平成9年観戦記

青峰特別(4才特別)
第9回聖石賞(アラ系準重賞)
第21回高崎ダービー(重賞)
第23回三才優駿(重賞)
番外編 帝王賞(G1)
番外編 ダリア賞(OP) 新潟3歳S(G3)

青峰特別
JRA皐月賞トライアルレース代表馬選定レースとして定着したこのレースだが、観戦は初めてであった。前年の3才チャンピオンのオキノタツナミが、押しも押されぬ本命。あとは、三才優駿3着のドウカンキングがどこまでか、といったような、パッとしないメンバーとなった。三才優駿から1ヶ月あまり先でしかないので仕方ないと言えば仕方ない。出走馬の中では、オキノタツナミのみが、中央への期待を抱かせてくれた。
しかし、レースを見て、それは空しく萎んでしまった。勝ったのは、オキノタツナミ。それじゃあ、思い通りじゃないかと思われるだろうが、レース内容がいただけない。レースは、好スタートから、オキノタツナミの逃げで進んだ。1900Mの長丁場、レースは平均ペースで展開。
ペースがあがるのは、2周目3角手前。ここで、早くもタツナミの手応えが怪しくなった。少なくとも、自分にはそう見えた。馬群に飲み込まれるのは、もはや目に見えていた。しかし、タツナミは粘った。驚異の2枚腰を見せて、ゴールを駆け抜けた。聞こえは良いが、僕の目にはそう映らない。他がなぜ抜けなかったのか。あまりの弱さだけが印象に残った。
そうはいっても、本当はタツナミが強かったのかもしれない。ただ、このレースにおいては、「強さ」というものは全く感じなかった。これが、率直な感想であった。
オキノタツナミは、結局トライアルには出走できなかった。僅かながら、芝でのレースも見てみたかった気はする。 PAGETOP

聖石賞
アラブのメインレースを見るのは、久々となった。なぜ、翌日の群馬記念でなくこのレースを見たかと言えば、一言、混雑をさけたと言うことだ。群馬記念では、地元のヒロベストを見てみたかったが、他がひどいのでやめた。アラブのレースをゆっくり見るのもまた、楽しいものだ。
さて、レース。本命は、サンダークロード。20勝2着13回の実績は、当然トップクラス。豪快に追い込むそのレースぶりに注目(実は、1回も見たことがなかったのだが)。相手は、ツキサチボーイ、スケルトンダンディ。そのほかでは、1500Mオンリーのウルトラパワー。サンダークロードは、59Kgの斤量と、連戦の疲れからか、伸びず3着。スケルトンが1着で、2着はツキサチ。馬券は、サンダー−ツキサチの1点買いで外れた。ヨウメイスターという、絶対的なスターホースがいた頃が懐かしくなったが、アラブのレースも全国的に少なくなったので、高崎からまたスターホースがでるかもしれない。いや、サラより、ずっと出やすいだろう。
この日、注目はこれにとどまらない。7レース、C4選抜出走のホオエイスペクター。これは期待できる。これまで、7戦5勝2着2回。連対率100%。父が、スキャンというのもそそられる。期待に応えて、6馬身差の逃げ圧勝。これが選抜初出走であったとは思えない楽勝ぶりに、以後の活躍を感じさせた。
もう1頭、レイカランマン。ダービーグランプリ以来の出走が、奇しくもこの日。最終、三国峠特別で復帰。本来なら、群馬記念だっただろうが、遠征続きだったことから、仕方のないところか。結果、1900M逃げ切り。2着マロンビーボーとの差は忘れたが、楽勝だったことは覚えている。思わぬ馬を見ることができて楽しいものだ。 PAGETOP

