どうみても画面の向こうのお姉さんがガラスコップを吹き飛ばしているように見えるあのCM。 いよいよ11月16日にWindowsXPが発売される。 今回そのOEM版(パソコンや装置などを買った場合にのみ一緒に買えるバージョン。10月25日より販売が開始されている)を入手したので一足早くインプレッションを行ってみたいと思う。 まずWindows XPは系統的にはWindows NTの最新版である(NT5.1)。 NTであるが9X系(Windows 98やMe)が利用できるOSと考えるとわかりやすいだろう。 ビジネス用のProffesionalと家庭用のHomeEditionがあるが、リモートコントロールとデュアルCPUの利用はPro版しか対応していない。 一般個人で使用するにはHome 版で十分である。 マイクロソフトから提示されている最低動作環境としては CPU300MHz 空きHDD1.5GB以上 搭載メモリ128MB以上 となっている。 これは現在販売されているPCから見れば決してとんでもないラインではないが、実際に快適に使用する環境としては、 CPU500MHz以上 空きHDD1.5GB以上 メモリ256MB以上 としている雑誌が多い。 今回はPro版+Plus!を入手。 Plus!はXPの見た目をさらにワンランク引き上げるが、CPU750Mhz以上が必須といわれインストールは見送った。 インストールを実施してみる。 今回は次の点を検証してみる。 1)従来のWindowsと何が違うのか 2)現在使用しているソフトとの互換性 3)周辺機器の使用 1)従来のWindowsと何が違うのか 見た目はずいぶんと鮮やかになった。 ![]() 見た目を除いて、特徴として挙げられるのはメモリの管理方法である。 従来の9X系においてはひとつのソフトがエラーを起こすと全てを再起動しなければ回復できなかったが、NT・2000・XPにおいてはタスクごとにメモリーを管理しているためエラーを起こしたソフトのみを終了させることができる。 この場合、同時に起動していたソフトには影響がない。 安定性が増しているのである。 また、9X系ではプログラムで使用するメモリの上限が64MBであったため、いくらメモリをつんでも起動できるソフトは制限されていたのに対して、XPではメモリの全てをプログラムで使い切ることができる(積んでいればいるほど快適)。ただし一説によると、起動できる最大のプログラム数は54のようだ。 他のポイントとしては、 ・CD-R/RWの書き込みに標準で対応 ・IE、OE、WMP(DVD 再生機能は別売)が最新版に変更 ・ビデオチャットが容易に出来るようになった ・ブロードバンド(XDSL、CATV)に正式対応 ・PCの遠隔操作が可能! ・2000同様、他のOSを所有している場合にはデュアルブート(2つの異なるOSからの選択起動)が可能 ・起動時間はMeには及ばないものの2000よりも速い といった特徴がある。 2)現在使用しているソフトとの互換性 2000-SR2Versionから対応された機能である互換モードを正式に装備。 9X系やNT対応のアプリケーションが動作しない場合も互換モードで動作させられる可能性がある。 実際にインストールした結果、2000に対応している所有ソフトは全て問題なく使用できている。「ノートンアンチウィルスV5」(98及びNT4.0までの対応となっており、かつ常駐ソフト)を無謀にも入れてみた。 やはり対応していない旨の致命的なエラーが発生したが、Web上から一部のパッチ(2000の対応用ソフト)をあて、それでもエラーが発生したためNT互換モードで使用しているが、現在までのところ問題なく動作している。 「バーチャロン」(95/98対応のゲーム)は互換モードなしでも起動したが、ゲーム中決まったところで一瞬フリーズする。これは互換モード使用時も改善できなかったので使用を断念(このケースはデュアルブート環境にしておいて使用すればよいか)。 2000対応でないOffice2000やフリーソフトもAcrobat5.0もOKのようだ。 3)周辺機器の使用 XP導入にあたっては、マザーボードを含めてPC自体に不安があった。 【PC構成】 CPU:Intel Pentium3 450Mhz(Katmai) Memory:No Brand 384MB M/B:SuperMicro P6SBA(440BX) G/B:guillemot 3D profhet(GeForce256,32MB) DVD-ROM:Matsuhita SR-8583 CD-R/RW:TEAC CD-512EB Modem:Ratoc systems REX-PCI56 Sound:novac ReMiX2000(YZF754) Printer:EPSON PM750C Scanner:EPSON GT7700U VCC:Canopus DV-Raptor 結果から述べると、スキャナーとDVキャプチャカード以外は問題なく認識。 ドライバも結果更新したのはグラフィックボードとサウンドカードのみ(入れ替えなくても動作していた)。 スキャナーとDV-RaptorもWeb上のドライバソフトをダウンロードして調整すればOKのようである(各社HPを参照。ただしファイルサイズが大きい)。 (雑記) 新しいOSは得てして重いという認識があり、PCのPentium4への買い替えも検討したが、結局現行の環境でもこれまで使用していたWindows98(Normal)とスピードは遜色なかった。 むしろ早く感じるところもあり、安定性を求める98SE以前のユーザは移行価値があるだろう。 XPはどうも見た目を美しくした分、CPU負荷もさることながら、HDDとのデータのやり取りに時間がかかっているような気がする。 HDDも以前のATA/33ではなく例えバスが対応していなくてもATA/100のHDDに交換すると効果的のようだ。もちろんバス自体がATA/100に越したことはないが、PCIカードもしくはマザーボードの交換が必要。 逆にメモリは128MBを超えるとOSに限っていえばスピードとは無関係。 XP対応の周辺機器用ドライバは比較的短期間で出揃ってくるといわれているが、各社の対応にはバラツキがあり注意が必要。特に9X系からのバージョンアップには、2000の時にも騒がれたように、場合によってはBIOSのバージョンアップを行わなければならないこともありうる(2世代前の440BXでもOKなので神経質になる必要はないが、M/Bメーカに問い合わせておいたほうが無難)。今回数社にメールで相談をしたが、どのメーカーも素早い対応をしてくれた。 (結論) OSのバージョンアップは予想外に労力を要し、これまで築いてきた環境やデータの移行などを考えるとXPがどうしても必要という環境でない限りは様子を見るのが基本である。 少なくとも移行する際のバックアップは必須。 見た目を気にしなければ現状はWindows2000環境が整ってきておりベストである。ゲームを中心としたユーザは98SE がベストであると考える。 ただし、これからはNTと9X系を統合したXPを中心にソフト開発が進むと考えられる。9X系のOSに対しての安定性も魅力的であり、今回あまり触れられなかったがnet常時接続を行ううえでのセキュリティー面にも配慮がなされている。 今使用しているOS でやりたいことが実現できている人は無理に更新する必要はない。 自分のやりたいこととメリットを十分に考慮して、XP導入を検討しましょう。 |