映画・ドラマバックナンバー(1)
- ◆アナザヘヴン(6月)
- この映画は、テレビと連携してるということを知らなかったら、たぶん見に行って無いと思う。逆に言うと、映画と連携してるなんてことが無ければ、テレビの方も見なかったでしょう(笑)
映画とテレビの連携…これがまさに魅力なのだった。
映画とテレビのそれぞれの話は、実は全く別の話なのだが、テレビの1〜2話と映画の話が、シンクロしているのである。
…とはいったものの、映画は、小説を映画化したもので、こちらの方が本筋となり、テレビの方は、それにつじつまを合わせるように出来ている。
テレビの1話の最後に失踪してしまう皆月悟郎(テレビ主人公/大沢たかお)、そして2話で出てくるまで、その間は28日あるのだが、映画の方はそのあいだに起こった出来事となる。
それで、ここからは映画の話。
人の脳を取り出し、それで料理を作ってしまう猟奇殺人犯、最初は大男かと思われたが、実際は失踪した女子大生、柏木千鶴であった。
しかし、真の犯人は柏木千鶴ではなく、その中に入り込み彼女を操っていた「何か」であった。そいつは、人を乗り換える事が出来、早瀬マナブ(映画主人公/江口洋介)を翻弄させる。
この「何か」は最終的に早瀬マナブにとりつくことを考えるのだが…。
はたして、マナブに何があるというのだろう? と疑問に思った。
何か特別な意味があるのか…でも、そのことは映画では一言しか語られていない。
「おまえは俺と同じ」と。
それだけなので、謎である。
あるいは、終盤にその答えがあったのかもしれないが、少なくともわたしにはわからなかった。
さて、ここで再びテレビの話も織り交ぜてみる。
テレビの主人公の悟郎も、やはり何かにまとわりつかれている。
それは、「紫の石」というものだが、この石が人から引き出すのは「悪意」。
その「悪意」はなぜ、悟郎につきまとうのか?
テレビと映画の両方に出て来る犯罪マニアの幕田ユウジ(加藤晴彦)は、映画では、ほんのちょい役でしかない。だが、テレビでは悟郎とともに大活躍である。
(ちなみにプロモーション番組でも大活躍だった(^_^;))
だが、ここで構成の仕方にちょっと引っかかる物があった。
前述したとおり、テレビは映画の後、映画につじつまを合わせる形で出来ている。
だから、その辺はちゃんとしてるのかな…と思いきや、そうでも無いみたいである。
テレビで、ユウジの回想シーンがあるのだが、そこでマナブとユウジは会っている。
だが、映画ではこの二人が絡むシーンというのは無く、映画のエンディングを迎えた時点では、まだ二人は会っていないのである。
すると、このシーンは映画の事件の後ということになる。
だが、雰囲気的にはまだ事件の途中という感じだった。
これはどういうことなのだろうか?
もしかすると…わたしの勘違いであるかもしれない。
別に、事件の後のシーンでも、一応は納得行く。
この事件の後、二人の刑事の消息は分かっていない…
というか、映画ではそれ以上語る必要はないし、テレビでは全く出てこない。
二人の刑事は、今いったい何をしているのか?
