補助ノート 2000/11/3 現在

『体罰・刑罰』   <情報提供者 広葉樹さん>

  • 『朝日新聞2000年9月?』

    「特派員メモ、バンコク / 体罰は教師の権利か。 タイで教育省が体罰を禁止する条項を定めたところ、教職員組織から反対の声が上がり、議論になている。 「体罰派」は、素行の悪い子どもに言うことを聞かせ、教室の秩序を保つには体罰以外に方法はない、という。 「愛しているなら牛はつなげ、子はたたけ」ということわざを引いて、体罰禁止はタイの伝統的精神土壌のも相入れない、という論を展開する教師もいる。 タイでは、学校教師は絶対的存在で、教師が教えたこと児童・生徒がひたすらノートに書き取って覚えるスタイルがまだ多い。 体罰は権利だと主張する教師は、教室支配者の「権威」の裏付けを失うことを恐れているようにみえる。」

  • 『朝日新聞2000年10月21日』

    「家族のきずな。アジアで4 / 「ピシッ。ピシッ。」夜中の高層住宅で時々、ムチの音が聞こえる。 遅くまで電気がついている部屋からは、泣き声も響く。 眠い子どもを起こしながら、勉強をさせているのだ、という。 「はじめは驚きましたが、そのうち、ああ、やっているなあと思うようになりました」とシンガポール滞在四年の日本人が話す。 エリート主義と教育熱こそ、小子化の一因ではないかとの指摘がある。 のんびり子育てを楽しむどころではないからだ。 シンガポールでは小学校から徹底した能力別コースが敷かれている。 四年生の成績で、その後の進路がほぼ決まってしまう。 子どもがあ四年生になると親たちは目の色が変わり、仕事もうわの空で、子どもにつきっきりになる。」

  • 『朝日新聞2000年10月27日』

    「減るか少年犯罪4シンガポール / シンガポールにはムチ打ちが刑罰として残る。その現場を青少年に見せる「刑務所体験ツアー」がある。裁判所から保護観察処分などを受けた十二歳から十八歳が対象で、刑務所の雰囲気を味合わせ再発防止を狙う。「見せる」ことによる抑止が、シンガポールの少年犯罪対策の特徴だ。 ムチ打ち用の部屋にはサンドバックのような等身大の人形が、イスのような器具にうつ伏せに置かれていた。ムチは籐製で太さ約一センチ。職員は野球の打者のように片足を軽くあげた後、人形のしりに思いっきり振り下ろした。 シンガポールの法律では七歳から十五歳までが少年。ムチ打ちは犯罪の重さに応じて回数が決められ、少年は十回までに制限されている。しかし、一度に三回が限度とされ、それを越えると大人でも失神する人が少なくない。刑を受けた後、一週間は仰向けに寝られず、しりの傷は一生消えないといわれる。 ムチ打ちは旧宗主国の英国から受け継いだが、シンガポールは「壁の落書き」などの軽犯罪にも適用を拡大した。建国の父リー・クアンユー上級相は、最近出した回顧録で、「日本兵の銃口の下での人々の行動を目の当たりにし、厳しい罰を科すと人は罪を犯さないことを学んだ」と述べ、厳罰のルーツが旧日本軍の占領体験にあることを明らかにしている。」



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