管楽器奏者の歯のためのページ

「矯正器具とホルン」〜hornplayer.netより


hornplayer.net(アメリカのホルン情報のウェブサイト)より矯正治療に関する投稿を日本語訳しました。(私が訳したのであまり上手ではありません。意味が違っていたらスミマセン。)
http://www.hornplayer.net/
原文は上記ウェブサイトの- Information Archiveより入って参照してください。

投稿の内容について一切責任を持たないとhornplayer.netにも書いてあります。一つ一つは単なる投稿ですから、鵜呑みにしないでくださいね。と言っても訳がちがってるかもですが。それ以前に著作権とかいいのかな・・・よくわかりません。
Braces and horn playing(矯正器具とホルン演奏)

私は16歳で12年生(=高三)になるところです。私は現在まで約5年間ホルンを吹いていて、かなり良いプレーヤー(と本人は思ってる!)です。けど、私はこの約1カ月間矯正器具をつけてます。これは私にとって大災害なんですっ!!!!私のホルンの先生は矯正器具をつけても多分同じように吹けるだろうけど確かめようがないと言います。一年半か2年間矯正器具をつけている予定なので、矯正器具をずっとつけたまま大学受験を受けないといけないんです(私はこの州でいくつか大きい学校を受けるんです。それに今年はedmontonユースオーケストラに入ったばかり。上吹きのパートをもらえるかどうか(私は常に1番ホルンだったんです)疑わしいし、吹けなくってクビになるのが心配なんです。誰かにこれについて何か知ってる人いたらどんなアドバイスでもください、お願いです!!!!!それと、カナダまたは米国で受験するのにすごいいい音楽学校があったらそれも教えてください。


面白い話があるので聞いてください。成長期には私の歯並びはでこぼこで前歯の1本は45度もねじれてしかも前に出ていたんです。かかりつけの歯科医が矯正器具をつけてはどうかと言ったんだけど、治療費が高かったのでやめました。それから何年かして高校生の時親不知を抜きました。その時は違う歯科医で--前のかかりつけの歯科医は心臓発作で映画館で「ジョーズ」を見ていて亡くなったんで--、彼は「矯正器具つけていたでしょ、よく治っていて真っすぐになってますね」と言ったのです。それで私は今まで矯正器具をつけたことがないことを告げると、楽器を吹いているかどうか聞かれたので、「その通り、私はホルン奏者でここしばらくホルンを吹いてんです。」と答えたのでした。彼が言うには、金管楽器を普段吹いている彼の患者の多くは、矯正器具をつけたほうがいいような歯並びだったのに、何年か楽器を吹いていると自然にまっすぐな歯並びになるのだそうです。それで彼は楽器を吹いている子供にはめったに矯正器具をつけることを勧めないんだそうです。ということで、私はあなたが両親や歯科医の願いに逆らったほうがいいなどと言っているわけではないけど、面白い話です。


私は現在までに約4年間ホルンを吹いています。私はこれまで矯正器具をつける必要がなかったので、あまりお役にたてません。でも、私はヘルペス性口内炎になったことがあります。試しにホルンを吹いてみると口が痛かったですが、時間がたつと慣れてきました。あなたも、同じように努力したほうが良いでしょう。マウスピースはバックのがあいます。ミュートとケースについてはよくわかりません。わたしも同じ高校生、助けになれば嬉しいです。