テレビの本筋からは離れるような気がするが…でも、気になる事ではある。
ある解釈では、
事件は解決したものの、その真相を話したとしても、とうてい理解されるものではない、それに二人は、一人の刑事を銃で撃っている。
…ということから、なんらかの処分を受けたのではないか…というのだ。
いまのところ…これが一番理解できる。
もしかすると、この答えはそのうち出てくるかもしれない。
さて、映画最終的な感想を述べると、「まあまあ」という感じ、はまり具合はテレビの方があったような気がする。
映画の場合は、刑事物という感じで、特に謎を解くという感じではなかった。
たぶん…テレビで知っている情報が多かったために、それでなのかもしれない。
- ◆ブキーポップは笑わない〜Boogiepop
and Others(3月)
- 電撃文庫から出ている小説の映画版です。ブギーポップシリーズは小説ではいろいろ出ていますが、映画では第1巻の内容となっています。
世界が危機になると現れる死神ブギーポップと仲間(?)たち…そんな内容です…ってこれじゃわからないね(笑)
宮下藤花や霧間凪の居る学園を舞台に人を喰うマンティコアと人間関係が絡み合います。
このお話は、普通とちょっと違って、時制が行ったり来たりします。…というのは、ひとつの視点からではなく、それぞれのキャラクタから見た視点が1つの章…という形で、話が出来ているので、同じシーンが何回も登場したりします。この話の進み方が、なんか謎解きをして居るみたいで楽しいです。
さて、ブギーポップは映画公開と同時期にアニメもやってました。こちらは小説第1巻(映画と同じ)の後の話で、内容が微妙に影響しています。映画や小説を見た後でアニメを見ると話がすごくわかって面白かったです。
- ◆ケイゾク/映画(3月)
- TVドラマ「ケイゾク」の映画版で続編です。
わたしはテレビのレギュラー放送時には見てなくて、映画になると知った途端「しまった!」と思ったのですが、あとでテレビ版の再放送を見ることが出来、スペシャルも見て完璧、そして映画にのぞみました。
物が消えるという南の孤島での殺人予告に柴田と真山が巻き込まれる…一見宿敵の朝倉とは関係ない話です。
トリックとしては、割と簡単です。それよりも柴田の言動がおもしろい(笑)
事件が解決したか…というところで朝倉が登場。でも、この展開はちょっと納得いきませんでした。
…でもまぁ、全体的には良かったと思います。
- ◆リング0〜バースデイ〜(鑑賞:2000/02/10 ワーナーマイカル海老名)
- 主演・山村貞子役:仲間由紀恵
リングシリーズの最新作にして、最初の話。シリーズでの呪いの元凶である貞子の物語です。
貞子が何故に、人々を恨むようになり、井戸に落とされてしまうことになったのか? それを解明する話であり、また貞子の悲しみの人間ドラマを描いたものでもあります。
わたしとしては、今回は人間ドラマの方を主に期待したのですが、まあ作品の傾向上、どうしてもホラーになってしまうわけで…。でも、今回はそれでもやりすぎなような気が…。わたしはそうでも無かったんですが、今回は前にも増して怖いです(笑)
ホラーじゃ無いのを期待するのが、意味無いのかな?(笑)
- ◆ISOLA〜多重人格少女〜(鑑賞:2000/02/10 ワーナーマイカル海老名)
- 「リング0」と同時公開。一人で13人もの人格を持つ少女の物語です。実はそれだけではなくて、阪神大震災を扱ったものでもあります。
個人的には、震災をネタにホラーをやらなくても…と思いました。
この話の主人公は、多重人格の少女ではなくて、人の心を覗くことが出来るという能力を持つ少女。能力者が二人…というのが新鮮に思いました。多重人格、超能力の他に、幽体離脱や、生霊なんてのが出てきます。
- ◆リングシリーズと同時上映について
- ところで、前回「リング2」の同時公開は「死国」でした。これは死者が生き返るというのがテーマだったのですが、「あなたはもう死んでいるのよ」という台詞が「リング2」の方に…。これはどちらかというと「死国」の方の台詞ではないかな〜と思ったりして…。
そういや両方とも霊界と繋がる池(プール)が出てきてましたっけ。
今回の「リング0」と「ISOLA」でも、両方に「超能力」が出てきて、その点、類似性があるな…と感じました。
- ◆おしまいの日。(鑑賞:2000/02/04 新宿武蔵野館)
- 新井素子原作「おしまいの日」の映画化で、主演は裕木奈江(妻・三津子役)と高橋和也(夫・忠春役)。
・STORY
いつも帰りの遅い忠春を待つ三津子は日記にこう記している。
「春さんはいつも帰りが遅い。」
三津子はたとえ忠春の帰りが深夜になろうとも、夕食も食べずに待っていた。
