ウォーターバー
フォトエッセイ

No.024 PCはTVの夢を見るか?
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てなわけで、テレビパソコン化計画である。

【材料】
・テレビチューナー 1枚 9,000円〜

【今回の変更で変わる点】
・PCでテレビが見れるようになる
・PCで映像を録画し、かつ録画データを整理・編集できる
・録画した映像をHDDやDVDにデジタル保存できる

テレビチューナーは通常PCIスロットに差し込む拡張ボードの形で供給される。
一般にPCへは動画を圧縮して取り込むことになるが、この動画の圧縮をハードが行う(ハードエンコーダ)かソフトが行う(ソフトエンコーダ)かにより製品が大別される。

ハードエンコーダにおいてはノイズキャンセラー機能やゴーストリダクション機能の有無により価格帯が分かれている。
もちろん高性能・高画質であればあるほど高価である。
ここのところハードエンコーダでめざましいのは、カノープス社の製品である。
MTVシリーズとして「MTV1000」「MTV2000」「MTV2200SX」という製品が出ているが、違いは1000と2000でノイズやゴーストを抑える機能がついているか否か、2000と2200はカード1枚で収まるか外付け装置が必要かといったポイントである。
このクラスでの対抗馬としてはNECの「SmartVision/HG」くらいしかない。
カノープスのボードは単に録画を行うにとどまらず、例えばそのままでは1分60MBにもなるようなAVI形式のデータをDVD画質のMPEG2形式(4.7GBで2時間)に圧縮する用途(mpegエンコーダ)としても使用できる(AVI及びmpegは共に画像ファイルの形式のこと。*.avi、*.mpgなど)。
通常ソフトエンコードでは動画再生時間の何倍もかかるような処理が、ハードエンコーダでは動画再生時間程度の時間で変換が可能となる。

一方、ソフトエンコーダはなんといってもボードの価格の安さが魅力である(またmpeg以外でキャプチャーするのであればソフトウェアエンコーダを選択する)。
ただしハードにより動画処理を行う場合に比べて、ソフトでの変換には時間とマシンパワーを要し、結果として高画質は望み難い。
画像にこだわりがなく、安価にPCでTVが見られればOKという人向きである。
こちらの方はI/OデータやNEC、AOpenなど様々なメーカーからボードが発売されている。

今回はNECの「SmartVision/HG」をチョイス。
映像はカノープス製品に譲るとのことであるが、カノープス製品は残念ながら付属ソフトの使い勝手に難があると聞く。
PCIスロットにセットしドライバ類の設定を行うとすぐに15インチ液晶モニタにテレビ画面が現れた。
確かに映像はDVD並みに美しい。
ただし、それは元の画像サイズである720×480の解像度以下で表示した場合であり、最近のPCの標準表示能力である1024×768の画面一杯に表示させた場合に、仕方のないことであるが、画像が荒くなってしまう。
大抵のボードには地上波に加えてCATVのチューナー機能が付属している。
試してみた結果、2つのチャンネルのみ(ショッピングと千葉テレビ(なぜ?))のみが表示できた。
それ以外の有料放送も音声だけは鮮明に拾うことができる。
ただし、やはり肝心の映像は砂嵐の中で時折垣間見えるだけで、とても鑑賞可能ではない。
映像データは非常に容量を食い、1時間番組の録画(標準画像)で2GB近くのHDDを占有する。
これらのソースを圧縮し100MB前後にして保存する方法があるが、その説明は別の機会に譲りたい。

テレビパソコンとしてはソニーのギガポケット搭載PCが有名である。
その他、主要メーカー製のPCにはテレビチューナーが搭載されるようになってきた。
当初からテレビパソコンを目的にPCを購入するのであればメーカー製PCを買うというのが定石であり、ハード及びソフトが一体となっていて使い勝手がよい。
ただ、ボードの選択肢の幅広さは自作PCに軍配が上がる。
チューナーボード購入の際には付属ソフトやドライバのサポート状況などにも注意したい。

DVD記録装置をこれらのチューナーボードとあわせるとPCのDVDレコーダー化も図れる。
最近まではDVD-RAMでないとチューナー→DVD記録装置に直接録画できなかったが、DVD+RW/Rでも同様のことができるようになった。
いずれにしても全部揃えようとすると高価になり、最近値段がこなれてきたDVDレコーダーと競合することになるので、なぜPCでTVを見る必要があるのかを明確にする必要があろう。

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