ナチュラルヒーリング研究会 会報『光臨』　第３号

１９９４年６月１日　発行

天河からのメッセージ　〜１９９４年　４月１６日・１７日〜 「天河に来る人は皆役割を持っている（柿坂宮司）」と言います。 　その強力な霊的磁場に引き寄せられるように、ある種の人々を魅了してやまない天河。昨年５月の“左渦体験”（創刊号参照）以来、刑部が天河に足を運んだのは実に５回目。その度に起こる様々な神秘体験が話題を呼び、今回は４月１６日、１７日の両日、東京・岐阜・茅ヶ崎から３２名が「天河ツアー」に参加しました。 　日本最大のパワースポットといわれている天河。そこに特別な氣が流れているということは、多くの会員の方が指摘するところです。今回東京から行った四人組の女性のひとりは、バスがトンネルを貫けて天川村に入ったとたん感応してしまい、感激のあまり、泣き出してしまったほど。ある女性会員は「身体が軽く、透明になっていくような感じ。手を入れるとスッと通りぬけてしまうよう」と、天河の氣の感触を説明します。 　この“氣”をふんだんに身体に取り入れることにより、自分より、一段高い精神レベルと交信する感度が増幅されるのかも知れません。これに刑部のパワーを少しわけてもらえば、一気に「霊的覚醒」ができるかも知れない。皆さんそんな期待があったようです。 　ところで天河といえば、訪ねる人を超常現象が歓迎してくれることで有名です。期待にたがわず（？）いろんなことが起きました。そのほんの一部を紹介しましょう。 　２日目の参拝前、先ず、神社の上から光の筋が一本天に向かって伸びているのが目撃されました。しかも、刑部がそこに目を向けた瞬間、光の筋は神社を中心にぐるりと倒れるように動いたというのです。 　参拝を終えて社務所に戻ると、今度は外から「ウォーン」というモニター音のような音が聞こえてきます。 「きっとＵＦＯだ！」と表に出ると、星がひとつヨタヨタと動いていました。 　その「星」はすぐ消えてしまいましたが、皆で“お願い”すると今度は上空に光が発生し、山の向こうまで動いていくのです。光を追いかけて、皆で高倉山まで行きましたが、もう何も出て来ず、夜の静寂の中に「ウォーン」という音だけが、いつまでも鳴り続けていたということです。 　この他にも色々と「フシギ体験」はあったようですが、その意味するものは何なのでしょう？　「天河に行きたくても行けない人もいる」とも言われています。とすれば、そこで起こること全ては単なる偶然でなく、何らかのメッセージが含まれていると考えるべきなのではないでしょうか？ 　さて、天河では毎回重要な示唆を含むメッセージが、刑部に「ビジョン」として示されるのですが、今回は前回あらわれた「金剛峰寺」（高野山の中心的なお寺）が再登場。「金剛峰寺に早くいらっしゃい」というものでした。帰京後、刑部は早速高野山に向かったということですが、そのお話は、またそれぞれの教室で聞く機会もあるかとも思います。 　多くの人を覚醒させている天河には、現代における最も重要な霊的磁場が存在すると考えられます。フシギ体験のあるなしにかかわらず、そこに身を置いたことで誰もが、その強力なエネルギーと感応しているはずなのです。ましてや、エネルギー感度の高いナチュラルヒーリング研究会の会員ならなおさらです。 　今回の天河ツアーが、参加者の皆さんのこれからの氣功ライフにどんな影響をあたえていくのか楽しみです。

天河【てんかわ】正式名称は「大峯本宮天河大辧財天女社」。 高野・吉野・熊野というヤマト三大霊場を結んだ三角形の中心に位置するスーパー・サイキック・スポット。周囲を取り囲む１０００米級の山々は、自然のマンダラを形成している。この地で多くの人々が霊的覚醒を体験したことから、様々な瞑想家や霊能者などが訪れ、日本の精神世界のメッカ的存在となっている。

心をこめた「祈り」が人と地球を癒す 　１９９４年３月も終わりに近づいた頃、ナチュラルヒーリング研究会にうれしい知らせが届きました。生まれながらに大きな障害をもって生まれてきたＭちゃん（現在生後６カ月）が、大学病院を退院したというのです。 　腸が七つに切れ、水頭症や敗血症などさまざまな障害を抱え幼い命が風前の灯し火となっていたところへ、刑部にヒーリングの依頼がきたのです。昨年末から病院に通ってヒーリングを行うこと数度。その間、会員の中にもいっしょに彼の全快を祈った方がたくさんいました。そして今回の退院です。私たちもうれしくてしょうがありません。 　この心温まる奇跡に多くの人が感動の涙を流しました。しかし、それだけで済ませてしまってよいのでしょうか。この出来事は私たちに大切なことを教えてくれているような氣がするのです。 　それは「祈り」の力です。 「祈り」とはなんでしょうか。たとえば家族の幸せを願うとき、好きなサッカーチームに勝ってほしいとき、あるいは商店街の福引で海外旅行を当てたいと思うときなどに人は自然と「祈り」を実行しています。つまり想いを実現させようと強く念じる行為が「祈り」なのです。 　ちょっと難しい言い方をするなら、「祈り」とは、想念のエネルギーを集中して、現実界にイメージどおりの現象を起こそうとする行為、と言うことができるでしょう。 　ナチュラルヒーリング研究会は、主に氣のエネルギーを扱っています。