忠春はいつも酒を飲んで疲れて帰ってくる。そんな忠春の精神と体を三津子は心配していた。
そして、忠春を心配するあまり、三津子はノイローゼのようになってしまう…。
この映画のテーマは「夫婦」。わたしにはちょっとレベルが高かったかもしれない(^_^;) 原作やラジオドラマを聞いてるときは、そうは思わなかったんですけどね。三津子と忠春、久美と俊彦の二組の正反対が登場して、「夫婦」というものを探っていく。そんな感じでしょうか。
ラジオドラマでは三津子の役は谷山浩子がやってたので、そのイメージが強くて、でも裕木奈江ならはまり役かな〜とは思ったのですが、実際に見てみると、ちょっと違いました。いままでの裕木奈江のイメージともちょっと違う感じ(私感)。でも、まぁそれなりに良かったと思います。
映像的に難しいことはわかりませんが、最後の星が背景にあるシーンでは、スタジオ撮影であることが丸わかりであったことが、ちょっと残念でした。
ちなみに、映画のタイトルに「。」がついているのは、「モーニング娘。」以来の流行かな〜と思いましたが、映画を見てみて、この作品のこだわりであると勝手に納得。(日記を書くシーンで、文章をきちっと「。」まで書いている。)あと、「おしまい」という意味を強調しているのかもしれない。
- ◆ガラスの脳(鑑賞:2000/02/05 テアトル新宿)
- 原作は手塚治虫。主演、小原裕貴(ジャニーズJr・長沢雄一役)、後藤理沙(飯田由美役)。
・STORY
1954年。飛行機事故から生存した妊婦から奇跡的な誕生を果たした赤ん坊・飯田由美は生まれてから一度も目を覚ますことはなかった。
1961年。喘息で入院していた7歳の少年・長沢雄一は、病院で眠り続ける少女・長沢由美を発見する。この少女が「眠り姫」だと聞いた雄一は、それから毎日「僕が王子様だよ。目を覚まして」と少女にキスしていた。
1972年。高校生になった雄一は、テレビのワイドショーを見て由美を思い出す。かつて通っていた病院の由美の病室に行くと、いまでも由美は眠り続けていた。それから再び雄一は由美の病室に通い、キスをするのだった。
ある嵐の夜。祈りを込めた雄一のキスで、由美はついに目覚めた。17年間眠り続けていたブランクを取り戻すように、成長する由美。3日目に由美は雄一に「私が目覚めていられるのは5日間だけ…」と告白する。
わたしがこの映画を見た理由は、主題歌「DOOR」にあります。歌っているのは石井聖子ですが、作詞が谷山浩子だからです(笑)
この映画は、私的には悲しいお話です。せっかく目覚めたのに5日間しか起きていられない。なんて不条理なんだろう…。泣くと思ってたら、最後の瞬間、やっぱり泣いてしまいました。非常に感動する愛の物語です。
ちなみに、この映画、キスシーンがやたらと多いです(^_^;)
- ◆A・LI・CE(鑑賞:2000/02/05 新宿ジョイシネマ3)
- フル3DCGムービー。実写とも普通のアニメとも違った映画です。早い話が、ゲームのムービーシーンを全編映画にしたというような映像作品です。また、DLP方式という技術が使われ、この映画の再生にはフィルムが使われていません。
さらに、この作品にはモーションキャプチャーという技術も使っています。モーションキャプチャーとは、体に機械をつけて、それをトレースし、画面上のキャラクタに同じ動きをさせるというもの。今回の作品では、役者が実際にアクションを起こし、それによって画面上のキャラも同じように動く…ということをしています。
・STORY
2000年、月ツアーに当たった亜利寿は、スペースシャトルで大気圏を脱出したが、墜落してしまう。機体から脱出した亜利寿は、何者かに襲われ命を狙われる。なんとか逃れた亜利寿は、少年・ユアンに助けられた。そこは2030年の世界で、世界人口は10億にまで減少、この世界を支配していたのは、独裁者・ネロと、彼が作り出したコンピュータSS10Xであった。
わたしは元来、3DCGのアニメはあんまり好きではありません。「いかにも」って感じがするので。
それでもこの映画をみたのは、声で清水香里が出ているから(笑)わたしが行った公開初日は舞台挨拶があって、遠目ながら生の香里ちゃんを見ることが出来ました。
話の内容についてですが、いろいろ気になることが多い話でした。内容を全然知らずに行ったので、途中時制関係がごちゃごちゃと(笑)時制関係…といっても、話は2030年で展開するのですが。未来を知ってしまった亜利寿は、2000年に戻って、この先どうするのでしょうか?
これを見て思ったことは、2000年というのは「未来」ではなく、「現在」そして「過去」になろうとしているということ。時間は知らぬ間に進んでいる…ということを思い知らされます。
[戻る]