人間を育てる英語教育を求めて
新英語教育研究会会長 瀧口 優
 戦後日本の英語教育は「平和のための教育は,英語教育課程をも含めた全教育計画の条件であり重要な部分である」(1951年学習指導要領)として出発しました。それからおよそ 70 年のあゆみを踏まえて今日に至っています。また,外国語教育は平和教育であるという提示がなされます。外国語を通じて相手の理解を深めることによって,偏見をなくして真のコミュニケーションをつくり上げることができるからです。
 
新英語教育研究会(新英研)が英語教育の目的を高く掲げてスタートしてから,今年は 55 年目にあたります。英語教育の目標とは「平和を守り真実をつらぬく」英語教育の確立です。まさに戦後の英語教育の原点です。
 
 一方,子どもと教育をめぐって,体罰やいじめ,あるいは虐待など,子どもたちが生きにくい状況が報道されています。子どもたちが平和に生きられない状況が広がっています。東北では東日本大震災や福島原子力発電所の崩壊によって避難生活を余儀なくされている人々が未だに26 万人以上(2月13日復興庁)もおり,その中には多くの子どもたちが含まれています。
 
 「すべての子どもたちに外国語を学ぶ喜びと平和な未来をひらく力を」つけることを目標として日々授業に取り組んできた私たちは,今こそ豊かに実践を発展させなければなりません。
 
 全国の多くの皆さんが新英研第 51回京都大会に参加されて,私達の目指している「自然との共生,人間の協働」「人間を育てる英語教育」を一緒に考えてみませんか。