「ジョセフィン 虹を夢みて」

2000年1月16日府中の森芸術劇場ふるさとホール
2000年1月19日〜2月15日地方公演
2000年2月23日〜3月5日紀伊国屋サザンシアター
2000年3月9日〜4月17日地方公演

★★★ Official Data ★★★

作…青井陽治
訳詞…青井陽治・堀内美希
演出…木村光一
音楽監督…岩間南平
振付…チャチャ遠藤
装置…石井強司
照明…室伏生大
効果…斎藤美佐男
衣装…渡辺園子
演出助手…浅沼一彦
舞台監督…森正夫
製作担当…三浦秀和
制作総務…渡辺江美

CAST

前田美波里
          ……………ジョセフィン・ベイカー

大原ますみ
春風ひとみ
風間水希
茅野ゆか
伊野真紀子
立川三貴
武正忠明
岡幸二郎
下馬二五七
真矢武士
吉野圭吾
田中宗一
松井工
          ……………ジョセフィンをめぐる人々(詳しくは本文中)

★★★ STAGE REPORT ★★★

●ご注意

このレポートは記憶とパンフレットをたよりに書いています。
誤りや記述の欠けている点も多いかも知れません。ちょくちょく足して&直してゆきますが、ご指摘・ご感想・ご質問・ツッコミ等々ありましたらぜひお寄せ下さいませ。
(最終更新日2000年3月5日 第三版(^^;))

●雰囲気

本当は「あらすじ」を書こうと思ったんですが思うにこのお話には「あらすじ」はない(^^;)。
「ジャズ・クレオパトラ」と呼ばれた黒人歌手ジョセフィン・ベイカーの生涯の物語です。
生まれて育ってデビューして、歌って踊って結婚して世界中をまわって歌ってまた結婚して、レジスタンス活動して戦場をまわってまた結婚して世界中の子供を集めて歌って歌って歌って…という波瀾万丈の人生をドキュメンタリー風に追って行きます。
レビュー・シーンでは歌やダンスがありますが、ストーリーはほとんど台詞で語られます。「ミュージカル」でなく「音楽劇」とされるのもうなずける感じ。
ジョセフィンを演じる前田美波里さん以外は、すべてのキャストがいろんな役に配され、家族・群集・観客・バックダンサー・スタッフ等々ジョセフィンに関わるさまざまな人物を演じていきます。 それでも一番着替えが多いのは役替りのないはずのジョセフィン・ベイカー(交流会によればなんと30回!)。ステージ衣装だけでもめまぐるしいいきおいでチェンジして行きまして…入れ替わり立ち代わり、くるくる変わる登場人物とジョセフィン自身を追っていくうちに、長い物語も凄い勢いで進んで行きます。

●ストーリー&キャスト

文中、敬称略。表題や固有名詞、年代はプログラムを参考にしています。

◆オープニング
冒頭はステージに立つ黒一色のバックダンサーズ。明るい曲(きっと有名な曲(^^;))に乗って「琥珀の女王」ジョセフィン・ベイカーが登場し、すかさず狂言回しに変わった登場人物たちがジョセフィンの略歴を語ります。
ジョセフィンは各国の言葉で観客にあいさつしたり(「ボナセーラ!」で笑うひと随所に(^^;))外野に突っ込んだりしながら「今夜は私のすべてをお見せするわ!」と歌って踊ります。

DANCE! ボビノ座
最初に後ろ姿で登場。ファンの方はこの段階で見つけられるかためしてみましょう。
DANCE! メドレー
冒頭のシックな雰囲気とはうって変わって、アメリカン・メドレーに乗ったダンス。 男性陣の衣装は、吉野ファン的に99年を彷彿とさせられる横縞シャツにネッカチーフ。(濃い人に言わすと「Yours2」のジャッキーにしろゴンドリアにしろ、首にしてるのは「スカーフ」じゃなくてあくまで「ネッカチーフ」って感じなんだそうな。わかる気がする。)
"Diamonds"(女にとっては結局ダイヤが一番の友達なのよ!みたいな曲)での"Tiffany!!""Cartier!!"と全員で叫ぶとこがむちゃくちゃカッコいい。

