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ご注文はボウモアの12年でよろしいですね?

これを注文されるということはスコッチがお好みですか。
このスコッチは少しアイラモルトのスモーキーなフレーバーが強いので、もしスコッチ初心者であればグレンフィデックかマッカランあたりにされたほうが良いと思いますよ。
ラフロイグ程ではないにしてもクレゾールか何かの薬品が混ざっているものと感じられる方も少なくはないですから。
もっともそれが病みつきになるひとつの要因なんですが。

この酒は1776年、地元商人のデヴィッド・シンプソンが創業したアイラ島古参の蒸溜所で製造されているものです。
「ボウモア」とはゲール語の”岩礁”が語源。
蒸留所の裏は波の荒い海であり、そこからの潮風がこのスコッチにその土地独特の風味を加えているんですね。

熟成にはシェリー樽とバーボン樽を巧みに使い分け、その気品ある酒質から「アイラの女王」と呼ばれています。

ボウモア蒸溜所は画期的な余熱再生システムでエネルギーコストを削減しており、熟成庫の一つをボウモアの町に寄付し、スイミング・プールにしています。
蒸溜所の余熱をそのスイミング・プールで利用しているのです。
蒸溜所は村の歴史の始まりにヒル・ストリートを下った場所に建てられ、今も町を経済的に存続させる要となっています。

しかしながらこの蒸留所も大資本の前には無力であり、1994年7月に全株式を日本のサントリーに取得されました。
もちろんサントリーは日本が誇る有数のウイスキー会社でありますが、周辺地域にとっても人類にとってもかけがえのない遺産であるこの蒸留所の経営を、資本効率優先にして品質を落としてしまわないように願うばかりです。
【ボウモア12年】2002.11.10

原産国:スコットランド
アルコール度数:40度
原料:モルト
輸入元:サントリーアライド株式会社