井上直久さん
大阪の茨木市にお住まいの画家。賢治を敬愛する氏は賢治が故郷岩手を”イーハトーブ”と呼んだように、ご自分の街を”イバラード”と名付け、独自の壮大で幻想的な絵を描いておられます。
宮崎駿アニメ「耳をすませば」の中の「バロンのくれた物語」の美術を担当されたり、パリで個展を開かれたりして、ビッグになられてからも茨木で創作されているのがうれしい。
そしてさらにうれしいのは私の住む高槻は”タカツング”、勤務地のある吹田は”スイテリア”という名となってイバラードの隣国として氏の絵やマンガに登場することです。
巨大な半透明のイカが空を飛んだりしてそれはそれは不思議な光景なのだけれど、そのモチーフはごくそばにある風景だそうです。井上氏の画集を紹介してくれた人が『イバラード博物誌』の表紙を見せてくれた時の会話。「これどこをもとにしたんだと思う?」「???」「梅田のよく知ってる場所よ。」「阪急百貨店?」「そう、他の絵も茨木や高槻で私たちがよくみている風景らしいんだけど・・・」清水寺らしいのはわかったけれど他はわからない。「でももしかしてこれは井上さんの絵の風景??」なんて身近な風景を想像的な目で見られるようになったのが楽しい。
『北摂とびっきり109人』(シティ・ライフNEW)という本の中のインタビューにこんな言葉があった。「イバラードは外国の風景と思っている方が多いんですが僕は外国に行ったことはありません。(’95年当時)どこへいくかは問題じゃない、どういう視点で見るか。異邦人の目、子どもの目で見れば、
毎日が発見です。つい先日も近所で”トトロの城”をみつけましたよ。」・・・どこなんだろう、”トトロの城”。子どもにしか見えないトトロも井上氏なら見えるんだろうな。
作品 絵本 イバラードの旅(講談社絵本新人賞受賞)
画集 イバラード博物誌(架空社)
空の庭、星の海(イバラード博物誌2)
ジパングの岸辺(イバラード博物誌3)
虹化石の街へ(サンリオ) 
漫画 イバラード物語
CD-ROM イバラードの旅(シンフォレスト)
イバラードの世界
HPもステキです。登録すればイバラードの住人になれるし、氏の日記も読めます。
井上直久のイバラードの世界 http://iblard.com/