高崎ダービー
ダービーも、ダービーテイオーが勝って以来、見ていない。今年の4才陣、前年と打って変わって、群馬勢のレベルが低い。栃木勢に、全く太刀打ちできない。栃木には1頭強い牝馬がいた。ナスノステージワン。中央4才牝馬特別にも出走したこの馬、北関東ダービーを制して、北関東NO・1となった。当然本命なのだが・・・。
パドックを見て、驚いた。体重こそ−12Kgなのだが、その姿は本当に走れるのかと思えるほどガレていた。あそこまでガレた馬を見るのもそうはなかった。結構ショックを受けた。
対抗も、栃木勢。ユートエブロス、アイコマシルバーの、北関東ダービー2,3着の両頭。ここまではっきりと実力差が出たのは悔しいが、対する地元勢は?1頭、注目馬がいた。4連勝中の、イズミホーガンである。特に前走の、4才2クラス。13馬身差の圧勝。ここまでくれば、勝ってもおかしくない。是非勝って、一気にスターダムへ、期待は膨らんだ。
しかし、結果は1着アイコマシルバー、2着ユートエブロス、3着ナスノステージワン。見事なまでの栃木独占。あれだけガレていたナスノステージワンにすら、3着を許してしまう。もはや、3才戦が始まっており、新しい世代に期待、といったところか。 PAGETOP

三才優駿
この年の三才馬戦は、1頭の馬の出現で盛り上がりを見せた。言うまでもなく、タマルファイターのことだが、こことは別で触れてみたい。
さて、このレースにはそのタマルファイターは出走しなかったので、今ひとつ大物感に欠けたメンバーが揃った。そういった中で、コラソンに注目が集まった。JRA福島競馬に2回遠征したものの、見せ場なく敗れている。しかし、当地では4戦4勝パーフェクト。人気を集めて当然であった。スキャンの産駒で、血統の面からも期待。対抗は、カリナン。認定競走に勝てなかったうっぷんを、ここで晴らすか?あとは、逃げるビックピット位か。
さて、レースはカリナンの勝利で幕を閉じた。どうもヨシノキング以来、大物が出ない。認定レースができたことから、高崎にも良い馬が集まっているようで期待はできる。 PAGETOP

番外編 帝王賞
この年は、高崎当地では群馬記念でヒロベストが注目を集めたものの、7着に終わってしまったこととは裏腹に、全国区での活躍をした馬で盛り上がった。その一頭が、タマルファイターだが、もう一頭、グランドツアラーに触れなくてはならない。
グランドツアラー。4歳時に、菊花賞、大賞典を制し、一度はトップにたった馬だ。実は、これまでの観戦記を見てもおわかりだろうが、この馬についてはほとんど注目はしなかった。というのも、グランドツアラーが頂点に立った世代は、高崎競馬に対する情熱が薄れたときだったのだ。その後は調子を崩し、スランプに陥ったこの馬が2度目の大賞典を制してもむしろ、ニューフェイスの台頭を期待していた私にとっては、がっかりさせられるものだった。しかし、この言い分がいかに身勝手な見方であったろうか。
大賞典を2度制したことからも、この馬がステイヤーとしての資質に優れていたことが見て取れる。しかしそれは、高崎において生かすには、あまりにも条件が厳しかった。よって、ダートレースのグレードが整備されたこの年、戦いの場を他場のレースに求めたことは正解だろう。G2オグリキャップ記念の出走馬にこの馬の名を見たとき、非常に興味をそそられた。2500Mという長距離戦は、まさにうってつけ。結果自体は期待するのは酷であったが、何とか5着に食い込み、出走した甲斐はあっただろう。仕方がないといったところか。
しかし、なんと次の戦場を帝王賞に求めてきた。この年の帝王賞。G1に認定されて初めて迎えるこのレースには、地元大井はもちろん、中央勢もまさにトップクラスの馬が集まった。今メンバーを振り返っても、そうそうたる顔ぶれだ。上位人気馬を列挙してみたい。船橋のアブクマポーロ、大井のコンサートボーイ、そして中央がキョウトシチー、シンコウウィンディ、バトルライン。こうしたメンツの中でグランドツアラーは、きわめて異彩を放っていた。最強馬ブライアンズロマンが出走回避したので、南関東、JRA以外からの、唯一の遠征馬。しかも、成績が冴えない。前走5着とはいえ、キソジゴールドとの差が2.2秒。はっきり言って、誰もが無視。いや、嘲笑の目では見ていたかもしれない。まあ、それも仕方のないところではあるが。
このレースは、運良く大井競馬場の特観席で見ることができた。私も、馬券の絡みもあって、注目はしていなかった。アブクマポーロを買うべきかどうかで、かなり迷っていたので、グランドツアラーはビリにはなんないでくれ、その程度の期待だった。全体の注目も、上記5頭に集まっており、いやまさにそこがこのレースの全てであっただろう。
レースは意外にも、武豊バトルラインが逃げた。大井コンプレックスが抜けきれず、あまりに無策な乗り方であったと思う。まあ、それなりの考えはあったのだろうが。グランドツアラーは、追走一杯で最後方。思った通り。惨敗も覚悟したこの展開に、変化が現れたのが3角手前。工藤勉騎手の手が激しく動き、グランドツアラーはもがく。もはやこれまでと思いきや、グランドツアラーはじわじわ順位を上げた。
直線。一番狭い内ラチ沿いをこじ開けて、脚を伸ばす。手を激しくしごき、それとともに鞭を乱打するいわゆる、ヨーロッパスタイルで追いまくる。先頭は、遙か先で、勝負は決した。しかし、グランドツアラーは、キョウトシチーを押さえ、5着入線。場内からは、南関東1,2フィニッシュの興奮でざわめきがおこる。しかし、着順が掲示されると、あっと驚くこととなる。5着の馬番。2番?なんだ?
はっきり言おう。最低人気ではなかったはずだが、誰もが殿を予想していただろう。その馬が掲示板を飾った。しかも、このメンバーで、である。そこには、賞賛の声の挙がった。高崎競馬所属場が、全国にその名をとどろかせた。しかも、G1で。私は、その競馬を生で見ることができた幸運に感謝している。この馬を全然見てこなかっただけに・・・。 PAGETOP

