが日中関係を
    阻害している」という田母神氏の意見に同意します。
 
     戦争で被害を受けた国は中国だけでなく、日本は世界で唯一
    の被爆国であり、都市を2つも破壊されてます。戦争の被害を
    訴えたら切がありません。それこそアメリカは日本に対して謝
    罪すべきです。
 
     中国だけでなく、韓国も何かにつけ戦争下で起こった事柄に
    対して謝罪や慰謝料を要求し続けています。謝罪しても、間違っ
    た歴史を国民に教え込む、敵国として恨みや憎しみを刷り込み、
    国民をマインドコントロールするという自国の事は棚に上げ、
    日本の教科書やはたまた靖国参拝まで文句を言ってきます。日
    本政府が「事なかれ主義」「触らぬ神に祟りなし主義」を良い
    事に、竹島はgoogle earth上では韓国領になってます。中国に
    油田を取られても文句なし。そんな日本政府に対して田母神氏
    の意見は刺激になるのではないでしょうか。日本も言われっぱ
    なしではなく、重い腰を上げるべきであると私は思います。
 
     また、アメリカで多くの中国人、韓国人に、時折日本人だと
    分ると「我々はこんな事された、あんな事された」と恨み辛み
    を押し付けられます。仕事中であろうがほっておくと2時間以
    上一方的に喋ったり、マッサージ屋に客として行っても、ある
    クラスを取っても知らない中国人や韓国人に文句を言われます。
    私は戦争を体験していない日本人で、文句をいう彼等の中にも
    若くて全く戦争を経験してない人達もいます。

     結局、日本人=敵と教え込まれているから世代関係なく日本
    人を敵対視するのでしょうが、おもしろい事にアメリカで日本
    人に成りすまし、日本食レストランを経営したり、働いている
    のは殆どが中国人や韓国人です。また、日本のお店などで買い
    物するのも中国人や韓国人が多い。嫌いなのに憧れを持ち、日
    本人になろうとする。あれだけ日本をバッシングしても家電を
    買う時は日本製に拘る中国人。日本からあれだけ技術提供され、
    技術が向上したにも関わらず、低能なコピー品、毒だらけの食
    材に溢れている中国。そんな中国人が今や中国は世界一とのた
    まう。
 
     今まで日本はアメリカやヨーロッパに追いつけ追い越せで、
    今や技術は世界一。中国や韓国も日本を目指し頑張っている。
    今まで相手にしてなかった中国や韓国にも目を向け、ちゃんと
    した指導をすべきです。彼等にやりたい放題させておいてはい
    けない。

■ 編集長・伊勢雅臣より

    「日の丸掲揚は右翼」というのも「空気の支配」ですね。国旗
    掲揚する人が一定比率を超えたら、そんな「空気」は「雲散霧
    消」してしまうでしょう。

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