BOOKバックナンバー(1)


アニメ版ブギーポップは笑わない〜BoogiePop Phantom〜シナリオT&U
 この本は、タイトルにあるようにシナリオ本です。
 これがこのまま放映されたわけではないのだけど、細かいところまで書いてあります。

 アニメ版のブギーポップは、原作とは違うオリジナルで、アニメだけの話なのですが、
これまで出ている原作と多くの接点を持ちます。
 なので、原作を読んでると、結構楽しみが多い…。

 逆に、原作を読んでいないと…謎な点が多くてわからない…。
わたしは、アニメを見ているときはそうでした。
 見てても、話が繋がってるのは分かるのだけど、謎なところが多すぎる…。
 ようやく、最後の2話を見る前に、映画版を見て、ようやくちょっとわかりかけたぐらい。
 シナリオ本に話を戻すと、この原作とどこで接点があるかがわかるようになっています。
 ただし…ネタバレ的なことも書いてあります。
 わたしも…これで、いくつかは原作読んでないのに知ってしまいました(^_^;)
 まぁ、読むときは忘れてるか(^_^;)

 あと、アニメ版の各話は1話で完結してるのですが、それぞれがさらに複雑に絡み合ってます。
 時間もバラバラになってます。
…その辺は、原作を読んでなくてもおもしろいところではありました。

 そんなところも「リンク」という形で書いてあります。
 各話がこういうふうにつながって…一連の話の構造がだんだんとわかっていくのか…
 それともこんがらがるのか…それは読み手次第(^_^;)

 シナリオ本を読んだあと、またアニメや原作を読んでみるといいかも知れません。
(2000/10/16 23:10) 

人類ネコ科/みず谷なおき
 主人公七瀬北斗と、天然(?)少女谷山舞奈が織りなすラブコメディ。
(というような説明でいいんだろうか?(笑))

 谷山舞奈は、学園のアイドルなのだが、その舞奈に、北斗は惚れられてしまう。
北斗はその気もないのに、成り行きで告白してしまうが、そのうち…。
 はじめは、単純に舞奈がかわいい…と思っていたのだけど、
そのうち、この舞奈がとんでもないキャラだということがわかってきた。
 おとなしいかと思えば、結構行動的で、一途(ある意味頑固)でもちょっと抜けてる。
う〜む、無敵ですねぇ〜。(月森氏談)
 後半は、舞奈が結婚するといいだして、さらにドタバタが白熱するという…。

 15年前の物で、3巻までありますが…
 わたしとしては、もうちょっとあっても良かったかなぁ〜と思います。

 ちなみに、谷山舞奈の名前の由来が、谷山浩子がマイナーだからである…
というのは有名な話(らしい)です。
 作者本人はあとがきで、否定してますが(^_^;)
(2000/10/22 02:16)

少女少年シリーズ/やぶうち優
 「少女少年」とは、やぶうち優さんが、小学6年生で連載したシリーズ。
 97年に「少女少年」が連載され、98年に「少女少年U-KAZUKI-」、99年に「少女少年V-YUZUKI-」、そして2000年の現在は「少女少年W-TSUGUMI-」が連載されています。
このうちVまでは、コミックスで発売されてます。

 ストーリーは、いずれも男の子が、女の子として芸能界にデビューするという内容ですが、
それぞれは、あるテーマを持って描かれてます。

「少女少年」は…このような話は初めてなので、まず取っかかりを。
「少女少年U」では、母と子の物語を。
「少女少年V」では、自分らしく。

 こんな感じの構成になってます。
(かなり安直かもしれない(^_^;))

…で、今回は「少女少年V-YUZUKI-」のお話。
(といってもTとUの事をこの先書くかはわかりませんが)

 橘柚季(たちばなゆずき)は、小学6年生の男の子。
 四国のとある島に住んでいたが、女の子みたいな顔立ちと声(まだ声変わりしてない)
のため、ふたりの兄に、女装させられ、からかわれていた。
 そんな毎日から抜け出したくて、”タレントオーディション”応募する。
 しかし、兄たちの陰謀により、性別欄が「女」で登録されてしまう。
 そんなことは知らずに一次審査に合格した柚季は、東京へ行き、
2次審査を受ける。
 周りが女の子だけの中。ほかの応募者に圧倒された柚季は、
苦手な男性ボーカルの歌を歌うのをやめ、女性ボーカルの歌を歌って、見事合格した。
しかし、ようやくここで自分が女だと思われていることがわかり思い悩む。
 本当のことを告白して四国に帰るか?それとも女としてあこがれの東京に住むか?
柚季は東京に住む方を取った。

…というところが序章のお話。(注:勝手に「序章」にしてます)
この先、男だとばれないように…という生活が続きます。

 オーディションに合格した3人が、一緒にプロデューサーの家に住むことになり、
ばれないかと、ヒヤヒヤ(でもないかな?)
 まぁ、結局は徐々にばれていってしまうんですが…。