◆ジョセフィンのおいたち
(回想の中の幼いジョセフィンby茅野ゆか、ジョセフィンの母親キャリーby大原ますみ)
1906年、セントルイスに生まれたジョセフィンは、貧しい黒人として過酷な少女時代を送ります。8才の時から白人女性(by風間水希)の家庭で住み込みの下働きをはじめたジョセフィンは、小さな失敗から手に熱湯をかけられるなどひどい目に遭いましたが、2軒目の奉公先は子供のない優しい女性(by春風ひとみ)でした。狭いながらも地下室に自分の部屋をもらい、仕事の後は自分の時間として楽しく暮らしていましたが、夜な夜な現れて次第に彼女に迫ってくる寝間着姿の幽霊の正体がそこんちのだんなさん(by岡幸二郎)と発覚し(^^;)この仕事も没になってしまいます。
1917年、セントルイスの人種暴動に遭遇します。39人の黒人が殺されたこの暴動、ジョセフィンは炎から必死に逃げた体験を繰り返し語りますが、後に弟のリチャード(by真矢武士)は「本当のところ僕たちは対岸に済んでたんだから危ないことなんかなかった」と明かしたのでした。
ジョセフィンは自分の人生を伝説として、ドラマティックに演出しつづけることを開き直ります。
13歳の時ジョセフィンはウェイトレスとなり、15才年上のウィリー・ウェルズ(by松井工)と最初の結婚をしましたが、乱暴な夫とすぐうまくいかなくなり、人の集まる場所で踊りまくる大道芸の生活に飛び込みます。 初めての舞台からジョセフィンの道化ぶりがバカ受けし、楽団ディキシー・ステッパーズとの巡業が始まります。

CHECK! 段々の人々
ドラマに加わらない出演者は、舞台の両端の段々に座ってジョセフィンの物語を見物している(ので、圭吾ファン的にはついそっちもちらちらと見てしまう)。怖い方の奥様が段々に上ってくるとサイドステップで逃げるとことか、縦縞のガウンの幽霊が降りてくるのを後ろからけしかけるとことか、ジェシーおばちゃんがウィリー・ウェルズを誰に振ろうかな…と見繕いに来た時に「俺俺俺」とばかりに上着脱いで腰を浮かすとことか、楽しすぎる。

◆2度目の結婚〜「シャッフル・アロング」
14歳の時、彼女の舞台の常連であったビリー・ベイカーと結婚します。ふたり目の夫はとってもいい奴だったので、二人はつかの間の幸福な日々を送ります。 しかしジョセフィンはビリーと一緒にニューヨークで観た「シャッフル・アロング」に惚れ込み、オーディションに見事合格。「影の薄い夫」ビリー・ベイカーはあっという間に彼女の人生から置いていかれてしまうのでした。
ジョセフィン(by風間水希)は「シャッフル・アロング」でプロデューサーのシスル&ユービーに認められ、ブロードウェイのショー「チョコレート・ダンディーズ」に抜擢されます。この公演は60週間で6万ドルの赤字を出してしまいましたが(^^;)、ジョセフィンは歌って踊って飲んで騒いでの楽しい日々を送ったのでした。

CHECK! ビリー・ベイカー
ジョセフィンの2人目の夫で「肌の綺麗な美形の若者」(って本当に言うんだ(^^;))。とことん影が薄いとはいえジョセフィンが一生名乗る姓は彼のものなのであった。
「シャッフル・アロング」にのめり込むジョセフィンの後ろで右往左往する彼(襟を正して自分も踊ってみようとするんだけど、このステップがまた盆踊りだったりバレリーナだったり…)、その可哀想さと可愛さは思い出しただけでホロリとくる。べそかかんばかりの「ジョセフィーン!」の呼び声と子犬のよーなお目目が「なさけない」「かわいい」「彼となら幸せになれそう」との評判を呼んだ。
いや、大好きだわこの人。

◆「ルヴュー・ネーグル」出演(パリ→ブリュッセル、ベルリン)
アメリカ人キャロライン・ダドリー(by春風ひとみ)は黒人たちのショーに大感動し、パリで黒人のみのレビュー「ルヴュー・ネーグル」を実現すべく、シャンゼリゼ劇場の支配人ロルフ・ドゥ・マレ(by岡幸二郎)を説得します。主役に大抜擢されたジョセフィンは黒人ダンサーたちと共にパリへ乗り込むのでした。
「ルヴュー・ネーグル」の一場面、黒い肌に裸同然の衣装で踊りまくるジョセフィンのダンスが一曲だけ披露されますがすごい迫力。のちのソロモン王の幻想場面もそうなんですが、この作品のレビューシーンはとにかく「全幕観たい!」と思わせるワクワク感が止まりません。

