管楽器奏者の歯のためのページ
筋機能療法 レッスン2
用意するもの
・手鏡(10cm以上の顔全体が映るものがよい)
・スプレーボトル(アイロンがけで使うような普通の霧吹き。ノズルを緩めて水の出方を直線状に調節できるもの)
・ボタン(直径2.5cm位の薄い物)と細い紐(タコ糸がベター)
・あればバネ秤
・ストロー1本(細めのごく普通のもの)
やってみましょう 鏡を見ながら行ってください
1.舌を振ってスポット 10回
2.バイトホップス 10回
3.「カッ!」スワロー 10回
4.スラープアンドスワロー 左右5回
5.リップエクササイズ 10回
6.ポスチャー 10分間
1.舌を振ってスポット
普段何もしていないときや飲み込みをするときに舌の先が触れる位置を「スポット」と呼びます。舌が無意識でもスポットに行くことが出来るようになるための練習です。
まず、口の外で舌を尖らせて左右に振ります。
合図に合わせて舌の先でスポットを触ります。
(できたら誰かに頼んで突然「スポット!」と合図を言ってもらうとよい。)
これを10回くりかえします。
舌を左右に速く動かします |
スポット!! |
2.バイトポップス
両手を咬筋(エラのあたり)に置き、奥歯で噛むと同時に舌全体を上顎に吸い付けます。
次に舌を上顎に吸い付けたまま口を大きく開けて舌の下のヒモを延ばします。
そして、舌を下におろし「ポン」と音を立てます。
これを10回くりかえします。
ギュっと咬んで.... |
吸い付けて、ポン!! |
3.「カッ!」スワロー
舌の後方部を上に持上げる感覚を覚えます。正常な嚥下中には舌後方部が持ち上がります。
口を大きく開けて舌の先を人さし指で押さえ、舌の先が下の前歯の後ろから動かないようにして、「カッ!」と声を出します。この時、舌の後方部が上に持ち上がるのを確認します。「カ」は母音Aより子音Kを強めに発音しましょう。
次に、舌の先を押さえたままスプレーでのどの奥めがけて水を吹き入れ、舌の後方部を持ち上げて飲み込みます。「カッ!」と声を出したときと舌の動きが同じくなるようにします。
これを10回くりかえします。
上手く出来ないときは、上半身を後ろに倒して行なう(または仰向けになる)とよいでしょう。
4.スラープアンドスワロー
嚥下(飲み込み)の練習。レッスン1のスラープアンドスワローをストロー無しで行ないます。
舌の先をスポットにつけて奥歯をかみあわせます。
スプレーで口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。
後に水を集めたら、奥歯を噛んだままゴクンと飲み込みます。
これを左右交互に5回ずつくりかえします。
<ボタンプル>
唇や顔面の筋肉を強化します。唇や顔面の筋肉が弱かったり、いつも緩んでいると、歯並びが悪くなったり、矯正治療後の咬み合わせが安定しなかったりします。
直径2.5cm位の薄いボタンにタコ糸やデンタルフロスのような細い紐を通して輪に結びます。ボタンを唇の裏(歯の前)に入れ、唇を閉じておさえます。ボタンが口から飛びだす寸前の程度の力で紐を前方にひっぱります。そして力をゆるめます。
これを10回繰り返します。
もし、バネばかりがあるようでしたら、紐に引っかけて何グラムまでボタンを維持できるか測ってみてください。2kg以上なら優秀です(ボタンの大きさによって多少違います)。
筋肉を鍛えるために、この練習を継続的に行うと効果があります。
直径2.5cmのボタンに30〜40cmの紐を通して結ぶ |
紐を前方に引っ張る |
<リッププル>
唇を引き伸ばします。口を開けている癖のあったり小さい頃指しゃぶりをしていて出っ歯気味の人には、上唇の短い人が多いようです。唇が短くて楽器演奏時息が漏れたり力が入ってしまう人には効果があるかもしれません。
まず下唇の上に人さし指をのせ、下の前歯から下唇を離すように軽く押し下げ口を開きます。次に上の前歯を覆うように、鼻の下をできる限り長く伸ばします。そして休み、また伸ばすことを10回繰り返します。
6.ポスチャー
普段舌を上顎に付けておく習慣をつけます。
10分間、舌の下にストローをはさんだままでいます。
レッスン1より時間が長くなります。
以上を1日2回(2時間以上間隔をあける)毎日2週間行います
うまくできて2週間がんばったら次に進みましょう
レッスン3へ(準備中)