| 提供者:どこひま殿 |
15世紀ヨーロッパ。中世の暗黒時代に、恐るべき人物がいた。 いや、既に人間とはいえなくなっていたのかもしれない。 彼の名はヴラド=ツェペシュ公。 またの名をドラキュラといわれている。 ヴラド公=ドラキュラは、彼の領地であるトランシルバニアのはずれ、ワラキア地方で、禁忌とされていた術を使い暗黒邪神崇拝を復活させた。 ドラキュラは邪神の力を借りて、魔界から次々と魔物たちを召喚し、ワラキア全土を暗黒と殺戮の焦土へとかえていった。
そして自分の領土を思いのままになぶり尽くした彼は、今度はその魔の手をヨーロッパ全土に広げようと図ったのであった。 この事態を重く見た東方正教会は、直ちに屈強な軍隊を派遣したが、誰一人としてワラキアから戻って来る者はなかった。
なすすべのなくなった教皇は最後の手段として、裏世界に生きる者、 禁じられた術を身につけた者、ヴァンパイア・ハンター達にワラキア討伐を依頼することを決意した。
教皇から最初に依頼を受けたのは、東方正教会の修道院で、 修道僧としての修行を積んでいた僧侶のサイファ・ヴェルナンデスであった。 サイファの能力は、主に大気の力を借りた強力な魔法で、火炎、冷気、光弾(ライトニング・ボルト)などを操ることができるというものである。 攻撃力は絶大なものがあるが、武具を纏えないため、敵の攻撃を受けるとダメージを被りやすいという欠点があった。 サイファは幼くして両親を無くし修道院を渡り歩いていた為、かつて美しかったワラキアにも滞在していたことがあったのだった。 その思い出の地が汚されようとしているのを知ったサイファは、教皇からの依頼を受けるとすぐさまワラキアへと旅立った。
時を同じくして、ワラキア国内でも、秘かにドラキュラ公に対して反発する者達が活動を起こそうとしていた。 しかし、いかんせん人間の力では太刀打ちできる筈もなく、 逆にドラキュラ公の魔力によって、ある者は八つ裂きにされ、またある者は串刺しの刑にあい、 そして他の者は恐ろしい化け物の姿に変えられてしまった。 ワラキアきっての身軽な男、グラント・ダナスティもその中の一人であった。
一度その手を汚した者は、とどまることを知らない。 ドラキュラ公は自らの力を絶大なものにするため、その身を悪魔に売り渡すまでになっていたが、 それだけでは満足せず、自分の息子にまで悪魔との契約を行うよう強要したのである。
彼の息子は、人間としての心を失っておらず悪魔に魂を売り払った父親に反発していたが、 自分の体を人間で無くされるに至って、ついに父親に対し憎しみを覚えるようになったのであった。 だが、悪魔そのものとも言える父に対し、一人で戦いを挑んでみても勝ち目があるわけはない。 ドラキュラ一族としての重い十字架を背負ったまま、彼=アドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュは戦いを決意した。 彼は「アルカード」と名を変え、地下に潜入し、父ドラキュラを滅ぼしワラキアを元の美しい国に戻すために、 同じ目的を持つ同志を捜し始めたのであった。
しばらくして教皇は、苦境にたたされる事となった。 ヴァンパイア・ハンターとしてワラキアに乗りこんだサイファが、約束の期間を過ぎても戻ってこなかったのだ。 “戻らない”ということは、すなわち失敗=死を意味する。
ここにきて教皇はついに、真正ヴァンパイア・ハンターであるベルモンド家にワラキア討伐を依頼することとなった。 ベルモンド家は、そのあまりにも強靭な精神力と底知れぬ能力のため、一般の人々からは、ヴァンパイアと同じように受けとめられ恐れられていた。 そのため、世俗から遠く離れてひっそりと生きているという、半ば伝説と化した一族であった。 四方八方へ手を回し、教皇はついにベルモンド家の血を引く人間に会うことができた。 まだ髪を切らぬ若者、ラルフ・C・ベルモンドがその人であった。
シモン・ベルモンドの時代を溯ること百余年、ドラキュラと人間の戦いは、ここから始まったのであった……。
| 話が短くまとまっている | こりゃあかん |
| 小さい子にもわかりやすい | 全然むずかしい |
| 不自然さがない | 大変よくできました |
| 迫力があり期待できる | 大変よくできました |
国王の気になるポイント
長い!