補助ノート 2000/11/3 現在

『青木雨彦』

  • 『叱り方の上手い親下手な親<PARTU>/田中澄江編/青春出版社』より

    そのためには、学校へ上がる前に、ビッシリと重石をのせておく必要があります。 僕自身はどういう理由で体罰をしたのか覚えていませんが、子供たちは、よく記憶しているそうです。
    たとえば、長女が、僕の言うことを聞かないんで、お尻をひんむいて、「ごめんなさい」と謝るまで叩いたというのです。 九十九回まで殴った、というのですから、娘も僕も相当がんばったのでしょう。 次女は、庭の木に縛りつけられて夜までほったらかしにされた、と言っています。 三女はさらに凄惨で、二階の窓から逆さまにして足を持ち、
    「ごめんなさい、と言わなければ手を放すぞ」と脅していたそうです。
    これは僕も多少の記憶がありました。何しろ、子どもが暴れるもので、 もし万が一、手が放れたら子殺しになるぞ、と真剣にやっていたからです。
    小学校に上がる前に、三人それぞれ「父さんは怒ったら恐いぞ」という重石を 与えておくのが大きな狙いでした。物心つく前に恐ろしさを記憶させておくことで、 父親の言うことを素直に理解してくれる素地ができたと思います。




『クロード・チアリ』

  • 『叱り方の上手い親下手な親<PARTU>/田中澄江編/青春出版社』より

    まったくバカげてます。まず二つともおもちゃを取りあげてしまいます
    「君たち、パパが買ってきたおもちゃ、喜んでくれるのはいいけど、ありがとう、忘れているよ」
    ケンカを叱る前に、一言、気をそらします。それで、一息ついたら、
    「こんなバカな話はないよ。おもちゃが早く遊んでほしい、と言っているのに、 君たちはケンカばかりして。お姉ちゃん、二歳の子のマネすることないだろ」
    と叱ってお尻を叩く。


    下の子があるパーティーで、つい調子に乗って走り回っている。ほかにもたくさんの 人達がいるものだから今日は叱られない、と思っているんです。特別に許される、と 子どもは錯覚するのですね。たしかに、親は人前で子を叱るのはちょっとためらいます。 こんなところで叱らなくてもいいじゃないか、と他人の目を意識するからでしょう。 ところが、子どもはそれが狙い目なのです。だから私は、
    「ちょっと来なさい」
    と言ってお尻を力いっぱい叩きました。すると子どもは、プライドを傷付けられた、 侮辱された、という顔をして私をにらんできました。私はそれでいいと思うんです。 そんなことでプライドが傷つくのでは、つまらないプライドなのだから早いうちに、 叩きのめしておいたほうがいいのです。




『団藤重光』

  •  <情報提供者 水沢さん/掲示板の書き込みより>
     『団藤重光『わが心の旅路』(有斐閣、1986年)17頁』

    「・・・まだ小学校にあがる前の幼いころでしたが、私が何か間違ったことを すると、父はそれは厳しかったです。竹で作った物差しなんて今の人は知らない でしょうが、裁縫用の鯨の二尺差しでもって私の尻を叩くわけです。そのころの ことですから子供でも着物を着ているのですが、その裾をきゅっとまくって 尻をむき出す。そして、まず、柱をピシッピシッとやって大きな音をたてて おいてから、私の尻をピシッとたたくのです。あとでミミズばれになり、赤く はれあがるのですが、決して黒くなるまでは打ちませんでした。それから、 怪我をさせるといけないから、尻以外は決して打たなかったですね。しかし、 尻だって痛いですよ(笑い)。こちらはしまいには泣き出し、畳に両手をついて 謝る。そうしたら「よし」といってやめてくれ、台風一過で、そのあとはすぐに にこやかな父に戻るのです。・・・」




『酒井法子』

  •  <情報提供者 MR.Kさん/掲示板の書き込みより>
     『新聞記事検索(NIFTY経由)/”ケツバット”で検索/毎日新聞』

     「夢ごこちっていうか、超ウルトラ マンモスラッチー(最高にラッキー)です」。
     十四日、今春の第六十回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の入場行進曲に選ばれた「夢冒険」を歌うアイドルの酒井法子(のりこ)さん(16)。
     「おかピー」(おかしい)、「うれピー」(うれしい)……昨年、若者の流行語になった独自の“感覚コトバ”、「のりピー語」で、笑顔いっぱい喜びを表した。
     「私だって、球児だったのヨ」とのりピー。
     福岡市立舞鶴中時代、三年間ソフトボール部に所属、毎日、ボールを追いかけた。
     肩が弱く、足も遅くて、監督にしかられた。
     「バットでおしりをたたかれるの。ケツバットって言うのヨ」。
     二年の秋からレギュラーになり、レフトで九番打者。
     三年の夏、全国中学総体県予選で決勝まで進みながら、逆転負けし、悔し涙を流した。
     「だから、勝った人より負けた人の気持ちがわかるの」
     ・・以下略




『輪島功一』

  • 『叱り方の上手い親下手な親<PARTU>/田中澄江編/青春出版社』より

    これは子育てでも同じだ、と思いました。父親は恐い物なんだ、 と教えなければいけないと考えたのです。恐いから、叱られないようにしよう、 怒られないように悪いことはやめよう、きっとそうなると確信しました。 父親を恐がらせるには体罰が一番です。特に悪いことを何度言っても 聞き入れない時は怒りました。 遊んだおもちゃを片付けないでいたときです。もう五、六回言った後、
    「お父さんに何度同じことを言わせるんだ。えっ、何度か言ってみろ」
    「ろ、ろっかい・・・・・・です・・・・・・」
    「なんでそんなに言わせるんだ。バカヤローッ!、お父さんの言うことは 聞けって言ってるだろ、こっち来いっ!」
    もうすっかり恐がって、ガタガタ震えています。それでも子どもの体を膝に乗せて、 お尻を力一杯叩くんです。自分が元チャンピオンだってことも忘れて、 力まかせに叩くものですから子どもは「痛いよ、助けて」と叫びます。 それでも手は休めません。
    「痛くするように叩いているんだ、痛いのはあたりまえだ。 口で言ってもわからないなら体で覚えろ!」
    こんなことを小学校に入る前にやっていたんだから、今じゃ手を上げる前に 言うことを聞いてくれるようになりました。悪いことをすれば痛いんだと 覚えたのでしょう。ですから、最近では手を上げることもなくなりました。
    小学校に入る六歳までに、「父親は恐いんだ」という基本ができたのですから、 今度はほめてあげてもいいだろうと思ったんです。



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