番外編 ダリア賞 新潟3歳ステークス
平成9年。この年、歴史に足跡が刻まれた。歴史的1勝。そう、高崎競馬所属馬が、中央競馬のレースにおいて、初めて1着を飾ったのだ。そのレースは、ダリア賞。そして馬は、タマルファイター。
レース当日は、盛岡にいた。その朝、朝食を摂りつつスポーツ紙に目を通してそそられた。ダリア賞には、タヤスアゲインが出ていた。もちろん、1番人気。その他は、ほとんど地方所属。その中でも、タマルファイターは評価が低く、8頭中6番人気。高崎競馬の馬が低く見られるのは、そのチャレンジ魂が裏目に出ている表れだ。よって、恥ずべきことではない。それは見事報われたのだから。
タマルファイターは、岩手のミヤシロブルボンとの併せ馬の形で猛烈に追い込んできた。そして逃げ粘るタヤスアゲインを捉えたところがゴール。結果は、1着同着。しかし、後のタヤスアゲインを見れば、その結果がいかに大きいものかがわかる。同着でも1着である。この結果は、2週間後の新潟3歳Sでの重賞勝利への期待を、否応なしに高めた。
タマルファイターの激走は、中央競馬の予想家をも動かした。本命印を打った人も少なくない。人気は一気に上昇して、3番人気。あの追い込む脚があれば、1400Mの距離延長は間違いなくプラスだ。そう思ったのもつかの間、レースはタマルファイターの逃げで進んだ。
中1週での、マイナス14kg。タマルファイターは、かかっていた。3角で早くも他の馬にならばれる。しかし、ここからが高崎馬の真骨頂。並んで抜かせない。残念ながら、クリールサイクロンの追い込みに屈したが、ぎりぎり2着を確保。このレースぶりからも、今度は朝日杯へ、ほのかな希望が見えた。
ただ、新潟3歳Sで好走した馬は、まず早熟馬だ。タマルファイターの父は、キンググローリアス。これまた、成長力に?がつく(あくまでイメージ)。その後、JRAへの挑戦を続けたタマルファイターだが、苦戦が続く。やっぱり、といわれる声もあろう。しかし、この馬が残した功績はあまりにも大きい。名前も全国区となった。高崎の名も上がった。これは、挑戦し続けることが決して無意味ではなかったことの証明だ。そして、それは大いなる目標に向かって、まだまだ続くのである。 PAGETOP

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