CHECK! タピー(衣装デザイナー)
キャロライン・ダドリーに説得されるジョセフィンの後ろで、なんか濃い人がそわそわしてるなぁと思ってたらおもむろに「本気よこの人はァ…」とかオネエ言葉でまくしたて始めて場内大笑い。ジョセフィンにはねつけられた時のふくれっつらしてダドリーになだめてもらうとこなんか最高だ。同じくジョセフィンにパリ行きを進めるフランス人のウェイター(by田中宗一)に抱きついてキスしながら連れてっちゃったが、その後どうなったんだろうか。
爪、噛むと形悪くなるよー。
「ルヴュー・ネーグル」はパリ、ヨーロッパで大評判になります。
ベルリンではドイツの大演出家マックス・ラインハルト(by武正忠明)や劇作家カール・グスタフ・フォルメーラー(by下馬二五七)、ハリー・ケスラー伯爵(by岡幸二郎)と出会い、新しいバレエの舞台の構想を聞かされて意気投合します。ここで伯爵の愛人で男装の麗人のミス・ランズホフ(by風間水希)とジョセフィンが踊るんですがこれもすごく綺麗。
CHECK! ソロモン王(幻想の中の踊り手)
ラインハルトがジョセフィンに新しいショーの構想を語る、その後ろの壇上でイメージの「ソロモン王」と「踊り子(by伊野真紀子)」が踊ります。
「(ジョセフィンが演じる)踊り子は最初、裸で登場する。踊り子に魅せられた王はなんとか彼女を振り向かせようと、自分の身につけている腕輪や王冠、衣装をつぎつぎと外し彼女に贈る。最後には踊り子の肌は王からの贈り物ですっかり隠され、王が裸同然の姿になる。やがて二人は光り輝く雲に包まれてしまう…」なんていうストーリーが語られ、後ろではそれが実演される名場面。
短い踊りながらもう息が止まっちゃうくらいのインパクト。お願い、全幕やって…。

◆再びパリへ
ベルリンに居ついたジョセフィンはやがてフォリー・ベルジェールの制作部員(by田中宗一with牛乳ビンの底メガネ)に泣きつかれてキャロライン・ダドリーと袂を分かち、やっとパリに戻ります。
しかしそこには既にパリの恋人・ミスタンゲットが君臨していたのでした。堂々とした長身にきらびやかなドレスをまとったミスタンゲット(by岡幸二郎)はパリの女王はわたしよ!」とばかりにジョセフィンとしのぎを削ります。
…この方、Mistinguettとつづるんだそうです。カジノ・ド・パリの女王と呼ばれた大スターでもちろん女性なんだそうです。「女装スター」なんだろうと思ってた方、私もです。パンフ見るまで「Miss・タンゲット」だと思ってしまった方………私もです)

CHECK! 新聞記者
ミスタンゲットを取りまく失礼な新聞記者どもの一人。
「(彼女の成功の秘訣は)若さではないですよね…声もとびきり良いってわけではないし」(by真矢武士)「ダンスもそんなにお上手じゃないですよね」(by吉野圭吾)「めちゃめちゃ美人ってわけでもないよな」(by田中宗一)。ひどいや。
果敢に切り返すミスタンゲットも凛々しい。
DANCE! フォリー・ベルジェール
ここのレビューシーンの冒頭で、女性陣に一人混じってリボンの上げ下げをしている下馬二五七さんは、頭のお花といい渋い表情といいとても気になる存在だ…なんと役名は「花の精」っていうんだそうだ。地人会、奥が深い…。
それはともかくここで全員で歌う曲はすごい。なんていうか凄い量の固有名詞(どうやらミュージック・ホールの演し物やスターたちの名前)の乗ったリズミカルな曲でものすごく難しそう。初見の時は「美女!美女!」しかわかんなかったが個人的に凄く好きなので、この歌詞を知りたいためだけに脚本を買ってしまった。けっこう練習したがとてもあのテンポでは歌えない。

