Q.「標準反射率」とは なんのことでしょうか。

わたしは、カメラを持ちはじめて2年ほどになりますが、自分の思いどおりの写真が
撮りたいと思い、今回メールさせていただきました。
 私のカメラは ペンタックスSPなんですが、オートは使えず 露出計も働かない、
マニュアルで合わせないといけないシロモノです。

 そこで やはり手強いのが、露出です。
Q&Aのところに露出に関するものがあり、拝見しましたが、
「標準反射率」とは なんのことでしょうか。 
 
 また、天気の状況による、分かりやすい露出の判断方法など、ないでしょうか。
やはり、単体の露出計を購入した方がよいのでしょうか。
おしえてください。

A.「標準反射率」とは

今日はペンタックス SP懐かしいですね
以前使ってました(カメラを本格的に使い始めたカメラです)
 
ここで "標準反射率が18 % である" 根拠を簡単に説明しておきましょう。

 白黒プリントの真っ白の部分の反射率は約 96 % 、真っ黒の部分の反射率は約 3 %
です。これを、絞りやシャッタースピードの考え方になぞらえて、半分半分または倍々
にしてみます。さらに、その中間値(対数)を求めると、次のようになります。

<図1.>
白黒プリントの濃さ≒被写体の濃さ
グラデーション
Black == == == == == == == == == White
白黒プリントの反射率(%)≒ 被写体の反射率(%)
3% 6% 12% 24% 48% 96%
4.5% 9% 18% 36% 72%
絞りやシャッタースピードの段数(EV)
-2EV -1EV 0 +1EV +2EV
-2.5EV -1.5EV -0.5EV +0.5EV +1.5EV +2.5EV

反射率18 % が、白と黒のちょうど中間に位置していることに注目してください。
 白黒プリントの白から黒までの幅は、全部で 5 段。そして、真っ白は +2.5 段、
真っ黒は -2.5 段に相当します。これらは、露出補正を考える上でとても大切なこと
なので、覚えておいてください(カラープリントやリバーサルフィルムでも、部分部
分の濃さを考えれば同じです)。


もう一つ18%グレー

まず 露出の計り方が二通りあることに触れておかなければなりません。入射光式と
反射光式の二つです。反射光式は被写体から跳ね返った光、輝度を計ります。入射光
式は被写体に当たる光、照度を計ります。入射光式はその関係で被写体のすぐ側まで
行って、そこの光を計らなければなりません。人物撮影ならその人の側まで寄ってい
けば良いのですが、山とか風景はそうはいかないですよね。で、カメラに搭載されて
いるものは反射式露出計なんです。入射光式が載せてあったら、カメラを被写体のす
ぐ近くまで持っていかなければならないので、現実的じゃないからです。

さて、この反射式露出計の値ってのはすべからく、中庸濃度の18%グレーを基準に計
られてます。「標準反射率」ってやつですね。物体ってのはそれぞれ光を反射する率
が違います。反射率が小さければ光を吸収して、人間の目には黒く見えてきますし、
大きければ白っぽく見えるんです。この反射光、輝度を計る反射光式露出計にとって、
被写体の輝度が中庸濃度より大きく離れていると致命的な露出オーバー、若しくはア
ンダーになってしまいます。

反射式露出計を被写体に向けて、露出を計ります。露出計はこの18%グレーを基準
に作られているので、例えば黒いものを計ったとすると、実際の輝度より低く値が出
ます。つまり、「これは黒いものだ」と露出計は判断してくれないのです。「これは
18%の反射率を持ったグレーなんだ」と露出計は決めてかかっているので、「この
くらいの露出で撮影しなさい」と出た値で撮ると、正しい輝度より低く測定され、露
出量はオーバーになります。つまり、黒いものがグレーとして写真は出来上がってし
まい、18%のグレーとして映り込んでしまうのです。

だから、露出を補正してあげなければならないんですねー。黒いものを黒いものとし
て写真にするには、露出計の値よりもっと暗い値で撮る必要があるし、逆に白いもの
ならもっと明るい値で撮る必要が出来てくる訳です。写真

ただカメラの露出計が壊れているとのこと
本当はなれるとどうにか成るのですが、
ひとまず頑張ってください
後藤始久

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この指導をさせていただいたのは 
後藤 始久プロカメラマンです。わからなくなったら メールをどうぞ。
メールでお教えできる限りはお教えします。

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