『僕の犬』 『僕の犬』

 

生まれたんだ こんな顔の犬

でも うしろ足のつめが1本多かったんだ
かわいそうだと思って 僕がきってあげたんだ
ほそいほそい とってつけたようなつめだったから
そしたら血が出た いたがってキャンキャン泣いた
さんぽにつれてくと ひもをかんでバックですすんでいくんだ こんな犬

前を見ないからいろんな物にぶつかるんだ それでもまたバックで進む犬
僕が大きくなって家を出た 犬もずいぶんとしおいた
僕たちはもう会うことはなかった
犬も家を出たから
しばらくたって僕たちの家だった前の道にねこがひかれて死んでたんだって
だから土にうめてあげたんだってさ

 

byKeigo / top