あなたの差し迫った歯科治療に関するアドバイス:
あなたの歯科治療の必要性に関して第2第3者の意見を求めることは確かにいい考えです。しかし、あなたが矯正器具を必要とするならば、それはあなた自身がわかっていることでしょう。
私は審美的な理由のために何年も前に矯正器具をつけていました。治療費を安くするために、上だけ治しました。どっちみち下の歯は見えなかったし。この時は小学生で、ホルンを1年間吹いた後だったので、矯正器具をつけて一からホルンを学ばないといけなかった。それから何年かして上の学校の3年生の時、私は2度目の矯正治療を受けました。この時はホルンに関係した理由からです。下の前歯2本が重なっていて外側の歯(マウスピースのリムが当たる)の角度のせいでマウスピースが下にずれるため、上唇2/3、下唇1/3にすることがほとんど不可能だったのです。私のホルン歴の最初の10年の間の中で、まず矯正器具なしでホルンを学び、上に矯正器具をつけてまたホルンを学び直し、また矯正器具なし(リテーナーはつけてた)でホルンを学び直し、次は下に矯正器具をつけて学び直し、また矯正器具なし(でも新しいリテーナーつけて)学び直したんだけど、学び直したとき私の口ではまるで外国のことのような問題はなかった。冗談ではなく、非常に価値があった。私が最後の矯正器具を外したときに感じた変化は、信じられないくら素晴らしかった。すべて終わってから、私は望みの無いケースではなかったとわかったのだ。それでは、矯正器具をつけたまま吹くことを耐え抜くための方法を紹介します。歯科医からもらったワックスは外して捨ててしまいなさい。ワックスは良くはないし、結局は外れてしまってホルンを吹いていると楽器の中に入ってしまう。ワックスは、バルブのメカにはよくない。その代わり、雑貨店にいってタバコの紙を入手しなさい。吸ってはいけませんよ。小さな紙切れを半分に折ると、矯正器具と唇の間で滑ることができる薄く細長い紙切れになる。これは慎重に行う必要があり、素早く紙を舌で湿らせます。湿った紙によって、矯正器具の形になって唇(とアンブシャー)をひっかかることなく自由に動かすことができるのです。
高音域で音が出ないことに気がつくでしょうが、これは永遠でないのです。矯正器具によって、全て(唇を切ることなく)過度にプレスして吹くことはできない、しかしその代わりに、アンブシャーとエアーの強さにのみ頼って吹くトレーニングをするのです。慎重に練習しなさい、そして、圧力で苦痛を感じた瞬間やめなさい。ダメージを受ける危険よりは、徐々に強さを作り上げたほうがよいのです。アンサンブルの中の、矯正器具をつけて強さを作り上げている期間、最初は下吹きのパートを「リクエスト」した方があなたにとっていいでしょう。誰もなぜだか疑わないでしょう。
他の情報を必要ならば、直接私に電子メールを送ってください。私には現在、約6ヶ月前に矯正器具をつけた学生(ちょうど高校に入学して)がいるのですが、彼はとても快調です。


私は短い期間矯正器具をつけていたのだけれど、結局「元に戻してくれ!!」と言いました。前歯部分で唇は快適だったのだけど、タンギングはほとんど不可能でした。茨のパッチを通ってタンギングをしているように感じたし、ナイスでシャープなアタックは簡単にはできなかったのです。私は薄く細長い紙切れを前歯の矯正装置の上に被せていましたが、それはとても役立ちました。


あなたの状況に同情します。私の20年前の状況に少し似ています。私は大学の最終学年の直前に矯正器具をつけました。All-State band での私の席次は第二席から第六席まで落ちてしまいました。矯正器具をつけてホルンを吹くことは難しいけど不可能ではありません。私は矯正器具を外すまで下吹きを多く担当していました。それは現在私がウエストヴァージニア交響楽団で2番ホルンを吹き、加えて公立学校で教えるのに非常に役立っています。10年前には私の生徒が矯正器具をつけてイーストマン音楽学校に受かりました。彼女は高校の最終学年の時、自分の高校のバンドでボザの「森にて」を矯正器具をつけて演奏しました。私は彼女が非常に能力があったと言わないといけません。ところで、スーザンは専攻を化学工学に変えることを決めました。彼女は博士号を得て今度は法律の学位をめざしています。彼女の夫は最終的には社会に出て仕事を持つ必要があると言ってますがね。そう、勇気を出しなさい。最初は苦しいけどそれを扱えるようになるでしょう。


矯正器具をつける前に第2の意見(そして、多分第3も)を得なさい。私は、かつて一度、矯正器具をつけないといけないと言われたことがあった。けど私はつけなかった。私には噛合わせや歯並びの問題がなく、いろんな歯科医がここ何年も私に、子供の時に矯正器具をつけていたか尋ねた(私の歯がそれほどまっすぐであるので)。矯正器具であなたに起こりそうな混乱を説明してもらいなさい。他の選択肢があるかもしれません。


高校生の時にホルンと矯正器具にかかわった者として展望を言わせてください。まず最初に(明らかなことだが)矯正器具をつけてホルンを吹くのは難しい。私は、唇の傷をやわらげるために矯正治療用のワックスを使った。私の音楽の世界が終わったかのように感じた。自分の大好きな音楽のパッセージを聞くと、時々心臓が止まりそうになった。私は自分が本当に愛しているものをあきらめたくなかったので、1年半の間、自分を無理やりホルンを吹き続けるようにした。そして、我々が自分自身についてたくさんのことを考え判断する場である高校では、私はすでに発見した情熱をあきらめることがあまりにも多かったように思う。私は、結局大学の時2,3年間(トラウマにはならなかったが)ホルンを吹くのをやめた。しかし、大学卒業後すぐ再開して、今日までホルンを吹き続けている。
さて、(はっきりしていないが)トランペットを始めたことは、6年間つけていた矯正器具よりも私のアンブシャーにはるかにダメージを与えた。ホルンの正しいテクニックと両立しないトランペットの習慣を捨て去ることは、はるかに難しいのだ。振り返ると、矯正器具をつけてホルンを吹くことで、集中できたし持久力をつけることができた。私は、医学的な必要(私の場合は必要だった)がなければ、HornMLの友人に決して矯正器具を薦めないが、矯正器具はホルン奏者としての人生の一つのステップになるのです。矯正器具をはずした後により上手く吹けるようになっていること(例えば、より前向きに、低音域を上手く吹く)、そして今の演奏上の損失は一時的なものであることに焦点をあてるようにしなさい。