◆三度目の結婚〜ヨーロッパ・南米へ
やがてジョセフィンはイタリアの貴族、ペピートことジョゼッペ・アバティーノ(by立川三貴)と結婚します。彼は精力的にジョセフィンのマネージメントを行い、彼女をより大きなアーティストに育てるためにヨーロッパ・南米を含む24ヶ国を巡業します。ツアーは大人気も得ますが、教会などからの「俗悪だ」とのバッシングも厳しいものでした。
やがてジョセフィンはパリへの帰途につき、建築家ル・コルビュジエ(by真矢武士)と出会い、新しい美しい家の構想を膨らませます。
パリへ帰還したジョセフィンはついに「カジノ・ド・パリ」での主役をミスタンゲットと1年交替で演じるほどの本格女優に成長していたのでした。

DANCE! カジノ・ド・パリ
ここの曲すごいかわいい。「ねっえジョッセフィンっ、おっしえってよっ」
衣装もかわいく男性陣はピンクのサスペンダー(コルビュジェさんも付けている)。
当然のごとくお色直し済みのミスタンゲットの前にずらりと立ちはだかって「感じ悪いわねー!!」と怒られるんであった。

ジョセフィンはカジノ・ド・パリでも大成功し、パリ郊外でペピートと幸福に暮らします。子供が欲しいとせがむ彼女ですが、ペピートはより芸術家として高みに向かわせるため「アメリカへ乗り込んで、お母さんに君のショーを見せてあげよう!」とけしかけます。ふたりはニューヨークへ向かい、ウィンターガーデン劇場のジーグフェルト・フォリーズのショーに出演します。しかし大スター、ファニー・ブライス(by春風ひとみ)が君臨するニューヨークでは、人種差別の壁が厚く、ヨーロッパであれほど成功したジョセフィンは苦境に立たされ、ペピートとの仲も冷めていきます。ここでジョセフィンの支えになったのは日本人外交官の妻、澤田美喜(by大原ますみ)でした。

DANCE! ファニー・ブライス
春風ひとみさん演じるファニー・ブライスのかっちょいいこと。男性陣はわんころのようにかわいく彼女にかしずく。

差別に意気消沈したジョセフィンは自分の実力を確かめるため、かつての友人ラルフ・クーパー(by田中宗一)が司会するアマチュア歌手のコンテストに出場してみごと優勝します。

CHECK! 酔客
コンテスト優勝者がジョセフィン・ベーカーだったことに驚くラルフの友人たち?の一人。府中では素面だったと思ったが、地方公演ですっかりできあがっちゃったらしい。すっかり千鳥足でジョセフィンの話聞いちゃあいない。誘ったのに帰っちゃったジョセフィンとラルフを見つめる目は悲しそうだ。

◆ペピートの死〜大戦
ジョセフィンと大喧嘩したペピートはパリに帰り、彼女にすべての財産を遺して亡くなりました。ジークフェルト・フォーリーズの契約期間を終えたジョセフィンはパリに優しく迎えられます。

DANCE! 「サ・セ・パリ」
パリを愛するジョセフィンのメドレーのバックダンサー。「サ・セ・パリ!」の元気な掛け声が耳に残って、歩く調子に合わせてつい口ずさんじゃった人、手を挙げて。
やがてジョセフィンは砂糖仲売人のハンサムなユダヤ人ジャン・リオン(登場しない)と4度目の結婚をしますが、14ヶ月後には破局を迎えます。この結婚でパリ市民権を獲得したジョセフィンは法律上、フランス国籍を持つユダヤ人の妻として第二次世界大戦を迎えます。
芸能人として前線を自在に巡ることのできるジョセフィンは、フランス軍情報部の依頼で「名誉通信員」すなわちスパイとなります。情報部員ジャック・アプティ(by岡幸二郎)はジョセフィン好みのハンサムで、ふたりはたちまち恋に落ちたのでした。
やがてドイツ軍がマジノ線を突破し、ジョセフィンはパリを脱出します。ド・ゴール将軍の演説に感動した彼女は自由フランス軍の戦士を志し、アプティと共に各地を慰問しながら情報活動に奔走。やがて敗血症に倒れたジョセフィンはカサブランカの病院に入院し闘病生活を送りますが、退院後はまたすぐに慰問とレジスタンス活動に戻り、「ジープに乗ったヴィーナス」と呼ばれながら北アフリカをまわります。

