走る女性は美しい(ランナーズより)

ランナー的生活


 女性の美しさは、何を基準にするのでしょうか。
容姿、スタイル、心の持ち方……。ダイエットで極端にやせて、
きれいにお化粧して、流行の服を着た女性を本当に美しいと言えるでしょうか。
容姿は、いずれ衰えます。しかし、走る女性がもつ「輝き」は簡単に衰えたりしません。
有森裕子選手の気高さ、高橋尚子選手の笑顔、市橋有里選手の凛々しさ、みんな走って得られたものでしょう。
 
 一流ランナーに限らず、走っている女性は、きらきら輝いています。
大会会場で会う女性は、ひとりひとりがみんな光っています。
美人でスタイルのいい人もいますが、多くは普通の女性たちです。
みんな笑顔にあふれ、若くはつらつとしています。
美人ではないのに、どうしてこんなに輝いているのでしょうか。

 女性が走り始めれば、必ずきれいになります。
身体的には、まず脂肪が落ちて全身が引き締まります。動作もきびきびしてきます。
新陳代謝もよくなって、肌もつやつやします。精神的には、ストレスが解消されるためイライラしなくなります。
新しい仲間もできて、世界が広がります。自分の体力に自信が出てくるというわけです。

 走る女性の美しさを特に実感するのは、
東京や大阪国際女子マラソンに参加している一般女性ランナーを見る時です。
その多くの選手は、自分自身の仕事を持ち、家事、育児をこなし、
そのうえ少ない時間を捻出して厳しいトレーニングに取り組んでいるのです。
強さ、美しさと共に、彼女たちが走る姿には「崇光さ」さえ感じられます。
その姿は、見る者に大きな感動を与えてくれます。
 
一般女性でも、走っているうちに心身共に「自立」するようになります。
フルマラソン42.195kmを走るということは、自身をセルフコントロールしながら走り続け、
ついに自力で目標を達成するということ。
そこに、
自分で自分の人生を切り開いていこうとする力が湧いてくるのです。