ではその氣はどうやってコントロールするかというと、想念の力を用いるのです。これは会員の皆さんならよくご存じのことでしょう。 　ですから、ヒーリングという行為を考えるときにもこのことを抜きにはできません。まず刑部の、相手を治したいという必死の想いがあり、その想いそのものが相手の病気を治しているのです。氣はその想いにともなって発生してくるものです。 　想念の力ということを、もう少しくわしく説明しましょう。私たちは自分の自覚している想念や思考が、自分の心のすべてだと想っていますが、そうではありません。自覚できているのは、表面意識とか顕在意識などと呼ばれてる部分だけなのです。これは情報をもとに論理を組み立てる、いわゆる理性の働きです。 その奥に、潜在意識と呼ばれる心の世界があります。これは無意識の営みを支配している部分です。先祖からの遺伝だとか、クセとか好みとか、教えられてもいないのになんとなく知っているようなことなどは、潜在意識の領域の現象なのです。氣が合うとか合わないとか、第六感、ヒラメキ、虫の知らせなどもすべてそうです。自分の本音や本質は、だいたい潜在意識の中に存在していると考えてよいでしょう。 　さて、「いくら折っても願いが実現しない」という人がいますが、それは表面意識の部分で「ああしたい、こうしたい」と想っているだけなのです。たとえば、「スマートになりたいから甘いものは食べない」と表面意識いくら想っても、潜在意識が「おいしいものを食べる楽しみだけは奪われたくない」と想っていたとすれば、目の前にケーキが出てきたときに抑えようとしても自然に手が出てしまいます。 　逆に言えば、潜在意識で「おいしいものを食べるよりもスマートになりたい」 と強く想っていれば、ダイエットだエステだと表面意識であれこれ考えなくても、自然に体をスマートに保つライフスタイルを選択してしまうのです。 　話を「祈り」ということに戻します。「祈り」は表面意識からスタートしますが、それをとことんまで強くイメージしていって、潜在意識もその想いに同調し、ゆるぎなき確信に変わったときに、そのイメージが現実界に実現するのです。 　そうは言っても、なぜ潜在意識で思ったことが実現するのか、物理的にはありえないことではないか、と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。確かに明確な証拠はありませんが、古来よりいろんな人が体験したり感じたりした情況証拠をもとに、ひとつの仮説が立てられていますので、それをご紹介しましょう。
念派の世界を変えれば現実界の現象も変わる 　私たちは肉体がまず先にあって、その肉体の中に発生するものが想念だと考えています。しかし、本当は逆ではないかという仮説が成り立つのです。 　すべての物事は私たちが知覚しているこの世界とは別の次元に、まず念波という状態で存在していると仮定します。それが私たちの肉体の存在する物質次元に影響を与えて、あらゆる物理的現象を起こしているのだと、考えることができるのです。 　念波の次元のことを、波動の世界と呼ぶ人もいます。言葉で表現する限界はありますが、形でなくバイブレーションとして存在する世界と考えてください。ひとつの例として、テレビをイメージするとわかりやすくなります。 　テレビの画面に人が映り、音も聞こえてきますが、だからと言ってそこに実際の人がいるわけではありません。その人の姿や音は、情報として電波の状態で送られてくるのです。形もなく目にも見えませんが、電波は実際に情報を伝えています。その情報が受信器を通じて色の粒子として再構成され、映像として形を現すのです。この宇宙も、そうなっているのではないかと考えられるのです。 　すべての物質の本質は念波というか波動の状態で、それ特有の次元に存在しています。その情報を受けて物質界で分子や原子がひとつの形に構築され、人間なり植物なり岩石なりを作り上げているというわけです。モノだけでなく出来事にしても、念波の次元で生じていることが物質界で物理的に再現されていると考えられます。 　ここでよくある誤解について説明しますと、想念がひとつのエネルギービームになって対象に物理的に働きかけるのだとする説があります。テレパシーとか念力とかいう従来のいわゆる超能力の考え方はそうでした。それで学者が、想念波の検出実験をやってみると、何も特別なエネルギーは発生していない。だから超能力は存在しないという結論になってしまいます。 　これ考え方に無理があります。想念そのものがエネルギービームになって、対象に働きかけるわけではないのです。物質と念波は別の次元に存在するので、物質界の現象は物質同士、念波の世界の現象は念波同士でなくては、影響を与えることができません。 　もう一度テレビを考えてみてください。放映中の番組の中のスタジオのセットを変えてほしいと思ったら、いくら私たちがテレビそのものをいじくってもどうしようもありません。この場合、電波を発信しているＮＨＫならＮＨＫに電話を入れたり投書をしたりして、ディレクターが納得してくれれば別のセットに変えてくれるでしょう。つまり電波を発信する側の状態を変化させるわけです。そうすればテレビ画面に映し出される映像も変わるのです。 　これを宇宙の構造に当てはめてみましょう。早い話が、念波の世界で起こっていることが物質界の現象として現れているのです。ですから、物質界の現象を変えようと思ったら、念波の世界の状態を変えればよいということになります。 　ではどうするか。念波の世界のことですから、自分の念波で働きかければよいのです。つまり、自分の念波の世界において強い確信力で病気を治してしまえば、現実界の病気もそれにともなって治ってしまうというわけです。その他の現象も同じことです。 　これが「祈り」のメカニズムなのです。