 少女少年の魅力として、いつまでばれないで居られるのか?どういうふうにばれるのか?
というのがあると思います。
 Tでは、仲良くなった女の子(彼女もアイドルなのだが)に、
UとVでは、ライバルに、一番先にばれてしまいます。
でも、ばれたことにより、秘密を共有することになり、友情が深まります。

 Vでは、この秘密の共有ということが、ちょっとした鍵になってます。
 そのことで、後半3人のユニットに、ちょっとした問題が起こることになり…。
でも、それはいい方向に改善していく。

 そういえば、シリーズで共通して出ている「村崎さん」
 T・Uでは、最初から正体を知ってるけど、Vは最後にならないとわからない。
まぁこれT・Uではマネージャ、Vではプロデューサと、ちょっと役割は違うから
かも知れないんだけど。

 さて、先ほども書いたとおり、この少女少年のシリーズは、小学6年生に連載されてきました。
小学6年生に限らず、小学○年生という雑誌には「1年で終わらなければならない」という制約があります。
 少女少年にもこの制約は当てはまるわけで…ちゃんと終わりがあります。

 Tは、内容がどたばたであったため、終わりもそんな感じ。
 Uは、感動的に終わってます。…これ、最初からそうしようと思ってたんだろうなぁ〜。
…なんてね(^_^;)

 Vは、テーマを突き通したかな?(まぁUもそうではあるんだけど)
 自分を偽っては、この先やっていけない…。正しい選択ではないでしょうか?

 ここまで書いてきて、まだ出てきてませんでしたが、幼なじみで島では唯一の同い年の「ちよ子ちゃん」彼女が結構、重要な役割をしてます。

ということで、おしまい。
(2000/10/23 22:02)

◆新井素子作「ラビリンス<迷宮>
 この物語は、わたしが初めて感銘を持った話でした。

 そもそもわたしは、これを読むまであんまり本を読んでいなくて、
最初に読もう!と思って読んだのが「ロードス島戦記」
 その次が、この本だったのでした。
 ファンタジーだろうと思って読んでいったのですが…。
実はそんなに甘くはなかった(ってのは大げさかな?)

 話が進んで行くに連れて、いろいろ解ってくる。
 この世界が、世界戦争後かろうじて生き残り、文明をすべて失ってしまった人類の世界であること。
 この世界で”神”と呼ばれている物の正体。そしてその”神”の苦悩。
話が哲学的なところまで及んでしまった。

 これはかなりの衝撃でした。
たかがファンタジー、されどファンタジーですね。

 さて、最近、またこの物語を読み始めました。
 古本屋で買ったものですが…初めて読んだときは高校の図書館だったので、
実は欲しいと思ってたのでした。

 さらに、また再販されたらしいです。
店頭に並んでいるのをちょっと見てみたら、ちょっと字が大きかった(笑)
(2000/11/02 23:51)

少年と少女のポルカ/藤野千夜(ふじの ちや)
 藤野千夜さんは2000年1月芥川賞を受賞されたそうです。

 この作品は、その芥川賞ではないんですが、96年の藤野千夜さんの初めての単行本だったそうです。(ちなみに、わたしが今回買ったのは、今年三月発売の文庫本)

 で、この本の内容。
 一言で行ってしまえば、ホモの少年と性同一性障害の少年と電車に乗れなくなった少女の話。
…なんか簡潔すぎるか(笑)

 でも、登場人物の割にさわやかです。全然どろどろしたところはない。
 それは、それぞれが、悩む時期を過ぎて、ある意味悟っているから。

 トシヒコは、陸上部のリョウが好き。リョウに一目惚れし、中学の時、志望校を勝手に探り当て、そしていま、その男子高校に居る。クラスは違うが、毎朝電車に乗ってくるリョウを眺めるのが至福の時。
 ヤマダは、トシヒコと同じクラス。ヤマダは、自分のことを間違った体に生まれた女だと思っている。学校が私服で来ても文句をあまり言わないのを良いことに、女の格好で毎日通学している。(スカートだけは穿いては来なかったが)ゲイバーでバイトをし、週一で女性ホルモンを注射をしている。睾丸も手術で摘出していた。
 ヤマダは、ヤマダをからかう男子(男子しか居ないけど)が多い中、唯一トシヒコに関しては、別の目で見ていた。
 トシヒコの幼なじみミカコは、突然電車に乗れなくなってしまう。電車に乗ると気分が悪くなってしまうのだ。その理由は誰にもわからない。
 この3人が主で話が進んでいきます。

 トシヒコは、生徒会選挙がきっかけでリョウと仲良くなり、ヤマダはついに学校についにスカートを穿いてきてしまう。ミカコは、結局電車に乗れず…やがて病院に入院してしまう。

 わたしの感想としては、これから話が進むのかな…と思いきや、唐突に話が終わってしまう。
 まぁ、短編だから仕方ないのだけど、なんかこの先にもう一つくらいあってもなぁ〜と思いました。
 トシヒコとヤマダに関しては、それぞれの心の中も描いてはいるのだけど、ミカコについては、客観的に見たところしか書かれていない。ミカコがなんで電車に乗れなくなったのか?その辺が非常に気になりました。
(2000/08/06 20:21)

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