◆終戦〜レ・ミランドへ
ついに戦争が終結すると、ジョセフィンは再び入院しますが、その病室でレジスタンス勲章を受けます。

CHECK! 終戦を喜び合うパリ市民
ナチスの鉤十字旗を投げ捨てる激しい仕種がカッコいい(^^)
1947年、ジョセフィンはフランス人のオーケストラ指揮者ジョー・ブイヨン(by武正忠明)と結婚します。彼はジョセフィンのパートナーとして、郊外に買い取った古城レ・ミランドに教育センターをつくり、世界中の子供たちを集めて理想境を作るという計画に力を合わせて取り組みます。この計画の資金を得るためジョセフィンはまたアメリカに乗り込み、45才にしてついにこの地でもスターとして認められたのでした。

DANCE! マイアミ上陸
いきなり毛色が変わってドカーンとラテン系。はじけまくる圭吾さんといっしょにとことん楽しめるザッツエンターテイメントなダンスシーンである。劇場じゅうをまわるライト、原色の渦の舞台、すさまじい奇声ラッシュ、走るわ踊るわ叫ぶわ脱ぐわの吉野●吾氏(●矢武士氏も良い勝負だ)と見どころたっぷり。終わるとこっちが大汗をかいていることに気づく…。

激しい人種差別と徹底的に戦うジョセフィンは評価もされますが、大変な反発も受け、舞台の仕事も減っていきます。彼女はジョーと共にフランスに帰り、自分の夢である「虹の一族」のために奔走し、人種や肌の色の違う子供たちを次々と養子として引き取ります。夢を追って13人の子供を集めたジョセフィン。このころの彼女のことをジョー・ブイヨンとペピート、母キャリーらが語ります。
ジョセフィンの強引さを責め、やがては敗れた彼女の夢を笑う世間の人々に、ジョセフィンは叫びます。 「私を笑う前に、私みたいに夢も持たず努力もしなかった人を笑いなさいよ!」

◆レ・ミランドとの別れ〜終幕
1968年、レ・ミランドは人手に渡り、ジョセフィンたちは追い出されてしまいます。
最後の夜、ジョセフィンは13人の子供たちに、レ・ミランドを出なければならないけれども、いつか必ず帰ってこよう…と語るのでした。
しかし彼らは二度とレ・ミランドには戻れませんでした。モナコのグレース王妃が彼女のために別荘を提供し、そこがジョセフィンの終の棲家になるのです。

CHECK! 虹の一族の子供
村人がぼーしを取り替えて少年(ジャノー)に早替わり。
下手の方はジョセフィンの言葉を一生懸命聞く背中に注目のこと。いろんな気持ちが伝わってきます。上手の方はもちろん表情を…。

68才の時、彼女自身をテーマにしたレビュー「ジョセフィン」を上演します。翌年、パリでの「ジョセフィン」2日目の終演後に脳内出血で倒れ、2日後ジョセフィンは亡くなりました。

最後まで歌い踊り、夢を追い続けたジョセフィン。心の祖国パリを思って歌う彼女の歌で「ジョセフィン」の幕は閉じられます。

DANCE! 再びボビノ座
フィナーレは冒頭と同じパリのボビノ座。冒頭と同じ黒ずくめにシルクハットで、長い物語の終幕を飾る。

FIN

★★★ BANGAI REPORT ★★★

●パンフレット

「ジョセフィン」についての対談やエッセイ、稽古場風景、ジョセフィンの生涯年表(お世話になりました!)と盛りだくさんで、読み応えたっぷりのパンフレットです。
出演者紹介では、それぞれのキャストの顔写真と略歴のほかに、その人と関わりのある人からのコメントやメッセージが掲載されています。圭吾さんへは、出身校である関東国際高校演劇科の森田秀美先生から。「頼りになる」「でも変な奴」「もっとも手間のかかった生徒の一人」…と、恩師ならではのスケッチをまじえた素敵なメッセージで、高校時代の圭吾さんの姿を生き生きと想像させてくれます。


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