BrasswindではJet Toneという商品名の唇のプロテクターを扱っています。それには「矯正器具をつけている学生のための演奏時に痛みから容易に開放する」と書き添えてあります。これがどれくらい本当で、それくらい役に立つかは私にはわかりませんが・・・。私は矯正器具をつけたことがなくて幸運でした。とにかく、それをチェックしてみたいんじゃないでしょうか。US$7.95で売ってます。また、あまり遅くないならば、セカンドオピニオンを求めることを提案します。普通、歯列矯正医によって治療法・考え・薦めることが異なりますから。


私は5年生の終わりにホルンを始めました。学校の備品のホルンを受け取るちょうど数週間前に矯正器具をつけました。矯正器具をつける時期とホルンを始める時期がよかったので、私は口全体に矯正器具をつけてでしかホルンを吹いたことがなく、他の方法を知りません。私は非常に良い(セミビギナーの)奏者であると十分言えます。一方、私は矯正装置をつけていることで、前向きに考えてきたし、一生音楽をやっていたいと思うことは良いことだと確信してるのだけれど、2ヶ月のうちに矯正器具をはずすので、その急激な変化のためにどのくらい下手になるか心配してます。誰か私の他に私の靴を履いたことがありますか?もしそうでも誰が矯正器具をつけているときとつけていないときの違いを説明できるでしょうか?


私の高校の合奏部の友達で、高校の最終学年で矯正器具をはずした子がいるのですが、彼女はものすごく奏法が良くなって喜んでました。もちろん、慣れることや決意は必要でしょう。一度、レッスンで、私は自分のアンブシャーを変えるのが遅すぎたとベアーに言ったことがあるのですが、彼は、おどけて私が何歳か尋ね、笑ったのです。私はどんな歯科治療も怖いけど、今まで無傷で乗り越えてきました。


私が矯正器具をはずしたとき、演奏することにおいて、ものすごい失望と挫折を感じました。再び永遠に上手く吹けるとは思えなかったし、数人にどうやったら矯正器具をつけて長期間上手く吹けるかを私に話したし、プレスしないで吹くことを学びました。私は高音域の問題が奇跡的に直ると期待していたんだけどそうはいかなかったようです。調整時間がいることを予測しないとだけど、それほど心配しないように!


これは、矯正器具をつけてホルンを吹くことについて尋ねている人のフィードバックです。私は高校生の時、矯正器具をつけていて、直接的に対抗しようとする間違いをしました。もしあなたが治療を受けなければならないのであれば、低い圧力でホルンを吹くように努めなさい。私はそうしなかったのです。その結果、矯正器具をつけているときはまあまあの演奏だったのに、矯正器具を外したときは、ひどいアンブシャーをしていました。高い圧力で吹いていて、唇が長続きしなかったのです。大学のバンドレベルでは十分だったけど、それ以上は望めませんでした。


Building high range, Braces and the Embouchure(高音域の確立、矯正器具とアンブシャー)

1)歯列矯正の問題についての注釈。ホルン奏者として、もしあなたが矯正器具をつけつように勧められたならば、矯正器具がの唇にささるのを防ぐための防護として、前歯の矯正器具の上に固定するか引っかける非常に薄い取り外し可能なプラスチック・ストリップを作ることは実用的かどうか、歯科医に尋ねなさい。私は歯科医ではないし(顎や口蓋の問題を治療することに抵抗して)矯正器具をつけた経験もないが、これは私にとって理にかなったことなのです。それで口の中がいっぱいになります。そんな状態でホルンを吹きたいと思いますか??

2)矯正器具をつけているのであれば、ノープレッシャー法を勉強し使いなさい。ファーカスの本に役立つことがのっています。「フレンチホルン演奏技法 The Art of French Horn Playing」中級レベルの学生にとって高いソの音までノープレッシャーで吹けるようになることは合理的なことです。その後は奮闘が必要でしょうが、さらなる練習とトレーニングで高音がでるようになることは間違いありません。

3)ノープレッシャーで吹く大きな利点として、高血圧(ホルン奏者にとって問題になることがある)の傾向のある奏者のためにももちろんなります。高血圧の傾向があれば、歳をとっても安全にホルンを吹けるためには、ノープレッシャーで吹く技術と能力が非常に重要になると私は考えています。エッチしているときに脳卒中になった人のことを聞いたことがあるので、気をつけて!!
あなた自身に高血圧の問題があったり高血圧の家族歴があるのであれば、演奏中の血圧を実際に測定すると役に立つでしょう。手首に巻き付けるモニターが売っています。演奏前にまず血圧を測定し、それから高音を1分くらい吹いてから再チェックするのです。それから吹かないで2分くらいしたらもう一度再チェックします。測定値を記録します。それらの測定値がおかしかったり明らかに高かったら、医者を受診してアドバイスを受けましょう。

