映画「猿の惑星」のリメイク版が上映となった。 いまさら説明の必要もないが、1967年(日本公開は1968年)のチャールストン・へストン主演作より34年、衝撃のラストシーンは今も記憶に新しく、ドラマ化もされた名作である(個人的には「猿の軍団」のテーマ曲が頭から離れない。え?知らない?)。 今回監督を務めるのは「シザーハンズ」「バットマン」でおなじみティム・バートン。特に「シザーハンズ」で見せた独特の色彩感覚とストーリー展開が、どのように「猿の惑星」の世界感に反映されるのかに個人的興味があった。 今回の新作品は猿に対する恐怖感が描写され、その点では十分に楽しめるものだった。 しかし、名優ティム・ロス(代表作「海の上のピアニスト」)の演技は分厚い特殊猿メイクで覆い隠されており、どれも同じ猿に見える点が残念。妙に色っぽいが気持ちの悪い猿のヒロインが常に気になり、加えて展開の強引さとそのラストシーンなどにも疑問符がついた。 同じラストシーンにしても、もう少しシンプルなストーリー構成でうまい見せ方があるのではないかと悔やまれて仕方がない。 旧作品に引きずられた感のあるこの作品を見て、やはり「リメイク版」は難しいものだと痛感。 【関連作品】 「猿の惑星」........1時間52分 / 日本公開1968年4月20日 「続・猿の惑星」........1時間35分 / 日本公開1970年8月1日 「新・猿の惑星」........1時間37分 / 日本公開1971年7月31日 「猿の惑星・征服」.........1時間27分 / 日本公開1972年7月22日 「最後の猿の惑星」.....1時間36分 / 日本公開1973年7月21日 |