１９９４年７月、木星に彗星が衝突　事なきよう皆で祈ろう 　このとき潜在意識のことが大切になってきます。つまり、念波の世界と交流ができるのは潜在意識のレベルなのです。前にも書いたとおり、表面意識で「ああしたい、こうしたい」と考えても、念波の世界には届きません。潜在意識を動かして初めて念波の世界に影響を与えることができるのです。 ですから、強い想念の力が必要です。イメージ力と確信力が強くないと、表面意識の壁を突破できないのです。氣功を行う目的のひとつはこの能力を強化することにあるといってもいいでしょう。 　念波にはもう一つの特徴があります。物質界には距離と質量と時間があって、その束縛から逃れることはできませんが、念波の世界はそうではありません。私たちの心を考えればわかるように、遠くのものでも大きなものでも過去のものでも、すぐにイメージし、好きなように手を加えることができます。念波の世界の交流はそういうふうに行うことができるのです。その結果、たとえ物質界において、距離的に遠く離れたところにあるものにでも、影響が現れるのです。 　どうでしょう。難しい考え方ではありますが、理解していただけたでしょうか。 　理屈はともかく、私たちは「祈り」の力を実感することができます。たとえば、刑部のワークショップで行うグループヒーリングでは、自分の幸せを祈ってくれる人の想念が、それぞれ個性的にまさに実感として心に染みわたってくるはずです。私たちはその実感を大切にしていけばよいのだと思います。 　「祈り」のメカニズムを理解した上で、私たちはいったい何をすべきでしょうか。人の病を想念で癒せるとしたら、こんな素晴らしいことはありません。 　先日、ガラパゴス島で大規模な火災が何日も続きました。刑部をはじめ会員の皆さんが鎮火を祈ったら、その直後に火が消えたと報道がありました。Ｍちゃんのこともそうですが、私たちの「祈り」と実際の現象の間に本当に因果関係があったのかどうかはわかりません。おそらく永遠の謎でしょう。 　しかし、「祈った→良い現象が起こった」という事実が積み重なっていけば、それでよいのではないでしょうか。「祈り」の結果であろうがなかろうが、物事が良くなることだけをただ願い続け、良い現象が現れれば素直に喜びをかみしめる。それで良いのではないかと思います。 　今、木星に彗星が衝突すると騒がれています。時期は１９９４年7月だそうです。太陽系に、そして地球にどんな影響があるのか、いろんな憶測が飛び交っています。人間の物理的な力ではどうすることもできません。 　だから祈ってみましょう。大難が小難に、小難が無難になるように。とりあえず、祈ることから始めてみませんか。 （念波という言葉は今回の説明のために使ってみました）
誌上セミナー　刑部の“氣功のツボ” 大周天 　ナチュラルヒーリング研究会の氣功の中心的なメソッドが大周天です。春から初夏にかけては、一年のうちで最も大地のエネルギーが高まる季節ですが、この季節こそ大周天を行うには最適なのです。 「大周天」とは、もともと中国氣功にある功法で、足の裏から吸い上げた大地の氣を体の中で一周させ、その氣をまた大地に戻すというやり方をとります。しかし、この方法は強いエネルギーを途中で抜くことなく一息で体内を巡らせるため、とても苦しいものとなります。 　そこで、刑部は独自の工夫を加えて、オリジナルの大周天を完成させました。それがナチュラルヒーリング研究会で指導しているものです。（やり方は『光臨』第２号参照）刑部流のメリットは、�@二息になるので苦しくない　�A大地の氣とともに天の氣を活用できる、という点にあります。 　天と地の二つの巨大なエネルギーを体の中を通す大周天は、ただ体内の氣を練るだけの功法と違って、肉体レベルを超えるほどのエネルギーを取り入れることができます。ある会員さんなど、熱心に大周天をやっていたら、靴の底が焦げてしまったくらいです。刑部は、「細胞を変えることさえできる」とおっしゃっています。その人の持っている心身の潜在能力が発動するようになるのです。各教室で大周天を行っているうちにヒーリング能力が開花し、ヒーラーになってしまったという人も大勢います。しかしそれだけにマスターするのはなかなか容易ではありません。それもそのはず、中国では氣功の一つの到達点といわれているほどのものなのです。足の下のマグマを吸い上げ、頭の上からエネルギーが入ってくる。最大のポイントはこうしたイメージを明確に描くことです。大周天はイメージ力と集中力がついてくるとともに上達します。 　皆さんも是非「大周天」を自分のものにして潜在能力を開発してください。
※記事は掲載当時のものに一部校正を加えています。教室の構成など現在と異なります。
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