4)真剣にノープレシャーで吹こうとしているならば、アンブシャーの筋肉を強化するためにアイソメトリック(等尺性運動)法を使う必要があります。その方法はファーカスの提唱していることとは違うのです。下線のドの音を完全に安定を保ち良い音質で吹き、心の中できっかり10数えます。そして吹くのをやめます。そしてきっかり10数える間休みます。唇を動かしストレッチすることで、疲労による老廃物を血流で除去できます。次に、その上のファの音を同じように吹きます。そして4度ずつ上にあがっていきます。これによってアンブシャーの筋肉に十分に広範囲な動きをあたえトレーニングになるでしょう。音を下降させるにはあまり重要ではないかもしれません。低音では唇(と横隔膜)を緊張よりもむしろリラックスさせる必要があるからです。重要な点は、10秒間収縮を維持しその後続けて10秒間完全に弛緩させることで、疲労物質が除去されることです。これを何回かやることで道は開けるでしょう。

「アイソメトリック(等尺性)収縮の最小限の時間は、科学的にたった7秒間であることが認められている」

アイソメトリックは耐久力が真の目的ではないことを忘れないように。目的は筋肉を強化することで、この場合は歯や矯正器具の問題をかかえている人がホルンをノープレシャーで吹くことを容易にするアンブシャーにすることなのです。このアプローチは毎日の練習のなかでルーティンに行う必要があります。どれくらいというと、高いドの音を最小の圧力で当てることができるくらいに。

では、終わりは?ロングトーンの終わりは、音を一定に保って吹くことのできる最長時間よりも5秒(かそれくらい)短くする。そして繰り返す繰り返す・・・。音を保持できる時間の長さを正確に見つけるためにストップウォッチを使うとよい。そしてこれより5秒短いトレーニングをしなさい。毎月くらいに再評価をしてロングトーンの長さを調節しなさい。

アンブシャーが負ける以前に息が続かないのであれば、問題があります。循環呼吸?オーボエならいいでしょう。ホルンとピアノ(!)ではNoです。非常に素早くブレスを鼻からとり、それに必要な時間が終わるでアンブシャーの緊張を維持したままでいるようにすることを提案します。息を吸っている間はアンブシャーを弛緩させてはいけません。これはブレスではなく筋肉のトレーニングなのです。あなたの限界を超えてさらに5秒間ロングトーンをしようとすると、アンブシャーの筋肉が壊れてしまいますから、それはやめましょう。もちろん「脅迫」に遭遇して筋肉は最終的には強化されるでしょう。しかし、これは調和のとれた生理的なアプローチではありません。壊すのではなくビルドアップ(増強)しなさい。ウエイトトレーニングについて考えれば、持っている筋肉の能力のうち最大約2/3で行うでしょう。

歯と矯正器具に戻ります。もし、歯列が乱れていてそれがホルンの演奏に問題を生じさせているのであれば、ホルンがあなたにとって正しい楽器の選択であるか自分自身に問いてみてください。
・リコーダー:唇の圧力だけで、本質的には歯には関係ない。入れ歯や歯の無い状態でもリコーダーは吹けます。
・サックス/クラリネット:垂直的だがしっかりと圧力が歯に前方に対してかかる(ホルンでは歯・唇・矯正器具に後方に圧力がかかるが)。
・フルート:実質的には歯への圧力はなく、唇にほんの少しかかる。
・ピアノ:リストやシューマンを演奏しようとすると歯にダメージや破壊がおこる。
・歌:やめときなさい!我々は楽器奏者です。

矯正器具をつける必要があると勧められたら、その歯科医が臨床的な治療法のトレーニングを受けていて、頭蓋と顔面の問題についても認識し対処できるどうかをチェックしなさい。多くの歯科医はそうでしょう。歯は時々(常にではなく)頭蓋骨からはずれて 上顎(口蓋)や下顎骨(アゴ)の関節に影響を及ぼす。矯正器具がはずれてから調整不良で直した歯が後戻りするようなら、頭蓋骨の傾向が関係していることは確かでしょう。「足の傷で歯が動くなんてことも起こる。しかしこれは別の整形外科的な話。」

適切に治療されれば、このような歯の問題を頭蓋骨に対する治療法で改善し直すことができるでしょう。デンタルセミナーでこのスペシャルトピックはしばしば話題になります。あなたの歯科医がそれに出席したか尋ねてみましょう。


(01.11.16)