急性咽頭・扁桃炎


@ 急性咽頭炎

a,原因 
 ウィルス,連鎖球菌,ブドウ球菌などの感染や鼻・副鼻腔などの炎症の波及による。

b,病態
 通常、上咽頭,中咽頭を含めて咽頭粘膜全体に一様に認められることが多い。
 急性扁桃炎を合併することが多い。 
 10歳未満の小児に多く認められる。
 ウィルス感染で始まり、それに一般細菌(連鎖球菌,ブドウ球菌,インフルエンザ菌,肺炎球菌など)

c,症状
 発熱,咽頭痛,咳など
 咽頭粘膜発赤
 局所リンパ節腫脹

d,治療
 食事変化(流動食または禁食にする),安静,水分補給,湿度を保つ,抗生剤の投与
 対症的に解熱剤、鎮痛剤の投与,吸入療法(ステロイド剤、抗生物質、血管収縮剤の混合液を用いる),含嗽(イソジン,ノズレンのうがい)

A 急性扁桃炎(急性口蓋扁桃炎)

a,原因
 中咽頭の炎症が口蓋扁桃に主在するとき、扁桃炎と呼ぶ。
 扁桃の非特異的な急性炎症を指す。
 細菌感染で、起炎菌は連鎖球菌(β溶連菌),ブドウ球菌,肺炎球菌など
 急性扁桃炎は陰窩内の常在細菌の活動によって起こることが多く、過労など全身の抵抗力の減退時や気候の変動時などに発症することが多い。

b,病態
 急性扁桃炎は陰窩内の常在細菌の活動によって起こることが多く、過労など全身の抵抗力の減退時や気候の変動時などに発症することが多い。

c,症状
 発熱,悪寒戦慄,全身倦怠感,頭痛,四肢関節痛,咽頭痛,嚥下痛,上気道炎症状

d,治療
 安静,局所療法,鎮痛剤の投与
 抗生物質の投与(Dr指示にて),初期は氷嚢、炎症が消退をはじめたら温湿布(保温)

看護のポイント

#1 有熱期は安静臥床させる(解熱しても患部の症状が治まるまではできるだけ安静とする)

#2 不必要な会話はさけ、咽頭痛を増強させないよう、室温、湿度などを調節する

#3 口腔内の清潔につとめる
  微温湯、イソジンやノズレンなどの含嗽水にてうがいを励行。
  刺激のある歯磨き剤や含嗽水をさけるよう注意をうながす。

#4 対症療法
  氷頚にて頸部の冷湿布
  指示により鎮痛剤,解熱剤,抗生剤の投与、およびその前後の観察
  咽頭痛、咳嗽に対し効果的な吸入療法

#5 輸液や水分摂取量の観察
  急性期は疼痛による水分・食事摂取困難があるため、脱水の有無を観察する
  疼痛の軽減にしたがい刺激の少ないものから摂取を開始する

#6 二次感染症や合併症の予防
  リンパ節腫脹,熱型,鼻漏など全身状態の観察

#7 症状軽減後もなるべく安静にし、治癒までの間は過労をさける

手術療法を受ける患者の看護については扁桃摘出・アデノイド切除術を参照ください。


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