滋賀英研の21世紀の課題と紹介

(A)現在までの取り組み
 私が教師になる前は、一宮さん、西川さん、三上さん、山田さんなどが、新英研の大会に参加されていたり、以外の方も含め滋賀県の英語教育のサークル活動をされてきた。15年前、正式に「新英研 滋賀支部」を発足し、滋賀銀行に口座を作り、郵便局への振り込みの形を作った。その時は、草津勤労福祉会館の会議室で例会を行い、常時10人前後が授業のプリントや実践報告を行っていた。15人くらいの人に案内を送付していた。
 でも関西ブロック集会や新英研の全国大会への参加は私と一宮さんだけということも少なくはなかった。以後、秋の教研の度ごとに、参加される方にこの会を説明し、現在、案内送付する人は60人に増えた。
滋賀英研の発展の大きな転機になったのが、1998年、3月。私の転勤を機に、増えつつあるパソコンの需要とともに、メールを持つ人も増えてきて、滋賀英研のHPを作成、そして、メーリングリストを開設した。この時、教研でのつながりだけでなく、新英研の下部組織でなく、幅広い会員を組織するため、名称を「滋賀県英語教育研究会 滋賀英研」に変更した。職場でそれまで、一割しかインターネットをしていなかった割合がそのころから、急速に増え始め、今や6割(特に英語教員はさらなる割合)がインターネットをするようになってきた。その増加とともとに、滋賀英研のHPを見たあと、事務局に滋賀英研への入会を希望するメールもここ数年で5,6人あり、滋賀英研は今や「市民権」を得るに至っている。また、滋賀県内の教育の総合案内HP会社から、リンクの依頼も数件あった。
 現在、HPは開設した’98年3月より2年7ヶ月の間に、7090人が訪れた。また、MLは23人を登録している。案内送付は60人、年会費は1000円、一年間に2万円の収入がある。
 また、HPを開設した時、事務局体制を整備した。会長の他に、副会長、事務局として、中学からと高校から数名で組織している。秋の教研の「推進委員」がこの事務局を組織している。

(B)21世紀に向けて議論していきたいこと
(1)人間の行き方、人権、平和等につながりのある教材の発掘や実践の交流、滋賀の地域性を活かした教材作り、また、音楽やビデオなどの教材の交流や紹介。
(2)文法の授業はカリキュラムに陰にかくれているが、どこの高校の授業でも行っている。文法の授業の工夫や実践交流がもっと必要なのではないか。
(3)今日の困難な教育の事情をお互いが知り合い、総合に交流し、実践を深める方法の検討を行うまた、現場の厳しさの中で、創意、工夫している取り組みから学ぶ。
(4)ALTとのティームティーチングの授業の情報交換。
  (5)今後増えていくであろう早期英語教育についての論議や情報交換。またその現場におられる方から学ぶ。
(6)ビデオ、音楽、映画、DVDなどの教材を英語教育の中でどう扱い、取り組んでいくか。またインターネット、電子メールも有効に活用する方法を構築していく。

(C)教材論
高校のリーディングのテキストを見て、「これええ話やなあ」という感じで、いい教材に出くわされた経験はどなたでもあると思います。自然、環境、平和、国際問題、人権問題、障害者問題、また人間の生き方を教材にしたレッスンがあると思います。では、なぜそういった教材がテキストに載っているのでしょうか。
@文部省の指導 A教科書会社の意向 B時代の流れ C教育委員会の指導 Dなにかそれ以外の運動や要求 Eそれ以外  さて、答えは何番でしょうか?   答えはBとDです。それを受けてAです。新英研をはじめ民間英語教育団体が新しい教材を発掘し、それを実践し、全国に広めていったのです。それがBの時代の流れを予見した実践家とともに、新しい教科書の「内容」を創造していったわけです。大学受験希望の多い高校の教師は日常の急がしさで、教材の中身に入る余裕があまりないのが現状かもしれません。でも、教材の中身についてもっと吟味してもらい、先ほどの運動と時代の流れをもっと認識してもらえることを願っています。また、中学の教科書は(私はあまり知らないのですが)もっと採択の問題も含め、教材について、もっと議論が必要なのかもしれません。
 いい教材を創造し、それを広げていき、教科書の中に入れていくといった「運動」がこれからもっと必要になってくると思います。そのためには、インターネット、電子メールをもっと有効に活用して、教師同志の交流を深めていく必要があると思います。21世紀は発展と想像と創造と運動の時代です。教育から教育運動への転換が必要な時代がやってきます。滋賀英研は以前から「教材」についてうるさかったのです。もちろん、なぜそういった教材が必要なのか、再認識する必要もあります。それは、生徒が変わるからです。いい教材を使っていけば、必ず生徒は変わっていきます。その確信を滋賀英研で学びましょう。

滋賀県では、この滋賀英研のメーリングリストが開設されています。 滋賀英研に加入するには、年会費1000円が必要です。 滋賀県に勤務する人、滋賀県に在住する人、滋賀県の教育に関心のある人は 滋賀英研の会員になれます。

滋賀英研への問い合わせは 滋賀英研まで


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